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アメフトU-19日本代表特集!見えてきた!日本アメフト界の課題と光!

U-19日本代表特集
取材日:2012年8月26日(日)

去る2012年6月28日~7月7日にアメリカで開催された『第2回IFAF U-19アメリカンフットボール世界選手権テキサス大会2012』において法政大学トマホークスから3人の選手が日本代表に選出されました。世界に出て感じたことや同年代の選手とプレーして考えさせられたこと、また最後には今週から始まるリーグ戦に向けての意気込みも聞いています。この3人が力を発揮すれば日本一は間違いない!

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日本代表に選出された3人(左から:宮川、小林、恒吉)

副主将を務めたDL小林貴選手

―世界を経験してみていかがですか

最初は、パワーやスピードなど個人の差があると思い臨みました。しかし、実際対戦してみて体格は全然違いましたが日本人でもテクニックやスピードは通用する部分がありました。そして、パワーも日本人特有の細かさを活かすことが出来れば少しは対抗できると実感した。海外の選手は雑な部分が多いので自分の長所で勝負すれば通用すると思いました。

―逆に日本に足りないものは?

やはり体の大きさ、フィジカル面ですね。本当に体格は全然違った。そこをカバーするには先ほど述べたことが出来るかどうかだと思います。

―体格が違うことによる一番の弊害は?

一番はタックルですね。ボールキャリアーの重さが全然違います。日本人だったら止まるところが海外の選手だと振りほどかれて何人も集まらないと止まらない。また、ラインの話だと相手より低く入って押した時に、日本人だったらグッと押せるところが海外の選手は重くて動きませんでした。

―その重さを一番感じたのはカナダ戦?

そうですね。対戦した3つの中ではやはりカナダが一番大きくて強かった。しかし、戦ってはいないですがアメリカの選手の方が見ていて厚みがあったし圧倒されました。

―ではなぜカナダはそのアメリカに勝てたのですか

聞いた話なので事実かわかりませんが、アメリカはU-17でチームを組んでいたそうです。確かにビデオをチェックしていて高校生っぽい部分はありました。個々の力強さはあったんですけど細かい所はまだまだかなと…って上から目線で言えることじゃないですが(笑)

―なるほど!では話は変わりますが、ナショナルチームで学んだことをトマホークスにどのように還元しますか

そうですね。日本人は海外のチームと戦う時は体格とかで劣っている分、全員一丸となって気持ちの面で戦うことが大切だと思います。このことは日本代表のコーチの方もおっしゃっていました。同じことがトマホークスにも言えると思います。私たちは全員で戦うことを大前提にプレーしているのですが、他の大学は推薦入学の選手が多く、またプレー環境が整っているので体が大きい選手が多いんです。トマホークスも日本が海外と戦う時と同様に取り組んでいかなければならないと思います。このことをみんなに伝えていきたいですね。

―他のメンバーには世界での経験を話しましたか

会話をしたチームメイトには自分の体験やトマホークスも日本代表と同じ境遇にあると話しています。ただ、まだチーム全体には話せてないです。

―U-19では副主将を務められましたが心掛けていたことは?

日本人を代表してプレーしているので、日本人として気持ちのこもったプレーをすること。そして、相手に対してアグレッシブに、また最後までやり抜くことなどを心掛けていました。

―チームをまとめる上で学んだことは?

自分が見てきたキャプテンとかリーダーは熱い人が多かった。私もその熱い人には心惹かれるというか、この人には付いていこうと思えた。だから私もそう思われるような人にならなければいけいないなと思ってプレーだったり気持だったりそのような部分で引っ張っていくんだと思っていました。

―そんな先輩を見てどう感じました?

宮川:やはり練習の時から常に声を出していて、小林さんの考えている気持ちとプレーで引っ張るということはアメリカに行ってからも常に体現出来ていたと思います。

恒吉:みんなが暑くてダレている時も声をかけて盛り上げてくれました。

―気持ちは伝わっていたみたいですね

小林:いやぁもっと出来たと思っています。(照)

―トマホークスに戻ってきてから何か小林選手の変化を感じますか?

