硬式野球

【硬式野球】他大学インタビュー 慶應大学野球部①~大久保秀昭監督、河合大樹主将、郡司裕也選手~

2018年3月27日(火)
慶應大学野球部 第一合宿所

4月28日に慶大戦を迎えるにあたり、慶大野球部にインタビューを行った。第1回の今日は、チームの指揮を執る大久保秀昭監督、主将の河合大樹選手、また1年の秋季リーグ戦より正捕手の座を守り続けている郡司裕也選手に話を伺った。

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チームの指揮を執る大久保監督

大久保 秀昭 監督インタビュー

ー昨年の総括をお願いします
1年を通して考えてみたら勝ち数が一番多かったし、4年生中心によく頑張った1年だったかなと思いますね。

ー昨年は新体制の際「優勝は難しい」と言われていた中で結果を残しました
そうですね。予想通りにいかないのが面白いのであって、我々もそれを覆すために何とかしようと思って取り組んでいますから、ある意味期待を裏切ったというか、良い方に裏切ることができて、『してやったり』という感じですかね。ただ、法政さんには(春秋)両方勝ち点を落としてしまったんですけど(笑)。唯一そこが足りなかったところですかね。

ー優勝できた要因は
みんながよく頑張りました。4年生の必死の思いが、チーム全体にまとまりを与えたのだと思います。

ーオフ期間の調子は
このメンバーで法政大学さんのスター軍団に対決するのは本当に心配で心配でしょうがないですね(笑)。

ーあまり状態はよろしくないのですか
心配ごとだらけで。うちの野球部は試験が完全に終わった2月5日から練習再開していますから他のチームより1か月近く始動が毎年遅いんですけど、幸いにも開幕が今年は1週間遅い感じで、調整としてはありがたい日程かなと思うのでそれを生かして良い方向につなげられればと思いますけども。4年生の内野陣がみんな抜けていて、一応ホームラン(バッター)と首位打者もいなくなりますから、そこをどう埋めていくかということだと思います。今はそこを埋めるべく取り組みをずっとやっています。

ー取り組みの効果はでていますか
まだまだ夢の途中ですね。去年もそうですけど、神宮で成長することってすごくあるんですよね。なので、そこに期待する部分もあるし。でもただそこの舞台に立つまでに、できる限りの最高の準備はしていかないといけないなとは監督も思っているし、当事者である学生はもっと感じてやっているのかなとは思いますね。

ー『バッテリー』を今は重視されているという話も聞きますが
郡司もずっと経験させて、去年の秋の打撃は苦労しましたけれども、やはり守りのところでの貢献度は高いし。怖いのは彼がけがをしたとかそういうときですね。やはり慶應は他のチームに比べてなかなか2枚目というか控えの層が厚くないというか。いるメンバーでやらないといけないし、足りないから補充はできないじゃないですか。だからそういう意味では、今はバッテリーの中でも郡司が中心なんですけど、けがしても大丈夫なような2番手3番手のキャッチャーの育成もしっかりと並行してやっています。あとは、郡司を安心させないため、というのも含めてですね。ピッチャーも経験者ばかりなので、郡司、柳町、投手陣、外野手で勝負していきます。

ーその中でキーマンを一人挙げるとしたら
キーマンは郡司ですね。

ー投手陣では
みんな期待はできますが、髙橋亮吾かなとは思っています。彼はオールマイティーにいくんですけれども、出る場面は全て大事な場面になってくると思いますので、そこでどれだけ期待に応えてくれるかという点ですよね。

ー今季を戦っていく上で需要になることは
それはスローガンにも掲げているんですけど、『Family』のような厚さを出せるか。そこですね。真の『Family』になれるかどうか。そこ1点ですね。

ー法大野球部の印象は
試合に出ているメンバーも多いですし、誰が出てきても(個々の能力に)見分けがつかないくらいで良いことだなと思います。中山(翔太、人4)くんを中心に走攻守バランスの取れた選手がそろって菅野(秀哉、キャ4)くんというエースがいて投打に力のある選手がいるチームだなと分析しています。

ー注目している選手はいらっしゃいますか
まるっきりこれは個人的なことなのですが、大西(千洋、営4)くんに関しては僕はずっと思うところがありますので、彼に関しては本当に元気にグラウンドにいる姿を見せてほしいなということはずっと思っていますね。

