硬式野球

【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 対東大展望

東京六大学野球春季リーグ戦
2016年5月21日(土) ~
神宮球場

 

春季リーグ戦もついに最終カードを迎える。昨年2勝を献上した東大は"因縁の相手"。昨春の敗戦で残されていた優勝の可能性が消え、秋は開幕戦で敗れスタートダッシュに失敗した。今季2勝を挙げ、成長著しい赤門軍団に対する法大は来季に向け、連勝はもちろん内容にもこだわったうえでリーグ戦を終えたい。
hamada
東大・浜田一志監督

展望

春季リーグ戦もいよいよ大詰め。最終カードの相手は赤門軍団・東大だ。昨年は2敗を喫した相手なだけに油断できない試合となる。対する法大としては、何としてもこのカードを2連勝で乗り切り、有終の美を飾りたい。

東大の特記戦力といえば、やはりエースの宮台康平。開幕試合の早大戦では東大投手として70年ぶりに1試合の三振記録を塗り替える13奪三振の快投を見せ、先の立大戦でも東大投手として11年ぶりとなる完封勝利を挙げるなど、大車輪の活躍で昨今注目を集めている。法大といえど、宮台攻略には策を弄することになるはずだ。打者陣は3割打者の桐生祥汰、田口耕蔵を擁し、攻撃力の面でも例年の東大とは一味違うのが見て取れる。チーム全体としては、主将の山本克志が目指す「つなぐ野球」で勝ち点を狙いに来るだろう。

一方の法大は六大学随一の打撃力で東大相手に立ち向かう。チーム打率2割7分9厘、総安打数101本は、いずれもリーグトップの成績。個人成績にも打率10傑に4名もの選手が名を連ね、破壊力満点だ。また、個人成績においては、森川大樹(営4)や大西千洋(営2)、小林満平(営2)は首位打者、最多安打のタイトルを十分に狙える圏内。そして、戦線離脱中の4番の柴田圭輝(文4)の復帰が叶えば、鬼に金棒なのは間違いない。投手陣は、ここまで熱投の際立つ玉熊将一(法4)とけがからの復帰以来、いまだ負けなしの菅野秀哉(キャ2)の二枚看板。救援にも熊谷拓也(キャ3)、上條将希(キャ2)らが控え、盤石の布陣で試合に臨む。さらに、状況に応じては新戦力の活躍にも期待したいところだ。

今季の法大は、あと一歩のところで優勝を逃した。その悔しさを身に染みて感じているのは選手たち自身だろう。来季の優勝へ向けて気持ちを切り替えていく上でも、まずは東大戦で昨年の借りを返し、勝利はもちろん、内容にも収穫のあるシーズンで終わりたい。 (原口大輝)

東大寮取材

浜田一志 監督

—昨年はどのようなシーズンでしたか
まずは連敗を止めたことが大きいですね。そして、1勝だけだったら「たまたま」勝てた。でも法政さんに2つ目勝ったときに「やってきたことが報われたな。自分たちのやってきたことは間違っていなかったんだな」ということを選手が実感したシーズンでした。

—心理的な作戦を使うとのことですが、そういった作戦はいつ練っているのですか
雰囲気です。あとは、東大が勝ちそうになると球場が味方してくれるので。あれは嫌でしょう?法政の選手がアウトになると一般の人からも拍手が上がったりする。そういう、うちの有利さをどう利用していくかです。終盤まで接戦にしないとああいう拍手は起こりませんから、粘っていけということです。

—あのような経験は
僕が現役のときは何度もありました。早稲田に4連勝したときもありましたからね。そうすると球場が盛り上がるということはわかっていますから。接戦になると、全体が「東大が勝つんじゃないか」という雰囲気になってきますので。

—宮台投手の成長は
長持ちするようになりました。12時に帰らなくてもいいようになった(笑)。体重は2キロくらい増えたのかな。今のレギュラー陣はみんな(11月に設定した)目標体重にいっています。第3戦でウチの選手はバテていたので、優先順位の1番に食事というものを掲げました。丈夫になりましたね。

—食事の量は各自に合わせたものなのですか
そうですね。でも基本的には食事は一日1升(に相当する量を)食べるようにしています。

—この冬の練習内容は
基本的には走りこみです。野手のランニングは去年の倍にしました。投手が一日20キロ、野手が一日10キロのペースで走り込みました。それも普通の走り込みではなくて、後半になればなるほど設定タイムを厳しくしていく、追い込み型の走り込みです。たぶん陸上部の人ならわかると思うんですけど、相当しんどいです。(一周約333mの)グラウンドをぐるぐる回るんですが、一周1分50秒からはじめて、最後は1分ですから。これ、キツイですよ。11月から2月は食事、ランニング、筋力トレーニング、守備、打撃という優先順位でやっていました。全体練習の中で食事をするし、ランニングをする、そういう意識づけです。

