陸上

【陸上競技】第94回東京箱根間往復大学駅伝競走直前特集 インタビュー 第1回 坪田監督、鹿嶋主将、森田主務

箱根直前インタビュー
2017年12月17日(日)
法大多摩キャンパス

 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)まで残すところあと6日。箱根を2週間後に控える17日に、箱根への意気込みや想いを伺った。今回は坪田智夫駅伝監督、鹿嶋隆裕駅伝主将、森田拓海駅伝主務の3人のインタビューをお届けする。

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インタビュー

坪田智夫駅伝監督

―箱根駅伝まで残り2週間あまりとなりましたが、チームの今の状況は
けが人もなく、非常に順調に調整ができています。

―昨年以上に層が厚いチームになったように見えますが、その中で16人はどのように選んだのでしょうか
年間通してレースと練習、また合宿を組みまして、そう行った流れの中で16人を編成しました。

―前々回、前回は1年生が複数人エントリーに入っていましたが
今年は去年、一昨年と1年生が入った分、そのまま彼らが2年、3年と成長してくれまして、非常に層が厚くなっていますね。(1年生は)例年だと入っておかしくない消化具合なんですけれども、それ以上に上級生がいいと。決して1年生が力がないわけではなくて、非常に上級生が充実しているという結果、1年生が不在という形になりました。

―チームとして箱根7位を目標に掲げていますが、どのような展開を思い描いているのでしょうか
やはり昨年はシード、10位というのを目指していましたので、ミスなくつないでいけば入る余地があったんですけれども、7位ということでミスないっていうのも大前提で、3区間で区間上位に入れればと思います。

―その3区間は具体的には
やはり3年の坂東(悠汰=スポ3)、2年の青木(涼真=生命2)、佐藤(敏也=社2)のところでしっかり流れをつくりつつ、勢いに乗せて、残りの7人がしっかり与えられた役割を全うしてもらいたいなと思います。

―出雲、全日本では今挙げられた選手が前半区間、学生三大駅伝デビューとなる選手が後半区間に起用されましたが、この2試合での収穫は
やはり今年ですね、出雲、全日本と駅伝というものができましたので、経験値が上乗せできたというところと、選手が大きく外すことなく走ってくれましたので、それは何よりの収穫じゃないかなと思います。

―その中で出雲、全日本ともに1区で入賞圏外と苦しいスタートとなりましたが
出雲の坂東に関しては夏の疲労が遅れて出てしまって、気候も合わせて状態の悪い中での走りだったので厳しかったかなと思いますし、土井(大輔=経3)に関しても箱根を見据えた上で1区の経験を積むということで結果は16位だったのですが、経験を積めたということで考えれば、二大会とも悪い1区ではなかったかなと思います。

―毎年11月下旬に学連の記録会や八王子ロングディスタンスで1万メートルに出場することが多かったですが、今年回避した意図は
今年出雲と全日本を走りましたので、主力の選手、坂東であったり青木であったりというのは、2発集中して走っていて、練習がやはり調整、調整で来てしまいますので、そこでもう1回箱根に向けて練習を作りたいと。あくまでうちのチームはタイムを出すことではなくて、箱根で結果を残すことが目標となっていますので、そこで1回練習を作ると。また、他のメンバーは1万メートルの記録会ではなくハーフマラソン、あくまで箱根は20キロ以上の距離になりますので、ハーフで走ってもらいましたんで、1万メートルの平均タイムが非常に悪いんですけれども、普通に走っていれば1万メートルの平均は15〜20秒くらい上げられたのかなと思っています。私自身タイムにはこだわっていないので、タイムを出すことよりもいかにいい練習ができて、当日を迎えられるかっていうことを考えていますので、そこを重要視して回避しました。

―先ほどハーフの話が出ましたが、昨年は上尾が高速レースになり、法大の選手についてはあまり評価されませんでしたが、今年は日本人選手のタイムが伸びない中で大畑和真(社3)選手が63分台でした
うちとしてはスローになった分ちょうどいいペースで走れたのかなというところがあるんですが、風の条件を考えた時に、大畑のタイムであったり、増田蒼馬(経2)のタイムであったりというのは悪いタイムではなかったのかなと思います。

―次に福田兼士(経3)選手について、昨年までは期待されていた結果を出すことができていませんでしたが、今年は関東インカレに始まり出雲、全日本と主要大会に多く出場しました。どのような変化が
特に何かが変わったということではないのですが、1、2年の時は体力面に不安があって20キロへの移行が難しかったので。ただ1、2年で地道にトレーニングを積んだおかげで、関東インカレだったり全日本の出場権を獲ったと。非常に成長株の1人ではないかと思います。

