硬式野球
 

"血の法明戦"特集~善波監督、田中主将、中嶋選手

”血の法明戦”特集
取材日:4月5日

昨秋は投打に充実した戦力で日本一となった明大。しかし、その主力選手のほとんどが抜け、戦力ダウンは避けられない。この穴をどう埋めていくのか善波監督、田中主将、中嶋選手に聞いてきました!

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笑顔で取材に応じる善波監督

善波監督

打のキーマンは上本

―昨年を振り返って
うちのでいいの?法政じゃなくて?(笑)まぁ春は野村中心にやっていったけど、ところどころ上手くいかずね。(野村が)抑えても点を取れなくて、結果として4位に終わって…。秋は逆に野村があまり良くなくて点をとられながらもバッターが良くて、なんとか競った試合をものにしてリーグで1位になれて、そのまま日本一にもなれて…。不思議な一年でしたね。

―昨年の4年生がぬけてチームが大きく変わったと思いますが、今のチームはどんな状態ですか
レギュラーが9人中7人抜けて、(昨年も試合に)ところところ出てる選手もいたのだけど、ポジションは空いているんで今はみんなで競争している状態ですね。

―エースの野村選手が抜け、今年の投手の中心は誰になりそうですか
ピッチャーは…やっぱりまだ中心と呼べるヤツはいないけど、大久保と田中の4年生にまず頑張ってもらいたいのと、去年の秋に1勝ずつしているピッチャーが下級生にいて…。3年生の岡、2年生の今岡、山崎に加えて関谷あたりが上手く機能してゲームを作ってくれればと思いますね。

―では野手の方は
野手ではもっとも経験を積んでいるのが上本なんだけど、前はセカンドやってて今はショートでね。その経験をいかしてチームを引っ張っていって欲しいな、と。

―今年のキーマンは誰になりそうですか
上本が打順では1番打者の候補として出塁して得点に結びつけるか。あいつが今までの経験とプラスでさらに成長できるかがポイントかな。

―岡大選手、山崎選手の両投手はバッティングも良いですが野手として起用することはありそうですか
あー、去年は1試合づつ投げて打ってってね。でもあれはあの1回きりだからね(笑)。どうなるかわからないし、バッティングは打って3割って世界だしね…。やっぱり野手の本来守るべき人が調子が悪ければ彼らの潜在能力にかけて使うかもしれないけど、基本は野手の人が出て上手く機能するのが一番良いしね。代打を出したらピッチャーで使えなくもなるから難しいんだよね(笑)。

ピッチャーを中心に守る野球をしたい

―今年はどういうチームを目指しますか
やっぱりバッテリー中心に守る野球が1番勝ちに近いと思うのでできるだけ失点しない野球は続けていきたいと思いますね。まぁなかなかそうもいかないんだけどね...(笑)去年の秋みたいに野村が打たれても勝つことはあるしね。でも理想はピッチャー中心に守る野球をしたいですね。

―法政の印象は
三嶋、石田ら1,2戦で先発するような投手は全国クラスが残っているから点が取るのが難しいかなと。野手も誰っていうより9人から溢れるくらいいるでしょ(笑)。代表で私も一緒にやった多木とか候補にもなった建部に去年いきなり出てきた伊藤諒に…。金光さんも選手全員使いきれないんじゃないかな(笑)。誰が出てきそうなの、キャッチャーとか誰?(笑

―キャッチャーは土井選手や木下選手ですかね
あー、ほらほらいっぱい出てくるじゃない(笑)。誰が中心で出てるの?土井?

―オープン戦ではまだ固定はしてない印象でしたね
そうなんだ、ファーストは伊藤諒?

―それは…まだわからないですね(笑)
あー、そうなんだ。で、ショートが多木でしょ。えー、三塁が…誰がでてるの?

―西浦選手とか今調子が良いですね
あー、天理の? いやー、…皆良い選手だよね、本当に(笑)

―監督から見た今年の六大学野球はいかがですか
うち以外の大学は1・2戦に先発できる選手が残ってるよね。慶応は福谷に竹内、立教は小室と岡部。早稲田は有原に高梨か。法政はさっき挙げた2人に、船本とかも良いよね?(船本は)どう?