—山本克主将の印象は
今はサードを守っていっぱいいっぱいですが、自分のプレーで引っ張っていくようになると思います。

—山本克主将は、ミーティングでどのような声かけをされていますか
「なんとなく1つ勝てるというのではダメだ」と。1つ上を目指した練習をしなくてはいけいのに、練習に厳しさがないぞ」ということですね。練習でポロっとやっても、練習だからいいやと思うか、絶対にダメだと思うか。その小さな積み重ねが、大きな結果に変わっていくのでね。

—今季のチームカラーは
ライトブルーですよ(笑)。本当に、ライトブルー。まだ青二才ですが、相手を凍りつかせるような青になりたいですね。

—相手チームまで真っ青になるような
そういうことにしましょうか(笑)。

—法大の印象は
今、下級生を中心に編成をされていて。黄金時代がすぐそこにあるんじゃないかと思わせるようなチームです。大西(千洋=営2)君は足速いし、森田(駿哉=営2)くんは球速いし。怖いですよ。

—対法大の戦略は
三者凡退では進まず、ランナーがどんどん出ると思います。ホームに返さなければいいというような、守り勝つ野球をしていきたいです。(残塁は)結構ストレスがたまるので。そういう展開の中でウチがポコっとチャンスをものにすれば勝機はあるなと。ただ、そのままタイムリーヒットをズルズル許すと、敵わないなと思います。

—東京大学の野球は
守り勝つ、粘り勝つという野球です。

—今年の目標は
勝ち点です。勝ったことでチームには「普通にやっていれば1つぐらい勝てるだろう」というゆるみがあるので、監督としてはそこを引き締めていこうと。勝ち点をとって最下位を脱出したいです。

 (取材:伊藤華子)

山本克志 主将

—昨年の2勝という結果について
春に関しては1勝できて良かったなと。新しい感覚というか、勝利を実感できて、ようやく次のステップが見えたというか、自分が入学してからずっと負けていたので1回勝ったことで秋は勝ち点を目指すことができました。それでも1勝しかできなかったという感覚です。

—秋は勝ち点3を目指していたと伺いました
飯田前主将が勝ち点3ということをずっと言っていたので、チームとしてもその方針でいましたが、勝ち点が取れなかった。惜しい試合があったのに勝ちきれなかったのはやっぱり力がなかったのかなと。なので、今年は昨年以上に厳しくやっています。

—山本選手が主将になられた経緯は
基本的に東大は最高学年が集まって主将を決めるんですけど、そこで立候補して、投票して、選ばれて僕がやることになりました。自分が一番神宮で苦い経験をしてきたというか、厳しさも分かっているつもりですし、勝ちたいという気持ちが強かったのでやりたいと思いました。

—山本選手がチームに対して意識していることは
自分が一番ちゃんとやるということですね。人に要求することを自分が一番ちゃんとやって、その上で上級生に同じレベルのものを要求していくということです。

—東大の背番号10を背負うことに重みは感じますか
飯田さんは野球のレベルが高い方で、自分にはそこまでレベルがありませんが、自分なりの主将ができればなと。もちろん勝ちに対するプレッシャーはありますが、自分は自分なりに全力をつくしていこうかなという感じですね。

—浜田監督が「今年の鍵は4番だ」とおっしゃっていましたが
主力が1個下の代であることは間違いないんですけど、大体最上級生が強いチームは強いと思っているので、自分と喜入と田中の主将・副将の3人が頑張らないと。なので、4年生がキーマンだと思います。

—山本選手は昨年、チームとしてのシーズン4本塁打にも貢献された実績がありますが、打撃でチームを引っ張るということでしょうか
いや、今年は山田、楠田が主軸なので僕らはつなぎというか粘り強く仕事をしたいなと思います。やっぱり4年生が一番気持ちを見せられると思うので、一番粘り強くボールに食らいついていく姿勢を見せていくことが良い結果につながると思います。

—昨年はポジション変更もありましたが今年はいかがですか
今年はまた三塁手をやります。守備は自分が一番頑張っています。

—昨年法大から2勝を挙げましたが、今年の法大はどのように見えますか
法大は強いです。選手の能力は非常に高く、粘り強い。でも逆に隙があるところも多いので、そういうところを突いていきたいです。

—昨年、東大にはスタミナが足りないという意見もありましたが
そうですね。去年は3戦目になると明らかにパフォーマンスが落ちていたので、走り込みやトレーニング、食事など体力づくりに励みました。オープン戦でも3連戦を組むなど工夫をしています。

—今年はどのようなシーズンにしたいですか
去年は春秋けがで思うように野球ができなくて、今年はそういう面でもベストな状態で臨めるようにと考えています。

(取材:原口大輝)

