フェンシング

【フェンシング】第67回全日本選手権大会3日目(個人戦) 男子フルーレ長島が大舞台で3位入賞!前回王者と激戦を繰り広げる 女子フルーレは真田が8強へ

第67回全日本フェンシング選手権大会(個人戦)
2014年12月19日(金)~12月21日(日)
大田区総合体育館

最終日に登場したのは3種目の中で最も層が厚いとされるフルーレ。学生大会では毎回のように入賞者を出しているが、強豪ひしめくこの全日本で上位進出は簡単な道のりではない。そんな中、法大が誇る男子フルーレの絶対的エース長島徳幸(文3)が準決勝に駒を進め、前回覇者と激戦を演じた。また女子は、接戦を制した真田玲菜(キャ2)が8強入りとなった。

1221長島3 R
3位に輝き笑顔でメダルを手にする長島

試合結果

種目出場選手試合詳細順位
男子フルーレ 長島徳幸(文3)

準決勝●14-15 準々決勝○15-6 3回戦○15-9 2回戦○15-3 

1回戦○15-6

3位
加藤祥(営4) 3回戦●7-15 2回戦○15-11 1回戦○15-7 ベスト16
東哲平(営3) 3回戦●8-15 2回戦○15-13 1回戦○15-5
大石利樹(法2) 3回戦●13-15 2回戦○15-6 1回戦○15-10
女子フルーレ 眞田玲菜(キャ2) 準々決勝●8-15 3回戦○5-4 2回戦○15-7 1回戦○15-6 ベスト8
〃  柳岡はるか(法2)  3回戦●14-15 2回戦○15-12 1回戦○15-9  ベスト16 
 〃 久良知美帆(法3)  2回戦●8-10 1回戦○15-10   ベスト32

戦評 

男子フルーレ

1221長島2 R

アタックを仕掛ける長島

2012年ロンドン五輪の団体戦で銀メダルを獲得した選手も出場する男子フルーレにおいて、法大のエース長島が堂々の3位入賞を果たした。長島は前日に行われた予選で全勝し、レベルの高い選手が揃う中4位でトーナメント進出を決める。1回戦は5-5の状況から9連続得点で一気に突き放し、15-6のスコアで勝利する。2回戦も高校生相手に圧倒すると、続くベスト8を懸けた試合でもアタックが冴えわたり準々決勝まで駒を進めた。
 長島の他にも法大から加藤、、大石利8強へ向け戦いに挑んだ。11月に行われた全日本学生選手権大会で個人団体の2冠に輝いた大石利は12回戦を危なげなく突破するが、次の齊藤(鶴弥)との試合は、終盤にリードを奪うも、勝利目前の場面で連続失点を喫し13-15と惜しくも敗れた。2回戦を接戦で勝ち上がった東は、前回王者の千田(阿部長マーメイド食品)に対し追いかける展開となる。後半点を取り返すも及ばず、8-15で力の差を見せつけられた。今大会が学生最後の試合となる加藤は、同じ大学生との勝負を二度制し3回戦に進出。相対するのは五輪メダリストの三宅(セイコー)だ。昨年敗れている相手であり一矢報いたい加藤だったが、終始ペースを握られる厳しい戦いとなる。仲間の声援を受け連続得点を奪う場面もあったが、日本代表の背中は遠く7-15のスコアで敗戦した。
 法大勢で唯一ベスト8に名乗りを挙げた長島は、東亜学園高の敷根章との試合に臨む。先日の全日本団体戦では1-5と苦しめられた相手に対し「不安だった」というが、この試合は実力を発揮する。序盤まできっ抗した展開となるが、リードしてインターバルに入り2セット目に突入すると、ここから勢いが加速。驚異の8連続ポイントで後半は相手に得点を許さず、自分のペースを貫き15-6と快勝を収めた。
 ベスト4からは会場を移し、国際大会同様の雰囲気で行われる。暗くされたアリーナは中心だけが明かりに灯され、その高く設置されたピストに長島が上がる。他に準決勝に進出した選手は、千田と三宅、そして藤野(東京フェンシングスクール)と日の丸を背負い、世界を相手に戦う面々だ。試合前は「すごく緊張した」と振り返ったが、国際大会にも多く出場する法大のエースは真価を見せた。
 2連覇を目指す千田との対戦となった準決勝。開始直後に連続失点を喫するなど相手のペースで試合は展開していき、2-7とビハインドを抱える。しかし「恥をかかないように」とくらいつく姿勢で、3点を奪い徐々に点差を縮めていく。5-82セット目に入ると長島のアタックが光る。互いに点を取り合う激しい状況の中で「自分のできることをやるしかない」と果敢に攻撃を仕掛け、4連続の得点を重ねた。さらに試合は進み12-12と同点の場面から、攻撃に来なくなった相手に対し鋭く剣を突き、再びたたみ掛け14-12と先にマッチポイントに乗せる。会場は歓声が上がり、法大選手の応援も大きくなり長島を後押しした。そして15点目へ、長い競り合いを制しランプが点灯。決勝進出かと思われたが、このプレーはビデオ判定で得点には至らず。そしてここから千田が土壇場で連続得点を決め、14-14と試合はついに一本勝負を迎える。観客が息をのんで見守る中、長島は前に攻めるも背中に剣を受け千田側のランプが灯った。その瞬間、会場は悲鳴とも歓声ともとれる音に包まれ、長島はひざをついた。それでも、五輪メダリストである前回チャンピオンを追いつめ、激闘を繰り広げた戦いぶりは法大のエースに留まらず、日本のエースになる未来を予感させた。惜しくも届かなかった勝利に「もっと貪欲になっていきたい」と語った長島は、すでに先を見据えている。
 出場した4選手すべてがベスト16以上と好成績を残した男子フルーレは、今後さらなる高みを目指す。個人の力だけではなく、この秋はチーム力も向上し団体戦で2冠を手にした。全日本3位の長島を中心に、来年は団体5冠も夢ではない。(宮城風子)

