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ついに六大学野球春季リーグ戦開幕!東大特集!

東大取材
取材:3月15日

ついに開幕を迎える六大学野球。法大は初戦で東大と激突する。浜田新監督のもと春1勝を目標に掲げる東大は初戦の法大にすべてをぶつけてくる。今季に掛ける思いを浜田監督、黒沢主将、初馬投手にうかがいました。

今季から指揮を執る浜田監督

浜田監督

スカウトから監督へ

―監督に就任された経緯は
前に東大のスカウトという立場で非公式なものですけど、全国の高校生に東大の野球部でやらないかという活動をしていて、そのままどっぷり浸かっていったという流れですね。それでちょうど御手洗監督の任期が終了するので、OB会のほうから推薦をいただいて、それで就任しました。

―監督に就任する以前はスカウトということでしたが、それはスカウトに就任されたのですか
学習塾の経理で、当時のOB会長がスカウトをやらないかということで。東大のスカウトで推薦もないわけだから、勉強教えている僕が適任だということで、それで始めました。

―浜田監督がスカウトをやっていらっしゃったときにスカウト選手はいらっしゃいますか
声かけた子は結構いるよ。たとえば、ピッチャーの関とかは実際に高3の夏の合宿で勉強を教えていました。

―スカウトした選手が昨年活躍されて、その姿を見ていかがでしたか
自分の子供が育っていくような感じで嬉しいです。

―練習会を開いていますが、その効果は
毎年、満員御礼になる感じです。

―現在の部員で練習会に参加して入ろうとして入部した選手は
正確な人数は把握していないけど、練習会に来ていたよなという選手が一学年に5人ずつくらいいますね。それに来たから東大を受験したのが100%ではないけど、受験勉強のモチベーションが上がったということですね。

―スカウト時代に東大合格を目指しながら受験勉強をしている高校球児をどう思いましたか
まず自分自身(浜田監督自身)がそうだったわけでしょ。純粋に頑張っていた時期が自分にもあったなと。この子も絶対できるようになるだろうなと応援したい気持ちね。

―高校で部活動をしながら東大に合格するのに大切なことは
まずはモチベーション。それから時間の使い方ですよね。たとえば七五三の法則といって、9時間寝たり、風呂に入ったりする生理的時間というのが1日の中にあって。24-9は?

―15です。
それで7・5・3。7が勉強。5が野球。3が自由時間。こんな感じで大まかに割り振っていくんです。だから東大の受験生には野球をやりながら1日7時間集中して勉強をしてくださいと。つまり学校の授業中寝るなということです。

―東大野球部は他の五大学と違い浪人生が多いですが。そのデメリットというのはありますか
それはあります。やっぱり体がなまっている。最初入部してからの3カ月は基礎体力のことだけですね。そこから、まず練習する体力をつけるための期間、そこが必要になってくるので。浪人していると。

―また新入部員が入部する時期も遅いですが、そのデメリットは
ただでさえ練習するための体力を作る期間が必要なのに、それがまたずれるということでね。だからそれは工夫して今年も高校球児が合格して、20数名確認しているんですけど、連絡して、体力づくりをやってくださいということで、そういう啓蒙活動をしています。どうしても入部は4月になっていまいますから。

―そのデメリットが多い中で、他の五大学と戦っていく上で重要なことは何だとお考えですか
まず野球って、実力差ほど点差がつかない。個々の実力を比べたら、100-0だろというようなものでもそこまでいかないんです。どんな上手なチームでも必ずミスはします。今まではそれにお付き合いして、こっちが自滅していたケースが多々あったので、もうすごい作戦とかすごいプレーとかではなくて、普通のことをプレッシャーの中で普通にやりましょうということ。これだけで特別なことはなんにもないです。

―監督として東大野球部をご覧になって思ったことは
やっぱりこいつらかわいいなと。自分の子のような感覚ですね。

―現在、東大は30季連続最下位で以前に比べると勝てていないですが、その要因は
まず五大学のレベルが上がったこと。昔から法政、明治さんはずっと強さを維持していたけど、早慶さんや立教さんは低迷期というのがあったんですよね。それが今はないですよね。まず相対的な理由が一つ。それから負けが込んでくると、やっぱり負け癖というか、不安なんです。勝てそうだと思うと不安が顔を出して緊張しちゃうんです。そういう悪循環になっているのかなと思います。

