アメフト秋季リーグ戦 VS慶応大学 試合終了間際に奇跡のFG!タイブレークを制し法大5連勝!
2012年度 秋季リーグ戦 第5節
10月21日(日)
会場:アミノバイタルフィールド
全勝対決となった慶大との一戦。このカードは昨季も行われ、その時は法大が力の差を見せつけた。しかし今年は両チームとも去年のスターターQBが変わるなどチームが一新。ともに勝負強さを見せつけ、タイブレークにまで及ぶ大熱戦となった。
試合結果
トータル試合結果
20 | 10 | 1Q | 7 | 20 |
---|---|---|---|---|
0 | 2Q | 7 | ||
0 | 3Q | 6 | ||
10 | 4Q | 0 | ||
法政大学 | 6 | TB | 3 | 慶應義塾大学 |
戦評
第1Qの最初のシリーズ、FGで幸先よく先制点を奪い、上々のスタートを切ったかのように見えた法大。しかし、続く慶大の攻撃では長いドライブからTDを許してしまう。早々に逆転されたものの、RET#11松永がキックオフリターンで敵陣のエンドゾーン残り5ydsまで迫ると、QB#16寺村からWR#80恒吉につなぐTDで10-7と逆転に成功。モメンタムを奪い返す。
第2Q最初の慶大の攻撃はギャンブル失敗でリードを守る。直後の法大のシリーズでは罰退を二度受けながらも徐々に前進し、残り1ydsの所まで攻め込んだ。しかしその残り1ydsが遠く、イリーガルシフトでTDが幻となる場面も。さらにFGも外してしまい、相手を突き放す絶好のチャンスを潰してしまった。すると流れは慶大に傾き始め、ランで崩され再逆転のTDを献上。10-14で前半を折り返す。
今季初のビハインドで後半を迎えた法大。第3Qからラン主体の攻撃に切り替えたものの、なかなか前に進めない。逆にリードを10点に広げられるTDを許し、さらに苦しい展開に。その後もインターセプトやQBサックを受けるなど強靭な相手DF陣に苦戦し、常勝軍団トマホークスに暗雲が漂う。
運命の第4Q。徐々にランでの攻撃が効果を発揮する。残り5分に待望のTDをRB#24笹尾が決め3点差にすると、DF陣もLB#57田中を中心に奮起し、試合を決めにかかるユニコーンズの猛攻を防ぐ。続く攻撃で一発逆転を狙う法大は、QB#16寺村が必死にパスを繋ごうとするも思うように通らず、相手陣地に攻め込むことができない。4th down9、エンドゾーンまでは26yds。残り時間を考えればラストチャンスとなるこの圧倒的不利な状況で、法大はK#98谷澤の『キック』にすべてを託した。これを決めなければ敗戦、さらには長年にわたるリーグ連勝記録が途絶えるという緊迫の場面にも関わらず、谷澤が蹴ったボールは緩やかな放物線を描き見事成功。奇跡的なFGを決め、土壇場で同点に追いついた。
勝負の行方はタイブレークへ。先に攻撃権を得たのは慶大。TDこそ奪われなかったもののFGを確実に決められ、最低でもFGを決めなければ負けるという状況をまたしても作られてしまった。それにもかかわらず2nd downまで前進どころか、逆にQBサックで5ydsも後退してしまう不穏な展開。だがここでも奇跡が起きる。寺村が投じた鋭いパスがWR#80恒吉に綺麗に通りTD。この瞬間、白熱の全勝対決に決着がついた。
この結果、単独首位に立った法大。しかし残り2戦も強豪が待っている。念願の甲子園ボウルに向け、負けられない戦いがまだまだ続く。(大石 翔太)
選手のコメント
青木監督
―今日の試合を振り返って
今日は、事前に調べられたというかサインをかなり盗まれました。このスポーツは、相手の状況を調べたりするスカウティングで勝負が決まります。我々は、慶大に対してそのようなところでがんばろうとしたのですが、向こうが相当法大のことを研究していたのでちょっと苦戦してしまいました。ただ、内容的にはそのようなミスなので、最初のスタートとかはかなりうまくいっていました。だから、なんとかうまく立て直してこれからもがんばりたいと思います。
DL蔀主将
―今日の試合を振り返って
正直今日の試合はもっと差がつくものだとみんな想像していたのですが…。自分達の心の甘さが出てしまったせいで予想以上に苦戦したのだと思います。
―具体的に心の甘さとは
チームとしてまとまっていないというか、盛り上がりに欠けていたなと。気持ちの問題だと思います。
―監督は苦戦した原因について慶應のスカウティングをあげていました
そうですね。DFに関して、パスをよく出されてしまったのは、準備されていたからというのがあると思います。OFに関しては、プレーが偏っているのでそれに合わせられたのかなと。