女子フルーレ

 快調なスタートを切った2014年の女子フルーレ。まずは5月の関東学生リーグ戦で初優勝を飾ると、続く王座選手権も制覇。秋の関東選手権大会(以下関カレ)は決勝でまさかの敗戦となるも、全日本大学対抗選手権(以下インカレ)では日本一の栄冠に輝き、雪辱とともに改めて学生で一番強いことを知らしめた。今回の全日本は女子フルーレをこれまでけん引した大石栞菜(法4)は未出場となったが、来季の主将久良知、インカレ3位の柳岡、関カレ3位の真田が出場した。
 予選は3選手とも突破。特にその中で状態の良さを出したのは柳岡と真田の2年生コンビだ。共に落ちついた試合運びで予選の5試合を全勝。真田は全体の4位通過。柳岡は5位通過と好発進となった。1回戦は状態のいい2選手に加え久良知も負けじと勝利を収め、翌日行わる2回戦へコマを進めた。
 2回戦、久良知は強敵との対戦となった。昨年準優勝であり、今大会も3位通過の吉澤千恵(群馬クラブ)だ。試合序盤、まず久良知が優位に進める。相手の出足を見ながら、慎重な攻めとなるも、攻め時には思いっきりのいい突きで次々とポイントを奪い、4-1とまずリードした展開に持ち込む。しかし徐々にペースをつかまれるとそのまま逆転を許してしまう。それでも久良知は粘る。強者相手に緊迫した中でも、久良知らしさが光る攻撃で差をつめる。時間が迫った中でもすぐに点を取り返す粘りを見せたが、最後はタイムアップ。8-10と強者相手に競った試合を見せるも悔しい敗戦となった。
 一方、柳岡は自身が「苦手な相手」と評する昨年にインカレ女王・真所(三菱東京UFJ銀行)との一戦となった。試合は流れが交互に訪れる目まぐるしい展開。序盤、6-2と柳岡がリードするも、追い付かれ、そのまま逆転され苦しい展開となる。それでも逆転を許した後は再び柳岡がポイントを取り、流れをつかみかけると後半は相手のミスにもつけこみ、逆転し、突き離す猛攻。15点を取りきり、シーソーゲームを制した。
 ベスト8をかけた3回戦、柳岡は宮脇花綸(慶應女子)と激突。ユース五輪で銀メダルを獲得し、2014年アジア大会で共に日本代表として戦った年下の好敵手との試合は終盤までもつれる熱戦となった。普段から練習を一緒におこなっていることもあり「何をするかは分かっていた。本当の意味で戦術の戦い。」お互いの実力が分かりきっている中、攻める宮脇に対して、まず守りから試合を組み立てる柳岡、という構図で試合は進む。宮脇が連続でポイントを奪い、リードを広げられるも柳岡もカウンター等で応戦し、差をつめていく。5-7、7-9、7-11、10-12と互角となるが、先にマッチポイントを取ったのは宮脇。10-14で柳岡を追いつめる。しかしここから柳岡の反撃が始まる。一気に攻め込み、1点、2点、さらに必死の猛反撃はついに14-14。試合の結末は一本勝負にゆだねられた。最終ポイント15点目を決める一本は宮脇のアタックが柳岡のマスクをとらえた。勝負あり。「一番負けたくない相手だった」。世界相手に戦った柳岡の2014年の全日本は宿敵相手に涙の敗北となった。
 真田はこの全日本、躍進を見せた。2回戦も快調に突破し、3回戦はJOCエリートアカデミーの緒方実奈美。来年のチームメイトとなる相手との試合は、1点を巡る攻防となる。
序盤、いつも通り守りからリズムをつくる真田。試合は両者が出足を伺い、緊迫した空気が流れていく。真田は先手を取るも、その後同点に追いつかれ、4-4。緊張感あふれる3回戦は一本勝負で決着となった。そして、この試合を決めるポイントを奪ったのは真田。「気持ちは前に」と我慢比べでも落ち着き、後手にならない気持ちを持ち続けた真田はベスト8入りとなった。
 迎えた準々決勝は和歌山クラブの九野相手に出だしから押し込まれる劣勢の展開となってしまう。それでも少しずつ立て直し、一時9点差つけられるも後半は反撃。インターバルを挟んだ後は強豪に互角の戦いを演じた。立ち上がりのリードが効き、そのまま逃げ切られるも堂々の戦いぶりで全日本を終えた。
 久良知、柳岡、そして真田。全選手とも全日本でも特に注目、強豪選手と戦い、そこで互角の試合。学生大会で見せた無類の強さを少なからず見せた。それでも各選手「後悔がある」と、口に漏らし、現状に満足はない。2015年は女子フルーレのエース、大石栞が抜ける。それでも、余りある戦力は変わりない。2014年は「3冠」。なら今年は「4冠」へ。そして、全日本の頂点。更なる進化は予想不可能だ。女子フルーレは2015年、新たな「伝説」を作っていく。(芳野史征)