宮川:小林さんはトマホークスではオフェンスラインとしてプレーされているんですけど日本代表ではディフェンスラインとしてプレーされました。私もディフェンスをやっているのですが同じハドルにいて気付かされたことが多かったです。日本にいた時には一緒にグラウンドにいることがなかったのでわからなかったですが、同じハドルにいて小林さんの存在感とか小林さんがハドルにいることによって精神的に強くなれる部分があることにアメリカに行って気付かされました。

小林:良いこと言うなぁ~!

一同:(笑)

―このようなことを聞いてみていかがですか

ハドルはフィールドの中で11人が唯一顔を合わせられる場所なので一緒にやっていこうなど周りに声をかけることを心掛けていました。それが出来たかなと思います。

―リーダーシップがありますね。このようなリーダーシップはトマホークスの先輩を見ていて学ぶ部分がある?

そうですね。ディフェンスリーダーのLB田中喜貴さん(営3)のハドルの中での存在感は絶大です。気持ちが高ぶるので自分も田中さんみたいになれたらと思っています。

―具体的には田中選手のどのような行動がそうさせるか

やはり言葉に力強さがあります。そして、いるだけで周りが元気になりますね。

―ではこのような経験から今後の日本のアメフト界についてお聞かせください

U-19の世界大会では、前回もカナダに負けて今回もカナダに負けた。そして、シニアの全日本もカナダに負けている。やはり、そこを越えられるかどうかが今後の日本にとって大きな進歩になると思うので、もう一度全日本に入ってカナダを倒し日本のフットボール界を盛り上げたいと思います。

―必ずカナダを倒してください。では最後にこれから始まるリーグ戦に向けて一言お願いします

去年、日本大学に負けて悔しい思いをしました。みんなその悔しさは忘れてない。まずはリーグ制覇をして、その後に日大を倒し甲子園に行きたいと思います。

―ありがとうございました

選手のプロフィール

小林貴(こばやしたかし)・2年・OL/DL
法政大学第二高校出身
183cm113kg
笑顔がさわやか。OL/DLどちらもこなすユーティリティープレーヤー。

ライバルとの出会いで成長・SF宮川周平選手

―続いて宮川選手にお話を伺います。よろしくおねがいします

お願いします。

―世界を経験してみていかがですか

小林さんと被ってしまう部分が多いのですが、やはり自分自身のフィジカル不足は痛感しました。ボールキャリアーにタックルすると相手が岩みたいで前に倒すことを断念せざるを得ないぐらい重たい。そのためそのまま後ろに倒れて掴んで倒すことしかできなかった。そこが日本人とは全然違うんだなと思いました。ただ、海外の選手は足が長くて走る時のストライドもとても広かったので低くいけばタックルしやすいと感じました。だから日本でも自分より体が大きい長身の選手に対してはこれが有効になるのかなと思っています。

―ではやはり日本に足りない部分はフィジカル面?

そうですね・・・フィジカル不足もそうなんですがその根源をたどるとトレーニングに対する考え方だったり日本のスポーツに対する考え方を見直していかなければならないと思います。やはり日本に昔からあるスポーツ根性論がラグビーやフットボールなどのメンタリティーがすごく関わってくるスポーツには特に根付いていると思います。これらのスポーツはガチガチした接触プレーがあってそのプレーには気持ちが大事になってくるのですが、そことトレーニングがごっちゃ混ぜになってしまい効率の良いトレーニングが出来なくなっていることが特に高校生のフットボールや大学でトレーナーが付いていないチームには多いと思う。このような部分で海外を見習って効率的に体を大きくすることを取り入れていかないとフィジカル不足は改善されないのかなと思います。

―この点に置いてトマホークスはどうですか?

青木監督の考えの中に、グラウンドで8時間練習しているチームに対して半分の4時間で練習して効率よく勝つというのがある。トマホークスは効率よく出来ていると思います。

―ナショナルチームで学んだことをトマホークスにどのように還元しますか?

