水泳
 

【水泳】女子アスリート特集「法政のなでしこ」③水泳部・高畑えみ選手

女子アスリート特集「法政のなでしこ」③
取材日:2011年12月2日

第三回は水泳部の高畑えみ選手の登場です。水泳のみならず学業にも意欲を燃やす高畑選手。終始笑顔で競技や学校生活について語ってくれました。今シーズンの活躍に期待です。まずは2月11日(土)、12日(日)に行われる日本選手権(25m)水泳競技会に出場予定。彼女の気迫あふれる泳ぎを見たい人は東京辰巳国際水泳場へ急げ!

高畑えみ選手

きっかけは"人見知りを直すため"

―競技歴はどのくらいになりますか

3歳のころから初めて今年でもう16年たちました。でも本格的に始めたのは小学校2年生の時ですね。3才の頃はぱちゃぱちゃやってただけなので。

―水泳を始めたきっかけは

母に聞いたのは人見知りを治すため。いとこも一緒に住んでいるんですけど、そのいとこの通っていたスイミングスクールに一緒に行ってみますかという感じで行きました。あんまり記憶ないんですけどね。気が付いたら泳いでました。でも初めは本当に人見知りで、それだけは覚えてますね。進級すると先生が変わるんですけど、そのたびに泣いていた記憶だけはあります。

―今はそんな感じ全くありませんよね

ないですね。今はもう見事に完治しました人見知り。(笑)

―法政水泳部を選んだ理由はなんですか

私が大学を選ぶときに重視してたのが勉強だったんですけど、自分のしたいことをできる大学に絶対行きたくて、水泳のスポーツ推薦で入ったんですけど、スポーツ推薦で入るんだったら他の大学っていう選択肢もあったんです。でもちゃんと外国語が勉強できてなおかつそれが許してもらえる…学業と水泳が両立できる大学に入りたくて法政を選びました。それに部の雰囲気もすごく明るくて、みんなキャラクターが面白い人ばかりで、先輩もみんな自分の考えをもっていて、ひとりひとりがストイックに頑張っている部なので入ったら絶対だれない、入って遊びに走っちゃうんじゃなくて、そんな雰囲気もあるから法政を選びました。

―法政は女子が少ないですが気になりませんでしたか

あえて少ない方を選んだっていうのもありました。多いとごちゃごちゃしちゃうので。やっぱり女子が多い大学もあるんですけど、女子ならではのそういうのがほんとにあったりするので。(笑) そういうのに気をとられるんだったらあえて少ないところで。まあ少なくてもそういうところがあるとこはあると思うんですけど(笑)、でも先輩で何人か知り合いもいたので、その先輩を見て、これだけの人数でちゃんとしててごたごたもなくてみんな頑張っているっていうのがいいなって。女子があまりいないっていうのも大きな要因でしたね。(笑)

―上下関係はどうですか

上下関係はちゃんとあります。あったうえで仲がいい。ちゃんとしてるんですけど先輩も相談のってくださったりして、いい意味で仲良しで、上下関係がしっかりしてるからこそいいんじゃないかと思います。

―地元から上京することに不安はありませんでしたか

わたしとしては全然なくて、香川県でずっと同じスイミングスクールに15年ぐらい通ってたんですけど、同じコーチにずっと見てもらうメリットもあるんですけどデメリットとして新しい発見がなかなかなくなってくる。しかも香川県だと、田舎なので水泳に関する新しい情報が全然入ってこないのでやっぱり東京にいって新しいコーチにみてもらって、新しく自分の泳ぎを直してくっていう面で早く東京に行きたいというか、とにかく香川を出なきゃという思いが強くて(笑)、 でも親とか結構心配してましたね。一人っ子なので、「大丈夫なのかー」みたいな。でもここでやらなきゃと思って。

―香川から近い関西の大学は考えなかったのでしょうか

関西もはじめは考えていました。すぐ帰ろうと思えば帰れるし、近いし。香川からは関西までは行く人は多いんですけど、でも法政の国際文化学部が魅力で。

文武両道貫く姿勢

―国際文化学部は2年後期に留学がありますが

それが留学がとにかくしたくて、スポーツも好きだし、でも外国語の勉強もしたいし、それができるのが法政だけだったので。でも学ぶなら留学しなきゃ身につかないじゃないですか。なのでそこは水泳も頑張るけど留学もさせてほしいって監督にお願いして、行きます。

