硬式野球
 

【硬式野球】4年生特集 第4回 船本一樹、六信慎吾

東京六大学野球秋季リーグ戦 対明大2回戦
2013年10月28日(月)
神宮球場

春は開幕9連勝、秋は開幕2カードを落とす苦しい立ち上がりで優勝の可能性が消えかけるが、そこから粘り、第7週の明大戦に優勝の可能性を残して挑む。しかし明大に敗れ、5位という結果に終わった。チームの中心となってプレーし、感動を与えてくれた4年生はこの日で引退となった。それぞれの進路進む4年生に法大野球部での4年間について振り返っていただいた。第4回は船本一樹選手、六信慎吾選手です。

船本一樹#19

選手のコメント

船本 一樹

―大学最後の試合となりましたが
勝ちたかったですが、明治の方が一枚上手でした。(登板機会なく敗戦)いつでも投げる準備はしていましたが、今日勝ったら明日投げるというのがあったので。でもいつでも投げられたので、できれば投げたかったですね。

―秋のシーズンを振り返って
序盤チームに迷惑をかけてしまいましたが、中盤から後半にかけて自分としても良い感じに投げられて、0に抑えられたので良かったと思います。でも最後の最後で点をとられてしまったので、そこは次のステージで借りを返す、ではないですけれど、昨日の試合(明大1回戦)を糧にして、また来年から頑張っていけたらなと思います。

―投手責任者として過ごされたこの1年間はいかがでしたか
周りもよく見えるようになったし、投げていてもピッチャーだけでなく、周りをよく気にすることができるようになったというのがあって、やっていて良かったというのはすごくあります。

―これで引退となりますが、4年間を振り返って
長かったような短かったような。一応1年から投げさせてもらいましたが、本格的に投げたのは3年の秋くらいからなので、もう少しやっていたかったというのが本音ですね。

―ターニングポイントはやはり3年生の時ですか
やっぱり3年の春ですかね。3年の春のオープン戦ですごく良くなって、リーグ戦に入ったら今度は打たれてしまって、というのですごく悩んで。それで3年の秋にやっと結果を出せたので、3年の春のリーグ戦が、大学生活のターニングポイントですね。

―4年間で印象に残っている試合は
3年の優勝したときもそうですが、自分達の代の、最後の明治との試合ですね。投げられはしなかったですけれど、印象には残っています。

―この4年間でご自分で成長したと感じておられることは
気持ちを楽に投げられるというか。今までは投げることだけで精一杯でしたが、周りに目を配らせられるようになりました。技術面で言ったら真っ直ぐです。真っ直ぐのコントロールと質は、すごく良くなったと思います。

―法大の4年間で得たもの
色んな人と出会って、色々な経験をさせてもらいました。本当に神長監督にはすごく感謝しています。上のレベルでの考え方というのをすごく教えてくださって。今まで考えずにやっていたことが多かったですが、一つ一つやることを全部考えるようになって、大人な野球の考え方になりました。大学に来て良かったです。

―社会人で野球を続けられるとのことですが、今後の目標は
またプロを目指して、2年後(プロに)いければそれが一番理想だと思います。

―後輩にメッセージをお願いします
明治に春も秋も目の前で優勝されて胴上げを目にしているので、その借りはしっかり返してもらいたいです。

六信 慎吾

―大学野球最後の試合となりましたが
「引退」とかはまだちょっと考えられないですが、最後に投げられて良かったです。(慶大4回戦以来の登板)一人だったので思いっきり投げられました。

―今季は自己最多の登板数でした
最後のシーズンで投げさせてもらえたことは、これから社会人でも生きていくと思います。

―4年間を振り返っていかがですか
けがも多くて4年間できるか不安でしたが、今となっては社会人で野球もできるし、すごく良い4年間だったと思います。楽しい4年間でした。

