スケート

【フィギュア】第84回全日本フィギュアスケート選手権大会 「らしさ」発揮したそれぞれの大舞台!!

第84回フィギュアスケート選手権大会
2015年12月25日(金)~27日(日)
真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

年に一度の大舞台、全日本フィギュアスケート選手権大会に法大から3人の選手が出場した。フリースケーティングへ進めた宮田と服部はそれぞれ10位、17位という結果を残した。渡部はフリーへ進めず30位となったが、各々が「自分らしい」演技を見せ会場を沸かせた。

wsp3-
自身最初で最後の全日本となった渡部

試合結果

最終結果

選手名学年学部順位SPFST
 宮田 大地 1 10 66.61⑩ 126.56⑩ 193.17
 服部 瑛貴 4 文  17 61.94⑬ 111.32⑯ 173.26
 渡部 幸裕 4 通信  30 49.56㉚ - -
  ※SPはショートプログラム、FSはフリースケーティング、Tはトータルの略。丸数字は種目別順位

戦評

男子SP

 全日本の大舞台、リンクへと法大から最初に足を踏み入れたのは4番滑走宮田。2度目の全日本、そして世界ジュニア選手権大会の選考会でもある今大会。全日本ジュニア3位の表彰台に乗ったこともあり、懸ける思いがあった。静かにリンクの中央に立ちショートプログラムが始まる。冒頭の3ルッツ+3トゥーループを成功させると、「シンドラーのリスト」の悲しげな曲調に乗せ、武器である滑らかなスケーティングで観客を魅了していく。止まらない、体を大きく使ったしなやかで流れるようなステップ。要素を1つずつ丁寧にこなしていき、シニアの選手にも劣らない演技を見せた。フィニッシュポーズの後に、笑顔のガッツポーズ。点数は66.61点で10位と好スタートを切った。

 次にリンクへと現れたのは15番滑走渡部。演技直前、観客席から渡部の名前や、得意技である「ワタベルッツ」と書かれたバナーを持つファンから声援が送られる。渡部はリンクサイドでコーチと「やっと来れた全日本」の喜びをかみしめ、笑顔で会話をした後、改めて表情を引き締め、演技を開始する姿勢を整えた。プログラムは映画「ムーランルージュ」から「ロクサーヌのタンゴ」。1つ目の3トゥーループ+3トゥーループのコンビネーションジャンプ。着氷は乱れたものの成功。しかし次の3ルッツで転倒しまう。失敗はしたが、そのルッツの高さには観客から「おお!」という歓声が上がった。自身思い入れのあるジャンプだと語るルッツジャンプ、そこからスピードが落ちるどころか加速していく。後半、ジャンプやスピンのミスもあったが、気持ちのこもった渾身のステップには見る者全てが釘付けになったに違いない。49.56点と点数は伸びず、順位は30位とフリーへの進出は逃したが、間違いなく観客の心に渡部の演技は響いたはずだ。

 シニアのトップ選手が集った第4グループ。主将の服部が21番滑走で現れた。「今までは緊張や、ちゃんとやらなきゃという気持ちが先行してしまっていた」と語るが、3度目の今回は笑顔でのびのびとした演技を見せた。軽快なジャズに乗せて、最初に見せる服部の微笑で多くの観客が心をつかまれる。3トゥーループ+3トゥーループや2アクセルの着氷が乱れ手をつくなど、ミスはあったが得意のスピンや豊かな表現力でカバーしていく。プログラムが終わりに近づくほど会場を沸かせ、演技が終わってしまう名残惜しさを感じた観客も多いだろう。もちろん演技が終わると、会場はスタンディングオベーション。服部は丁寧にお辞儀をして、リンクをあとにした。点数は61.94点と東日本選手権の結果には及ばなかったが、順位は13位と昨年に続きフリーへの進出を決めた。

 全日本という特別な舞台でショートプログラムでは3人それぞれが力を出し切り、その裏には「楽しみたい」、「より良い演技を見てもらいたい」という思いが垣間見えた。その思いは確実に見る者に伝わっているだろう。明日のフリー、宮田と服部の目標はそれぞれ違えど、抱く思いは同じだ。どうか自身納得のできる演技をして欲しい。(梶山麗)

