フェンシング
 

Road to king~フェンシング学生王座特集第3弾・男子エペ~

第61回全日本学生フェンシング王座決定戦
2011年6月11日(土)
会場:京都府大山崎町体育館

 たった1点が勝敗を左右する、それが勝負の世界。この特集最後を飾る男子エペの決勝はまさに1点を争う「一本勝負」となった。勝てば優勝、負ければ昨年と同じ悔しさ残る準優勝…。昨年と同じく相手は同志社大、雪辱戦の舞台は整った。
 フェンシングでは一本勝負となることは決して稀ではない。そこに見る一瞬のドラマ。長く積み重ねてきた努力は、春を締めくくる「王座」への道に繋がっていたー。
 

fen ouza3-1
王座を終えて笑顔の選手たち

試合結果

総合成績

 対戦校結果出場選手備考
1回戦   立命館大  45-34  辛島裕太④・吉田玲②・吉澤有紀①  
決勝戦  同志社大  45-44  同上 優勝 

*名前横の数字は学年。

運命の一本勝負

 リーグ戦全勝優勝飾り、満を持して王座へ臨んだ男子エペチーム。このまま昨季の雪辱を晴らし、王座奪還を狙いたいところだ。1回戦の相手は立命館大。第1セットは、辛島が5-4となんとかリードで終えると、続く1年生の吉澤が3点のリードを奪う。しかし、そこから差を広げ続けることができない。第5セットまでわずか4点のリードで緊張感が絶えない試合展開となる。試合が動いたのは第6セット。調子を上げてきた吉田が一気に5連続ポイントを挙げると、吉澤もその勢いに続き効率よく攻め、第7セット残り6秒で35点目を取り、10点のリードを得る。その後は連続ポイントをなかなか奪えないも、点を取り合うシーソーゲームとなった。最終セット、辛島がリードをしっかり守り切り、45-34と余裕を持って決勝へと進む。

 迎えた決勝、対するのは昨年の王者・同志社大だ。第1セット、吉田が4-5とリードされると、続く辛島も得点をわずか1点のみとし、リードを広げられてしまう。だが、第3セットで吉澤が相手の隙をうまく突き、12-12と同点とするも、第4セットでまた4点のリードを奪われてしまう。その後、吉澤の奮闘と辛島の粘りで相手にリードを広げさせまいとするも、逆転することが出来ない。だが、2点のビハインドで迎えた第8セット、吉田が怒涛の快進撃を見せる。31-34、と当初はリードを許したが、徐々に自らのペースを掴むと同時突き(突きを同時に決めた場合、ポイントが両者に加算されること)を含む驚異の9連続ポイントを挙げ、3点のビハインドから一転、40-38と2点のリードを得ることに成功する。しかし、この劇的な逆転劇だけでは終われない。勝負の行方は最終セットへ持ち込まれた。
 

 最終セット、キャプテンの辛島。序盤はお互いに1点ずつポイントを重ね、41-39と均衡となる。だが、その後は勢いに乗り始めた辛島が3連続得点し、44-39のマッチポイントまで迫った。次で勝負が決まる、と誰もが思ったに違いない―。運命の女神はそう簡単には微笑まなかった。辛島はあと一歩のところで緊張感が切れたのか、同志社大の果敢な攻めに合い、その勢いに逆にのまれてしまう。気がつけば5連続ポイントを奪われ、44-44の同点まで追いつめられ、同志社大応援が最高潮に達する。
 勢いは間違いなく同志社大にあった。「何をすれば良いか分からなくて」と辛島があとで口にするほど、その場のプレッシャーは相当なものだったに違いない。勝利の1点を争う「一本勝負」が始まった。同志社大が勢いよく突きにかかるも、これを間一髪でかわした辛島がその一瞬の隙を突き、遠かった1点を手にした。瞬間、法大の王者奪還が決まり、メンバーは一斉に辛島に駆け寄り、抱き合って歓喜に沸いた―。

 今季、エペキャプテンをつとめる辛島以外は1、2年生ら下級生で新しくチームを組んだ。法大男子エペは2年前に主要大会5冠(内、社会人チームを含んだ全日本フェンシング選手権大会でも優勝)を達成しており、その立役者となったメンバーが今季卒業したためである。
 「経験不足」と斎田監督も述べるように、期待のルーキー吉澤を加えたが、試合経験は少ないメンバー。しかし、思えば男子エペチームの大躍進撃はリーグ戦からすでに始まっていた。リーグ全勝優勝、王座奪還と、その前評判を覆すほど実力は確かなものと証明した。そこには経験不足を補う厳しい練習の背景がある。チャレンジャーから、追われる立場となった男子エペ。法大にとって春は通過点にしか過ぎない。本番は秋に待つ、インカレや全日本選手権だ。多大なるプレッシャーに打ち勝ち、このまま全勝を飾り続けられるか。目標は高くそびえる。けれど、彼らなら必ずや成し遂げられるはずだ。

選手コメント

辛島裕太選手(4年)

ー今大会を振り返って
皆に助けられて、皆で勝ったって感じですね。去年王座で負けたので、借りを返せました。チームの団結力がさらに高まって、これから秋の関カレ、インカレも楽しみです。

ー決勝は一本勝負になりましたがプレッシャーがかかりましたよね
地獄でした(笑)あのときはもう本当に。真っ白でした、何をやれば良いか分からなくて…、とりあえず突けば良いんだ、突けば良いんだなと思ってやりました。

ー取った瞬間の気持ちは
もう天国でした!地獄から天国みたいな(笑)(周りの部員さん達も大笑い。)取った瞬間は、皆の笑顔がこの辺(頭の上あたり)に浮かびました。とりあえず本当に嬉しかったです。

ー秋に向けてエペチームの目標をお願いします
これで皆も法政が強いとマークしてくると思うので、結局今のままじゃ危ないですし、インカレも優勝出来ないので、これからもっと練習して、無敗で全日本まで行って、優勝出来るよう頑張ります。

吉田玲選手(2年)

―今大会を振り返って
前の試合でなかなか点が取れなくて仲間に迷惑がかかっていたので、駄目だなと思ったので、二番手を任された自分が取らないと誰が取るって気持ちで、最後辛島さんに繋げるために頑張りました。

ー優勝された今の気持は
リーグ戦の時点で優勝するとは思ってなかったし、まさか自分たちが王座に出るとは思ってなかったので、まだ実感ないですけど、本当頑張って良かったです。

ルール紹介~フルーレ編~

 王座出場を惜しくも今季逃したものの、フルーレにも注目です!東選手が夏にこの種目で日本代表としてユニバシアードに出場が決定しています。男子はチーム結成2年目を迎え、秋の活躍に期待がかかります。

*フルーレ
 フルーレはエペの練習用に開発されたとされ、フェンシングの基本となっています。得点となる有効範囲は、頭・両腕・両足以外の胴体部分です。サーブルと同じく「攻撃権」があり、その攻撃権を奪いながら攻め合います。同時に突いた場合はどちらが有効であったのか主審が判断します。

 

フォトギャラリー

  • fen ouza3-1王座を終えて笑顔の選手たち
  • fen ouza3-2ルーキー吉澤は落ち着いた試合運びを見せた
  • fen ouza3-3吉澤
  • fen ouza3-42番手の吉田は逆転劇の立役者に
  • fen ouza3-5喜びをあらわにする吉田(左)と吉澤(右)
  • fen ouza3-6キャプテンの辛島
  • fen ouza3-7長い手足で圧倒的なリーチを誇る(辛島)
  • fen ouza3-8王座奪還に抱き合う選手たち(右から2番目が辛島)
 

 

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