山本俊 投手 

—昨年を振り返って
勝てたことは大きかったですが、自分たちが最上級生になってみてチームを一つにまとめる難しさを感じています。

—個人的にはいかがですか

春は勝ち試合の先発投手になれたので、秋は勝ち投手なってチームに貢献するという思いでやっていたのですが、散々な結果に終わったので悔しい気持ちでいっぱいです。

—春、秋と法大に勝利しましたが
宮台の試合は、宮台がよくやってくれたなという感じなのですが、なんとか勝てて、実力は上とは思ってないです。それでも勝てたということは大きいと感じます。

—勝てた要因は
秋は宮台の頑張りですね。春は応援のおかげですかね。

—勝利によってチームにもたらされたもの
勝ちという事実によって、一つ一つ課題を克服すれば勝てるということが分かったことと、練習で細かな指示ができるようになったことです。

—宮台選手について
意識はします。同じチームの選手として力はぬきんでていますし、勝てる投手だと思います。また、投げているときの心境などの色々な話を聞いて吸収しています。

—主将について
これまでは後ろ姿で引っぱるタイプだったのですが、しっかり自分からチームをまとめるようになって心強いですね。

—期待の選手は
田口ですかね。捉えたときの打球が六大学の強打者に引けを取らないので。

—法大の印象は
個の力が凄いので、ボコボコにされるときはされますし、羨ましいくらいに一人一人の能力が高いという印象です。勝てたのは驚きです。今年のチームはあまり分かりませんが、僕が苦手としている柴田選手は抑えたいです。

—六大学での目標の選手は
球の速い、キレのある投手は目標にしているので、慶大の加藤拓投手とか明大の星投手ですね。法大の森田もいい球投げると思います。

—オフは
自分の調子が悪いときにどうするかを考えてトレーニングしてきました。

—今季の目標は

勝ち点を取って、最下位脱出ですね。個人的には、任されたことをやろうと思っているのですが、勝ち投手になることです。

(取材:石川大悟)

 喜入友浩

—昨年を振り返って
結果的に2勝できたんですけど、もっと勝てたのにと思います。たまたま2回勝ったという感じでした。今年は勝つか負けるかは相手がいる話なのでわからないですけどもう少し見てて、勝てるなと思える試合にしたいと思います。

—昨年は法大から2勝を挙げていますが法大の印象は
去年は4年生が引っ張ってるイメージがあって、畔上(翔)さんを中心に若林(晃弘)さんや蔵桝(孝宏)さんであったり打線も含めて4年生が中心だったと思うんですけど、バッテリーが若かったので。同期の玉熊(将一)や森田(駿哉)は次2年生ですけど去年よりかは若い力が大事になってくるのかなという感じはします。

—法大で意識する選手は
意識というよりかは去年、秋(法大に)勝ったときの次の試合で柴田(圭輝)くんにホームランを打たれて落としたゲームがあったので、今年はそういった意味で彼を抑えないといけないなというのは思っています。

—今季の意気込み  
チームとして、最下位脱出を目指して頑張るというのはもちろんなんですけど、そのためにキャッチャーとして守備面では1試合3点以下で絶対に抑えたいなと思っています。

(取材:川畑あかり)

 楠田創

—昨年を振り返って
入部してからずっと勝てていなかったので、1つ勝てたというのはすごく大きかったです。チームの目標はそれよりも高かったですけど、プラスの方が大きかったです。今後のためにプラスになるシーズンでしたね。

—どういった面で「プラス」を感じていますか
一回勝つことで、今まではみんな「勝つぞ勝つぞ」と口で言っているだけで、あまり実感がなかったです。でも「勝った時はどうなって…」など、勝ちが現実的になりました。0だったものが、一回勝ったことで、勝ち点などの次の目標につながりました。

—この一冬で、チームとして成長した部分は
下級生で成長した人が多いことですかね。

—「食事」の優先順位が高いとのことですが
体づくりは全員の共通認識です。元々、(食事が)大事だということはわかっていたんですけど、監督の行動力で実行に移りました。体重も、すごく細かく目標設定をして管理されていたので良かったです。

—体重増加の効果は
バッティングが強くなりました。力いっぱい打たなくても、しっかりミートすればいい打球が飛んでいく、といった感覚です。

—余裕が生まれたということですか
そうですね。まだまだですけど。

—法大の印象は
怖いです。新人戦でボロボロにされましたし、リーグ戦で試合に出ていたのは上級生ばかりだったと思いますが、すごい下級生がたくさんいるのは知っているので。怖いなとは思います。