―一般学生がうらやましくなることはありますか

そうですね。バイトとかしてるしサークルとか楽しそうですしね。水泳も体育会のメリットもあると思うんですけど、すべてにおいて体育会に入っているから融通が利くわけじゃないので、合宿とかで授業に出れなくてテストも受けれなくてすごく大変な時もあるんで。でもあえて選んだので覚悟はできてるので。せっかく大学に行ったのに水泳だけしかしてなくて、勉強もぼちぼちしかしてなくてだともったいなくないですか?せっかく来たんだよ!学費も払ってるんだよ!って。(笑) でも時間が結構きつくて。サークルとかだと休めるかもしれないですけど、部活は休めないので、テスト期間だとちょっときついです。寝る暇なーい!助けてくださーい!って。(笑)

―今はどのくらいの頻度で練習されているんですか

日曜日が休みで、あとは時間割によってコーチに組み替えてもらってるんですけど、1限がない日は朝やって、夜やって。1限がある日は夜だけで、みたいな感じで週8で練習してます。でも一番多い先輩で週10でやってたりするんで、まだましかと思ってやってます(笑)

―そんな中でどういう風に学業と両立を

語学って勉強しなきゃとれないじゃないですか。だから語学の授業は絶対寝ないのと、隙間とか電車の中とか寝る前に読むとか、テスト前はあいてる時間とか勉強して、他の授業とかは基本寝ずに授業中受けて、できるだけ頭にいれておきます。授業中寝ちゃったらなんにもわからなくなっちゃうので、聞いてればなんとなく頭の中に残ってるじゃないですか。だから授業中寝ないっていうのが一番です。家帰って勉強する時間あんまないんで、語学しか勉強できてないですね。でも語学もついてけなーい!みたいな感じなんですけど。(笑) でも私みんなと比べて英語がないので、まだ楽なんで頑張らないと。

水泳、そしてチームへの思い

―今までの競技生活で一番うれしかったことは

インターハイなんですけど高2と高3で、200㍍個人メドレーが専門なんですけど、一応二連覇してるんでそれですかね。はじめ高2で優勝した時は、うわー優勝した!って感じだったんですけど、高3になるとやっぱり前年優勝してるっていうプレシャーと高校最後っていうプレッシャーと香川県の人から頑張ってねって言われるプレッシャーで、わーってなってて。ほんと結構精神的にもつらかったんですけどそこでまた二連覇できて、その時の嬉しさは本当に最高だったと思います。

―逆に一番辛かったことは

中学校2年生の頃に一回けがをしてて、横の即副側腹靭帯っていうところを怪我しちゃって、断裂まではいかなかったんですけど、一か月くらい泳げなくてちゃんと普通に泳げるようになるまで半年くらいかかったんで、その期間が泳げないことに対するもどかしさとか結構あって、あの時は辛かったですね。今も若干スランプなんですけど、2年くらいベスト出てないので、でも新しい環境にきて、違う視点から見てもらっていろいろ改善点は見えてきてるので、あとはそれを形にしてしっかりレースで出すだけなんで、あと一歩なんですけどね。

―今シーズンの成績振り返って

全体的に環境の変化っていうのもあったんですけど、それにしてはちょっと…。手ごたえはあったんですけどそれをレースで発揮できない部分が大きかったので、最後の国体の時に自分の持ち味が生かせる泳ぎが戻ってきたのでよかったかなとは思うんですけど、やっぱりインカレと5月のジャパンオープンでしっかり結果が残せなかったので全体的に見たら悔しいシーズンでした。タイムもそうですし、順位も代表選考会はまだよかったんですけど、インカレはなんでやろみたいな。インカレも調子よかったんですけど、自分の泳ぎができなかったっていうのは雰囲気にのまれてたんだなって思うし、まだまだ未熟だなと。その中で4年生のあっこさんとかのりこさんとか。とくにあっこさんは4年生で、ちゃんとベストタイムで決勝残ってってやってたのがほんとすごいなと思って、やっぱり4年生ってすごいと思いましたし、自分はまだ未熟で、その雰囲気にのまれちゃってることすら気付かないような、出せないのにまだまだだな、甘いって思った部分がたくさんあるので、悔しいけど、来年に絶対つながるように何かを発見できた年だと思います。

