硬式野球
 
 

東京六大学野球春季リーグ戦 対明大1回戦 伊藤諒、豪快な初アーチも、野村打ち崩せず。

東京六大学野球春季リーグ戦 第7週 VS明 大 1回戦
5月22日(土)
会場:神宮球場

幾度となく繰り広げられてきた数々の死闘。いつしかその戦いは、「血の明法戦」と称されるようになった。今季もまた、Aクラス残留をかけた激しい攻防が幕を開ける。

法大の先発マウンドを任されたのは、先週の早大3回戦で初完封を披露した三上朋。対するは明大が誇る絶対的エース、大学NO.1右腕の野村だ。

201105221
初アーチの伊藤諒(写真左)とハイタッチの先発・三上朋(右)

試合結果

トータル試合結果

 123456789HE
法 大 0 0 1 1 0 0 0 0 0 2 7 2
明 大 0 1 1 1 0 2 0 0 X 5 10 0

(法大)●三上朋(3勝2敗)、梅田、三嶋‐原田
(明大)○野村、森田‐川辺
[本塁打](法)伊藤諒1号(4回ソロ=野村)
    (明)中嶋2号(2回ソロ=三上朋)

小刻みな点の取り合いとなった今日の試合で、最初に試合を動かしたのは明大。2回裏、この回先頭の5番・中嶋にレフトスタンドへのソロアーチを浴び、先制点を許してしまう。
しかし3回。8番・三上朋が内野安打で出塁すると、9番・鈴木翔の犠打で1死2塁。続く1番・建部がライトの頭上を超えるタイムリーツーベースを放ち、三上朋は懸命の走りで本塁に生還、自らの足で試合を振り出しに戻した。その裏、2番・上本に左中間へのヒットを放たれると、盗塁を決められ無死2塁。続く3番・竹田に失策で出塁を許し無死1、2塁の場面で、4番・島内にレフト前へタイムリーを運ばれ2点目を与えてしまう。
なんとか巻き返したい法大は4回。この日レフトでスタメン出場の7番・伊藤諒が神宮初となる1号ソロをライトスタンドに叩き込み、再び同点に追い付く。しかし追い上げる度に引き離しにかかるのが明大。その裏、8番・野村に左中間へのヒットを放たれると、9番・小林要の犠打、1番・中村将の右前安打で1死1、2塁。2番・上本を投ゴロに打ち取り2死とするも、主将の3番・竹田にセンター前へのタイムリーを運ばれ、1点のリードを許してしまう。
5回は両者無得点のまま試合は進み、6回裏。5回から登板した梅田が崩れる。9番・小林要に死球を与えると、1番・中村将にも四球を選ばれ無死1、2塁。2番・上本の犠打で1死2、3塁のピンチを迎える。ここで4回にもタイムリーを放った3番・竹田に左中間への2点タイムリーを浴び、さらに得点を引き離される。
なんとか逆転を謀りたい法大であったが、好投を見せる野村を前に5回以降は2塁を踏むことさえできず、8回からリリーフした森田には2回連続の三者凡退を喫することとなった。

先発の三上朋は立ち上がりこそ悪くなかったものの、その後は毎回先頭打者に出塁を許すなど、やはりまだ不安定な要素が大きい。今季途中から抑えに回った三嶋は、この日も7回から登板。リリーフエースとして圧巻のピッチングを見せた。

7安打とヒットが出ないわけではないが、打線がうまく繋がらなかった今日の試合。安打数自体は両チームに大差はなかったものの、足を絡めた作戦やチャンスでの確実な一本など、「ノーヒットで点の取れるチーム」だという明大の機動力の高さが一枚上手だったか。来季に向け明るい希望となったのは、4回に飛び出したスーパールーキー・伊藤諒の神宮初ホームラン。学生野球界屈指の好投手・野村から放ったこの一打は、法大を担う一翼への成長が期待される伊藤諒の可能性を大いに感じさせた。

春季優勝の望みを失った両チーム。Aクラス残留をかけた意地のぶつかり合いは、明日もし烈を極めるだろう。明日負ければ、後味の悪いまま今季を終えることとなる。なんとか白星を掴み取り、3戦目に持ち込みたい。

