男子フルーレ団体、涙の今季初優勝!!! 全日本学生選手権3日目/フェンシング部
全日本学生選手権
日時:2012年11月7日(水)~11日(日)
会場:大山崎町体育館
悲願の優勝。今季優勝から遠ざかっていた男子フルーレが、インカレの舞台でリベンジを果たした。準々決勝で今季負けなしの早大から大金星を挙げたチームにもう怖いものはない。決勝戦では終盤に追い上げられ1本勝負となるも、フルーレキャプテンの東純が渾身のアタックを決め、インカレでは4年ぶりに王者の座を勝ち取った。
個人戦結果
選手名 | 結果 | |
---|---|---|
男子サーブル | 水谷一貴④ | 3位 |
大石峻司③ | ベスト8 | |
佐藤直輝④ | ベスト16 | |
吉田健人② | 〃 | |
丹代翔② | 〃 | |
安藤光平① | 〃 | |
斉藤采③ | ベスト32 | |
女子エペ | 本村祐里佳④ | ベスト32 |
団体戦結果
出場選手 | 結果 | 得点詳細 | |
---|---|---|---|
男子フルーレ | 東純平④、菅野慶嗣④、東哲平①、小久保航汰①、長島徳幸① |
優勝 |
1回戦○法大45‐21関大、準々決勝○法大45‐38早大、準決勝○法大45‐37明大、決勝戦○法大45‐44日大 |
女子フルーレ | 本村祐里佳④、大石栞菜②、久良知美帆① | 3位 | 1回戦○法大39‐25日体大、準々決勝○法大45‐18立命大、準決勝●法大31‐45日大、3位決定戦○法大45‐36専大 |
団体戦 東純「みんながつないだ44本だから」
男子フルーレ
決勝戦最後の45点目のランプが法大側についた瞬間、東純はベンチを向き身体を反らせながら大きな雄叫びを挙げた。試合後恒例の円陣を組む、団体メンバーならびに部員たち。東純が合図をかけた後、法大ベンチには歓喜の輪が生まれた。そして、涙を堪えることができないフルーレキャプテン東純と、ともに4年間チームに貢献した菅野。今季苦しい結果が続いていたなかでの悲願の優勝。その嬉しさは、彼らが流した涙に込められていた――。
圧勝で終えた初戦の関大戦。しかし、迎えた準々決勝の相手は、「相性が悪い」(菅野)と話す早大戦だ。早大は今季負けなしで、リーグ戦、王座、関カレの3冠を達成しており、インカレでも優勝候補となっていた。その、フルーレ王者・早大を相手にチームは結集する。最終セットで東純が鬼沢から5連続ポイントを奪われ巻き返しを図られたものの、法大ペースで試合は進み、45-38と大金星を挙げた。早大に勝利したことによって、一気に波に乗る法大。続く準決勝の明大戦も制すと、決勝の舞台へと駒を進めた。
そして、悲願の優勝まであと1勝。運命の決勝戦の相手は、日大だ。日大もフルーレの強豪校であり、春のリーグ戦では負けを喫していた。その日大相手にも、序盤から圧倒し続け点差をつけていく。決勝戦フル出場となった、ルーキーの長島も足を止めることなく思い切りの良い好プレーを見せチームを盛り上げた。第8セット、菅野があと1本を決めきれずに苦しむもなんとか振り切り、40-35の5点リードで、エースでありフルーレキャプテンでもある東純に最後を託す。迎えた最終セット。確実に得点を重ねて迎えた44-40と優勝は目前。しかし、ここから日大の猛攻撃が始まる。東純をじりじりと追い詰め、次々にアタックを決めていくとスコアはまさかの44-44となり一本勝負へともつれ込む。マッチポイントを取られた後から4点差を埋めたことにより、流れはやや日大に傾いていた。けれど、「みんながつないだ44本だから俺が取るしかない」と東純も腹をくくる。緊張感漂う試合会場。ベンチで、ピストのすぐ傍で仲間が固唾を飲んで見守るなか、「プレ・アレ」と試合開始の声がかかった。その瞬間、前へ大きく踏み込み相手を敵陣へ追い込む東純。そして、全てを出し切った渾身のアタックを決めると、ランプは法大側に点灯した。それは、ただ日大から勝利しただけでなく、男子フルーレが今季初優勝、そして4年ぶりのインカレ制覇を成し遂げた瞬間でもあったのだ。
女子フルーレ
女子フルーレ法大史上初となるインカレ優勝を飾った昨年のインカレ。代替わりを経て挑んだ春のリーグ戦では日大と早大に敗れ、個々・チームともに力も増して挑んだ関カレでは早大にまたも敗れどちらも3位で終わっていた。そして迎えたインカレ。大石栞は、「団体戦は日体や日大に勝って早稲田と勝負して倒したい」と団体戦への意気込みを個人戦終了後に話していた。頂点に届きそうで届かない今季。まだ見ぬ栄光をつかむため、団体戦に想いを託した。
初戦の日体大戦では大差をつけて勝利すると、続く立命館大戦も前の試合から絶好調の大石が途中12連続でポイントを奪う圧巻の戦いっぷりを見せ45-18とまたもや圧勝。この時点でベスト4入りを果たす。そして山場となる準決勝、相手は強豪校の日大だ。トップバッターの大石が5-2で折り返すと、久良知もそのリードを広げ本村へとつなぐ。しかし、3セット目、本村のアタックが決まらない。得点が一向に奪えない一方で、日大の攻撃は息を吹き返し本村を追い詰める。次第に点差を詰められ焦りが見え始める本村、ついに同点に並ばれると続けて9-10と逆転される。ここから、切り替えがきかない法大は点差をつけられていき、31-45で準決勝敗退。続く専大との3位決定戦では、安定した試合運びで制し表彰台の座を死守する。しかし、またも断たれた決勝戦への道、そして果たせなかった『打倒・早稲田』を踏まえての優勝。準決勝の壁は、依然として立ちはだかっていたのだろう。