―メンタル的な面が大きいということですか
メンタル的な面は大きいです。やっぱり気持ちを強く持って野球に対してもアグレッシブにもやっているんだけど、どうしても実際に勝った経験がない。合格判定出ていないのに受けたら不安になるでしょ。とにかくまず1勝を、やってできるんだという実感を持ってもらいたいと思います。

―そのためには練習試合で勝つ経験が必要になってきますか
そうですね、まず練習試合で勝つ経験を。それでまた本番になるとまた違った雰囲気でね。だから、たとえば東大がリードして勝てそうだなというときは、なんとなく球場全体がオオッという感じに・・・感じたことありません?たとえば法政さんだったら嫌な感じですよね。実際に我々が優位に立っているのに、実は緊張しちゃっている選手がいるという状況なので。

―リードすることに慣れていないということですか
慣れていない面があってね。そこは「お前らできるんだ、できるんだ」って。信じるものは救われると(笑)

―練習面で具体的に変えたことは
あまり細かいことはやらないようにしています。もう普通に草野球でもやっているような基本的なプレーをしつこくやるというところからです。

―3人の元プロ野球選手をコーチとして招聘していますが
谷沢(健一・元中日ドラゴンズ)さんは打撃面で、今久留主(成幸・元西武ライオンズ)さんは捕手、桑田(真澄・元読売ジャイアンツ)さんは言わずと知れた投手。たとえば基礎繰り返しが大事だよというのを八百屋のおやじがいうのと大学教授がいうのとでは違いがあるようなもので、同じこと言うのにも桑田さんが言うと重みがあるし、それで実技を見せてくれるんですよ。

―桑田さんの指導を受けた選手は
もう(評判が)いいですよ。こうだという理論と実際にこうだと投げるんだら。それで「きみはこうやればできるよ」と(言ってくれる)。

―特にどの選手が好影響を受けていますか
投手でいうと、今日(3月15日対城西国際大)に投げる辰亥、関、白砂とか、3人の投手は体重の乗り方が前と全然違って影響を受けましたね。10人が10人ぴったしはまることはないんですけど。投手はコントロールとテンポが良くなりましたね。

―期待する選手は
野手でいうと西木。新4年生のセンターね。彼にはね3割以上、リードオフマンとして頑張ってもらいたいですね。投手は関、初馬の2本に白砂という左の投手、これが入ってくると嫌なチームになるのではないかと思います。

―鈴木投手はいかがですか
まだけがでブルペンに入っていない状況ですから、おそらくリーグ戦までの1ヶ月、どこかでオープン戦で登板するかもしれませんね。

法大で警戒するのは船本

―法大の印象は
とにかく投手陣が非常に安定しているし、打つ選手がいるんだけど攻撃は手堅くやってくるでしょ。ほんとに雑なところのない緻密な野球をされるなと非常に感じますね。それでいて力強いので、どうやったら勝てるのかわからないです。

―特に警戒している選手は
投手の船本君。どうやって打てばいいかわからないね、あれ(笑)野手は全員穴がないからね。将棋でいうと全部飛車がいるような感じで困っちゃうんだよね(笑)その中で船本が角のように動いてくるからね。

春1勝、秋4勝

―今季の意気込みは
1勝です。最下位脱出ではなく1勝です。

―勝つことを覚えて秋ということですか
秋4勝。春1勝、秋4勝。そして最下位脱出。

―東大野球部のファンへ一言
春は何となくハラハラすると思います。目標は1勝なので最後までドキドキするようなもつれた試合になると思いますけど、それは新聞で結果だけ見ても伝わらないと思うのでぜひ神宮に来てください。

黒沢主将

―去年の秋のシーズンをふりかえって
去年の試合に出ていた選手は僕の1個上の先輩がほとんどで今日のオープン戦に出た選手はあまり出ていなかったので、どうこう言える話ではないんですが、去年は惜しいところまでいったのですが結局1勝もすることができなかった。また、引き分けの試合やあと一歩で勝てる試合もあったので、1年間通じてやればここまでいけるんだなと感じるものはありました。

―主将に指名された経緯は
僕は今までほとんど試合に出たことがなく歴代のキャプテンとは違うというか、実力が無いんですけどキャプテンになったという感じ。キャプテンは僕たちの学年で決めたんですけど、僕たちの学年はそれほど試合に出ている人は多くなく、その中でキャプテンを選ぶってなって、みんなで選んだ結果僕になって引き受けたって感じです。

