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【特集】 中高大合同合宿と斎田監督インタビュー~世界に挑む指揮官と「法政魂」/フェンシング部

日時:12月25日(火)~27日(木)
場所:法政大学第二高等学校

今や多くの現役法大生やОBが世界と戦う時代。しかし、戦っているのは選手達だけではない。この度、法大フェンシング部の斎田守監督が2016年リオ五輪を目指す日本フェンシング協会の五輪強化委員長に就任し、法大の監督を退任することになった。12月25日~27日に行われた中高大の合同合宿の特集と合わせ、世界に挑む法大ОBの指導者としての考えや、法政大学フェンシング部に対する熱い思いに迫る。

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熱い思いを語った斎田監督

大学から世界へ! 目指すはリオの頂

斎田監督は法政二高、法政大学フェンシング部のОBであり、引退後は長年に渡り日本のフェンシング界を引っ張り、競技の普及や全体の競技力の向上に努めてきた人物だ。その努力の甲斐もあり、日本のフェンシング界は北京五輪の男子フルーレ個人で太田雄貴が初の銀メダル獲得に続き、昨年行われたロンドン五輪では団体初のメダルとなる銀メダルを獲得するなど、近年の競技力の向上は目覚ましいものがある。この度、満を持して日本フェンシング協会の五輪強化委員長に就任。戦うフィールドは変わっても、「常勝軍団」法政大学の監督のときと同じように、世界の頂を目指す気持ちに変わりはないようだ。またインタビューでは、大学フェンシング界のこと、法大フェンシング部への思い等も語ってくれた。
北京、ロンドンでの連続五輪メダル獲得により、フェンシングという競技が国内で盛り上がりを見せる中での就任となるが、法大OBの新たな挑戦に大きな期待をしたい。そして法大フェンシング部は監督退任後も、監督の意志を引き継いで学生、そして日本の頂点を目指して努力を続けていくだろう。

深まる「法政ファミリー」の絆 中高大合同強化合宿

その斎田監督が中心となって企画された、法政二高で開催された、法政二中、二高、法政大学の中高大合同合宿。その目的は中学、高校の付属生の部員が法大生のレベルの高さに触れることで、更なる競技力の強化を図り、高校で競技人生を終えるのではなく、大学でも継続してフェンシングを続けていく土台を作ること。付属校から大学へのより安定した人材確保を図ること。そして早くから大学の選手と触れ合うことによって、愛校心の強い「法政魂」を持った選手たちを育成することだと言う。また大学生にとっては、中高生への指導を通じて、もう一度自分のフェンシングの基礎を見直す機会にもなる。男子エペの鈴木や男子サーブルの安藤など、法大で活躍する付属出身の部員は過去現在通じて多数おり、今後も多くの付属校の選手達が入部することになれば、一般生との競争も激化し、法大全体の更なる競技力の向上に繋がるだろう。練習中には大学生と高校生が共に個人レッスンを取り合い、大学生からアドバイスをする場面や、大学ОBが中学生を指導するシーンが見られた。
指導し、され合うことによってお互いの競技力を高め、全体の底上げを狙う。そして各カテゴリーで勝利を追い求め、日本のフェンシング界を牽引していく―「常勝軍団」と言われる法政フェンシング部の挑戦は、決してとどまることはない。

選手、監督インタビュー

齊田守監督

ーこの二高合宿開催にあたる意図とはどのような点ですか
前々から、付属校との合同練習というかはやるべきだな、せっかく付属校を持っているんだからやるべきだなと思っていたんですけど、なかなか実行に移せなかったんですけどね。やはり1番の想いは、中学生・高校生が今一つ本当のフェンシングに触れてないような気がしてて、僕の母校でもある法政二高が神奈川県では間違いなくトップであってほしいんだけどここんところそうでもなかったというのも危惧してたりだとか、大学に対してそれなりに実力のある人間が来れるのも魅力だと思うので、そういったものを中学校のときからしっかりと強化していくのが1番の狙いですね。あとはもう、「法政魂」ですよ。二高からの奴で7年間校歌歌うんだよね、二中からの奴は10年間も同じ校歌を歌う。1回校歌を歌うたびに、血がオレンジに変わっていくんですよ。10年間歌ったら丸々オレンジですよ!そのような愛校心強い「法政魂」持ったフェンサーを育てたい。