ーリーグ戦までに取り組んでいきたいことは
無いものねだりをしてもしょうがないので、現状いるメンバーをどうやって輝かせるか。1㌧の砂の中からすごく小さい金とかダイヤモンドを見つけるくらいの労力を使って、大切なものを見つけていく作業に取り組んでいきたいと思います。

ー目標は
もちろんリーグ優勝からの日本一ですね。

ー今季に向けての意気込みをお願いします
当然法政さんもそうだと思うんですけど、全力プレーをして、学生に神宮に来てもらえるようにしたいですね。これは慶應だけではなくて、6つ全部の大学の課題というか思いだと思うんですけど、オールドファンも、もちろんコアなファンも大事にするとともに、それ以上に学生をいかに神宮に呼び込めるかということはずっと意識しないといけないのかなと思いますね。そのために意識しないといけないことって何なのかなとか。でもプロ野球じゃないから興行のような形で人を集めることはなかなか難しいし、でも何かただ野球だけで呼べるという時代でもない気がするし、何かそこに付加価値を見出して、「ああ神宮行って良かったな」とか「法政大学の試合行って良かったな」とか(思ってほしい)。慶應にはまだ早慶戦というものがあるから、そこに行くことで多少学生のアイデンティティみたいなものはあるのかなと思うんですけど、それ以外の試合はなかなか興味を持ってもらうのが難しかったりもするので、そこはお互い協力しながらやっていければと思いますね。
(取材:中西陽香)
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大久保 秀昭(おおくぼ・ひであき)
1969年7月3日生まれ
神奈川県出身・桐蔭学園→慶應大学→日本石油→近鉄バッファローズ 
『慶大野球部在籍時は捕手としてプレーし、4年時には主将も務めた。日本石油に進んでからは、社会人ベストナインを4度獲得し’96年にドラフト6位で近鉄バッファローズに入団。その後’01年に現役を引退した後、湘南シーレックスで打撃コーチ、新日本石油ENEOSで監督を経て、’14年12月1日より慶大野球部監督に就任し昨秋優勝を果たした』

 ☆取材の小話~『優しさ』とは☆
大久保監督と話をする中で印象に残った言葉がある。「(取材活動に)熱を出しすぎて楽しい学生生活を無駄にしないようにね」。
『優しい』の定義は様々存在する。姿が優美、温和で好ましい感じ、悪い影響を与えないなどざっと7つほどだ。その中に『他人に思いやりがあり、情がこまやか』という意味がある。「いや、知ってるよ」と言われそうだが、普段雰囲気が穏やかな人には無条件に『優しい』という言葉を使ってしまっている気がするのだがどうだろうか。
思い返せば、取材中に「法政さんには」というフレーズが何度も出てきた。相手が誰かを意識し会話をするような取材。もちろん答えづらい質問を上手く流している側面もあるだろうが、話相手は常に『スポホウ記者』であった。
つまり何が言いたいかというと、大久保監督は『情がこまやか』という意味で『優しい』方であったということだ。「青木(久典)監督みたいに優しくないから良いこと言えないかも(笑)」とジョークを飛ばす場面もあったが、それすらも緊張した場を和ますための『優しさ』。
そして何より先述した大久保監督からの言葉は『記者』としてだけでなく、『一人の学生』に対しての『優しさ』と言えるのではないだろうか。私にとって今のこの活動は「楽しい学生生活」のうちの1つであることは確実である。だからこそ、この言葉を胸に留め活動に全力で楽しみを忘れず取り組もうと思う。いただいた『優しさ』を無駄にしないように。

選手インタビュー(※学年別50音順掲載)

河合 大樹 主将

ー昨年を振り返って、個人とチームではどんな1年でしたか
昨年は個人としては主に代打や途中出場が多かったんですけど、その中でチームに貢献できるようなプレーはできたかなと思います。チームとしては春に悔しい思いをして秋にそれを超えるぞというところで、超えていけたというのは非常に大きかったところで、優勝できたということを本当に分かったと思います。でも日本一というのは取れなかったので、そこは悔いが残っているという感じです。