―そうですね(笑)、オープン戦では今のところ良いですね
やっぱり?やっぱ良いなぁ…。投手はうち以外は皆いいからうちとの試合を落としたチームが優勝戦線から脱落じゃないの?なんとかうちも負けないようにしたいね。

―では最後に今季の目標を
もちろんそれは毎年のことだけどリーグ優勝。まあ正直現実はうちは飛びぬけたという感じもないのでね…。皆で力を合わせて一つづつ勝ち星を積み上げていければいいなと、そういう感じでやっていきます。

田中主将

主力が抜け、全員で戦う

ー昨年を振り返って
秋は日本一といういいシーズンでしたけど、春は4位だったので良かった面もあったし、悪かった面もあった一年です。

―オープン戦を振り返って
順調というか予想以上というか。経験がないし、どうなるかなと未知な感じだったんですけど、思っていたよりは戦えているし、結果も出ているかなと思います。

―この冬に重点的に行ったトレーニングは
体を作り直して、体重が5,6キロ増えて、技術面で言うとふることを中心にやってきました。

―その成果は
個人的にも7試合連続でヒット打ってたり、結果は出ているので、オープン戦だけを見るとやった成果は出ているのかなと思います。

―キャプテンとなり変えたことや意識することは
去年からメンバーには入っていたんですけど、4年生についていく感じだったので、今年はそういった面で最上級生、さらにキャプテンということなので自分のプレーだけでなく、私生活や寮生活などの野球以外の面で自分がしっかりしないといけないという責任感が生まれました。

―今年は昨年の主力選手が多く抜けましたが、その穴をどのように埋めようと思いますか
去年はレギュラーがほぼ決まっていて、その人たちがリーグ戦に調子をどれだけ持っていけるかという感じだったんですけど、今年はレギュラーは決まってないのでその分オープン戦からいろんな選手が出て、調子が悪ければ代えられるし、調子が良ければ出れる形なので、調子がいい選手が出れて全員で戦う感じですね。

力は去年よりも上

―今年の投手陣の印象は
能力的には去年に引けを取らないと思います。ただ野村さんという柱が去年はいたのですが、それがまだ出てないで。まあ、全体的には能力は高いと思います。一人柱が出てくればもっといいかなと思います。

―今年の打線の印象は
力的には去年よりもあるかもしれないです。全員出るというか、どっからでも打てそうな気配というのはありますね。

―チームの雰囲気は
4年生が仲良くて、明るいやつが多いので練習から楽しくやって、その中で真剣にやるとこはやって、メリハリよくやっています。

―今年の法政の印象は
単純に強いです。まあ、強いというか元々すごい選手が揃っていて、その中でも今年は軸になるのがピッチャーで言えば三嶋君、野手だったら多木君という中心選手がいる分まとまりのあるチームだなと思いますね。他にも去年だったら1年の伊藤君とかどの学年にもすごい選手がいるなと思います。

―法政にライバル視している選手は
特にはいません。強いて言うなら同じキャプテンの建部君ですかね。同じキャプテンですし、同じ外野手なのでタイプ的には似ているんじゃないですかね。

―今年のチームと個人の目標を
チームはもちろん秋についでの日本一、リーグ戦制覇です。個人的にはケガしているので開幕前に直してレギュラーとして出て、出るからにはタイトルは取りたいですね。ベストナイン取りたいです。 

 

中島選手

信念を大事に練習してきたことが飛躍につながった

―昨年を振り返って
個人的にもチームとしても成長できた年だと思います。

―中嶋選手にとって飛躍の1年となった昨年ですが何かきっかけはありましたか
自分の信念というものを大事にしてずっと練習してきたことだと思います。

―昨秋16打点と非常に勝負強い打撃が印象的でしたが意識は
自分にチャンスで回ってくるということは相手はピンチなので気持ちの面では自分の方が有利なのでそこを楽しめているのかなっていうのはありますね。

―新チームの雰囲気は
最初の方は主力選手が多く抜けたので大丈夫かなというのはあったのですが、リーグ戦が近づくにつれて良い雰囲気になってきたと思います。

―田中主将はどのような主将ですか
声でも背中でもチームを引っ張ってくれる存在なので本当に頼りになります。

―昨年は野村選手、島内選手などプロに行った選手がいらっしゃいましたが
中島選手から見てどのような先輩方でしたかやっぱりプロに行くべき素質も技術もありましたし、何より野球への取り組み方がすごく良かったのでそのような選手がプロへ行くのだなと思いました。

―今自身が取り組んでいる練習は
やはり自分は春のリーグ戦が大事だと思っていたので、そこで相手のチームは自分を研究してくると思うのでそれに対応できる練習をしています。

―その成果は
そうですね、形にはなってきています。

打点にはこだわりがある

―昨年は大学日本代表にも選出されましたがそこで得たものは
レベルが高い選手にいろいろな話を聞けましたし、見て学ぶこともできたので良い経験になりました。

―具体的にお話された選手は
伊藤隼太さん(現阪神)と鈴木大地(現千葉ロッテ)さんですね。

―金光監督の印象は
一つ一つが細かくて野球でも私生活でもしっかりしている方だと思います。

―今年の法大への印象は
三嶋さんを中心とした投手陣が良いというのと打撃陣も多木さんが軸となって得点力も高いと思うので、個人的にはかなり注意しています。

―高校時代の同級生である船本選手への意識は
いや、特に意識はしてないですね。

―法大で意識している選手はいますか
投手だったら三嶋さん、野手だと多木さんですね。

―その理由は
多木さんは六大学を代表するバッターでもあるので多木さんの前にランナーをためたくないですし、三嶋さんはストレートも変化球もとても良いので三嶋さんを打てればチームも勝っていけるのと思います。