―監督もスタートは良かったと仰っていました
OFのスタートは良かったと思いますが、DFはあまり良くなかった。ランから止めていこうと話していたのですが、パスを何本か成功されて流れが悪くなりましたね。
―パスに対してのDFで甘かった部分は
練習の段階から、まずランを意識していました。パスの練習がランに比べて少なかったのでそこが反省になります。今週改善していきたいです。
―今シーズン初めてリードを奪われましたが、その時なにか意識されたことは
強い気持ちで最後までプレーし続ける部分は変わらないと思っていました。自分達は自分達の仕事をやるだけ。それができなかったからリードを奪われただけで、リードされたから何かを変えるというよりは、やるべきことをやるよう意識しました。
―タイブレークの前に指示は
特に無かったですが、監督からはとりあえず後攻を選べと言われました。あとはOF・DFで各自指示があったと思います。
―タイブレークの三失点については
25ydsだと相手もFGを狙う範囲内だと思うのですが…。自分達はこれまでFGD(Field Goal Defense)の練習をあまりやっていなかった。そのため良いプレッシャーがかかっていたかわからないので、今後は阻めるようにしたいです。
―QBサックを直前で阻まれる場面が多かった印象ですが
直前というよりかは、早くプレッシャーをかけなければいけないところで自分が行けなかっただけだと思います。
―上手いこと逃げられてしまった
はい。相手が上手かっただけですね。
―個人記録・QBサック部門で上位に位置していますが
そうですね。しかし、自分の役割は個人記録1位を狙うより、パスに対するDFで自然とQBサックを狙ったりプレッシャーを掛けたりすることが一番だと思っています。個人記録だけを狙っていたらチームプレーもできなくなりますし。DLとしてはUNITY(一体感)というのをスローガンにしているので、誰か一人が生き残れれば、自分達は他の役割を果たせればいいと思っています。個人の記録よりもチームプレーが優先ですね。
―次戦に向けて
早稲田は中央に勝ってますけど、自分達はそれに関係なく全勝するだけなので。それに向けて頑張って行きたいと思います。
QB寺村選手
ー今日を振り返って
2Qあたりまでは攻めた部分ありましたが、インターセプトだったり反則でタッチダウンがとれずに結局最後、慶応に持っていかれた部分があったので、やはり取るべきところが取れていないのが課題だと思います。個人的にもインターセプトが2個あったので、ほんとに勝てたことだけはよかったとして、次に向けて色々と改善していきたいと思います。
ー慶應戦に向けての法政陣のスカウティングは
想定通りの部分もあり、想定通りでなかった部分もあり、まあしっかり自分たちで準備してきた部分なので、オフェンスとしてはゲインもあったので、最後のつめのところが問題だと思います。スカウティングはしっかり上手くいったと思います。
ー4Qに入るまでの心境は
本当にみんなひとつになって、10点差があったんですが4th downをしっかり取れたり、キッカーの1年生(K#98谷澤)がしっかり決めてくれたり、ほんと全員が絶対勝ってやろう、逆転してやろうという気持ちで溢れてたのでそこの部分が慶應に勝って勝てたかなと思います。
ー昨年と比べて今年の慶應の印象は
今年の慶應は集まりが早かったり、デイフェンスに関してはあまり変化は…。例年通りという部分はあったかなと、自分も4年間やっていて3年間勝っていたのでそんなに苦手意識はあまりありませんでした。
ー相手陣に攻め込んでからの、インターセプトされた時の気持ちの切り替えは
本当にベンチに戻って全員に励まされて、コーチの方にも「次!次!」と言って頂いたので個人だけでは切り替えられなかった部分はあったんですが、全員が声をかけてくれてその切り替えはみんなのおかげだと思います。
ータイブレイクの心境、意気込みは
後攻で3点差だったので、キッカーも良いのでロスしないでしっかりFGという部分あったんですが、2nd downでロスしてしまったので、ほんとに何としてでも10ydsでも5yardでも前に進めなきゃいけないという気持ちがありました。TDしたのは1年生の恒吉(WR#80)だったんですけど、ほんとに良くやってくれたと思います。
ー次戦にむけて課題は
今日はインターセプトされたので、短いパスとかでもう少しリズムを作っていけるように1週間死に物狂いで練習していきます。
LB田中選手