特集

【特集】第1回 2020年 東京五輪アスリート育成プロジェクト講座

第1回 2020年 東京五輪アスリート育成プロジェクト講座
2016年12月11日(日)
法政大学市ヶ谷キャンパス

2020年東京五輪開催に向けて、監督や部長をはじめ法政大学関係者を対象とした2020年東京五輪アスリート育成プロジェクト講座が本学にて行われた。初回の講座となった今回は、元JOC選手強化本部長の松永怜一氏らともに法政スポーツのあり方などについて考えを深めた。

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講演を行う松永氏

講師・パネラー

講師・パネラー役職
松永 怜一 氏 元JOC強化指定本部長
近藤 欣司 氏 シドニー・北京五輪女子卓球監督
 朝日 健太郎 氏 北京・ロンドン五輪ビーチバレー選手
橋本 寛 氏  リオ五輪フェンシング監督
井手 均 氏 日本オリンピック委員会
岡 達生 氏 日本体育協会
永井 勉 氏 日本スポーツ振興センター
主催:法政大学校友会 協力:法政大学法友体育会 司会:五明 公男 氏(校友会副会長)

概要

基調講演「指導者の義務と責任 -現場主義-」 

 2020年東京五輪に向けて、法政大学校友会がこのような講座を開講するのは初めてである。初回の講座となった今回は、本学OBの松永怜一氏の講演から始まった。現場主義を重視する松永氏は講演の中でシドニー五輪と北京五輪のメダル数を比較しながら、聴講者に対し、文科省のメダル倍増化計画を例にJOC国際競技力向上戦略において、トップのリーダーシップがいかに重要であったかについて紐解き、「三位一体の遵守」を強く主張。大学、付属校、現場の連携強化を求めた。また、松永氏は今後のスポーツ全般のあり方について、選手育成のための指導者の育成やスポーツの力によるイジメの撲滅などの政策案を提示し、最後に参加した監督らに「監督は命懸けかどうかで仕事が決まる。かつての常勝法政復活を」と訴えた。

パネルディスカッション「法政スポーツ復活と指導者」

第二部のパネルディスカッションは、司会の五明公男氏がパネラーに質問を投げかけるという形で行われた。参加者からも質問が飛び出すなど、議論は大いに盛り上がりをみせた。

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右から松永氏、近藤氏、朝日氏、橋本氏、井手氏、岡氏、永井氏、五明氏

(以下、パネルディスカッションの内容を一部抜粋)
五明 氏:「法政大学で良い選手、強い選手を育てるにはどうしたらいいと思いますか。」

近藤 氏:「卓球も長い間低迷期であったが、最近は上向いてきた。それは、早期育成が根付いてきたからです。卓球は感覚的な部分が多いから、早いうちに心技体をサポートできる人材が必要。今の法政に必要なのは、まず受け入れの問題だと思います。将来性のある選手に法政へ来てもらうには、法大に進学したいと思える魅力ある要素を揃えること。そのためには、合宿や遠征に力を入れていくことも必要になると思っています。」

五明 氏:「朝日さんは現役時代の経験も踏まえて、現場の選手、監督にはどのようになってほしいと思いますか。」

朝日 氏:「法政スポーツには、やっぱり強くなってほしいなと思います。僕が今、一番考えていることは法政大学が有明アリーナの権利を買収、そこにバレーボール部の本拠地を置くことです。まぁ、冗談のような考え方として僕は間違っていないと考えていて、まずは前提として選手がしっかり能力を発揮すること。総論で言うと学生に法政大学の体育会であることを誇りを共有しないといけない。僕自身が現役の時もバレー部しか知らない、オレンジのHマークしか考えたことなかったし。僕は武蔵小杉に住んでいたんだから、それこそ、そこには野球部やアメフト部、相撲部とかもあったわけで。今思い返せば、あそこでもっと肩組んで『法政をもっと強くしよう』って言えるようなシンボルがあれば良かった。もう一つは、正直スポーツはリクルート力とはいえ、選手の自発性を大切にしたい。例えるならば帝京のラグビー部。雑用は4年生が行う逆三角形のヒエラルキーで、一年生が先輩に臆するのではなく、一年生のうちが一番好きなものに没頭できる。こういうことだなと。核論としてはHブランドをいかに定着できるかということが一つのテーマだと思います。」

五明氏:「いい声してますね(笑)。では、橋本さんはいかがですか。」

橋本氏:
「私はOB、選手、監督・コーチの三位一体が強さの秘訣だと思いますね。我々が一枚岩となって学生を支援する。例えば、法政のフェンシング部であれば、選手たちが入ってきたら、手をかけ、授業にも行かせ、就職も支援する。すると、それがうわさとなって広まり、法政に入れば、良い将来が待っているというのが話題になる。そうすれば、自ずと成績も付いてくる。もっともっとやらなければならないこともたくさんあるが、そういう意識を持つことも大切だと思います。」

聴講者:「一番ベースなのは資金がないこと。他大学と比較すると大学からも援助が少ない。どうすれば、大学から援助をいただけるのかアドバイスをいただきたい。」

松永 氏:「やっぱりお金がないとだめですよ。今回はとてもいい会になりましたね。こういった意識を持って、これからもみんなで考えていきたい。でも、やっぱり最後は指導者。世の中は常識、スポーツ界は良識。大学は学生を社会に送り出していくわけだからよく考えていかなければならない。」

近藤 氏:「私もお金については考えてきましたが、結局は枠の中でやっていくしかない。指導者が犠牲を払って、やりくりしていくのが現状だと思います。」

 

(取材:今井惇基、原口大輝) 
 
 

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