—戦略としては
ピッチャーが頑張っているときに守備を堅くして。しっかりヒットを打って、点を取っていくしかないです。今年は宮台などのピッチャーを中心として、失点が少なくなると思います。自分には打つことが求められてくると思うので、そこで打点を挙げて、勝つ、と。
 
—ご自身の目標、チームの目標は
自分の目標は打って貢献すること。チームとしての目標は、勝ち点を取って最下位脱出です。

(取材:伊藤華子)

 宮台康平

—今年はエースとしての活躍が期待されますが
その通りで、秋は1戦目で投げさせてもらって、今年は勝利、勝敗を背負わなければいけない立場なので春はもっとチームの勝利に貢献していきたいです。具体的には長いイニングを投げること。それができるような準備をしてきました。

—オフを通してのスタミナ強化は上手くいきましたか
けがをしてしまって走れない時期もあったので、万全ではないですけど、今はしっかり投げられてはいます。調整してどこまでできるか分かりませんが、第一は抑えること。抑えた上で長いイニング投げること。やっぱりそれが第一ですね。

—去年法大から2勝を挙げた要因はなんだと思いますか
こうしたから勝ったというのは、2勝しかしていないので具体的には分かりませんが、やっぱり勝ったことが自信になって、こうすれば勝てる、これくらいなら相手を打ち取れる、こういう風にヒットを打って点を取るという感覚を持つことが大事です。勝てないのと1つ勝ったのでは心境が違うので、そういう意味では相手と互角に戦えるようになったかなと。勝って良かったなと思います。

—東大ではケースバッティングのような実戦を想定した練習をよくされるのですか
最近はそうですね。リーグ戦前になると実戦的な練習をするようにしています。

—宮台選手がピッチングで心掛けていることは
こっちは東京大学、向こうは高校野球のスターがそろっているような人たちなので、実力で勝つことは無理ですが、困ったときに気持ちの面では負けないこと。開き直って自分の真っすぐを、打てるもんなら打ってみろという気持ちでいけば結果的に良かったな思ったことがあったので、そこは気をつけています。

—今年も昨年同様守備からの流れというのを意識しているのでしょうか
そうですね。僕の役目は相手のスコアボードに0を並べること。それで勝利に近づけばという感じですね。

—鹿取コーチからはどのようなご指導を受けたのですか
具体的には右手の使い方ですね。ちょっと間を空けるというか、前目に持つというような意識で腕を速く振るという指導をいただきました。それが本当に良かったので、自分のフォームに取り入れています。

—オープン戦での手ごたえは
まだ投げてないので何とも言えないですが、ブルペンでは良い球が投げられているので、これが続けばと思います。

—宮台選手からみた法大の戦力分析を教えてください
変わってない。投手であれば、熊谷君や森田君など去年からも出場しているメンバー。でも、そこを崩すのがポイントかなと思います。

—今季対戦したい相手などは
僕はピッチャーを見ちゃうんですが、やっぱり柳さん(明大)がすごいなと思っているので、色々参考にしています。僕の課題であるスタミナに関しても、柳さんはとてつもないイニング投げているので、上手に抑えるというのは見習うべきところかなと思います。

—名門・東大のエースとしての心意気をお聞かせください
勝つことが使命なので、応援して頂いている方には結果で恩返ししたいです。チームとしては勝ち点奪取、個人的には完投勝利を目標に頑張ります。

(取材:原口大輝)

東大予想オーダー

打順  位置 選手(学年=出身校)   率
  1   4  桐生 (4=西) .333   0 
  2   5 山本克 (4=聖光学院) .206  0 
  3   6 山田 (3=桐朋) .250  1 
  4   7 楠田 (3=桐朋) .250  1 
  5   3 田口 (3=西大和学園) .310  0 
  6   2 喜入 (4=修猷館) .281  0 
  7   8 宇佐美 (2=桐朋) .100  0 
  8   1 宮台 (3=湘南) .385  0 
  9   9 山本修 (2=岡崎) .167  0 

 

東大主な投手陣

選手(学年=出身校)    回    防
宮台 (3=湘南)  5    35  31   2.31 
山本俊 (4=西春)  1     1   0  18.00 
柴田 (3=洛星)  4 17 2/3   4   8.15 
有坂 (2=城北)  6  1 14 1/3 10  11.30 

フォトギャラリー

  • yamakatsu"最下位脱出"山本克志
  • yamakatsu21年次から神宮を経験している山本克
  • miyadai"完投勝利"宮台康平
  • miyadai2東大投手として21季ぶりの完投など活躍は目覚ましい
  • yamamoto"勝ち投手として貢献"山本俊"
  • kiire"守り勝つ"喜入友浩
  • kusuda"勝利打点"楠田創
  • IMG 8863第2戦先発が予想される柴田
 

 

最近の記事

 

スポーツ法政 最新号

S 6477908564910 R

定期購読の申込み