―同じく3年の坂東選手について、今年に入りインタビューで「日本人トップ」という言葉が多く聞かれるようになりました。法大のエースとしてここまでの働きはどのように評価されますか
今まで日本人エースっていうか、スピード型の選手がいなかった状態だったので、ようやくエースと呼ばれる選手が出てきてくれたのかなと。また本人も「日本人トップ」っていう言葉が出ているということは、チームを引っ張っていかなければいけない。練習だけでなく大会でもエースらしい走りをしてチームを引っ張らなければいけないという自覚が出たことだと思います。

―坂東選手は今年の駅伝では箱根1区に始まり、出雲1区、全日本2区とかつての西池和人(平26年度卒=現コニカミノルタ)選手と同じ区間配置がされていますが、意識されていることなのでしょうか
特にはありません。今年に関しては出雲の出場権を勝ち取った時点で1区は坂東でいって流れをつくってほしいと考えていて、全日本に関しては箱根を見据えた上でのオーダーにしましたので、坂東そのままいっても問題ないですし。ただ坂東にアクシデントがあった時に1区の準備をするためにという位置付けで区間をいじったと。西池がどうというよりも、チームの作り方として同じような流れになったということです。

―前回は1区で流れをつくった坂東選手ですが、今回求められる役割は
基本的には2区で考えていますので、1区で流れが悪かった場合は流れを変える走り、流れがよければより加速させる、いい流れにする走りが求められてくると思います。それがエースと呼ばれる存在だと思います。やはり良くても悪くても結果を出してもらいたいた思います。

―続いて2年生、佐藤選手は前回の6区は好成績を狙っていない中で快走を見せましたが、今回はどのような結果を狙うことになるのでしょうか
本人は非常に状態もいいですし、十分区間賞争いもできるのかなと。ただあまり力んでいってしまっても後半潰れてしまいますので、去年に少し上乗せできればと考えています。

―同じく青木選手について、夏合宿では山上りの練習が良かったとお聞きしたのですが、最近は神野大地(コニカミノルタ)など山上りの選手にも様々なタイプの選手がいる中で、青木選手はどのようなクライマーなのでしょうか
神野くんはバネを利かせて山を上りきるのでちょっと特殊かなと思うんですけれども。まず大前提として5区は動きどうのこうのよりも、私が重要視しているのはしっかりレースを組み立てられる。そしてレースをしっかり捨てないで走るということが大事になってきますので、いくら1万メートルの記録が良かったり、好結果を出す選手でも、途中でレースを投げる、気持ちが切れるようではなかなかあそこの上り一辺倒の区間というのは厳しい区間ですので、そういったことを考えた上で青木はひとつの候補になってきました。

―4年生について、出雲、全日本と出場がありませんでしたが、4年生に求められる役割は
今回細川(翔太郎=経4)、磯田(和也=法4)がエントリーされています。出雲、全日本と使えなかったのですが、2人ともロード型、長い距離には適した選手です。またレースの組み立てもできる選手なので、もちろん走ってもらわないと困りますし、走ったところで任された区間をしっかり、区間上位というよりも悪くても区間10番前後で抑えることが彼らの役割になってくるのかなと思います。

―最後に改めて箱根駅伝に向けて意気込みを
この1年間総合7位という目標を掲げてチームは戦ってきました。なんとか皆さんの期待に応えられるように、昨年8位を獲った以上、7位、6位とより高い結果を求められていると思いますので、応えられるようにチーム一丸となって戦っていきたいと思います。

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坪田智夫(つぼた・ともお)
1977年6月16日生まれ。兵庫県・神戸甲北-法大-コニカミノルタ。箱根2区の法大記録保持者で、コニカミノルタ時代には2003年に世界選手権パリ大会の1万メートルに出場。13年4月から法大の駅伝監督に。

 

鹿嶋隆裕駅伝主将

―現在のチーム状態は
11月の後半から富津で合宿を行いましたが、そこでは例年に比べて全員調子良く練習をこなせていて今年立てたチーム目標の7位に大きくつながる合宿が出来ているので、非常にいい状態だと思います。

―エントリーメンバー選出とはなりませんでした
大学に入ってきたのも、自分が走るためで、小さな頃からの目標が達成できなかったので悔しいですけど、他の人たちが状態も良くて自分の力がなかったと諦めがつきました。あとはキャプテンである以上、最後まで16人の背中をしっかりと押していけるように気持ちも切り替えてます。

―世田谷246ハーフマラソンでは結果を出して猛アピールとなりました
世田谷ハーフが自分の中でも箱根への最後のアピールだと思って、本当に集中して全てかけて臨んだ大会でしっかり結果は出せたのですが、そこから調子を維持できずに合宿になってしまったので、余計悔しさはありました。