個人戦 水谷は前田(中大)に優勝への道阻まれ
個人戦最終日でもあった試合3日目は、男子サーブルと女子エペの個人戦が団体戦の前に行われた。女子エペで唯一出場した本村は、惜しくも初戦敗退という結果に終わる。そして、男子サーブルは、水谷と大石峻がベスト8まで勝ち進む。
大石のベスト8がけの3回戦は、吉田健との同校対決となった。互いに点を取り合い続け、勝利の行方は誰もが予測不可能。大石が1点リードで前半を折り返すも、後半に吉田が13-11と勝ち越し流れを呼び込む。しかし、またもや大石の攻撃が再燃。先にマッチポイントを握っていたのは吉田だったが、大石がひるまず差をつめていく。そして、14-14となる見事なコントルアタックを決めると会場にはどよめきが起こった。そのまま最後も大石の攻撃がはまり試合終了。誰もが夢中になった白熱の展開に、試合後は大きな拍手が送られた。続く準々決勝では敗れたものの、学生生活最後のインカレを8位入賞で締めくくった。
そして、その準々決勝も勝ちきりベスト4へと歩みを進めたのは水谷だ。その準決勝、相手は関カレの決勝戦で対決した前田(中大)。序盤から競り合う展開が続くも、後半に入ると主審の判定に泣き得点を許す。判定に対する不服は拭われないまま13-15で敗退。最後まで抗議に徹したが報われることはなく、後味の悪い敗戦となった。悔しさやもどかしさを抑えることはできなかった。直後の守屋(明大)との3位決定戦も、準決勝を引きずってか不安定な展開が続く。途中、大幅にリードを奪われるもここで負けるわけにはいかない。気持ちを切り替えると、本来の動きに戻った水谷は勝利したものの、いつもの笑顔や雄叫びは決してなかった。
試合後の選手のコメント
東純平選手(営4) ※取材は最終日
ー優勝したときの気持ちはいかがでしたか
すごく嬉しかったです。
ー優勝へのプレッシャーはとても大きかったと思いますが
最初組み合わせ見たときに、今まで負けてた大学とあたるような当たりだったので、ここはもうやるしかないなって腹くくっていきました。
ー決勝戦、44-44と追いつかれたときの気持ちは
みんなでつないできた44本なので、俺が取るしかないなって思って。思い切って自分の持ってるもの全て出し切るしかないなって思ってやりました。
ーインカレを終えて
個人的には嬉しいんですけど、もっと上を目指していけるチームだと思っているので、来年の新しい後輩たちにはもっと上の成績をいってほしいなと思います。
ーそのなかで、今回1年生からも良い動きが多く見られました
思いっきりいっていたので。今後ビデオとかデータを取ってくる大学もあると思うので、それに負けないように頑張ってほしいなと思います。
ー最後に全日本に向けて
全日本は今まで4位・3位なので、決勝までいきたいです。決勝にいけるように、学生のチャンピオンとして頑張っていきたいと思います。
菅野慶嗣選手(国4) ※取材は4日目
ー優勝したときの気持ちはいかがでしたか
(東)純平君が、点差は5点くらいありましたけど、最後の試合に臨んで44-44まで追いつかれたときに「1本取れ」ってずっと独り言みたいに言ってて。そして決まった瞬間嬉しすぎて、貧血起こしそうになりました。ほんと4年間フェンシングやってて良かったなと思った瞬間でした。
ーエペとサーブルに比べ今季成績を残せていないなかで、優勝へのプレッシャーもすごくかかっていたと思いますが
そうですね、結果を出さないとというプレッシャーはあったんですけど、当日は楽しくチームの雰囲気も良かったかなと思います。
ー準々決勝の早稲田戦について
早稲田に相性が悪くいつもそこで負けてたっていうのがあったので、そのなかで勝てたのが1番流れも良くなったかなって思います。
ー日大との決勝戦はどのような展開になると思っていましたか
最初から最後までもっと競るなって思って、むしろ相手に差をつけられる展開かなと思っていました。けど、思ったよりも点差をつけて最後に回すことができたので流れは良かったと思います。
ー団体戦に出場した1年生も動きがとても良かったと思いましたが、見ていていかがでしたか
とにかく思い切りガツガツやるという感じが伝わってきて、それがすごい良かったなって思います。特にプレッシャーを受けるわけでもなく、それがすごく羨ましく思いました。
フォトギャラリー
菅野の攻撃でチームも勢いに乗る!
決勝戦はフル出場の長島
男子フルーレ団体メンバー(左から、小久保・東哲・菅野・東純・長島)
準決勝で敗れ悔しさを吐き出す水谷
ベスト8入りを果たした大石
日大戦では苦戦した本村
長いリーチで相手を攻める久良知