―現在の東大で変えていきたいところは
僕がこれまで見てきた3年間のチームの中で、先輩たちの方が実力的には上であるにもかかわらず1勝することもできなかったのは考えなければいけないところだと思います。やっぱり僕たちは力が無い分、よりチームが団結して「勝ち」という方向に向かっていかなければと思います。そういうところは前のチームより強くしていきたいと思います。

―スカウトを務めていた浜田さんが監督に就任されましたが、黒沢選手自身はスカウトを受けたのですか
それは受けてないですね。高校生練習会というものが夏にありまして、それには参加しました。特に個別で何かってことはまったくないです。

―浜田新監督になってから変わったことは
僕が入学してから3年間は前の監督で最後の1年間は浜田監督って形になるんですけど、前の監督と違い浜田監督は前に出てグイグイ出るっていうタイプの監督で、最初は強烈っていうか慣れるまで大変な部分はあったんですけど、監督が前に出て引っ張って下さるのでありがたいです。それに僕たちがついていく感じです。

―監督からなにか具体的なアドバイスはいただけましたか
監督はコーチの方々に任せていらっしゃって個人的なアドバイスはコーチの方から頂いていますね。

―元プロ野球選手の谷沢コーチに指導を受けてさすが元プロ野球選手だなと感じる点はありますか
僕は高校時代はピッチャーだったのでバッティングについてはあまり考えてやったことがなくて、どういう形でバットを振っていくか、どういう球を打っていくのかなど基本的なことをすごくわかりやすく教えて下さります。

―冬から元プロ野球選手の今久留主コーチと桑田コーチが来られてチームにどのような変化がありましたか
僕は野手なので特別に指導を仰がないんですけど、特に桑田さんが来られてからピッチャー陣に一人ひとりに次来るまでに宿題を与えて下さって、これを次来る時まで「習得してきなさい」とおっしゃって、それのお陰でピッチャー陣はやるべきことが見えていて、これをやんなきゃいけないなということを感じて練習していると思います。

―この冬の間はどのようなことに重点をおいて練習されましたか
全体練習では下半身強化をしっかりやっていこうということで走るメニューが多かったですね。ノックをしながら走ったりだとかあまりボールは使わなかったですね。

―そのような練習は自分達で考えたのですか、それともコーチの指導ですか
主に今久留主さんのご指導ですね。監督やコーチなどが冬季練習の間は下半身強化をやっていこうということで2月の1週目までは徹底的にやっていました。

―黒沢選手ご自身の課題は
僕は全然実力がないので守備面でも攻撃面でもたくさんやらなければいけないことがあるんですけど、まずは守備できなければいけないんで、しっかりアウトをとっていきたいと思います。

―黒沢選手ご自身の武器
周りに目を向けることができると思っていますので、自分のプレーをしながらもしっかり周りをまとめていけるようにしていければといいなと思います。

―キャプテンをやっている上で苦労されていることは
今でも務められているか不安です。本当に自分でいいのかと。今ではそれほど思わないので自分でやらなければと思っていますが、元々は僕で大丈夫なのかとすごく思っていました。

―どのようなキャプテンを目指していますか
プレーで引っ張れるキャプテンが目標なのですが、実力は追々付けていくしかないと思っていて、今では声とか姿勢だとかで見せていくしかないと思うので、最終的に言葉とプレーでしっかり引っ張れるようになるのが目標です。

―春季リーグ戦の目標は
チームとしては春1勝という目標を掲げています。個人的な目標は打者としては3割打つこと。守備は無失策を目指します。

―今年の法政の印象は
どの六大学のチームよりも個々の能力が高いし、去年のメンバーが結構残っているので本当に優勝候補だと思います。

―開幕戦が法政ですが
正直どういう新チームになっているかわからないんですが、しっかりと良い試合をしてシーズンに良いスタートを切れればと思います。

―法政で特に警戒している選手は
西浦選手。去年は4番を打たれてて大学日本代表に選ばれるような勝負強いバッターで、勝負所で西浦選手に回ってくると思うので、どう抑えるかがポイントになってくると思います。

―六大学の他のチームにどのような戦略で勝負したいとお考えですか
点数はそれなりに取られると思うので、なるべくロースコアでついていって終盤で勝負に持ち込む形にチームとしていきたいです。