男子FS

 服部のフリースケーティングは「トゥーランドット」。最初の3ルッツを何とか着氷するも、2つ目の3連続ジャンプを失敗してしまい、1ループ+2トゥループに。ジャンプは綺麗に決まらないものの、スピードと安定感のあるスピンを披露する。また恵まれた体格を生かし、体全体を使ったダイナミックな演技で観客を魅了。その後もジャンプで失敗する姿もあったが、終始滑らかなスケーティングを見せた。演技が終わると、自身最後の全日本ということもあり、服部の目には涙が浮かんだ。得点は111.32。総合得点は173.26と17位で終えた。最後の全日本選手権は十分満足のいく結果にはならなかっただろうが、その分の悔しさは次の出場大会である氷上インカレで晴らしてくれるに違いない。ラストイヤーの服部の演技に期待したい。

 ショートを10位で折り返し、迎えたフリースケーティング「ブレイブハート」。宮田のフリーの構成の中で、最も難易度の高い3ルッツ+3トゥループのコンビネーションジャンプを綺麗に決め、幸先の良い滑り出しに。次のジャンプは以前4回転を入れていたが、世界ジュニアの出場権がかかっているだけに、構成は完成度を優先。3フリップ+2トゥループで挑んだものの、着氷が乱れてしまう。続く3ループも手をついてしまい、思うような演技を見せられない。5つ目のジャンプである3ルッツも綺麗に決まらず減点になるが、後半から立て直していく。3フリップが2フリップになってしまうアクシデントはあったものの、残るジャンプは全て成功。スピンも綺麗に決め、いつも通りの力強いスケーティングを披露した。得点は126.56と全日本ジュニアの時よりも9.12伸びたが、フリーでは10位。また総合得点193.17、最終順位も10位となった。今大会は10位に終わったが、宮田が今シーズンの目標にしていた世界ジュニアの出場権を手にした。また4回転に対して「手ごたえも掴んできている」と語っているように、成長がうかがえる。これからも成長を見せ、より良い演技を披露してくれるに違いない。(安藤優花)

 選手コメント

服部瑛貴 主将

(SP後)

ー振り返って
楽しんで滑れたと思います、一言で言うなら。

ー最後の全日本ということで、どんな思いがありましたか
去年までの全日本では緊張だったりとか、ちゃんとやらなきゃって言う気持ちの方が先行してしまって、自分の演技が出せなかったりとか、ジャンプを転んだとしてももっと良いものを見せられるのになという思いがあったので、今回は笑顔で終われればいいなと思っていました。ジャンプは失敗したんですけど、個人的にはすごく思い出に残る良い全日本のSPになったと思います。

ー表現というものが、SPもFSも素晴らしいと思いますが服部選手にとって表現とは
心から楽しめば自然と湧いてくるものなのかなと、僕は個人的に思ってます。

ー東日本の時におっしゃっていた、法政大学全体としての目標で「楽しむ」というのはSPでは達成されましたか
法政大学今回は3人、いつもは4人で今年はすごく刺激しあって成長してこれたと思うので、一つの集大成である全日本でこうやって皆が気持ちよく滑れたことは、主将として誇らしいですし嬉しく思います。

ー渡部選手の演技前6分間練習の時、服部選手は上から見ていましたね
練習だけ見て、他は自分の準備があって見れなかったんですけど。僕も応援したいなっていうチームメイトに出会えて成長してこれたことはこれからの人生の糧になると思います。

ー明日のフリーにむけて
こうして滑る機会を頂いたので、気持ちよく今までの練習の成果を出せるように頑張りたいと思います。

(FS後)

ー演技を振り返って
緊張しました!

ー今回は残念ながら渡部選手がSPのみとなってしまいましたが、2人で何かやりとりはありましたか
気を使ってくれたのか、僕にはあまり。FSがないってなると、自分の空気が他の選手に影響させてしまうと本人が考えたんだと思うんですけど。あまり声をかけてもらえず、もらえずというか本人なりに僕のことを考えてくれてそういう風に接してくれたと思うので、最後まですごく良い関係で練習してこれたなと思っています。

ー服部選手自身はどう思ってらっしゃったんですか
人に向けてはすごく飄々としている(渡部)幸裕なので、裏できっと落ちこんでいるんだろうなと思っていたので、僕からも少し声をどうかければいいかっていうのを迷ったんですけど、最後は自分自身に集中してできたなと思います。