フットボールはテクニックがうまくなっても最後は体と体がぶつかるスポーツなので体の大きさが重要ということは促していきたいです。それと同時にこれは私個人の問題なのですが、海外の選手とプレーしてみて感じたことというよりも日本全国から集まってきた同年代の選手とプレーしたことにすごく刺激を受けました。普段は他のチームでプレーしているのでフットボールに対する価値観が全然違う。細かい部分ではタックルの方法やDBのステップの方法など考え方が根本的に違った。自分は今までやってきた1つの方法にとらわれてプレーしていたので色々な方法があるんだということを他のチームメイトにも伝えていきたいと思います。

―これに関連して同じ日本代表で今大会のベストイレブンを獲得した日本大学のSF下水流裕太選手(1年)をどう思いますか

いま話したことと被る部分もありますが、特に彼から得たものが大きかったです。アメリカに行く前から自分のプレースタイルに対してすごくモヤモヤしたものがあったんです。どのタイプのSFが自分にフィットしているのだろうと考えていたのですが、下水流というとても素晴らしい同年代のプレーヤーに出会って、「あっ、やっぱり上手いな」と思うのと同時に「ここは負けてないな」とか「ここだったら勝負できるな」と感じる部分もありました。同年代で同じレベルでプレーできる選手と出会ったことで自分のプレースタイルはどこが大事なのか気付かされました。だから、気付かされたのと同時に今回一緒にやってみて自分が負けている所なども分かった。ライバルである日大の選手である下水流くんよりあらゆる面で上手くなって、なおかつ自分の長所はこのまま伸ばして法政が日大に勝つことに貢献できればと思います。

―ではこれから始まるリーグ戦に向けて一言お願いします

このチームでここまでやってきて4年生の方々に対する思いがとても強いです。このチームを引っ張ってくれている4年生を勝たせたい。1年生である私が試合に出た時に出来ることは、思い切りの良さや失くすものはないという気持ちだと思います。これは自分の持ち味とも考えているので4年生が出来ないことをグラウンドで表現して勝ちに貢献したいと思います。

―ありがとうございました

選手のプロフィール

宮川周平(みやがわしゅうへい)・1年・SF
法政大学第二高校出身
180cm78kg
理論的な思考の持ち主。ライバル下水流との争いに注目!

海外選手の弱点を発見・WR恒吉幸紀

―最後に恒吉選手よろしくおねがします

よろしくおねがいします。

―世界を経験してみていかがですか

みなさんと感じる部分は一緒で、体の大きさやパワーの強さを実感しました。今回選ばれたメンバーは身長が高くなかったので空中戦で勝てないことが課題でした。ここで大事になってくることがスピードだと思います。海外の選手はアメフトのスキルはそんなに高くなく穴があると感じた。日本人はこの部分がしっかりしているのでこの部分を伸ばしていきたいです。今回選出された日大のWR西村有斗選手(1年)は身長は高くないですが細かい動きで対抗していました。いくらフィジカルで負けていても日本人の特徴を活かすことが出来れば活躍できるんだなと思いました。

―日本に足りない部分は?

足りないものというより日本にしかないものが多かったです。1つになることや最後までやり抜くことなどこのようなことが実践できたからこそ3位になれたんだと思います。

―ナショナルチームで学んだことをトマホークスにどのように還元しますか?

今年のトマホークスのスローガン『ONE』と同じように1つになることの重要性を学びました。笛が鳴るまで足を動かすことなど逆に法政でやっていることが代表で活きましたね。

―世界のDFはどうでしたか

海外の選手は1点しかみていないと感じました。「ここはスゴイ」というところより穴が多く見受けられましたね。日本人の方が周りが良く見えているなと思いました。

―今後の日本のアメフト界について

もっとアメフトが有名になればいいなと思います。

―最後にリーグ戦に向けて一言お願いします

日本一になることに貢献できるレシーバーになりたいと思います。

ーありがとうございました

選手のプロフィール

恒吉幸紀(つねよしこうき)・1年・WR
佼成学園高校出身
177cm75kg
スピードを武器にフィールドを駆け回る。今後の活躍に期待!

(聞き手:吉弘翔・有岡陸・山崎美香、カメラ:岩崎真)

フォトギャラリー

  • DSC 0109 R日本代表に選出された3人(左から:宮川、小林、恒吉)
  • DSC 0004 R後輩からの信頼が厚いOL/DL小林
  • DSC 0059 Rクレバーな頭脳の持ち主SF宮川
  • DSC 0105 R日本一に貢献するレシーバーになると語るWR恒吉
  • DSC 0100 R仲の良いDFコンビ
  • DSC 0101 R笑いを取る恒吉選手
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