ー投手陣、野手陣それぞれで特に良かった選手は
野手だと岩見(雅紀=現東北楽天)さんや清水翔太さんというところは誰が見ても本当にすごいと思う選手だったんですけど、打線の中で瀬尾(翼)さんや照屋(塁=現ホンダ鈴鹿)さんだったり、つなぎの面でも活躍する選手が多かったかなと思います。投手では佐藤(宏樹)、関根(智輝)が特に頑張ってくれたかなと思います。

ー秋リーグは優勝しましたが、昨年から見つかった課題は
去年、当初はあまり強くないと言われていた中でチーム力で戦うと言われていて、課題としてはチームでどう戦うかというところだったと思うんですけど、秋にはチームのつながりが出ていたので、そういうところで課題は解消されたと思います。

ーご自身で特に印象に残っている試合は
僕個人では、秋の立大1回戦で打ったというのは大きいんですけど、春であれば満塁本塁打2本で勝った試合とか、秋の優勝を決めた試合だとかが印象に残っています。

ー今季は4年目のシーズンとなりますが、3年間で成長した部分は
入学当時は本当に周りと比べて守備にしても攻撃にしても全然レベルに達していないなと思っていた中で、3年間やってみて打撃でも代打ですけどそこそこ打てたり、守備範囲も広がったりそういうところで成長は感じています。

ー今季のキャンプ、オープン戦で感じていることは
今年もチーム力というか、岩見さんや清水翔さんが抜けた中でチームで戦わなきゃいけないというのを課題において、つなぎの面というか犠打だったり1つのアウトを皆で取るんだというのを重点的に練習しています。岩見さんや清水さんが抜けて、正直点が取れていないというか、あれだけ本塁打を打ったりチャンスで勝負強い打撃をしてくださる先輩方がいなくなって、今は得点力が無いなという風に感じています。守備も去年は全部4年生が内野をやっていたので、守備の面でもまだまだだなという風に感じています。

ーチームの雰囲気はいかがですか
雰囲気はすごく良くて、どういう相手に対しても攻めていくというか、自分たちの元気を出して攻めていくという雰囲気はすごくあります。去年よりも元気とか相手に向かっていく姿勢はあるんじゃないかなと思います。

ー今季から主将になられましたが、どんなことに注意してチームを率いていますか
僕はプレーでどんどん引っ張っていける選手ではないので、練習での態度はもちろん、そういうところをしっかりすることと、要所要所で口で相手に伝えるということを意識してやっています。

ー照屋選手から主将を引き継ぎましたが、伝えられたことは
特に何もなくて、「優勝した後で辛いだろうけど、頑張ってくれ」という風には言われました。

ー監督とはチームの方針としてどんなことを話した
チーム力がまだまだ足りないというか、このままやってもリーグ戦で勝てないぞという風に言われています。そういうところで良い雰囲気を作るのは土台で、そこからどうやって勝つかという、野球観をもっと磨いてほしいと言われています。

ーご自身のアピールポイントは
僕は脚力、足だと思うので、それを生かせるようなプレーを試合でできればいいなと思ってます。

ー目標とする野球選手は
プロ野球選手で目指す人はあまりいなくて、社会人の選手とかを見て粘り強さや勝負強さがある選手を見習っていきたいと思っています。

ー法大の印象はいかがですか
能力のある選手がそろっているので、本当に強いなという印象は毎回持っています。全員打てますし、中山(翔太)選手や向山(基生、営4)選手みたいに特に打てる選手、投手だったら菅野(秀哉)投手とか、どんどん押されてしまうなという選手がいっぱいいます。

ー慶大野球部が他校よりも誇れると思う部分は
仲の良さというかまとまりが他の大学よりも勝っているかなと思います。

ー今季のチーム、個人のそれぞれの目標を
チームは連覇をすること、そして日本一になることです。個人としてはそれにどれだけ関われるかというか、スタメンで出るか途中で出るかはわからないですけど、出来るだけ主将としてスタメンで出て、つなぎの面で活躍できるようにしたいと思います。
(取材:岡崎祐平)
kawai
河合 大樹(かわい・だいき)
総合政策学部4年 1997年1月8日生まれ
兵庫県出身・関西学院
173cm77㎏ 右投左打 
『昨年は少ない好機で結果を残し、秋季優勝に貢献。主将に就任した今季は、俊足・好打で打線を引っ張りたい』

