【硬式野球】春季リーグ戦開幕直前特集 第4回 中園、安本

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【硬式野球】春季リーグ戦開幕直前特集 第4回 中園、安本

2014年3月19日
法政大学野球部寮

昨年の雪辱を果たすべく、ひと冬越えて生まれ変わった法大ナイン。天皇杯“奪取”を目指す監督、選手たちの今季に懸ける思いを伺った。第4回は中園洋輔選手、安本英正選手の2人。ぽっかりと空いた正捕手の座を掴むのは、どちらになるだろうか。

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「スタメンで出る」と意気込む中園

中園 洋輔

―昨年を振り返って
ちょっとしか(試合に)出ていなかったのですがベンチに入って、優勝できなかったという悔しさは1年生の頃より強かったので、今年は絶対優勝してやろうという気持ちが強く湧きました。

―昨年レギュラー捕手だった木下(拓哉・トヨタ自動車)選手を参考にしているところはありますか
はい。あの人が本当に僕の目標です。プレーだけではなくて、人として尊敬できる部分があったので、あの人のようになりたいなと思っています。

―特にどんなところを倣いたいと思っておられますか
やっぱりピッチャーから、そしてピッチャーだけでなくどんな野手からも信頼されています。プレーの時も信頼されていますが、私生活でもあの人を嫌いな人はいない、みんなに好かれている人だったので、そんな人になりたいと思います。

―オフに意識して取り組んだことは
キャッチャーとして、基礎に戻ってひとつずつ潰していこうと思っていたので、基礎練習をやっていました。

―沖縄キャンプではいかがでしたか
練習も試合も暖かい中でできたのでチームの雰囲気も良くなったと思いますし、個人的にもチーム的にも成長できたキャンプだったと思います。

―実戦を積んで得たものはありましたか
今まで下級生のときは、試合に出ても自分のことに精一杯だったのですが、今は少し周りが見えてきたというか、落ち着いてプレーできるようになったと思います。

―今年の法大投手陣の印象は
石田だけ昨年も先発していて一番信頼できますけど、他のピッチャーもオープン戦で結構投げていて良くなってきたなという選手がいっぱいいます。リーグ戦にならないと分からないですけど大丈夫だと思います。

―投手陣とコンタクトを取ることは多いですか
そうですね。日常生活でもピッチャーといることが多いです。意識はしていないですけど、よく話します。

―捕手として心がけていることは
ピッチャーに対して甘やかすだけではなくて、厳しい時は厳しいことを言って、こうしたら良いということを伝えるようにしています。思ったことは言うようにしています。

―ライバル争いがありますが他の捕手は意識されていますか
同級生の安本はオープン戦でお互い試合に出ているので、安本には負けないように頑張ろうと思っています。

―自分のアピールしたい武器は
送球です。送球の安定性が自分の武器です。

―捕手同士仲は良いですか
はい。「キャッチャー会」というのがあってご飯行ったり、オフとかだったらボーリング行ったり、キャッチャーで集まることは今まで僕らが下級生の頃もやってきてもらいました。だからキャッチャーは仲良いですね。

―開幕まで一か月を切りましたが修正したい点はありますか
キャッチングでピッチャーを助けられる場面があると思うので、キャッチングだけではないですけど、盗塁を刺したりピッチャーを助けられるようにしたいです。自分が目立つというよりは、ピッチャーを助けられるようなキャッチャーになっていけたら良いなと思っています。

―バッティングの方の調子はどうですか
まあまあ結果は出てきていると思います。守備第一でやっているので、そんなにバッティングは意識していないですけど、結果はついてきているので今の練習で良いかなと思っています。

―オフの過ごし方は
映画を見に行ったり買い物に行ったりというのはありますけど、お昼まで寝るという感じです。

―今年に懸ける思いは強いですか
はい。学生野球が最後ですし、今までの3年間は試合に出てというのが中々できなかったので、試合に出て勝利に貢献してリーグ優勝、日本一というのを本当にみんなで目標にやっているので意識も変わりました。

―個人とチームの目標をお願いします
個人的にはスタメンで出るということが第一の目標ですし、チームとしては全員でリーグ優勝して日本一になって監督を胴上げすることが目標です。

(取材:宮城風子)

安本 英正

―昨年を振り返って
ベンチに入らせてもらって、木下さんがいてなかなか試合に出る機会はなかったですけど、春も秋も優勝争いというところまで来て、そういうベンチの雰囲気を知れたりという良い経験をさせてもらったのでそういう点では自分の自信にもなったし、今シーズンにもつながってくるのではないかと思います。チームとしては春と秋も両方明治に目の前でやられたというのはあるので、悔しいですね。

―木下(拓哉・トヨタ自動車)さんの存在というのは
野球の場面でもキャッチャーとしても尊敬できるし、バッティングもやっぱり打撃力もあるし、人間としても性格も良いしその人がいるだけで場が和むというか、楽しいので尊敬できる存在です。技術的なことを言ったら肩も強いですし、キャッチングとかもキャッチャーの目から見てもすごいなと思います。

―木下さんからアドバイスをお受けになったことなどは
キャッチングとかは「どうやったらよくなりますか」と聞いたことがあったりします。キャッチャー面の方では聞いたりしていましたし、木下さんの方からも言ってもらったりすることもあります。(それで良くなったのは)一番にはキャッチングですね。