―キャプテンとしてのこれまでを振り返って
大変なことも多くて、正直きついなと思うこともありましたけど、そのときに本当に同期であったり後輩であったり本当にいろんな人に支えられて今となってはキャプテンをやれて良かったと思います。そうやって自分がキャプテンとして取り組んできたチームがここまで本当に強くなってみんなのことが好きですし、自慢のチームで誇りなので、今まできつかったこともなんか箱根で7位を取れば全部チャラになって、自分としては陸上人生悔いはないなと。キャプテンとして全うしたかなと、いろんな人に支えられてここまで来れて、あとは7位取るだけです。

―足羽純実(平28年度卒=現ホンダ)選手が行ったチーム改革を引き継ぐ形になりました
足羽さんの代から特に全員で頑張るってことを言っていただいて、それを僕も引き継いでいこうと思って。エントリーされるのは16人ですけど、部員は53人いて上から下まで見ると走力はバラバラてす。でもその中でもチーム目標は7位に定めていて、全員がどうやったらそこに向かえるのかを考えたときに一人一人が走力は違いますけど、自分の目標というしっかり向かってほしいなと。その目標に向かうのが結局はチーム7位につながるのだよとずっと言ってきていて、一人一人月ごとに目標シートを作成してもらってそれに向けて1カ月取り組んだ結果が繋がっていると、全員が思ってくれてると感じます。最近でもミーティングでも意識のレベルとか取り組み方とか本当に上がっていて本当にたくましいなと。自分も驚くこともありますし、チームで引き上げようというムードも出てきているので、足羽さんが言ってた「全員駅伝」のレベルが1段階あげれたのかなと思います。

―1年時は予選会落ちでしたが、チームも徐々に成長していると思います
もう別ですね。僕が1年生のときと同じチームとは思えないぐらいです。成績も上がっているしチームのムードとか練習や生活に対する考え方も一人一人ストイックになっているなと感じるので、自分もそのチームで上がっていくにつれて自分も頑張らなないと思えるようなチームなので、これからもどんどん楽しみだなと思います。

―キャプテンとして苦労してところは
今まで、3年までと一番違うところはやっぱり個人のことだけ考えちゃいけないと思っていまして。個人もですけど、チームのことも考えなくてはいけないことがなかなかしんどくて器用に頑張ろうということが最後までできなかったなと感じてます。何かと頑張ろうと思っているときに走りもダメでチームもダメなことが多くてそういうときに同期とか後輩に助けられて本当に人の力があって自分1人ではできなかったなと。チームもことも考えつつ、走らないといけないことがしんどかったです。

―出雲駅伝の途中棄権はチームの中でも危機を迎えたと思えます
出雲駅伝はしっかり走ってくれての途中棄権だったとは思いますけど、それを走った選手たちだけの責任ではダメだよということをチーム全体に言いました。この1年「高みへの挑戦」というチームスローガンを掲げてやってきましたけど、そこでもう一度「高みへの挑戦」はどういうことなのかを振り返るいいきっかけになって、坪田監督も言ってくれてはいましたけど、練習メニューで設定タイムを上げたり、ジョグの距離を増やしたりするだけではなくて、基本的な当たり前のことを隙なくどれだけ取り組めるかが上位との差を埋めることだよとずっと言われてきていて、それをまた出雲駅伝で全体で再認識させるようなことが出来たのかなと思います。

―キャプテンとして時には厳しい言葉をかけなければならない場面もあったと思います
自分は優しすぎるのかなと思いますし、みんなからも言われるので、苦手といえば苦手でしたけど。それでも言わないといけないときはしっかり言わないといけないですけど、自分の中ではただ言うだけというのはあまり好きではなくて、どういう言い方をすれば響いて前向きな方に向けるかを考えて接していて、人それぞれの性格とかタイプとかあると思うので。そういうところも見ながらずっと接してきました。あとは自分が強く言えない分、同期が言ってくれる場面とかがあって。ずっと言ってますけど、キャプテンではありますけど、自分1人で作ってきたチームではなくて周りの4年生が自分の出来ないことをやってくれたり、後輩が僕らの負担を減らしてくれるぐらい頑張ってくれて、みんなでカバーしてくれました。

―エントリーメンバーに選出された同期の2選手については
もう本当に走ってもらいたいのが正直な気持ちで、ずっと2人とは1番つらいときを走ってきた仲なので。本当にその2人が走ってくれればもう同期全員走ってると思うぐらい同期の結束があると思うので、2人に託して頑張ってほしいなと思います。