ー現在も鈴木選手や安藤選手など二高出身の選手が活躍なさってますが、法政二高からのパイプはもっと強化していきたいと言うことでしょうか
そうですね。安定的に大学に入ってもらいたいということを先ほども話したんですけど、高校時代である程度燃え尽きちゃって大学では違うことやろうって人もいるんですけど、そうじゃなくて高校時代そんな成績なくても大学入ったら関カレだったりインカレ取ってる二高のOBって多いんですよ。大学行ってしっかりトレーニング積んだおかげで関カレ優勝したりインカレ優勝したりっていうのがけっこういるんですよ。僕とかそうだけど。僕自身も実際に二高のときはたいしたことなかったんです。でも大学に入って一生懸命やって当然日本代表にもなったし、インカレも取ったしっていうような世界。愚直にまじめにやれば必ずそういうことになるっていうのも自分自身も体験してるし彼らにも体験してほしいなって思ってますね。

特に大学の選手に今回の合同合宿を通じてどのようなことを学んでほしいと考えていますか
中学高校の人たちは、全国から集まってる色んな剣筋持った大学生の先輩たちと触れ合うことによって競技者としてのレベルを引き上げてもらいたいと思うし、逆に大学生は中学生高校生に教えたりする立場なんだけど、そういうことを通じて基本をもう1回見直したりとか新たなことに気づいたりね、双方向で良い関係になれるんじゃないかなって思ってます。

ー次に強化委員長就任に関するお話を伺いたいのですが、まず委員長になった経緯はどのようであったのでしょうか
まず、張西ロンドン前委員長と、私が副委員長だったんだけれども、北京の前からずっと二人で強化のこととか外国人コーチの招集だとか今まで日本で取り入れてなかったようなことに取り組んできて、1番は張西強化委員長はもう年だと、68(歳)だと。辞めさせてくれということから、山本会長が「やるんやったらもう齊田しかおらんやろ」。中島副会長・星野副会長・(フェンシング)協会の上層部が一致で「もう齊田にやってもらうしかないんだ」ってことから、僕としては荷が重いなぁとは思いつつも、なんとかしなきゃいけない、誰かがやらなきゃいけないのは事実なんで、引き受けざるを得ないという経緯ですね。

ーロンドン五輪で日本代表が銀メダルを獲得し、国内でフェンシング界に注目が集まっている中での就任されましたが、プレッシャーはありますか
ありますよ、そりゃ。どんなときでもねプレッシャーもあるし、私は日本フェンシング協会の理事になってもう10年になるかな。いわゆる財務委員長ってのと強化副本部長っていうのとエリートアカデミーのディレクター、お金が出ない役職は全部僕がやっていたんだけど、やっぱりそれぞれの立場での責任はあって。僕がお金を集めなければ子供たちは遠征に行けない。だから年間何千万円以上も集めて強化費にあてているわけですよ。それから、その強化副本部長ってことになると、年間の遠征のスケジュールだとか外国人のコーチの招聘だとかその扱いも全部やらなきゃいけないし。あと、エリートアカデミーってなると中学校出たばっかとか小学校出たばっかの子供たちが親元離れて赤羽のトレーニングセンターに来るわけですね。もうはっきり言って命を預かるわけですよ。そのような責任だとかプレッシャーとかっていうのはもう常にありますよ。でも、マイナー競技っていうのはどこもそうだから。誰かがバカにならなきゃだめだ、フェンシングバカにならなきゃ。中島総監督だったり、山本名誉副会長だったりとかはみんなバカですよ!だから僕もよその人に言われれば、「齊田はフェンシングバカだ」って思われてて。でも、そういう人が変えていくんじゃないかなって思うんだよね。そうでもしないとマイナー競技ってなかなか上がっていけないですよ。

