蔀主将単独インタビュー!
取材日:2012年3月8日
昨年はあずまボウル、一昨年はクラッシュボウルで敗れ2年連続で甲子園ボウル出場を逃した法政大学トマホークス。再びあの舞台に立ち、学生日本一の称号を得るにはどうすればよいか。昨年を振り返り、現段階でのチーム状況を蔀主将に聞いた。
OF陣とDF陣のコミュニケーション
―昨年を振り返って
昨年は自分のポジション(DL)の主力メンバーが大きな怪我で練習に出られてなくて、その状態で試合に臨んでしまったので経験不足でした。そのため、大きい試合で力が発揮できなかったのかなと思いますし、チームとしてのまとまりがなかったのかなと個人的には思います。OF陣とDF陣で連携がうまく取れていなくて、試合の流れをOF陣、DF陣共に掴めてなかったのかなと思いますね。
―それがあずまボウルで敗退した原因ですか
そうですね。近年で負けている原因はOF陣、DF陣の兼ね合いや、流れが断ち切れていない、流れを変えるプレーが出来ていない精神的な弱さだと思います。
―では今年の改善点は
今年は学年で仲が良いのが特徴で、OF陣とDF陣でよくコミュニケーションを取ってチームとしての流れを崩さないように取り組んでいます。
成長率は高いチーム
―今季のスローガンを教えてください
『One ~勝~』です。
―このスローガンの意味は
Oneは一人ひとりがチームのために頑張るという主体性、チームが一つになる協調性、学生日本一の3つの意味を込めています。
―甲子園ボウル出場に必要なことは
甲子園で勝つことが目標なので、スローガンに向かってみんなが一つになることが大事だと思っています。
―出場した時としていない時のチームの違いは
1年生の時感じたのは、4年生の中で温度差があまりなくてまとまる所はまとまっていたのかなって。その中には厳しさもありましたし・・・。昨年は温度差はなかったんですけど、厳しさが足りなかったのかなと思います。
―主将になった心境は
もともと主将になる覚悟はあったんですけど、責任感は大きくて・・・。でも今では自分がやらなければいけないことと他の人がやらなければいけないことの区別が出来るようになってきたんで、成長を実感しつつさらに成長していきたいです。
―チームの雰囲気は
個人的なんですけど、去年よりも声は出ていると思います。でも、選手一人ひとりの能力が低いのでプレーに対するスピードなどはあまり感じられないんですけど、雰囲気としてはいい雰囲気で出来ています。まだムラはあるんですけど成長率は高いチームだと思います。
―新しい取り組みはありますか
プロジェクトOneと言うものを立ち上げています。そこではOFリーダーとDFリーダーとKリーダーの3人で練習中などの問題点を話し合っています。今は声が出ていないという現状があるのでそのプロジェクトで考えて動くようにしています。
―現時点でのチームの課題は
上級生があまりチームを引っ張れていないっていうのが練習中でもミーティング中でも見受けられるので、その課題に関しては合宿などでクリアしていきたいなと思います。
学生日本一にならなければいけない
―春の目標を教えてください
合宿の成果をどこまで試合で出せるかということですね。
―ホームグランドが新しくなると聞きましたが
土から人工芝になるので大きく環境が変わりますね。公式戦は全部人工芝でやっているのでより実戦に近いのかなと。雨もあまり気にしないで練習できるので。
―チームの新戦力は
新入生は能力も高いですし、心が強い選手が多いので心身共に育って即戦力に成り得る選手がたくさん入ってきて戦力になります。
―各ポジションの戦力は
(DL)
去年から出ている選手はもちろん新入生もサイズが大きいので期待できます。
(LB)
来年も見据え特例でDFリーダーになった3年MLB田中の働きに期待しています。OLBは実力差があまりないと言われているので4年生が輝けていけたらと思います。
(DB)
去年怪我で出られなかった佐野やCBにコンバートした福岡裕の身体能力に期待しています。
(OL)
U-19世界選抜の育成選手に選ばれた小林と笠井がいるので。若い選手ですけど実力的には申し分ない、トップレベルで争えると思うので、その2人にはOLを引っ張っていけるように頑張って欲しいですね。
(QB)
2人大きい人が抜けてしまったので一番頑張らなければいけない所ではあるんですけど、4年生の寺村に関しては秋シーズン後半から伸びてきているので安定感は出てきているのかなと思います。あとは、2年生に3人いるので切磋琢磨して伸びてくれればなと思います。新入生の森山もとても投げられる選手なのでスターター取れるくらいになってくれると嬉しいですね。
(RB)
戦力としてはダウンしたんですけど、OFリーダーの池田や鈴木は心が強い選手なので期待したいです。去年の関大戦で怪我をした笹尾も帰ってきているのでそこも期待しています。
(WR)
スターター喪失がないので、うまくQBが育ってくれれば日本一のWR陣になると思っているので、実力としては問題ないと思います。
(SP)
Kの伊藤は安定感が増してきて、新入生でキック力がある小島も入ってきたのでいいと思います。Pも去年から出ている近藤は元々ポテンシャルの高い選手なので、プレッシャーに耐えられるようになればいい選手になると思います。
―秋のリーグのブロック(Bブロック)について
慶応もいるし中央もいるし早稲田もいるんで正直厳しいと思っていますね。でも、その分強い相手とやれるということでビッグゲームの試合経験は(Aブロックに)勝れるし、関西の大学にも勝てると思うのでそういう面ではプラスだと思います。
―ファンの方へ
昨年も関東決勝で負けてしまったので、その悔しさを忘れることなくそれを糧にして学生日本一に向けまた頑張ろうと思っています。学生日本一にならなければいけないという使命感も感じていますし、自分たちの最終目標である『価値ある人間形成』も達成できないと思うので、人間性も注目して見て欲しいです。