 

 

 

(新實 舞奈)

試合後の選手・監督のコメント

難波主将

―今日の試合を振り返って
完敗です。

―対戦してみて今季の明大の印象はいかがですか
ピッチャーが特にしっかりしていて打線も良くて、リズムが良かったです。

―今日の敗因はどんなところにあると思われますか
点を取ったあとに取られたというのが大きいですね。

―伊藤選手にホームランが出ましたが、そういう1年生の活躍についてはいかがですか
優勝は消えちゃったんですけど、秋に向けていい材料になると思います。

―チーム全体の調子はいかがですか
調子は悪くないですが、今日は明治の方が上でした。

―次はどういう試合展開をしていきたいですか
明日負けたら終わりなので、全員で力を合わせて戦っていきたいです。

三嶋投手(2イニングを無失点の好投)

―今日の試合を振り返って
今日は勝っても負けても後ろで出番があると思って準備していました。体は重たくて調子は悪かったですけど、コースにちゃんといってたのでよかったです。

―明大打線の印象は
足が速くて、塁に出すとエンドランとか足を使われるので、ややこしいと思いました。起動力があります。

―意識した打者などは
中村さんと上村さんですね。走塁がいいので、出したくないです。

―先週に続いてのリリーフでの登板となりましたが
多分明日も抑えとかで出ると思うので、監督から任されたとこで仕事をやっていきたいです。

―今日のピッチングで気をつけていたことは
調子がよくないだけに、変化球をコントロールして、追い込んでから真っすぐをしっかり投げるようにしていました。

―3点ビハインドの中での登板というのは、どのように意識していましたか
0に抑えることしか考えていませんでした。

―先週勝って、この一週間チームはどのように気持ちを持ってきましたか
勝てば3位でAクラスになるので、絶対勝ちたいです。

―試合後、チームではどのようなことを話しましたか
とりあえず明日勝って、勝たないと意味がないので、しっかり切り換えていこうという話しでした。

―明日以降の登板ではどのようなことを意識したいですか
明日も先発がないとはいえないので、マウンド上がったらしっかりやりたいです。

梅田投手(中継ぎ)

―今日の試合を振り返って
ちょっと2イニング目に制球が乱れてしまいました。

―ここ2試合無失点に抑えていましたが今日の調子は
調子自体は悪くないです。

―警戒していたバッター
5番の中嶋選手ですね。

―明治打線の印象
みんな振れてて良い打線だと思います。

―野村投手の投球を見て
やっぱり今六大学で1番良い投手だと思うんで、手本になるところもたくさんあるんで、見て勉強しようと思いました。

―秋に向けてご自身の課題は
やっぱり制球力が課題だと思うので、それをやっていきたいと思います。

長谷川選手(ケガから復帰)

―今日の試合を振り返って
いいピッチャーとは言え2点では勝てないので、明日は打てるように頑張りたいです。

―久しぶりの出場でしたが、けがの具合は
特に…いつも通りです。けがとかどうでもいいんで。

―今日の試合中も足が痛そうでしたが
別に大丈夫です。

―野村投手の印象は
良いピッチャーなんで…良いピッチャーだと思います。

―明日の第2戦に向けて、意気込みをお願いします
明日負けたらリーグ戦が終わってしまうので、明日勝って明後日に繋げたいです。

建部選手(3回に同点タイムリー)

―今日の試合を振り返っていかがですか
今日勝ちたかったですけど負けちゃったんで悔しいです。

―Aクラスを懸けた戦いとなりましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか
別に悪くはなかったです。優勝はなくなったけど秋につながる野球をしようっていう意識でした。

―明大の印象や気をつけた点などはありますか
ピッチャーが簡単に打てるボールは来ないんで、打てるボールで自分のスウィングをってことを意識しました。

―初打点を上げましたがそれについては
(今季)いいところで打ててないんで、チャンスでいいピッチャーから打ちたいっていうのがあったので個人的には嬉しいです。

―競った展開でしたが敗因は何だと考えてますか
絶対に出しちゃいけないバッターを出しちゃってたなという。ヒット数は変わらないんで、エラーとかフォアボールとかそういう差ですね。