―4年生の存在はやはり大きかったですか

はい。ほんとにしっかりしてる4年生で。男子も女子も引っ張ってくれてて。だからリレーも切り替えてしっかり泳げたし、この4年生と一緒に泳げたのはよかったなって。

―話しは変わりますが、レース中って何を考えながら泳いでいるんですか

わーってなりすぎてわかんないところもあるんですけど、前半は熱くなりすぎず、あえて冷静に自分のことを見つめて、体を動かしつつ頭を冷静に、周りみながら自分のこと考えながら、でも後半はふんばるしかなくて、体も動かなくなってきてるので(笑)もう負けない負けないって。でも大学から出るレースは本当にラストの25㍍とか50㍍って本当に応援が見えるし、聞こえはしないんですけど、法政大学が応援して盛り上げてくれてるのが見えるので、がんばらなきゃ、みんながついてるし、ここでやらなきゃってなります。

―高校との違いを感じる部分はどんなところですか

高校は普通の進学校に進学したので、プールがなくて(笑)。水泳部は一応あったんですけど、部員も5,6人しかいなくて、強い高校は40,50人で大学並みにいるんですけど、でも本当にただの高校から行ってて、応援の大きさがだいぶ違うので、チームとしての大きさもかなり大きいので、法政多いじゃないですか。その分香川県の高校が応援してくれてたんですけどでもいやっぱりチームに応援されるっていうのは力になります。

―「チーム」の良さとは

大学ってやっぱチーム戦なんで個人戦なんだけど団体戦というか、誰か一人がいい流れを作ったらみんながそれに乗っかれるっていう、でも一人が悪い空気を出しちゃうと周りに伝染していっちゃうので、そういうのはチーム戦だなって思います。自分だめでも周りにそれを見せちゃいけないなって。そういうところがやっぱりいいなと思います。でも今一番楽しいと思います。大学入って、水泳してて、意識の高い人たちに囲まれて私もいい刺激を受けますし。そういうチームの中に入ってやるのも新鮮なので本当に楽しいです。でも4年間なので、ん、もうあと3年!?3年…そうなんですよね、4年生の今はもう引退しているので、10何年やってきてもうあと3年なんです、だからもう今しかやれないことがたくさんあるのでやらなきゃって思います。

―目標としてる選手は

松田丈志選手って知ってますか?ワールドカップも日本新出して、丈志さんは高校2年生のときに一緒に合宿に行かせていただいて、今もたまに話したりするんですけど、あの人は本当にストイックな人で、向上心の塊みたいな。本当に水泳すきなんだろうなーっていう。ライアンロクテって世界で一番ストイックな練習をしてるんですけど、彼の練習に混ぜてもらって、その影響を今ガンガン受けて練習しているみたいで、本当に尊敬しますね。全体的に。選手としても人間としてもいい人なので、大きいというか優しくて。世界大会で結果を残してるというところもすごいなと思うし、あとは水泳以外もめっちゃ見るので。

―ちなみに何がお好きなんですか

バレーもみますし、柔道も陸上も。世界なんちゃらっていうのは大抵見ます。世界陸上とか毎日見てて、法政の人も2人出ましたよね!すごいと思って!他のスポーツ見てると面白いですけどね、水泳はおなかいたくなっちゃう。(笑)空気がわかるんで。緊張するーみんな早いーって。(笑)でも見ますけどね!勉強しなくちゃって。(笑) 前にそういうの聞かれた時にランス・アームストロングって答えたことありますけどね。自転車競技で、一回病気してて、でもそのあとツールドフランスっていうフランス最高峰の戦いがあるんですけど、そこで七連覇してて、年もとるし、プレッシャーも尋常じゃないし、若手の選手も出てくるのに、七連覇って!そういう精神的なタフさとかすごいなって。あと室伏さんもすきです。なんか人間的に出来上がってないですか。小耳にはさんだんですけど、もう考えていることが次元も超えているらしくて、ここの小さな筋肉に神経をいきわたらせるのが次の課題みたいな。ん?ってなりますよね。(笑)アスリートとして本当にすごいらしいです。為末さんとかとかもそういうタイプらしいですね。考えて考えてじゃあどうしてこうなるんだみたいな。考えることが好き!って。(笑)でも考えなきゃできないですよね。あと北島さんは言うまでもなくすごいですよね。前人未到ですよね。日本人としては2連覇してて、辛いんだろうなーって。私たちと違って出るだけじゃだめってなってるじゃないですか。そのへんもすごいですよね。