―最後に東大野球部ファンへ一言
東大の野球部は本当に様々な方に応援されて頂いて、去年この人工芝のグラウンドが完成したのも東大を応援してくれている人の思いの表れだと思いますし、その思いに報いなければならないので、結果を出せるように頑張っていくのでよろしくお願いします。

初馬投手

―昨秋を振り返って個人としての成績は
とんでもなくふがいない成績だったので、今年の春はその秋の悪いイメージを払拭するためにがんばってきたって感じなんで。

―慶応戦で勝てそうなところを惜しいところで引き分けに終わった試合がありましたが、それについて
あれが東大野球といか、勝てそうなところで勝ちきれないという弱さがあって。それが何なのかがはっきりとはしないんですけど。今年のチームはそういう試合を勝つべくして勝つ試合をできるように練習してきたんで、あの試合の反省が生きているのではないかなと思います。

―神宮の雰囲気にのまれたというのはありますか
雰囲気にのまれたというわけではないと思うんですけど、そもそもの弱さというか。選手がいままで勝ちゲームというのがなかったんで、何年も。それでみんな舞い上がってしまったというか。それでいて雰囲気というのもあると思うんですけど。

―去年から桑田さん、今久留主さんがコーチに就任して、どのような指導を受けていますか
下半身の使い方とか。桑田さんはまだ何回かしか来てもらってないんで、特別これというのはないんですけど。今久留主さんは結構毎週1回ぐらい来てくれて、ピッチャーの練習メニューとしてどういうのがあるかというのを。今まで僕たちは結構自分で考えてやってきたんで。プロでやっていたこととかを教えてくださって。

―桑田コーチから出された宿題は
左足を上げて右足1本で立った時に右足にしっかり体重をのせるということを、次来るまでにしっかりとやるということです。

―桑田コーチは今まで何回ぐらい来ましたか
3、4回です。

―毎回宿題があるんですか
毎回というわけではないんですけど。特に今回はWBCの影響で来れない期間が長くなってしまうので。

―選手として自分自身の武器というのは
メンタルの強さが武器かなと思います。技術的には、今肩とかいかれててなんとも言えない状況なんですけど。ただ、バッティングの練習をしていて、いつでも試合には出れるぞという思いで。

―逆に課題は
ピッチャーとしてレベルが低くて、安定してゲームを作るゲームメイキングの能力がまだ足りてないと思うので、野手の人が守りやすくて攻撃に繋がるようなピッチングがまだできてないと。それをできるようになるのが課題だと思います。ピッチングフォームをしっかり固定するということと、怪我とかで投げられないことが多いので、怪我をしないようにリハビリメニューをやったりとか、インナーマッスルを鍛えたりだとか。

―法大の印象は
いいピッチャーがいる。同学年の石田投手とかサイドハンドの船本投手だとか。そう簡単には打たせてくれないなっていう。ただやっぱり個々の能力はすごく高いんですけど、チームとしてちょっと隙があるのかなって。東大が法政に勝つために何ができるかって言ったらその選択肢は色々あるんじゃないかなという印象ではあります。

―特に気をつけている打者は
やっぱり河合選手と大城戸選手。大城戸選手は去年のシーズンもすごい印象に残っていて、春もホームラン打たれて秋も結構打たれて、どうやったら抑えられるかって。

―文武両道の秘訣は
空いた時間は、勉強する。文武両道をするという意識を忘れずに。ただ野球だけやればいいというわけじゃないんで。自分のために時間を有効に使う。試験期間前は死ぬほど大変になるので、それだと野球ができなくなっちゃうんで、テストからずっと前から勉強しようと思っています。

―この春の個人的な目標は
まず1勝。どんな形でも。

―東大のファンの方々に一言
今まで結構何度か惜しい試合があって勝ちきれない試合ができたんで、今年の春こそはそういう東大を脱却して勝つべくして勝つ東大になれるようにがんばりたいと思うので、応援よろしくお願いします。

※東大取材は明大スポーツ新聞部と合同で行われました。

フォトギャラリー

  • 今季から指揮を執る浜田監督
  • 笑顔で質問に答える黒沢主将
  • 声、姿勢で引っ張る
  • 期待も大きい初馬投手
  • メンタルの強さが武器
 

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