フェンシング
 

男子サーブルが見せた、最後の激戦 全日本選手権最終日/フェンシング部

第64回全日本フェンシング選手権大会(団体戦)
2011年11月25日(金)~27日(日)
会場:岐阜県大垣市武道館

 全日本最終日に行われたのはサーブル種目。法大からは男子のみの出場となった。この種目はリーグでは優勝を逃したものの、ほかの学生大会では3冠を成し遂げ、圧倒的な強さを誇る。迎えた準々決勝、強豪・警視庁戦。この激戦の最後に彼らが見せたものは、涙だった――。

zennihon3-1
警視庁戦では執念の追い上げを見せたエース新井

試合結果

総合成績

種目出場選手結果
 男子サーブル 新井弘太④、荒井俊樹④、水谷一貴③、大石峻司③  3位 
得点詳細   2回戦〇45-19茨城クラブ、準々決勝〇45-37中大、
準決勝●40-45警視庁
 

新井「悔しい」――戦い抜いた男子サーブルの雄姿

 リーグ準優勝以来、主要大会を全て優勝で飾ってきた男子サーブル。世界選手権代表の新井弘太を擁するほか、層の厚いメンバーのため、学生大会では常に勝利を求められてきた。勝たなければならないプレッシャー、それは彼らが一番背負ってきたのかもしれない。
  昨年の全日本はベスト8。 シードで臨んだ初戦の茨城クラブを大差で下すと、続く準々決勝の相手は因縁のライバル中大。関東選手権、インカレ、長年数々の決勝の舞台を戦ってきた相手とここでぶつかり合った。序盤は一進一退でわずかなリードを守る。最後は新井が速い攻めと圧倒的な迫力で決め切り、45-37でベスト4入りを果たし、まずは昨年の自分たちを越えた。

  そして準決勝――昨年優勝の強豪・警視庁が立ちはだかる。4人の吠える声が響き、気合いの円陣を組んだ。まずピストに立ったのはエースの新井。流れを左右するこの大事な第1セットを5-3でリードする。だが第3セット、相手のペースに呑まれ、引き気味となり、6連続得点を許してしまう。しかし、そのままリードを広げられそうになったのを食い止めたのはやはり新井だった。力強い攻めで食らいつく。続く水谷も20-28と離されたところで、2点を奪い粘ったが、この得点時に足を痛める。冷やしながらも再びピストへ立ち、気合いで24-28まで詰め寄る。だが警視庁も追撃を許さず24-30で最終順へ。粘り強いプレーで離されまいとするが、8セットめで素早い切りなどで4連続でポイントを取られ、流れは警視庁に傾く。32-40。厳しい点差で新井に最終セットが託された。
  41点目、警視庁。あと4点で勝負が決まる――。しかし、ここから快進撃が始まった。新井らしい力強い低い体勢からの踏み込みで6連続得点、スコアは38-41。しゃがみこんで自分のプレーにガッツポーズを見せる。土壇場であと3点まで昨年の王者を追い詰めたのだ。38-43、39-43、39-44…。まさにお互い一歩も引かない展開。だが、次に相手に取られればそこで終わるところまできた。
  誰もが緊張したこの瞬間、新井はこの試合一番の力で吠えた。何度も何度も吠え、腿を叩いて自らに気合いを入れて臨み、アタックが決まり40点目を掴み取る。しかし、最後まで攻めの姿勢を見せたものの、無情にも相手の剣が突き刺さり、45点目のランプがついた。
 
  ピストの上に崩れる新井。ゆらゆらと立ち上がり仲間に励まされながら最後の挨拶を終える。それでも抑えられない悔しさがこみ上げ泣き崩れながら最後の円陣を組んだ。昨年の王者をここまで追い詰め、勝利まであと一歩と迫った。だからこその悔しさだった。しかし、会場からは拍手が起こる。それは、警視庁の勝利へだけではなく、最後まで諦めず勝利へと向かった彼らを讃えるものでもあった。
  男子サーブルが抱えててきた王者のプライド。警視庁戦は”挑戦者”として、「勝ちたい」という彼らの想いが全面に出た試合だった。悔しさで泣き崩れた姿は今季最初で最後。もう見ることはない。
  