―色々な競技がある中で水泳の魅力とはなんでしょうか

難しいですねー。でもやっぱり個人競技で、水泳だけじゃないかもしれないんですけど、泳ぎ終わってぱっとタイムみたときに、いいタイムが出ると本当にうれしくて、やっぱりやめられないと思いますし、水泳ってまあなんのスポーツでもそうなんですけど、泳ぎ方とかフォームとかいろんな要素が関連して、タイムに繋がってて、ひとつでもできてないとタイムに響いちゃうので、でも一つ良くなるとタイムに反映されてよくなるので、やりがいがすごくあると思います。限界がないんじゃないかって。いやあるんですけど!(笑) でも考えれば考えるほど、研究すれば研究するほど自分のものになるんじゃないかって思うし、楽しいです泳いでて。楽しいしあきないし。やめたいと思った時も苦しいときもあるんですけど、それを乗り越えた時の楽しさっていうのは大きいです。スポーツ楽しいーって!おかげさまで水泳しかできないですけどね。(笑)

―ということは今まで他の競技は

やってないですね。水泳だけです。球技とかほんとだめで(笑)まだ陸上とかのがましです。物を使うのがだめです。かわいそうな感じになっちゃいます。

―大学4年間で成し遂げたいことは

インカレで女子はシードにもう一回入りたいですし、男子には優勝してほしいです。自分は個人で優勝して、いい流れを作れるように、来年から2年生なので、今年の4年生がやってくれたようなことを途切れさせないようにやっていきたいです。…と思うんですけど、わたし学校練習じゃないので大丈夫かなー(笑)がんばります。いっぱいやりたいことあります。来年はオリンピックにもいきたいですし、そうですね、でもやっぱりインカレが楽しいので、すごく、もうお祭りだし大学生といえばインカレなので、そこでいい泳ぎをして、ベストも出して、一番高いところに登りたいですね。

―今シーズンの目標

とりあえず4月に代表選考会があるのでオリンピック選考会で、今年できなかったことをしっかりできるようになって、なおかつそれがレースで発揮できるように精神的にも強化していって、オリンピックにも絶対出たいですし、インカレも、出れたらなんですけど、チームのためにも自分のためにもしっかりやりたいと思います。同期が優勝してるので、池端が。あいつはやる男なので、負けてられないと思いつつ、今年辛かった分来年絶対負けたくないですね。4月でだめだったら本当に私何を目標に生きていけばってなります。(笑) そうならないためにも今頑張らなきゃって感じですね。泣き言言ってられないなって。

―座右の銘

卒業する時に英語の先生がひとりひとりに英語のことわざを教えてくれたんですけど、 Every man is his own worst enemy(全ての人にとって最大の敵はおのれ自身である)っていうことわざがあって。自分自身にとって最大の敵は自分だから他人に勝っても自分に負けてたら納得はいかないじゃないですか、だから自分に負けないっていうのは思ってます。レース中に諦めちゃうと絶対負けるんですよ。ほんと一回でも思っちゃうと絶対勝てないので、自分にも負けれないし、あきらめちゃだめだと思うし、周りにももちろん負けれないし、でも何よりも自分に勝ちたいです。そんな肩の力入れすぎず、でも自分には負けないって感じでやってますね。

―最後に読者に向けて

法政大学という名前も背負っているので、入ったからには法政大学のために頑張ろうと思うし、これからもっともっと自分のこと甘やかさずに頑張るので、応援していただけたらすごくうれしいし、頑張れます。

(2011.12月取材)

(聞き手・構成・カメラ:小林彩友美)
 

選手プロフィール

高畑えみ(たかばたけ えみ)
国際文化学部1年。香川県出身。KONAMI東日本所属。スタイル1は200m個人メドレー。同種目の短水路高校記録保持者(2012/2月現在)でもあり、インタ―ハイでは2連覇を達成した。大学入学後は4月の国際大会代表選手選考会において準優勝、ジャパンオープン5位に入るなどの活躍をみせている。好きなタイプは面白くて大らかな人。

次回予告

第4回は、強豪法大剣道部期待のルーキー松本弥月選手のインタビューをお届けする予定です。ぜひご覧ください!

 

フォトギャラリー

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  • nadesiko52011年インカレにて 

 

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