硬式野球

復興への思いを胸に~東日本大震災復興親善試合

東日本大震災復興親善試合
8月18日(土)、19日(日)
会場:クリネックススタジアム宮城

 東日本大震災から1年5ヶ月ー。震災以降2度目の夏を迎えた被災地、仙台にて東日本大震災復興親善試合が2日間3試合にかけて行われた。試合が行われたクリネックススタジアム宮城も震災直後は大きな被害を受け、一時は野球が出来ない状況に陥った。そのような中で野球ができる日常への感謝や被災された人々への復興の思いを忘れないためにも、選手たちは全力プレーで試合に臨んだ。

第1試合で2安打1打点の活躍の建部

第1試合:対南東北大学選抜

 123456789HE
東京六 0
南東北 0 0 0 0 0

(六大学)竹内、香取、山崎福、有原‐土井
(南東北)西川、三宅、笠原、中條‐園部、見目

第2試合:対北東北大学選抜

 123456789HE
東京六 0
北東北 0 0 0 0 0

(六大学)吉永、三嶋、横山、岡大‐地引
(南東北)吉田、秋山、多和田、中條‐川越、君島

第3試合:対仙台六大学選抜

 123456789HE
東京六
仙台六 0 0 0 0 0

(六大学)小室正、有原、石田、岡大、福谷‐山田、土井、地引
(仙台六)伊藤祐、浅野、野口、勅使瓦、伊藤直‐嵯峨、臼井

戦評

1試合:対南東北大学選抜

第一試合の相手は南東北大学選抜。1回表、先頭打者は東京六大学選抜の主将を務める建部が打席に入る。先制点をあげて試合を優位に進めたいところであったが、遊飛におわりこの回は三者凡退。裏の守備では、竹内(慶大)が先発マウンドに上がるも味方の失策が絡み先制を許す。

3回表、先頭打者の7番・土井がライト前にヒットを放ち出塁。相手の失策や四球で1死満塁となると、2番・福富(慶大)が犠飛を放ち同点に追いつく。
     
同点のまま迎えた5回裏1死満塁のピンチ、六大学選抜の3番手として山崎福(明大)が登板するも押し出し死球を与えてしまい勝ち越しを許す。

しかし、次の回の攻撃で打線が繋がりだした。1死1、2塁の場面でこの日2安打と当たっている7番・土井に打席が回るが四球を選び満塁に。続く打者は三振に倒れるも、9番・田中(明大)がレフトへ2点適時二塁打。2死2、3塁となり、1番・建部がレフト前へ流し打ちし追加点。この回だけで3点を上げて一気に逆転に成功し4-2となった。

その後の試合は互いに決め手を欠きスコアボードに「0」が続き、迎えた最終回、好投を続けた山崎福に代わり、4番手として有原(早大)がマウンドに上がる。だが、1死2、3塁のピンチに8番打者に上手くライト前に運ばれて1点を献上し4-3に。一打同点のピンチが続くも二飛と三振に打ち取り試合終了。法大から出場した建部と土井はどちらも2本のヒットを放ち勝利に貢献した。

第2試合:対北東北大学選抜

続く2試合目、北東北選抜との一戦では西浦直が1番、多木が4番でスタメン出場。第一打席はそれぞれ北東北選抜先発・吉田(青森大)の前に空振り三振、一ゴロと凡退。一方の六大学選抜も先発、吉永(早大)の好投で試合は3回まで両チーム無得点のまま4回まで進む。

 4回からはマウンドにあがったのは法大のエース・三嶋。しかし、先頭の3番・花岡に6球目を右中間へ運ばれ無死2塁のピンチを招くと、走者を進められ1死3塁の場面で第1打席吉永からヒットを打っている5番・建部(八戸大)を打席に迎える。この場面で建部を遊ゴロに打ち取るも、その間にランナーが生還し、北東北選抜チームに1点の先制を許してしまう。その後も変化球の制球が定まらず走者を出す部分もあったが、球威のある直球で要所を締め三嶋は2回を1失点に抑える。