ー法政のOBとして世界に立ち向かうことについてはどうお考えですか
法政大学のOBだからどうのこうのっていうのはないよ。ただ、法政大学の監督を全うできたかなっていうのはちょっとあるんですけどね。前任の監督が中島さんっていうものすごくカリスマみたいな人で、(監督を)引き受けるときは離婚するっていうくらい法政大学の監督って荷が重いんですよ。他の大学の監督に比べると、数十倍違うんじゃないかな、そのプレッシャーとか伝統とかね。知っての通り、(法大フェンシング部は)1番オリンピック選手を輩出してて、王座32連覇、インカレ18連覇とかでしょ。負けたらどうしようって話ですよ。だから、試合会場とかで法政が負けるときなんかみんな見てるじゃないですか。そういったプレッシャーはすごく強かったんだけれども、みんな協力してくれて思い起こせば良い思いばっかさせてもらったなって思うんだけど、そこで培ったことなんかも生かしながら世界で金メダルをね取れるようにしたいのと、そのメンバーに法政の卒業生が1人でも多く入れれば良いなって思うけどね。

ー日本フェンシング協会としての今後のビジョンはありますか
もう絶対金メダルですよ。金メダルしか見てないです。日本フェンシング協会自体が、金しか欲しくないんですよ。特に僕なんかはもう銀もビリも一緒なぐらいって思ってるんです。だから、この間のロンドン行ったときも、メダル取ってホッとしたっていうのがほんとのところで。帰ったらみんな喜んでくれてたけど、強化本部としては「すいませんでした」っていう感じなんだよね。「銀ですいませんでした」っていう。金メダルを取りに行ってるんで、「金」と「銀」はものすごく違うんですよ。それを僕はものすごく知ってるんで。太田(雄貴)のキャラクターがあるからね、銀でもテレビに参加してくれてるけど、本当は銀より金ですよ。インカレもそうじゃん。(今年のインカレの決勝戦で)44‐44でフルーレが1本勝負なったけど、勝ったチームと負けたチーム全然違うでしょ。でも、実力の差っていうのはほんとわかんない。それくらい、栄光の記録に名前載せたりするのは価値があるってことなんですよね。だから、やっぱり日本フェンシング協会としては、とにかく金メダルは悲願なんです。とにかく取りたい。どんな形であろうとも金メダルを取りたいから、フルーレの強化はある程度進んでいるんだけれども、毎年良いわけじゃないから。フルーレがだめでもエペだったりサーブルだったりが勝てるような、今の法政のフェンシング部みたいなね。フルーレがすごく強かったけど、今年なんか特にちょっと弱かったでしょ。でも、サーブルが来てたりエペが来てたりっていうふうにしないと、32連覇だったり18連覇だったりっていうのは無理だよね。

ー大学フェンシング界の現状についてどう思われますか
大学はものすごくどのクラブもどのサークルもそうですけど、社会人になる1歩手前の自主運営ってところに重きを置いてると思うんですよね。高校のときは先生がいて、毎日練習を全部見てくれてると。だけど大学は自分たちでスケジュール決めて自分たちでレッスンやったりファイティングやったり、たまに監督やコーチが見るっていうのが主流だと思うんですけども、それはそれで良いと思ってるんですよ。何もかも与えられて受動的にやるクラブっていうのは長続きしないと思うし、本当の意味での強さにはならないと思う。自分で強くなりたかったら、その情報は監督やコーチが教えてくれるけど、要は自分だよ。だから、練習どうとか手を抜こうと思えばすごく抜ける、大学は。高校のときのようなきつさはないんだよ。ただやろうと思えばどんどんきつくできるし、能動的に何かを求めていくってことは社会において必要なことだから、社会に出ていく前の勉強っていう点では大学のスポーツっていうのは意義あると思うし、僕が監督として思うのはアマチュアスポーツを通じて社会に貢献できる人間を育成すると。こういうのが僕のテーマなんですよ。やっぱアマチュアスポーツで培ったもので社会に貢献できる人間の育成ができればいいなって。