―4年間で印象に残っていること
やっぱり秋に神宮で今まで以上に投げさせてもらったことですね。

―ターニングポイントとなった出来事はありますか
神長さんが監督になってからすごく良い感じで投げられていたので、4年の春ですね。それまではピッチャーに対してあまり指導がなかったですが、神長さんはピッチャーを中心に指導してくださって、その点はすごくやり易かったです。

―この秋は六信選手を含めた4年生投手陣の活躍が光りましたね
責任者の船本がしっかり引っ張ってくれたので、こっちはついていくだけという感じだったので、やり易かったですし、船本には感謝しています。

―社会人で野球を続けられるとのことですが、今後の目標は
レギュラーで出ている4年生はみんな(野球を)やるので、都市対抗や全日本(選手権)でやれたら良いですね。

―後輩にメッセージをお願いします
自分たちは優勝できなかったので、春か秋どちらかは優勝してほしいなと思います。

プレイバック

船本 一樹

「大学に来て良かったです」。船本一樹(営4)は敗戦に悔しさをにじませながらも、どこか晴れやかな表情で4年間を振り返った。

1年の春から、毎シーズン神宮のマウンドに上がり続けた。3年秋から先発の一角として台頭。以降、法大投手陣の中心的存在として活躍した。ラストシーズンの今季は2勝止まりも、防御率は自己最高の1.13をマーク。ところが4勝を挙げた春とは異なり、この秋は決して順調ではなかった。「チームに迷惑をかけてしまった」と語る通り、前半は勝てない日々が続いた。開幕戦を任されるも、初回にいきなり2失点。立ち直る気配を見せられず3回ノックアウトとなる。翌週の慶大戦も初戦に先発するが、またも3回途中で降板。リリーフとして登板した慶大4回戦でも失点を喫する。「調子自体は悪くない」と言いつつも、持ち味のコーナーをつく投球は影を潜めた。結果を残せず、チームも開幕から2カード連続で勝ち点を落とした。

空き週を経て突入した後半戦。1敗した時点で優勝が消滅するという重圧の中、東大との1戦目に先発。「何かを変えた方が良いかなと思って」と、グローブも変えて試合に臨んだ。そしてここから船本の覚醒が始まる。鬼門となっていた初回を3人で抑えると最後まで投げ抜き、念願のリーグ戦初完投となる完封勝利。140km台前半のキレのある直球に加え、空き週に取り組んだ低めへ制球された投球が光った。秋初勝利を挙げ、自信を取り戻した船本は、東大戦からの3試合で26回と1/3を投げ1失点。安定感抜群の投球を披露した。圧巻だったのは早大3回戦。100球以上を投げた1回戦から中2日での先発ながら、大学でのベストピッチだったという内容で二度目の完封勝利を収めた。そして迎えたリーグ戦最終カード、対明大1回戦。この日もほぼ毎回走者を背負いながらも、スコアボードに0を並べていく。五回には1死2、3塁というピンチを切り抜け、「気持ちが出た」と珍しくマウンド上で派手なガッツポーズを見せた。しかし七回にエラー絡みで失点し、自責点0で負け投手に。チームの優勝も消滅した。翌日の2回戦は延長十一回まで同点だったこともあり、登板機会なく敗戦。そして船本の大学野球は幕を閉じた。 

優勝のかかった最終戦の先発マウンドを譲るなど、どこか不完全燃焼に終わった春。しかし、この秋は監督からも「エース」と称されるようになり、信頼を勝ち得た。 船本の真骨頂は、投球回と同じ数ほどのヒットを打たれながらも、低めに球を集めて点を与えない粘りのピッチング。今季の後半はその投球に磨きがかかった。上体だけで投げていたのを、下半身を使って投げるよう修正。練習時に、ピッチングの半分以上をクイックで投げるようにしたことも功を奏した。また、夏場にしっかり投げ込むことで体力面も強化。秋まで完投経験のなかった右腕が、今季だけで2完投を記録した。 「魔の八回」と本人が称するように、春には八回に失点して完封を逃すこともあったが、その″壁″を見事に克服。 今季は投げる試合で味方のエラーも多かったが、「エラーやヒットというのは関係なく、点をやらないことを意識した」と、味方が苦しいときこそチームを救った。