―他大学も含めて意識している選手はいますか
自分はやっぱり三嶋さんですね。

―目標、尊敬している選手はいますか
西武の中村選手や中島選手ですね。同じ右バッターとして見習うべき点も多いですし、飛ばす力や勝負強さというのも本当に勉強になります。

―自身の成績で一番意識している数字は
打点にはこだわっていますね。

―今年の目標をお願いします
チームは優勝と日本一、個人としてはベストナインを取りたいなと思っています。

  展望

昨秋、見事に完全優勝を成し遂げた明大。一人で6勝を挙げた大エース・野村を中心にした投手陣と、リーグトップの得点を叩き出した打撃陣が噛み合い、まさに圧倒的な強さを見せつけた。しかし、そのチームの中心を担っていた4年生が抜けた今季は、投打にまだその穴を埋めきれていない感がある。

特に影響が大きいのは、野村の抜けた投手陣だ。昨秋一人で65イニングを投げたエースの穴を、今季は神宮経験の少ない複数の投手でやりくりしている。中でも注目は、MAX152kmの剛速球を投げる右腕・岡大である。今季はここまで3試合にいずれもリリーフで登板し、力強いピッチングを見せている。また明大の先発は、初戦が長身左腕の山崎、2戦目が経験豊富な右腕・関谷が予想される。両投手ともここまで長いイニングは投げていないものの安定した投球を続けている。法大とすれば、岡大にリードされた場面で登板されるのは厄介なだけに、この2人の先発投手をいかに早い段階で攻略できるかが重要になってくるだろう。他にも、ここまで2試合に救援している今岡や月田、上原らの投手が控えており、明大がどのような投手起用を見せてくるかにも注目が集まる。

迎え撃つ法大の打撃陣はここまで調子が良い。立教との初戦ではこれまで苦手としてきた小室から11安打を放った。2戦目では3安打で3得点を挙げ、効率の良い攻撃も見せた。チームの中で大きな不振にあえいでいる選手がいないのも強みで、切れ目のない打線に期待が持てそうだ。明大戦では、これまで以上にチャンスの場面で効果的な攻撃を見せたいところ。中軸を担う多木や建部、岩澤らが打線のカギを握るだろう。彼らの勝負強い打撃で明大投手陣を攻略したい。

明大は攻撃陣にも不安を抱えている。慶大との2試合では計3得点。島内や川辺、中村将ら昨年主力だった選手が多く抜け、打線の破壊力が薄れているのは否めないだろう。その打線のキーマンとなるのは、なんと言っても昨秋の優勝を知る中嶋と上本の二人だろう。ただ、その2人も、今季はここまで不振。昨季本塁打と打点の2冠に輝いた主砲・中嶋は腰痛からなんとか開幕に間に合わせたものの、安打は東大との初戦で放った2本のみ。攻守の繋ぎ役である上本も低打率にあえいでいる。しかし、その一方で中嶋とともにクリーンナップを担う小室やリードオフマンの川嶋克、さらに一年生の高山らは当たっており、そこにキーマンである中嶋・上本の2人が乗ってくると、明大打線は非常に脅威的なものになる。下位打線にはやや弱さが見えるだけに、上位打線をいかに抑えるかがポイントだ。

法大の先発は、初戦が三嶋、2戦目が石田でほぼ間違いないであろう。両投手とも過去の2カードで先発した試合は全て完投しており、防御率も三嶋が0.95、石田が0.93。共にここまで安定感抜群の投球で、2カード連続の勝ち点獲得の原動力になる活躍を見せている。幸い前回の立大戦からは2週間間が空いており、良い意味での疲労回復にもなったはず。仮に2人が調子を崩した場合でも、慶大戦に先発した船本やその試合で好リリーフを見せた宮崎らも控えており、大崩れはしないはずだ。

昨年に比べてやや力が落ちているのは否めない明大とはいえ、伝統的に全員野球の試合巧者なだけに、今回も非常に手ごわい相手であるのは間違いないだろう。だが、各選手が自らの力をフルに発揮出来れば、2連勝での勝ち点奪取も十分可能なはずである。毎年大きな盛り上がりを見せる「血の法明戦」を制した先に、いよいよ3年ぶりの春制覇への光が見えてくる。(田中宏樹)

 

フォトギャラリー

  • IMG 3907 R-thumb-160x160-3452笑顔で取材に応じる善波監督
  • IMG 3926 R-thumb-160x160-3453「力は去年より上」と力強く話す田中主将
  • IMG 3932 R-thumb-160x160-3454昨秋は2本塁打、16打点と飛躍した中嶋
 

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