―チームの鍵となる選手は
エースである坂東、2年生の佐藤、青木のコンビが鍵になるのではないかなと。その3人が区間賞を狙えるぐらいの走りをしてくれると思うので、その3人がキーマンにはなると思います。

―個人的に期待する選手は
僕が個人的に推してるのは走るかは分からないですけど、3年生の大畑和真が初エントリーされて、その大畑が直近の上尾ハーフで63分台を出してそんなに元々練習では強い選手ではないですけど、生活面とか細かいところで、誰よりも「高みへの挑戦」を体現してくれている選手だとは思うので。大畑がしっかり箱根で走ってくれればメンバー外やまだ走力のない選手たちに勇気を与えてくれるのかなと思って、大畑の走りには期待してます。

―箱根への意気込みを
ここまで今日含めてあと16日、ずっとこの1年7位に向けて一丸で頑張ってきたチームなので、走る選手は10人ですけど、それ以外の残されたメンバーもまだまだ出来ることはあるので、最後の最後まで全員で10人の背中を押して、全員で獲った7位を大手町でみんな喜べるように全員駅伝で頑張っていきたいと思います。

―最後に応援してくださっている方々にメッセージを
「全員駅伝」をずっと言ってきましたけど、その全員には僕は確実に応援してくれる人たちも入ってると思っていて。僕たち部員とマネージャー、トレーナー、監督・スタッフ陣、応援してくれる人たち含めて「チーム法政」だと思ってますし、皆さんの声援一つ一つが選手の一歩一歩を出してくれます。沿道に来てくれる人やテレビの前でもSNS上でも心の中でも「法政頑張れ」という声でチーム力は上がるので最後まで応援よろしくお願いします。

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鹿嶋隆裕(かしま・たかひろ)
1995年7月5日生まれ。173センチ・58キロ。経済学部4年。
1万メートル自己記録:29分46秒60

 

森田拓海駅伝主務

―森田主務から見た現在のチーム状況は
鹿嶋キャプテンを中心に何度もミーティングを開き、箱根総合7位というチームの目標を再確認して、一体感をもってその目標に向かえているかなというところです。

―鹿嶋主将がエントリーを外れる形となりましたが、発表時はどのような雰囲気でしたか
やはり候補の選手はとても緊張していたと思いますし、みんながみんな状態が良く誰が選ばれてもいい状況だったので、緊張感がありました。

―主務になった経緯をお聞かせください
自分は高校まで法政二で野球をやっていたのですが、大学は箱根駅伝という大きな憧れがあったので、苅部(俊二)監督をはじめとして坪田駅伝監督、成田(道彦=前監督、現副部長)先生に陸上部のマネージャーをやりたいですという旨を伝えました。マネージャーになったあとも、同期の野球仲間が活躍しているのを見て、自分も頑張ろうという思いで一年やってきました。

―主務になった時の心境は
まだ2年生だったので、下級生でこの立場を任せてくださった坪田監督への感謝の思いと、自分がチームをまとめていかなければという義務感で身の引き締まる思いでした。

―2年生で主務に抜てき。やりづらさはありませんでしたか
多少指示の出しづらさというのはあったのですが、3、4年生のみなさんにも協力して助けていただいて、そこまでやりづらさというのはなかったかなという印象です。

―仕事の方は
裏方の仕事がほとんどなのでキツいことも多かったですが、それでも箱根駅伝のような大きな舞台で選手たちが活躍してくれれば僕たちもとてもうれしいので、やりがいを感じてやっています。

―主務になってから変わったことは
一番変わったのは、他大マネージャーとの交流の多さです。マネージャー同士協力する立場なので、他大と連携をとれるようになったというのは大きなことかなと思います。

―森田主務から見た同学年の印象は
青木、佐藤がやはり中心選手にはなってくるのですが、その2人以外の選手も合宿を順調にこなして着実に力をつけていっているのかなと思います。日々の生活でも明るいキャラの選手が多いので、普段の練習からもいい雰囲気でやれているかなという印象を持ちます。

―特にこの一年で伸びたなと思う選手は
昨年箱根メンバー外だった岡原(仁志=経2)、松澤(拓弥=社2)の二人は全日本を走りましたし、今年飛躍的に伸びたなと思います。

―最後に意気込みを
自分達の目標である箱根7位を必ず達成して4年生を最高の形で送り出したいという気持ちが強いので、箱根メンバーを外れてしまった選手たちも一丸となって戦い、笑顔で大手町のゴールを迎えたいと思います。

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森田拓海(もりた・たくみ)
1997年6月2日生まれ。185センチ・70キロ。社会学部2年。

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