ーリンクの中央に立って
昨日もそうだったんですけど、最後の試合はプレッシャーとか関係なく自分が満足のいく演技をして、満足のいく結果はつかなかったんですけど満足のいく出来で終われたらなと思っていたので、これが僕のスケート人生なんだなと思ってます。今FSが終わってみて。

ーやりきれましたか
はい。

ー振り付けは太田由希奈さんですが
今年はSPとFS、どちらも違う振り付け師さんに振り付けして頂いて。お2人ともすごく特色の違う振り付け師さんでFSの太田由希奈さんに関しては、すごく曲の流れなど細かく理解して振り付けてくださって、なおかつ滑りやすいプログラム提供してくださったので、その思いに応えたいと思って練習してきました。

ー卒業後の進路は
販売業の就職が決まっているので、春からは就職してとりあえずスケートからは身を引こうと考えています。

ースケートをやって身についたことや、スケートをやってきたからこそ自信持ってできるようになったことはありますか
まず、スポーツ全般に共通している精神力というか忍耐力はついたと思いますし、大事なところで結果を出すという重要さも学んでこれたなと思います。もう一つ、法政大学で4年間やってこれて卒業した先輩村山選手、今のチームメイトの宮田、渡部、渡邉の3人ともすごく充実した1年間を過ごせてこれたので、友情の大切さを学べたスケート人生だったなと思います。

ー最後、リンクに座り込んでいる姿が印象的でした
やっぱり、完璧にやってやろうっていう気持ちもあったので、多少悔しい気持ちと最後の全日本が終わったんだなっていう実感がそこできて、少しでも長くこの雰囲気を味わいたいなと思いました。

ー名残惜しそうに、リンクと観客を見回してらっしゃいました
一生こういう経験をすることは無いと思うので、本当に最後なんだなと思いました。

ー多くのファンの方々に、支持されていらっしゃいました
今日もそうなんですけど、あんまり自分自身納得のいかないような演技をしても、いつでも温かく拍手をおくってくださるファンの皆様に支えられて、ここまでやってこれてすごく幸せでした。

ーキスアンドクライでは、コーチの方々と感極まっている様子がありました
コーチには今日の出来じゃ私達は泣けないからねと。

ーインカレでは泣かせる演技を
インカレ、国体では自分自身もコーチも納得して頂ける演技で締めくくれたらいいなと思っています。


(大会を振り返って)

 ー東日本選手権では6分間練習で3ループ+3トゥループをやっていましたが、今回は
今回、狙ってたんですよ。でも6分間練習でやってみたんですけどループの時点で力んじゃって跳べなかったんです。そしたらフリーで1個目のループ(3ループ+2トゥループ+2ルッツのコンビネーションの予定だった)が抜けちゃって「ワア!」って思ったんですけど、2個目のループは切り替えてパシッと降りられたので良かったです。入っている要素ではないので、直接関係あるかはわからないですけど、(6分間練習で)決まっていたらやっぱりモチベーションは違ったのかなって今になると思いますね。

東日本選手権では2つ目のジャンプは2連続のコンビネーションでしたが、今回は3連続を予定していましたね
付けられたら付けようくらいのモチベーションなので、今のところ。やっぱりまとめる方が先決かなっていうのが頭にあって。ちょっと逃げといえば逃げなんですけど。もうシーズン終わりになってきて3連続をきちんとまとめる練習ができていなかったのかなというのが自分に対しての反省点でもあって、まとめることも大事ですけどきちんと取れるところで取るという姿勢も大事だと思うので、ここまで練習してきてしまったのでどうなるかわからないですけど、予定要素通りにできる力をきちんと練習で築いていきたいなと思います。

ーインカレでも3連続は目標ということでしょうか
前日の練習の感じで判断するとは思うんですけど、できたらいいなと。やっぱり2ループ一つの得点も馬鹿にもできないので。今回、2ループ一つ入っていれば順位も一つ上がったので。そういう悔しい思いもしたので、きちんと練習してやっていきたいなと思います。