―大学3年間を振り返って
同じ学年に中園というキャッチャーがいますけど、お互い言わないですが心の中ではライバルだと思っています。この3年間も中園がいたから自分も上手くなれたというか。今までの野球人生でライバルと言う存在がいませんでした。高校の時は1年からベンチに入って2年のときに(レギュラーの)キャッチャーだったので、競える奴がいるというのは、(自分を)より成長させてくれた3年間ではないかと思います。(ライバルというのは)口に出しては言わないですが、やっぱり試合に出ていても(中園選手が)ヒットを打つと、チームとしては良いんですけど、心の中では「悔しいな」と。あっちもそう思っていると思います。

―今年は安本選手がリーグ戦でマスクを被られることが多いと思いますが、今までリーグ戦の出場があまりないということに対する不安などはありますか
最初はもしかしたら緊張するかもしれないですけど、球場が違うだけでやることは変わらないので、このオープン戦でやってきていることをしっかりやればいいんじゃないかと思います。

―春のオープン戦でマスクを被ることが増えて
今までの中では一番冷静でいられますし、ピッチャーにも声を掛けられますし、配球の面だとかはバッターの特徴をしっかり見てやっていけていると思います。キャッチャーはまず守りですけど、バッティングも沖縄キャンプで調子も結構良かったので、バッティングでも向こう(沖縄)で自信ができたかと思います。

―冷静でいられるというのは何か要因があるのでしょうか
どうですかね。自分が一番上(の学年)なので、やらないとという意識があるのかもしれないですね。あとは3年生のときもオープン戦でマスクを被らせてもらったので、その経験もありますね。

―バッティングの方は
バッターはそれぞれ(タイプが)いると思うんですよ。伊藤諒介だったらパワーヒッターだったり、そうじゃなくて僕はセンター中心に長打でなくてもいいのでシングルというか、低い打球を意識するというのと、コンパクトに打つというのは意識しましたね。バッティングは良い人のバッティングを見て取り入れたりしているときもあります。ヤクルトに行った西浦(直亨)さんとかを取り入れたりして、自分に合わなかったらやめたりしています。(参考にしたのは)構えとか足の挙げ方とか色々なところです。

―リード面で意識している点
まずバッターを見て感じることですね。真っ直ぐにあっていなかったら真っすぐを続けますし、バッターの特徴を見て配球を考えるというのは今回のオープン戦で大切にしています。バッターの特徴を見て感じて考えるように監督にも言われているので。あとは、インコースの使い方ですね。インコースをどこで使って相手のバッターにインコースを意識させるかみたいなところですね。

―ご自分を客観的に見てどのようなキャッチャーだと思われますか
肩は強いかなと。あとストップは止めているなと、後ろには逸らさないかと思います。自分で言うのも何ですけど。まだオープン戦で後ろに逸らしていないと思います。

―ここまでのオープン戦とキャンプを振り返って
中園と僕でマスクを被っていますけど中園には負けていないと思いますし、わりと上出来だと思います。中園より確実に上なのはストップですかね。ワンバウンドストップは絶対勝てていると思います。

―春季リーグでは今まであまり登板のなかった選手も投げることが多くなると思いますが、そのあたりはいかがですか
石田とかは(経験が)あるのでそこは心配していないですが、(他の投手は)ピッチャーに応じて多少なりとも強く言った方がいいのか、ここは「もっと頑張れ」と立てたり褒めた方が良いのかというのをピッチャーによって分けます。多少緊張すると思うので、そういうときにどのように練習通り、いつも通り投げさせられるかを意識します。

―投手とのコミュニケーションは日頃どのように取られていますか
普通の会話もしたりしますし、下級生だったら(自分から)話しにくいと思うので自ら声をかけにいきますし、ピッチングが終わったりして「ここが良かった」「ここを直した方がいいんじゃないか」ということはやっぱり言いますね。

―安本選手からご覧になって今成長してきている投手は
玉熊と浅野ですね。玉熊は1年生のときから投げていますがスピードも上がっていますし、沖縄キャンプで149kmくらい出ていたので、彼には期待していますね。石田が第1戦で投げますが第2戦の投手がいないので、玉熊に投げてもらったらコントロールも悪くないので期待しています。浅野は球がすごく良いです。キレというか、球も速いし質も良いので伸びてきていると思います。

―広島の高校ご出身ですが、石田選手のことは高校時代からご存知でしたか
知っていましたけど、そこまで良いピッチャーだとは思っていなかったですね。有原(早大)がいたのでそっちの方に目がいってしまいますね。でも石田がこんなに成長すると、日本代表にまで選ばれるとは思わなかったです。

―開幕までの残りの時間で取り組みたいことは
確実性、というか。キャッチャーは安定しないといけないと思うので、日によって調子いいとかではなくて安定して全てのことをこなせるように、スキルとメンタルの両方をアップしていきたいなと思います。

―ラストイヤーに懸ける思い
昨年も優勝を逃しましたし、最終学年ということでチームスローガンにも「奪取」と掲げていますが、明治を倒して優勝したいなという気持ちは全員持っていると思うので、僕自身も優勝したいです。

―春季リーグの個人の目標をお願いします
まずレギュラーを勝ち取って試合に出て、ベストナインです。

(取材:熊谷優)

プロフィール

中園洋輔(なかぞの ようすけ
法学部法律学科4年
1992年10月6日生まれ
三重出身・いなべ総合学園
179cm、82kg・右投げ左打ち

安本英正(やすもと ひでまさ
経営学部経営戦略学科4年
1992年8月1日生まれ
広島県出身・広島商業
179cm、81kg・右投げ右打ち

 

フォトギャラリー

  • 201404071「スタメンで出る」と意気込む中園
  • 201404072この3年間、中園をライバル視してきた安本
  • 201404073「送球の安定性が武器」・中園洋輔
  • 201404074冷静沈着な強肩捕手・安本英正
 

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