 試合は進み6回、先頭の1番・西浦直が中前にヒットを放ち出塁するとその後走者を進め、2死2塁で4番・多木。同点に追いつきたい場面であったがショートフライに倒れ1点が奪えない展開が続く。 

試合はその後両チーム得点を挙げられないまま1-0で北東北選抜チームの勝利。西浦直が4打数1安打、多木選手が4打数0安打、三嶋選手は2回1失点と悔しい結果に終わってしまった。
 

第3試合:対仙台六大学選抜

復興支援試合2日目は東京六大学野球選抜と仙台六大学野球選抜の試合が行われた。この試合では、建部が1番・ライトで先発出場した。

試合が動いたのは3回表。この回、先頭の1番・建部が四球を選び、チャンスを作る。その後、無死満塁とチャンスを広げたところで相手投手の暴投を誘い、建部が先制のホームを踏んだ。さらに5番・小室(明大)が中犠飛を放ち、追加点をあげる。

5回裏から石田がマウンドにあがる。石田は打者8人に対して、三振2つを奪う好投を見せ、2イニングを無失点で切り抜ける。またこの回から土井がキャッチャー、多木がサード、西浦直がショートの守備についた。

再び試合が動いたのは、8回表。この回、先頭の6番・多木が内野安打で出塁すると、続く7番・平原(立大)の左越二塁打で、多木が一気にホームへ帰ってくる。さらに、1死満塁のチャンスで2番・西浦直が押し出しの四球を選び、追加点をあげる。

守っては、東京六大学野球選抜の5人の投手リレーで、仙台六大学野球選抜を完封し、4ー0で勝利を収めた。

試合後の選手のコメント

建部選手(第1、第3試合にスタメン出場、六大学選抜の主将を務める)

●1日目

―今日の試合を振り返って
六大学の代表としていろんな各チームの代表と一緒に野球の試合をやって、また宮城のこの場所ということで、やっている意味を感じながら、すごく楽しめた試合でした。

―今日は2安打の活躍でしたが、調子はいかがですか
技術面は、やっぱり今オープン戦でやっていることを自分の中で意識しながらやっていたので、調子はそんなには悪くないと思います。

―南東北選抜チームの印象は
初めてみる選手ばかりだったんですけど、やっぱりバッターもピッチャーも凄く技術が高いなと思いました。

―東京六大学チームの主将を務めていかがですか
やらせてもらっている以上しっかり責任を果たさなきゃいけないと思うので、しっかりメリハリつく声と動きをして。すごくやりがいのある立場なので頑張ってやりたいと思います。

―事前に集まって練習はされていたのでしょうか
一度もしていないですね。

―普段のライバル同士でプレーをしていて学ぶことはありますか
やっぱりみんな技術が高いですけど、個性が結構あるので。見て自分に取り入れられるものがあればしっかり取り入れたいと思います。

―建部選手自身、東北に縁はありましたか
親戚がこの近くに住んでいて、一度だけ来たことがあるんですけど。小さい頃だったので、あまり覚えてはいないのですが…

―Kスタの印象はいかがですか
すごくきれいな球場で。いつも神宮でもそうなんですけど、こういうグラウンドで野球ができるのは幸せだなと思いました。

―明日に向けての意気込みをお願いします
明日の1試合で最後なので、全力で気持ちを入れて、試合をやっていきたいと思います。

―東北にメッセージを
復興支援の試合ということですが、僕たちにできることは数多くないので。全力で試合をやることだと思うので、そこを見ていただいて少しでも元気になっていただけたらと思います。

 