ー今回の順位(総合17位)をどう捉えていますか
まあまあまあ(笑)。17位。なんというか、今回は演技に対して可もなく不可もない点数が出て、すごく妥当な順位がついたなと自分では思っているので、点数とか順位に対しては特に何も感じないですね。いつもはやっぱり結果を気にして落ち込んだりするんですけど、今回に関しては、自分でもお客さんを惹きつけることができたのかな、と。そういう心に響くような演技は、自分で言うのもアレですけど、できたのかなとは思っています。最後だし、そういう演技ができたのは自分にとっても大きな財産になったと思います。記憶に残るような試合になったので、個人的には満足ですね。

ー歓声もいつも以上だったと思いますが、それを聞いていかがでしたか
きっと僕が最後の全日本ということもわかってくれていたお客さんが多かったというのも自分で感じました。お客さんのあたたかさが手に取るように感じましたね。

ーそれが演技にも繋がりましたか
どちらかといえば最後のポーズを決めたとき、演技としては不甲斐ない内容だったんですけど、その割にスタンディングオベーションしてくれてるお客さんもいて、見守ってもらってるんだなって実感したときにすごくこみ上げてくるものがありましたね。演技中というよりは終わってから色々と気付かされることが多かったです。もう、最後は色んなものが込み上げてきました。お客さんのあたたかさと、これで最後なんだなっていう実感が湧いてきて、少しでも長くこと空気をかみしめていたいという思いがそのときはあったんですかね。すごく幸せな時間でした。

ートップレベルの選手と滑った感想は。特にSPではそういった選手もいる中でのグループでしたが
去年なんかは、ふわふわしちゃって、自分がここにいていいんだろうかという思いが先行したりしたんですけど、今回に関してはある意味違うことをしているような気分で、むしろ同じグループの選手を見ながら勉強したりとか、試合期間中余裕を持って過ごすことができたと思います。ショートもフリーも。いつもみたいに人と比べるような気持ちがなかったので。

ー緊張はしましたか
フリーの方がしましたね。ショートのときは全然緊張しなくて。もう楽しんでやったもん勝ちじゃないかと思って。とにかくその場の空気を楽しもうと思ってたので、結果云々よりも、すごく楽しい時間を過ごすことができました。

ーSPの6分間練習での服部選手の顔が少し固かったように感じましたが
思ってることと顔が裏腹に出ちゃうんですかね(笑)。でもいつもよりは全然緊張もしなかったですね。

ーSPの服部選手の演技直前、川原星選手(福岡大)の演技後投げ込まれた花束から落ちたメッセージカードのを拾って、キスアンドクライに届けてから笑顔になったと思いました
そうですね、たしかにあのときがフッと力が抜けた瞬間だったかもしれません。

ー今大会ジュニアの選手の活躍もめざまかったですが、思うことはありますか
とにかくみんな勢いがあるなと思いましたね。ただ、法政の同朋だからという色眼鏡なく、宮田はやっぱりジュニアの中ではスケートが抜きん出ているなというのは感じましたね。他の選手はジャンプは僕も見習うところがたくさんあるし、すごくレベルの高いことをやっているんですけど、やっぱりスケートの技術とか精神面の部分とかは、見ていてジュニアだなって気はするんです。それに比べたら宮田はしっかりしていて、すごく円熟した滑りをするなと見ながら感じていました。シニアにもうそのまま出ていけるんじゃないかと思いますね。

ーそのことを宮田選手に話したりは
いや…、最終グループのときに隣で話していて、本人は「最初のコンビネーションだけですよ」とか謙遜して言っていましたけど、いやいやいやと(笑)。すごく謙遜な子なのでもっと自信持ってもいいんじゃないかなと思いながら話してましたね。

ー服部選手のFS「トゥーランドット」は宇野昌磨選手(中京大中京高)も使っていて、その演技を見て思ったことなどはありますか
そもそものレベルの差があるので何とも言えないですけど、同じシーズンに同じ曲を使うというのは少なからず影響を受けるというか、学ぶことも多くありますね。例えば彼のコレオシークエンスだったりとか、そういう盛り上げ方も似てるので、どこの音にどう合わせていくのかという勉強は見ながらしましたね。気にしてないっちゃ気にしてないんですけどね。なんかもう違う次元にいるな、って感じで(笑)。