通算10勝には惜しくもあと1つ及ばず。しかし「結果が全てではないので。来年からまた頑張ります」と、その目は既に先を見据えている。卒業後は社会人野球の世界へ。桐蔭学園高校の同期とも、再びチームメイトになる。「一緒に頑張って2年後プロに行って、活躍できればそれが一番ですね」と、旧友と切磋琢磨して、プロの舞台に立つことを誓った。「上で通用する基盤ができた」―この4年間でつかんだ自信を胸に、背番号19は次のステージへと進む。(熊谷 優)

 ★編集後記
今年は投手責任者も務めた船本選手。六信選手や納富選手のコメントから、4年生投手陣からの信頼の厚さを感じます。本人にそれを伝えると、「嘘です(笑)うわべだけですよ」と照れくさそうに否定。しかし、柱として投手陣をけん引したのは、見ての通りです。高校3年の春にサイドスローに転向するなど、様々な苦労を経てきたこれまでの野球人生。そんな船本選手の座右の銘は「真の努力は背を向けない」。その努力が実り、吉報が届く日を楽しみにしています。

六信 慎吾

3年間で登板数はわずかに1。しかし今季は自己最多の5試合に登板し、六信慎吾(営4)はラストシーズンを終えた。

「けがも多くて、4年間できるか不安だった」と振り返るように、決して順調ではなかった4年間。速球が魅力の右腕として期待されて入学したものの、度重なるけがや、法大投手陣の層の厚さもあり、これまでなかなか神宮のマウンドに上がることはなかった。 しかし、腐らずに黙々と練習に打ち込む姿は後輩の手本ともなった。 そして最後の夏のオープン戦、抑えなどで起用されると、その直球は150kmを記録。依然として制球に多少の不安は見られたが、ラストシーズンに向けてアピールを続けた。

「チームの力になれるように頑張りたい」ー開幕前に語ったその言葉通り、2試合目からベンチ入り。そしていきなり出番が回ってくる。3回で降板した先発のあとを受け、2人目のリリーフとして登板。走者を許したものの、3回を0点に封じ込めた。この試合で直球は146kmを計測。昨年春以来のマウンドであったが、力を抜き、打者一人一人に向かった結果だった。そしてここから3試合を無失点と、快投を続けた。 後半戦は登板がほとんどなかったが、4時間を越える熱戦となった最終戦、久々に登板の機会がやってくる。延長十二回表、2点を勝ち越され、尚も1死1塁という場面でのリリーフ。しかし追加点のピンチを見事2球で併殺に打ち取り、大学最後の登板を締めくくった。

卒業後も社会人で野球を続ける。最後の取材で今後の目標を尋ねると、涙を浮かべた目が一瞬輝き、嬉しそうに答えた。「レギュラーで出ている4年生は皆(これからも野球を)やるので、都市対抗や全日本(選手権)でもやれたら良いですね」。最後のシーズンでの登板を、今後に生かしていきたいという六信。大学で咲かしきれなかった花を、是非とも次のステージで咲かせてほしい。(熊谷  優)

★取材後記
いつも爽やかな笑顔で取材に応じてくださる六信選手。夏の寮取材では、シャイなのか(?)度々納富木下バッテリーに「口下手か!」と突っ込まれ、いじられる場面も(笑)。最終戦終了後の取材では目に涙を浮かべ、まだ気持ちの整理がついていない様子に、こちらも涙せずにはいられませんでした。けがに悩まされただけに、今後は何にも妨げられることなく、思う存分野球をしてほしいと願わずにはいられません。

 

フォトギャラリー

  • 201311111船本一樹#19
  • 201311112六信慎吾#18

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