ー法政の監督をしていたなかでどのようなことが印象に残ってましたか
毎年毎年チームのカラーが違うんで、苦労もさせられたけども出来の悪い奴らが印象には残ってるよね。親父みたいなこと言うけど、今エペのコーチやってる山本とかね、あいつらの代はけっこう印象残ってるし、あとは見延が4年のときに全日本取ったでしょ。あのときは5冠やってくれたんですごく嬉しかったですね。

ー法政大学体育会の学生ならびにフェンシング部の学生にはどのような選手になってほしいですか
まずは元気で明るいっていうのが1番だよね。やっぱり挨拶ですよ、圧倒的に違うのは。運動部が良いとされるのは、挨拶ができるよね、ちゃんとね。「おはようございます」ってね。そういうのが1番じゃないかなぁ。僕は社長もやらせてもらってるけど、やっぱ運動部っていうのは挨拶が大きい声でできるし元気で明るい奴が、まぁ頭は悪いのかもしれないけど、すがすがしくて良いなって感じる部分はありますよね。文化系がそうじゃないってわけではないけど、(運動部には)多いっていう。

ー法政の今いる選手に一言エールをお願いします
決して諦めることなく練習していってほしいと思いますよ。これからも応援してます。

山田祥大選手(キャ3、来年度フェンシング部主将)

ーこの合同合宿の意義について、どうお考えですか
この合宿は中高大の合同でやることによって、法政大学全体の意識を高めて、練習の中で横の繋がり、チームワークみたいなものを高めていければ良いと思います。

―主将として初めての合宿になりますが
初めての合宿の形なので、今シーズン締めの合宿と言うことで、来年度に繋がるいい練習にしていければ良いと思います。

ー教えるということで競技力を高めるということを斎田監督もおっしゃっていましたが
僕らが中高生を個人レッスンなどで教えることによって、新たな発見や、大学に入ってこういう風に(レッスンで)人を取りたかったなとか、初心に戻ることが出来て良いと思います。

ーこの合宿での個人の目標は
個人としてはキャプテンらしくなることと、今年はインカレでフルーレとエペの2冠を取ったので、来年度に向けて今年以上のチームを作ってくれと水谷先輩に言われたので、何としてもそういうチームを作るということと、フルーレはインカレで優勝したんですけど、それまで良くなかったので、フルーレチーム全員でもっと強いチームにしていきたいです。

ー斎田監督が退任されることになりましたが、どのようなお気持ちですか
宗像監督に変わったのですが、宗像監督も大変詳しい監督なので、これから監督と共に頑張っていこうと思います。斎田監督は辞められても、3年間お世話になったのは斎田監督なので、そこは変わらないです。

鈴木理来選手(文3、法政二高出身)

ー二高合宿を今日まで行ってどんな感想をお持ちですか
普段とは違う環境で練習できているので、新鮮だし、楽しいです。

ー高校のときと比べてどうですか
教えにきてるっていうよりは一緒に練習に来てる感じなので。自分たちが教えることが多いですけど、その教えることによって自分たちも学ぶこともあるのでお互いいい感じでできています。

ー合宿を通してなにか目標はありますか
4月から始める試合にむけての課題とかです。あと、二高生との関係の強化ですね。

ー合宿の取り組みそのものに対してはどうお考えですか
教えてる相手だけでなく、自分達も、お互いにとっていいことだと思います

ー斎田監督がおっしゃってた「教えることで競技力を高める」ということが実践できていると
はい、そのとおりですね。

ー斎田監督の退任について
まぁ、最後の年はなにもおっしゃってなかったので・・・。さびしい気持ちはありますけど、自分たちの先輩というか、深く関係がある人であるのは変わりないので、これからも勝って、喜ばしたいと思います。

※掲載が遅れましたことお詫び致します。

 

フォトギャラリー

  • kantoku1熱い思いを語った斎田監督
  • kantoku2中学生を指導するのは法政二高、法大ОBの荒井俊樹さん
  • kantoku3大学生と高校生がペアを組んで練習を行った
  • kantoku4母校での合宿となった鈴木
  • kantoku5円陣で練習を締める!
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