ー今まで出場した3回の全日本を一言で表すと
1年目は「喜び」ですかね。出られたことに対しての。2回目は「悔い」ですかね。気持ちがまず入らなかったなと思って、ちょっと後悔してるところがあります。3回目、今回は…なんでしょう…「感謝」ですかね!色々な人の支えがないとここまで来れないってことを改めて感じさせられた試合だったので、色々な意味含めて「感謝」ですね。

ーSPはテレビで放送されましたがFSは放送されませんでしたね
テレビで放送があるなしに関わらず、あれだけ多くのお客さんが会場に来ていてくれている訳ですから、もうそれだけで幸せでしたね。もうショートを映していただけただけで僕はもう感謝感激でございます(笑)。

ーインカレに向けて個人的な目標は
大地と(渡邉)直弥に、「服部先輩が同じ大学にいて良かったな」って思える先輩になれるような演技をしたいです。いい先輩だったなって思ってもらえるような演技ができたらいいですね。

ー改めて、団体としての目標は
3部門、フィギュア部門、それぞれ総合優勝と部門優勝…いや、それだけじゃダメですよね(笑)。3部門(フィギュア、スピード、アイスホッケー)それぞれの部門優勝、そして総合優勝の、「完全優勝」を目指します!全部法政が勝ちます!

渡部幸裕 副将

(SP後)

―振り返って
感動しました!

―大学4年生にして初出場の全日本いかがでしたか、たどり着いた舞台は
やっと来れたっていう気持ちが強いです。ここまで来るまでやっと来れたっていう気持ちが本当に強くて、いざ来てみてこういう綺麗なリンクで滑れて本当に幸せです。

―全日本への出場が決まった東日本では、全日本の舞台を楽しみたいとおっしゃっていましたが
滑っているときはジャンプとか転んで、2個かな。2個失敗しちゃったんですけど、ステップとかもつまずいちゃった部分もあって、なんか曲に乗せて皆さんに見てもらえてるんだっていう感情がすごく強くて、今回は緊張よりものびのびと楽しんで滑れてすごく嬉しいです。

―渡部選手のジャンプは大きいジャンプということで、ワタベルッツと呼ばれていますがここまでくる道のりは
僕ルッツジャンプがすごく得意で、誰よりも上に高く上がることを目標に練習してきて。今日は上手く決まらなかったんですけど、悔いはないです。ものすごく上に上がっていたと思います。

―手ごたえを感じたのはどのくらいの時ですか
高校1年生の時に、降りたばかりのルッツジャンプをすぐにプログラムに入れて、インターハイでできた時から自分はこのジャンプが一番気持ちよく降りられるんだなと分かって、それから得意意識というかこれを武器に戦っていこうっていう風に思いました。

―ルッツはジャンプの中でも難しい部類のジャンプですが
跳んだら気持ちい良いので、自己満足になっちゃうんですけど空中にいるときは楽しいって言ったら何かおかしいんですけど、緊張感と楽しさの合間というか。決まった時にすごく嬉しいという感情がこみあげてきて、一番得意だなという風に感じています。

―浮遊感のあるジャンプだと思うんですけど、跳んでる時は何を考えていますか
見ている方々の声が上がった瞬間に聞こえてくるんですよ。「わ!!」っていう声が聞こえてきて、それとシンクロして降りてきた時に感情がすごく湧いてきます。次に滑るエネルギーになるっていうか、失敗したときもそうなんですけど次につながるエネルギーになると思って跳んでいます。

―スケートを始めたのはいつごろですか
幼い時、お母さんが先生をしているので気が付いた時にはもう氷に乗って、穴開けて氷食べてました(笑)。

―スケートが楽しいと思い始めたのは
(小学校)6年生の時に、僕元々リトルリーグっで野球やってたんですけど野球も結構本気でやってて。ちょうど6年生の時に2ルッツが3回で降りれたんですね。その時スケートすごく面白いと思って、それをきっかけに。その時もルッツがきっかけですね。

ー要所々々の選択でルッツが関係してますね
はい、すごく思い入れのあるジャンプです。

(大会を振り返って)

ーSPの前にコーチと笑顔で話をされていましたが、どんな話を
僕はやっと来れた全日本だったので、「やっと来れたね」とか「お客さんすごいね」とか、結構技とは関係のないことを話していましたね。あとはもう「頑張ってきて」とか「楽しくね」とか。最後は握手して笑って「行ってきます」って、そんな感じですね。