 
 全日本で味わった頂点に立つ難しさ。法政にとって、学生大会ではあまり経験のない悔しさは残る。しかし、1つ1つを戦い抜き、”今”持てる力は出したのではないか。今大会で4年生は引退を迎える。来年度、全ての団体種目で新たなチーム作りをしていかなくてはならない。
  「強さ」ばかりが強調される法政だが、最高の笑顔で終えられた大会だけではなく、思うようにならなかった大会も、中にはある。だが、彼らは負けたことを悔しいままに終わらせないだろう。歴史を背負いながらも、彼らはそれぞれの”今”、一瞬を戦っている。これからも続いて行く戦いで再びの栄光を掴むために。そして、来年、全日本という大舞台で「1」という表彰台の上へ立つために。(酒井 加奈)

選手の試合後のコメント

新井弘太選手(4年)・荒井俊樹選手(4年)


―今大会振り返って
新井:悔しかったです。本当に学生最後の試合だったので、すごい悔しかったんですけど、自分たちの中では悔しいしかなかったんですけど、終わったあとにOBの方から良い試合だったと言われて、そういう面では最後、法政大学としての試合でよく終われたのかなと思います。
荒井:悔しいんですけど、長かった四年間もこれで終わりかと思ったら寂しかったですね。でもこのキャプテンと団体組めて楽しかったです。

―8点差でまわってきた最後はどんな気持ちでピストに上がられましたか
新井:点差的に相手も弱くないのできついなと思ったんですけど、気持ちで負けたら絶対勝てないと思ったんですけど、点数を見ないように一本一本集中して取るような気持ちで入りました。

―結果、連続得点で追い上げました
新井:そうですね、もうちょっと気持ち的には15点くらい取ったかと思ったんですけど、8点しか取れてないので、情けなかったです。

―警視庁戦は学生大会にはない今季初めて挑戦者として臨んだ試合でした
新井:学生の試合では勝って当たり前の感じではあったので、今回の試合は始まる前に俺たちは挑戦者だからというのを改めて確認して入って、その気持ちで出来て、結果が負けましたけど良い試合出来たと思います。
荒井:今回の1回戦、2回戦はあまりギアが入らなくて、足引っ張ってばっかりだったんですけど、警視庁とは相手の実力が一気に変わるので、吹っ切れた部分もあって、良い試合が出来たので良かったですね。

―4年間を振り返って
新井:お互い良いところ、フェンシングの面でも言い合ったり、私生活でも仲良くやって、団結力はあったなと思います。女子も四年の時にインカレ優勝して、団結力があったからこそ結果が出たのかなと思います。
荒井:自分は皆と違って、二高(法政第二高校)からだったしはいるのも入らないのも自由だったんですけど、入って良かったなと思うし、仲間もいるのが当たり前だし、むしろ一緒にいなきゃいけないのも嫌だなということも一切なくて。同期にも下にも恵まれて良い四年間だったなと思います。

―後輩にはどんなチームになってほしいですか
新井:一個下(今回チームを組んできた大石選手、水谷選手)なので三年間ずっと色々見てきて、悪いところもあるんですけど、良いところもたくさんあるので来年も優勝を目指して当然だと思うので、優勝して欲しいです。
荒井:優勝しなくちゃいけないっていうプレッシャーはあると思うんですけど、楽しく一生懸命やって、結果は結果なんで、出なかったら仕方ないし、それを攻め合ったりではなくて、全力出したねって言えるようなチームになっていってほしいです。

 

フォトギャラリー

  • zennihon3-1警視庁戦では執念の追い上げを見せたエース新井
  • zennihon3-2食らいつき力強いプレーを見せた荒井
  • zennihon3-3警視庁戦では苦戦もチームの勢いを作ってきた水谷
  • zennihon3-4力強いガッツポーズを見せる新井
  • zennihon3-545点目を奪われ、ピストにしゃがみこむ…
  • zennihon3-6悔しさで涙があふれた最後の円陣となった
  • zennihon3-7左から大石、水谷、荒井、新井、齊田監督
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