郡司 裕也 捕手

ー昨年を振り返って
春にあと一歩で優勝を逃して、悔しい思いをしました。でも、そのリベンジとしてしっかり秋に優勝できたので、いい1年だったなと思います。

ー個人としては
春は結構打てたのですが、秋に打撃不振に陥ってしまって、チームの優勝にあまり貢献できなかったという感じですね。ただ、バッテリーとしては成長できたかなという風に思います。

ー春季にはベストナインに選ばれました
手応えはあったので、取れるかなとは思っていました。ただ、秋に取れなかったのでそれが悔しいです。

ー打撃不振に陥った要因は
バッティングフォームを試行錯誤するうちに、自分のスイングを見失ってしまったことです。最近やっと自分のスタイルが固まってきたので、シーズン中よりは良くなってきています。

ーチームとしては秋季に、7季ぶりの優勝を果たしました
優勝できるかなとは思っていたのですが、いざ優勝すると、特別な気持ちといいますか、六大学野球で優勝することが本当に凄いことなんだなと実感しました。

ー全日本選手権を振り返って
1回戦で負けてしまったのですが、大舞台だから緊張していたわけではなくて、相手に合わせて試合をしてしまいました。六大学の代表として情けない負け方をしてしまったなと思います。

ー大学の全国大会を経験して
東京六大学は本当にレベルの高いリーグなので、神宮大会(全日本選手権)でも普段のリーグ戦と違いを感じたわけではないです。それだけ六大学野球のレベルが高いんだなと思いました。

ー慶大野球部の特徴は
下級生の時から伸び伸びと野球ができて、自分を出せる野球部だと思います。その中でも、自由過ぎずに自分の理想に近い野球部だと思います。

ー今季から岩見選手や清水選手が抜けますが
岩見さんや、清水翔さんが抜けた穴は、僕と柳町(達)で埋めるしかないと思います。でも、岩見さんの様にホームランがバンバン打てるわけではないですし、清水翔さんの様に4割近く打てるかも分からないので、自分たちが引っ張るのはもちろんですが、打線の一員として、しっかりつなげられるバッティングをしたいと思います。

ー監督が今季のキーマンに郡司選手を挙げられましたが
「お前がキーマンだ 」と直接言われまして、それは多分打つ方ではクリーンアップを打ちますし、守備ではキャッチャーで、要のポジションになるからだと思います。打つ方でも守る方でも、僕がダメになったらチームがダメになる立ち位置にあると思うので、それくらいの覚悟と責任を持って取り組まなくてはいけないと思っています。

ー捕手として心がけていることは
キャッチャーとして、いかにピッチャーに気持ちよく投げされられるか、というのが試合では全てだと思っています。色々データがあって、ここを攻めなくてはいけないとかもあるのですが、試合になったらピッチャーに自分の持ってる力を出させる、ということを1番大切しています。練習では細かく言うのですが、試合では伸び伸びとということを心掛けています。

ー上級生になって変化は
去年までは僕自身2年生で、4年生がたくさん試合に出ていて、どこか先輩にぶら下がっていただけという部分がありました。でも今年は、年になって試合に出られる4年生も少ないので、自分が最上級生になったくらいの気持ちで遠慮せずにガンガンやっていきたいと思っています。

ー今年の法大の印象
去年とメンバーが全く変わらないと言っても過言ではないくらい選手がそろっていますね。去年は、法政だけに春も秋も負けているので、本当に1番やりづらい相手ではありますね。

ー最後に今季の意気込みを
連覇を期待していると言われることも多いのですが、去年の優勝は去年の優勝として、今年のチームでなんとか勝てるようにしたいなと思っています。
(取材:大平佳奈)
gunzi
郡司 裕也(ぐんじ・ゆうや)
環境情報学部3年 1997年12月27日生まれ
千葉県出身・仙台育英
180㎝85kg 右投右打
『1年秋から正捕手を担う絶対的扇の要。昨春は、打率.345を記録し、ベストナインにも選出された。堅実な守備と勝負強い打撃力が持ち味』

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