ー緊張はしましたか
東日本みたいに足がすくんだりはしなくて、逆にわくわくする緊張というか、そっちの方が強かったですね。東のときみたいに落ちが懸かっている訳ではなかったので、追い詰められてるという感じはなかったです。わくわくして、少し嬉しい感情がありました。

ー緊張も楽しめたということでしょうか
そうですね。ルッツ転んだあたりから楽しんでましたね(笑)。ルッツはやっぱり緊張して固くなっちゃいましたね。その後からは吹っ切れました。

ー今回のプログラムはSP、FSともに母でもあり先生でもある渡部泉コーチと作りあげたということで
今年は母のプログラムで一緒に、ということで決めていたのでそこは他の人じゃないなと思ってやってきました。現役最後はいつも一緒にいた、お母さんでもあり先生でもあるコーチのプログラムで、と。(それは)去年くらいから考えていましたね。

ー今大会では渡部選手のバナーなどもありましたね
はい、見ました!皆さんのバナー感動しました。僕はひとりじゃないんだなって思いました(笑)。
(隣にいた服部選手)「俺がいるよ?(苦笑)」

ーステップのとき声援はいつも以上だったと思いますが、滑っているときはどんな気持ちでしたか
曲もぐいぐいいく感じだったので、曲に合わせて気持ちも乗っていって。結構足にもきてたんですけど、声援に押されてそのままの勢いで疲れも忘れてた、みたいな。ステップのときは(笑)。1番最後のスピンで一瞬ちょっとガクンって疲れがきちゃったような気もします。

ーたくさんの声援の中で引退の気持ちが揺らぐことはありませんでしたか
決めてきたことなので、そういうのはなかったですね。でもショート終わって、フリーの瑛貴と大地の演技を見て感動しました。

ー残念ながら、フリーに進めませんでしたが
一応(フリーに)出ることを目標にしてきました。なんですけど、悔いを残らない演技をしようと気持ちを決めて出て行って、僕の演技が終わってみたとき、悔いはなかったです。一瞬悔しいという感情がもしかしたらあったかもしれないんですけど、それよりも満足感というんですかね、この舞台で滑れたのが幸せだったので、滑った後はすごく嬉しかったです。東日本選手権のときとほとんど同じミスをしてしまって、東のときはお母さんの顔見れなかったんですけど、今回終わったときはお互い笑って出ていって、笑って迎えて、僕も笑ってお母さんの顔見れたので2人とも満足していたんだと思います。だから悔しいというよりは嬉しかったという気持ちの方が強いですね。

ー今大会では服部選手とあまり話はされてなかったと伺いましたが
全然してない。瑛貴とは全然話してない。今回ホテルが違かったからかな。なんでだろ(笑)。なんかいつも気分ですね。瑛貴から離れていくときもあるし、俺から離れていくときもあるし、お互いその場の空気で離れていくときもあるので、今回はそういう空気だったんだと思います(笑)。お互いあまりを気を使ってないので。

ー渡部選手のSP「ロクサーヌのタンゴ」は村上佳菜子選手(中京大)も滑っていましたね
そうですね、東のときも一緒の人がいたので人のは見たんですけど、あの曲は色々個性が出るというか、気持ちも乗っていきやすい曲だと思うので、その人の色が出ますよね。その色がジャンプになったりステップになったりっていうのはわからないんですけど。人それぞれの個性が出やすい曲だと思うので、すごく好きです。

ーこの曲は映画「ムーランルージュ」で使われていて、男性の嫉妬の気持ちなどを歌った曲ですが、何か思い入れはありますか
映画を見たことはないんですけど(笑)。僕も今そうだったんだ、っていう感じです(笑)。僕は曲の雰囲気で決めてしまったといいますか、どちらかというと、僕の中では女性を振り回すイメージだったので。そういうテーマで作ってました。僕のただのイメージだったんですけど。僕のイメージではタンゴの中で女性を振り回すというイメージでした。