●2日目

―今日の試合もスタメン出場でしたが
最後の試合ということで出させてもらったので全力で頑張りました。

―昨日今日とチームの雰囲気はいかがですか
本当にみんな仲良くてやりやすい雰囲気はありましたね。

―特に仲の良い選手はいらっしゃいますか
そうですね、特に立教の松本君とは仲が良いですね。

―この2日間全体を振り返っていかがですか
試合以外でもみんなでご飯に行ったり。いつもとは違う、知ってる仲間ですけど違うチームのやつらとこういう風に生活して、色々また考えることがありました。

―この夏意識して取り組んでいることは
個人的にはやっぱりバッティングの方を。技術が足りないと思ってしっかり、秋のリーグ戦最後打てるように頑張っています。

―法政チーム内でケガなど調子の悪い選手はいますか
4年生の伊藤慎吾がちょっとケガしているので、なんとか早く直って復帰してもらえたらいいなと思ってます。

―秋に向けての意気込みをお願いします
本当に最後のリーグ戦で、キャプテンとしてチームをまとめてオープン戦でも頑張っている最中なんですけど、絶対優勝できるように頑張っていきたいなと思います。

 

三嶋選手(第2試合で登板、2回1失点)

―今日の試合を振り返って
1点を取られて負けてしまって、六大学代表としての責任と皆への申し訳ないという気持ちがいっぱいありますね。 

―ご自身の調子はいかがですか
オープン戦もまだ全然投げていないですし、スライダーを練習もしていなかったので制球が定まらなかったので苦しかったんですけど、リーグ戦の開幕まで時間があるのでしっかり調整していきたいです。

―相手打線の印象は
選抜チームとあってスイングも鋭いですし、あまい球はヒットにされていたのでやっぱりもっと低めを意識して投げたいですね。

―この夏意識して取り組んでいることなどはありますか
春はスタミナ不足もあるんですけど、ピンチの場面で凌げないことが多かったので精神面を意識してピッチングやランニングをしていますね。

―ベンチで他のチームの選手と会話はされましたか
そうですね、1年生の頃から出ている選手とかピッチャーとかも多くいるので会話することでまた別の刺激だったり、新鮮な感覚があったと思います。下級生の選手とも今日はあまり話せなかったので明日とかはもっと話せればいいなと思いますね。

―秋に向けての意気込みをお願いします
春は2位と悔しい結果だったので、秋は自分の仕事をしっかりとして優勝できるように頑張ります。

多木選手(第2、第3試合に出場。第3試合では1安打1得点の活躍)

●1日目

―今日の試合を振り返って
1試合目は勝てて良かったのですが…2試合目も勝ちたかったです。

―春季リーグ戦で思うような結果が出なかったかと思うのですが、調整中の現在、何か変えていることはありますか
バッティングに関しては、アドバイスなどもいただいて、意識を変えています。オープン戦でも結果が出てきているので、調子は上向きだと思います。

―今日はサードでの出場でしたが、秋季リーグ戦でもサードを守る予定ですか
そうですね、(ショートとサード)どちらを守ることになるかはわからないのですが、今のところは、おそらくサードを守ることになるかと思います。

―東京六大学野球選抜として戦っていますが、他の大学の選手と何か交流はありましたか
既にすごい仲が良いメンバーなので、(特別に何か交流をしたということは)特になかったです。

―今日、初めてKスタでの試合だったかと思いますが、球場の雰囲気はどうでしたか
Kスタは初めてだったのですけど、とても良い球場で、良い経験ができました。
 

●2日目

―2日間を振り返って
復興支援試合ということで仙台に来たので、勇気や感動を与えられていたら、良いと思います。

―仙台六大学野球選抜の投手の印象は
やはり選抜に選ばれるだけあって、すごい投手ばかりでした。

―東京六大学野球選抜で改めてすごいと感じた選手は
元からすごいと感じている選手ばかりですので、改めてすごいと感じることはなかったです。

―昨日は何を食べましたか
牛タンを食べました。

―秋季リーグ戦への意気込みは
自分にとっては、ラストシーズンなので、チームの優勝に貢献できるように、残り少ないですが、しっかり頑張っていきたいです。

土井選手(第1、第3試合に出場。第1試合では2安打の活躍)