―明日に向けて意気込みをお願いします
まだ終わってないので明日勝って明後日につなげで、勝ち点とりたいです。

金光監督

―今日の試合を振り返って
相手が野村くんなので、やはりピッチャーが前半を抑えないと、なかなかうちの流れにはなりませんね。その典型だと思います。

―点を取っては取られるという展開でしたが
ああいった展開というのは、うちの本来の流れではないので、どうしてもゴテゴテの形になってしまうので、それに尽きると思います。

―試合前に選手にかけた言葉
このゲームはリーグ戦最後のカードですが、優勝はないといっても秋に向けて重要なカードなので、秋に天皇杯を取るためにいま何が一番足らないのか、何が必要なのかをしっかり皆が作るという意味で大事なゲームだったので、きちっとやりなさいと。

―先発の三上朋選手は
4回でヒット8本ですからね。ヒットの数そのものだと思います。今日はボールが高かったですね。

―伊藤諒選手が初ホームランですが
彼は非凡なものを持ってますから、これから努力していけば良いものを出していくんじゃないかなと思います。

―野村投手には早いカウントから攻撃を仕掛けていましたが
コントロールがいいピッチャーなので、早いカウントからどんどん崩していけと指示は出しました。

―長谷川選手に関してはケガは万全ですか
まだ7~8分の感じですけど、本人も行けると行っていたので先発に起用しました。

―2エラーでしたが
今年はエラーが多いので、そういうところをしっかりやらないと。もともとそんなに点を取るチームじゃないので、守りを含めてディフェンス面をもう一回整理しないと、ロースコアのゲームにはならないですね。

―明日の先発については
ちょっと、まだね。ブルペンの状態が本当に頭痛い状況なので、ちょっと今日帰って、場合によっては明日の朝になるかと思います。

―明日に向けて
優勝はなくなったんですけど、秋に向けて大事な試合なので、3回戦に持ち込めるように、明日全力で挑みたいと思います。

2回戦の展望

今季の法大、最終カードは明大戦。なかなか打線が揮わず初戦を奪われてしまった。
しかし、例年通りなら法明戦は簡単には終わらないだろう。2回戦も両チーム競り合
うような試合展開が予想される。

明大の先発は慶大2回戦で6回を3安打に抑えた難波が有力だ。攻撃陣は現在打率
リーグ5位の.357で今回も2安打3打点と絶好調の主将・竹田や、同打率2位.424と
際立つ存在である島内、開幕前取材では善波監督から“伸びてきた選手”として挙げ
られ今回三上朋からソロアーチを放った中嶋には注意したい。また上本の俊足も目
立っており、足や小技などでかき回されぬよう対策したいところだ。

法大は早大2回戦で好投した吉越の先発が考えられる。北山、船本らが控え、場合に
よっては三嶋の登板もありうるだろう。今回、高校通算94本塁打、期待のスラッ
ガー伊藤諒に待望の1号ソロが飛び出した。しかし、野村・森田に打ち取られ、全体
として後半からは繋がりのない沈黙した攻撃であった。スタメン復帰した長谷川、そ
して多木、原田とクリーンアップの奮起と、繋ぐことを意識した打線の爆発に期待し
たい。また今季はけがや不調に苦しむ選手が多い中であるが、チャンスを逃すことな
く思い切ったプレーを見せてほしい。

 

 

勝って1勝1敗に持ち込み、リベンジを。法大の粘りはここからだ。

(三浦 恵海子)

フォトギャラリー

  • 201105221初アーチの伊藤諒(写真左)とハイタッチの先発・三上朋(右)
  • 2011052224回で降板した三上朋
  • 201105223マウンドに集まるバッテリーと監督
  • 201105224簡単には打ち崩せない明大先発・野村
  • 201105225ケガの影響でベンチから選手を鼓舞する難波主将
  • 201105226ここまで打率.692の三上朋
  • 2011052273試合目にして初失点を喫した梅田
  • 201105228中継ぎで2イニングを抑えた三嶋

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