選手のコメント

長島徳幸

激闘の準決勝を終えて今のお気持ちは
目標以上の結果が出たので良かったです。

今大会の目標というのは
結果としてはベスト8を目標にやっていました。

―予選全勝の4位で通過したのが大きかったのでは
そうですね、そう思います。あと、対戦相手も運が良かったというか、あまり強い人と当たらなかったので上がることができたと思います。

―序盤の試合での調子はどうでしたか     
少し力んでやった面もあったんですけど、いつもより距離感とかも冴えていたので点につなげることができたかなと思います。

準々決勝では全日本団体戦でチームとして敗れた東亜学園高の敷根章選手との試合となりましたが
試合ではやりづらい感じがして、現に団体でも1-5でやられたので不安だったんですけど、後輩に負けるわけにはいかないなと思って全力で戦いました。

この試合の良かった点は
1セット目は競った試合をしていたんですけど、2セット目に入ってからは相手に1点も与えないで自分のペースでいけるときに点を取れたところが勝因だと思います。

準決勝では会場が変わりましたが緊張などは
無駄に演出されていたのですごく緊張したんですけど(笑)、試合に入ってからはだんだん集中もできました。最初はぼこぼこにされて恥をかかないように1点でも多く取ろうと思って、それが結果として勝ちかけた試合になったので、恥をかかなかっただけ良かったかなと思いました。

相手は前回王者の千田選手でしたがどのようなイメージをもって試合に入りましたか
いつも練習している相手で、相性が全然良くなくて負けてばかりなんですけど、とりあえず自分のできることをやるしかないと思っていました。今日はコントルアタックが(千田)健太先輩に効いていて良かったです。

序盤2-7とリードされた状況から切り替えたことは
コントルを混ぜながらやって、相手が後半アタックにこなくなったので、良い影響を与えたのかなと思いました。

2セット目に流れをつかみ先にマッチポイントを取りましたが
体力的に結構きていたので「これ次取れるかな」と思ったんですけど、結果負けてしまったのでこういう気持ちをもっていたから負けたのかなと思います。やはり勝利に貪欲になっていきたいです。

―一本勝負で惜しくも敗れてしまいましたが日本代表相手に互角の戦いでした
いや・・・勝っていないので偶然14点取れたのかなという感じですかね。

―今大会での収穫は
少しは自信を収穫できたかなと思います。

この一年を振り返って
インカレの個人戦では優勝できなかったので、今回良い結果がだせればという気持ちで挑んでいたので、最後に良い感じで締められて良かったです。

来年に向けて
来年は学生の試合でしっかりタイトルを取れるように個人も団体も頑張って、こういう全日本も結果を残せるようにしたいです。

 

 眞田玲菜

全日本個人を振り返って
全日本の団体の時にベスト8入りたい目標があって、それが達成できたのでよかったです。

目標のベスト8に入れたお気持ちは
ここまで来たらもっと上まで行きたい気持ちはありますけど、最後(準々決勝)は今までのいい動きができたのが少し悔しいです。

予選も全勝の4位通過と調子自体良さそうな印象でしたが
調子がいいのかは分かりませんですけど、落ち着いて試合ができていたと思います。

―順調に勝ち進み、迎えた3回戦は接戦となりました
取って取られての繰り返しでしたけど、気持ち的には落ち着いていたので、しっかり相手の動きも見れていて、よ かったですね。