―東京六大学野球選抜の雰囲気はいかがでしたか
いつもと違って新鮮な感じで試合ができたので、自分にとって良い経験でした。

―普段は敵として戦ってきた選手とバッテリーを組むことについては
六大学は良いピッチャーがいっぱいいるので、受けていてもすごいなと今日は特に思いました。

―特に誰がすごかったとかはありますか
特に有原(早大)は球が速くてすごい。みんなコントロール良いのでリードしていてやりやすかったです。法政の選手もこうなってくれたらいいのにと思います(笑)

―一塁の杉山選手(早大)などに試合中にたくさん名前を呼ばれていたことについて
どこにいってもイジられる側なので(笑) それは自分でわかってるので大丈夫です(笑)

―試合の直前に代表選出されたことについて
前日の練習でアップが終わったぐらいで監督に呼ばれて、「お前行けるな」と言われて「大丈夫です」と言ってしまいました。

―仙台に来てどのような食事をしましたか
昨日の夜は牛タンを食べに連れていってもらいました。美味いのでまた食べに行きたいです!

―スタンドからの声援について
自分は何とも思わないですけど。よく聞こえましたけど。『チャンス法政』も流れましたよね(笑)  自分はいじられるのには慣れているんで大丈夫です(笑)

―クリネックススタジアム宮城について
こんな変わった球場でもう試合をしないと思うので出来て良かったです。

―最後に東北の方へメッセージを
自分の明るさで元気にできればいいと思うので。負けないでほしいです。
 

西浦直選手(第1、第3試合に出場。第1試合では1安打を記録)

ー今日の試合をふりかえっていかがでしたか
勇気と元気を東北に届けられるようなな試合ができたと思います。

ー本日はショートの守備でしたが、秋もショートでやっていくのでしょうか
まだわかりませんが、現在はショートの方向でやっています。

ー六大学チームの選手としてのプレーでしたがどうでしたか
普段は敵同士であるけれど、今回はみんないい雰囲気でプレーができました。 

ー東北選抜の選手についてどう思われましたか
日本代表に選ばれている選手が多く、東北のレベルの高さを実感しました。

ー仙台はいかがですか
いいですね!仙台最高です!

ー秋のリーグ戦に向けて
チームとして優勝を目指し、自分もそこに貢献していきたいです。

石田選手(第3試合に登板、2回を無失点に抑える)

―今日のピッチングについて
調子がよくない状況でのピッチングだったので、どうなるかと思ったんですけど、フォアボール3つであまりよくない結果だったんですけど、でもボールの質自体はそんなに悪くなかったと思うので、これからコントロールだけきちんとできるようにやっていきたいです。

―今日は見逃し三振と空振り三振両方とっていましたが、どちらが好きですか
やはり見逃し三振のほうが気持ちもいいですし、相手バッターも嫌な気にはなると思うんで、基本的には見逃し三振のほうがいいかなと思います。

―日本製紙クリネックススタジアム宮城の感想を
僕は甲子園とかもいってないですしあまりいいグラウンドでやったことがないので、環境とかも色々いいと思ったので、この球場でできることは大学生活ではもうないかもしれないですけど、またプロにいったときにでもここでできたらいいかなと思います。

―仲のいい選手は
2年生の中村(早大)と有原(早大)と山崎福也(明大)は(大学日本代表)選考のときとかも一緒だったので。

―秋にむけての意気込みを
今もっている力を全部出して優勝できるようにがんばりたいです。

フォトギャラリー

  • 第1試合で2安打1打点の活躍の建部
  • 安打を放ち観客の声援に応える土井
  • 球威のある速球が光った三嶋
  • 第三試合では1安打得点の活躍の多木
  • 2試合に出場しヒットも打った西浦直
  • 2回を無失点と好投した石田
  • 土井は守備面でも投手陣を好リード
  • 建部は六大学選抜の主将も務めた
 

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