ートップレベルの選手も多く出場する大会でしたが、その中で滑った感想や、その選手たちの演技を見た感想は
一緒の舞台に立ててすごく幸せでした。その人たちだけじゃなくて、ジュニアから上がってきた人たちとも前日練習などで一緒になって、色々なスケートが見れて、その時間がすごく幸せでした。ずっと続けばいいのになと思ったりもしました。練習中に。

ー国体は出場されないということで、現役最後となるインカレに向けて個人的な目標、意気込みは
挑戦をしてみたいというのはありますね。けど、やはりリスクがあって、団体優勝が見えているその中で……っていう感じですね(笑)。僕が挑戦を取ったときにはみんなに頭を下げてやらせてくださいって感じになるかも(笑)。まあそれがうまくいけばいいんですけどね。うまくいかなかったときがリスキーなので…。けど挑戦はしたいですね。

ー具体的にはどんな挑戦を
やっぱり今回羽生選手を見て、羽生くん以外にも4回転をやっていた選手はいっぱいいるんですけど、まあ練習をしてみたいといいますか…。そういう気持ちもありますし、ラストのインカレをどういう風に終わるか。まとめるのか、それとも自分の限界に挑戦するか。ちょっと全日本来て逆に迷っちゃいました。帰ったら一週間あるかないかなので、その練習で決めてみます。もしかしたら公式練習でもやってみるかもしれないですね。そこでもしかしたら力尽きてるかもしれないですけどね(笑)。まあちょっとやってみようかなと思います。

宮田大地

(SP後)

―演技を振り返って
今シーズン1番の演技をこの全日本でできて良かったです。

―全日本ジュニアからどんなことに集中して練習しましたか
SPもFSもちょっとミスがあったので、そういうミスを無くすように集中して練習した成果がこれだと思います。

―全日本ジュニアの表彰台に乗られての全日本ということで、心持が違いますか
そうですね、今シーズン一番の目標は世界ジュニアに出ることなので、全日本ジュニアの表彰台の乗ったことで世界ジュニアっていう舞台がよく見えてきて、モチベーション的にも高まっていました。

―全日本ジュニアでは大技はいれずに表現力で勝負したと思いますが、明日のフリーでは
4回転の練習もしてきたんですけど、やっぱり世界ジュニアの選考会なので確実にとれるように今回も演技の完成度で勝負したいと思います。

―滑る前はどうでしたか
集中力を高めて落ち着いて滑ることができたので、演技の前も緊張は少しはしたんですけど今まで練習してきたことを出すだけなので良かったと思います。

―2度目の全日本ですが、やはり緊張感はあったんですね
昨シーズンはそんな出れるだけでいい大会だったんですけど、今回は2回目ですし世界ジュニアの選考会でもあるのでまた去年とは違った試合だなと思いました。

―フリーに向けて
今まで練習してきたことを、この大舞台で出せるように頑張りたいと思います。

(FS後)

―振付がIgor BobrinさんとNatariya Bestemyanovaさんの名前がありましたが、彼らの(振付)はすごく独特だと思いますが、それに挑んでどうですか
すごい斬新な振付で、日本人が思っているかっこいい振付とは違ってくるので、ロシアの振付をすることで僕の演技の幅とかも広がると思うので、そういう部分も含めていい経験ができると思っています。

―なぜ彼らにお願いすることになったのですか
前に習っていた中庭健介さんがIgorさんの振付をしていて、たまたまIgorさんたちの振付をさせていただく機会があったので、これはしてもらうしかないと思いました。

―どんな方たちでしたか
すごく優しいです。優しくてすごい面白い方だったんですけど、ここでこういうアイデアが出てくるのかっていうような感じで、すごい面白いですね。

―今シーズンは手直しとかはあったんですか
5月頃に沖縄に来てくれて、その時に手直ししてくれて本当に良かったです。

―沖縄でやったんですか
沖縄の方が貸し切りがたくさん取れて、そういう部分で環境が良かったので。まあバカンスを含めて(笑)。

―ジュニアの時とこの試合(シニア)と違いますが、この短い期間でどこが自分は伸びたなって言えるところはありますか
ジャンプはまだまだですし、スピンもステップもまだまだで、やっぱりスケーティングの基礎が大事になってくるので、そういう部分は今シーズンきっちり練習してきて良かったんじゃないかなと思っています。