一本勝負の時のお気持ちは
一本勝負は(足は)下がっていましたけど気持ちは前に、前にという感じで。とにかく気持ち的にも引かないようにしていました。

ベスト8は決まったあとの準々決勝は厳しい試合になりました
立ち上がりがあまりよくなくて、後半は少しずつ追い上げることができましたけど、その後半の動きを最初からできていればよかったのはあります。

敗れた相手の印象はいかがでしたか
強い方だったので、思いっきり試合をしたいと思っていたんですけど、その最初がよくなかったのでそこが悔しいですね。

今年1年を振り返って
リーグとか振り返ってみると(少 し考えて)来年はもっと頑張らなきゃいけないですね。

今年成長できたことは何でしょうか
アタックができるようになったのはあります。前は守りの方が得意だったですけど、それだけではなくてアタックや攻撃もやっていく必要があって、アタックですね。

逆に課題は何でしょうか
準々決勝のとき、迷ってしまって足が止まってしまうことが多かったので、やっぱり足は常に動かさないといけないと感じました。

来年の目標をお願いします
来年はリーグからインカレまで優勝できるように頑張ります。

個人的な目標は何でしょうか
もう少し精神的に強くなりたいです(笑)。

柳岡はるか

―全日本を振り返って
まず目標は優勝することだったので、結果に関しては後悔しかないです。
 
予選は5位といい滑り出しでした
全勝でちゃんと抑えるところは抑えてやれたので予選自体は悪くなかったと思いますけど、少し失点が多くて抑えきれなかった部分がありました。
 
大会前から調子自体はいかがだったのでしょうか
遠征には行っていたんですけど、調整する時間もありましたし、(大会に)入る流れとしては悪くなかったです。
 
トーナメント2回戦は厳しい試合となりました
元々苦手な相手で、簡単に一筋縄ではいかない相手だと分かっていたので、できるだけ点数を抑えながら、もったいないポイン トを絶対にあげないように意識しました。流れが向こうにいったりこっちにきたりしていたので、流れの移り変わりの速さがあって、中々自分の流れで進められなかったのは悔しかったです。でも相手のレッドカードとかに救われて、落ち着いてやることはできました。
 
3回戦は同じ日本代表でアジア大会団体戦のチームメイト、宮脇選手との対戦になりました
勝たなきゃいけなかった相手だったと思いますし、普段も一緒に練習していて、一番負けたくない相手だったので10‐14になったときも点差を気にしないで勝つことしか考えてなくて、必死にやっていたら14‐14になって、最後の1点は迷ってしまったところがあって、何やるか考えがまとまらないまま入ってしまったので、それは 今でも後悔です。
 
―普段から一緒に練習している相手と全日本で対戦したことについては
お互い何をするか分かっているので、いかにそこをタイミング良くやるか、本当の意味で戦術の戦いになってました。
 
改めて宮脇選手の印象はいかがですか
この何年間かずっと一緒にやってきて、妹じゃないけど自分を下から押し上げてくれる存在です。
 
2014年シーズン振り返っていかがですか
アジア大会、ジュニア、シニア含めて全部の大きい試合は出ることができたので、出場するという目標は達成することができたんですけど、そこで結果が全然ついてきてないので、来年はナショナルチームに行くことを目標に、今年みたいに結果が出な い年じゃなくて、結果を出す年にしたいです。2015年は2016年のオリンピックの予選の年になるので、あとはもっと内容も含め結果を出したいです。
 
今年、自分でよかったと思う点は何がありましたか
ジュニアワールドカップで個人、団体両方で優勝することができて、それは今まで自分ができなかったことで、ちゃんと結果として出せたことはよかったと思います。ただ、それだけで終わってしまいました。
 
技術的な課題についてはいかがでしょうか

振り込みという技(剣のしなりを利用して、相手の肩や背中を突く技)をもっとちゃんと、100%に近いくらい決められるように今も練習しているんですけど、昔と比べたらだいぶ入るようになりましたがやっぱりまだ成功率が低いので、しっかり突けるようにして大事なときに自分の頼れる一本にしていきたいです。

2015年へ向けて意気込みお願いします
来年はもちろん大学の試合も個人、団体どちらも獲りにいく気持ちですし、海外に関してもオリンピックの権利を取ることを目標にしたいと思います。

フォトギャラリー

  • 1221長島3 R3位に輝き笑顔でメダルを手にする長島
  • 1221 R普段とは違う雰囲気での準決勝
  • 1221長島 Rエースの来年の活躍にも注目だ!
  • 1221眞田 R初のベスト8に進出した眞田
  • 1221眞田2 R眞田は準々決勝敗退も健闘を見せた
  • 1221加藤 Rラストの公式戦でベスト16入りした加藤
  • 1221柳岡 R一本勝負に敗れ肩を落とす柳岡

 

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