―アクセルや4回転を練習していると思いますがどっちの方が(完成が)早そうですか
4回転は手ごたえも掴んできてますし、5、6月頃から練習してるので、そろそろプログラムに入れていかなきゃいけないなっていう感じもあります。

―来シーズンは楽しみにしてもいいですか
そうですね。やっぱり第3グループを見ても僕以外はアクセルもできているので、やっぱりプログラムの幅も広がっているんで、それも含めて練習しなきゃなと思います。

―今回も4回転を入れなかったのは演技全体の完成度を高めるためですか
そうですね。世界ジュニア選考もかかっているので、今シーズンの目標が世界ジュニア出場なので、それを狙うために完成度で勝負しました。

―その分プレッシャーはありましたか
周りは大技を挑戦してくるので、その分周りの人たちの大技が決まっちゃうと僕は勝てないんで、そういう部分もありましたけど、懲りずに練習してきて良かったなと思っています。

―今年どんな1年でしたか
きつかったです(笑)。何かもう精神的に参ってました。環境が変わって一人暮らしもして、もう選考会やら全日本ジュニア、全日本選手権と忙しくなって、休む間もなく色々あったのですごいきつかったですね。

―得たものも大きかったですか
すごい充実したシーズンで前半を過ごすことができて、良かったかなと思います。

(大会を振り返って)

ーショートプログラムでは、全日本ジュニアで同年代として意識しているとおっしゃっていた中村優選手(関大)が前の滑走でしたが
歓声が聞こえたので、良い演技をしたんだなって言うのは分かりました。

ー気持ちに変化は
歓声が聞こえて、自分もやろうっていう気持ちになれたので。彼が良い演技をしてくれたおかげでやる気もよりでました。

ー全日本で4回転を入れないことは、コーチとどんな話をして決めましたか
まず練習で4回転をいれるようにしてなかったので、FSの直前にいれないと決まった訳ではないです。

ー全日本が終わって改めてどうですか
あんまり満足はしてないです。フリーではミスが多かったので。

ー世界ジュニア代表に選ばれていかがですか
今シーズン一番の目標なので嬉しいです。

ー世界ジュニアの具体的な目標は
まだ分からないので、世界ジュニアについて調べてまた考えます。

ー全日本ジュニアでは4回転を入れる予定ですか
入れないと勝てないので、まず4回転を入れて練習していきたいです。

ー来シーズンからシニアに上がりますが、どんな選手になりたいですか
高橋大輔選手やジョシュア・ファリス選手のようなジャンプだけじゃなくて、表現力で人を感動させられるような選手になりたいです。

ー全日本でもそうですが、シニア1年目の宇野昌磨選手がすごく活躍されてますね
本当にすごいと思います。練習でもそうですけどスケートも上手くて表現力もあって、ジャンプも跳べて。ミスが無いので安心して見てられます。

ー世界ジュニア代表に一緒に選ばれた山本草太選手については
いつも練習と試合と一緒になって。スケートも上手ですけど、3アクセルとか4回転とか跳べるし普通の3回転ー3回転の連続ジャンプの質が高くてすごいと思います。彼のジャンプの質が好きですね。

ーインカレまで期間が短く調整が難しいと思いますが、どう過ごしますか
団体優勝目指して、4年生にとっても試合なので頑張っていきたいと思います。

ー改めてインカレに向けて一言お願いします
団体優勝目指して、気合入れて頑張ります。


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クローズアップ

今大会での3選手の演技直前・直後の行動を振り返ってみた。

宮田 SP

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満足のいく演技でガッツポーズ!

服部 SP

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自分の番を待つやや表情の固い服部
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演技直前、足元のメッセージカードに気付き・・・
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結果を待つ川原星選手の元へ
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服部に笑顔が戻り、このまま演技へ向かった
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キスアンドクライでは五郎丸ポーズも見せ観客を沸かせた

渡部 SP

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演技前、母である渡部泉コーチと笑顔で話す
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演技後はやり切った表情の渡部
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キスアンドクライでは深々とお辞儀をした

服部 FS

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フィニッシュ後リンクを離れ難く両膝をついた
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たくさんの歓声を受け・・・
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たまらず感涙
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リンクを去る前に深々とお辞儀をした

宮田 FS

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真剣な表情で重松直樹コーチの話を聞く
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悔しさも残るフィニッシュ後の表情

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