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【フェンシング】関東学生リーグ戦5、6日目 男子エペ2位で王座進出 女子サーブル3位に食い込む

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【フェンシング】関東学生リーグ戦5、6日目 男子エペ2位で王座進出 女子サーブル3位に食い込む

関東学生フェンシングリーグ戦
2014年5月22日(木)23日(金)
駒沢オリンピック公園体育館

リーグ戦もいよいよ残すは男子エペと女子サーブルのみとなった。昨年、まさかの無冠で幕を閉じた男子エペはエース吉沢を中心にタイトル獲得へ挑む。女子サーブルは、昨秋けがから復帰した木村を軸に優勝争いを繰り広げることができたのか・・・そして注目の総合優勝の行方はいかに。

エースとしてエペチームをけん引した吉沢

試合結果

種目 出場選手 試合詳細 最終順位
男子エペ 吉沢有紀(文4)加藤祥(営4)藤倉陸(社3)村越優希(文3)中村豪(人1) ○45-20日体大 ●36-45日大 ○45-34明大 ○45-38早大 ○45-39専大 準優勝
女子サーブル 木村毬乃(法4)栗本ひかる(社3)福島史帆実(法1) ●40-45専大 ○45-15日女体大 ●36-45日大 ○45-37早大 ○45-42東女体大 3位

男子エペ 宿敵・日大に敗れるも準優勝

 昨年無冠に終わった男子エペ。エース吉沢を中心に巻き返しを誓う。
初戦の相手は日体大。1番手としてピストに上がったのは、昨秋団体戦を経験した村越だ。いきなり5-0と流れを作ると、続く吉沢も圧巻の5連続得点で10-0とし、これ以上ないスタートを切る。3番手で登場した法政二高出身のルーキー中村も、デビュー戦の緊張を感じさせない動きで15-1と堂々のはたらきを見せる。最後までこの大量リードを守りきり、45-20の白星発進となった。
 2戦目は昨年の覇者で優勝候補の日大と激突。初戦と順番を入れ替え、1番手に吉沢を起用した。対する日大は、先日行われた世界ジュニアで金メダルを獲得した山田が登場。「リードして回す」と意気込んだ通り強敵相手に臆することなく5-4でバトンをつないだ。そのあとを受けた、昨秋のインカレ個人ベスト4の藤倉が10-9と1点差を守り抜く。続く村越の場面で逆転を許すも、5セット目の吉沢が4連続得点で23-23と同点に追いつく。しかし、終盤に入り日大が目の色を変え法大に襲いかかる。シングルポイントを量産されるとこの流れを止めることができない。追い上げむなしく最終スコア36-45で悔しい敗戦を喫した。
 初日の最終戦となる明大戦を45-34で勝利し、2日目に挑む。相手は昨年敗れた早大。この試合を落とすと王座進出も危うくなるだけに、負けられない戦いだ。吉沢、藤倉、加藤の布陣で臨んだ試合は接戦で展開され終盤まで進んでいく。36-37。1点ビハインドで9セット目を迎え、ピストに上がったのは信頼を得る吉沢。厳しい状況ながら「1点負けているくらいの方が気持ちが楽」と気負うことはなかった。すぐさま得点を決め同点に追いつくと、このまま勢いに乗り逆転に成功。相手に全く仕事をさせず、最後は5連続でシングルランプを灯し45-38のスコアで勝利をもぎ取る。力強いエースの姿がそこにはあった。
 良い流れをつかんだ法大は、専大相手に序盤からのリードを着実に守り45-39とリーグ最終戦を白星で飾った。
 日大が全勝したため優勝には届かなかったが、4勝1敗で2位に入り王座決定戦の出場権を獲得した。全試合で得点源となった吉沢、安定した戦いを見せた藤倉、村越の3年生。経験豊富な加藤、若さ溢れる中村とエペ陣の戦力は整った。王座の舞台で日大を倒すのは、法大しかいない。

女子サーブル 3位に終わり王座届かず・・・

 昨年、けがの影響でリーグ戦を欠場した木村が中心となる女子サーブル。虎視眈々と上進出をうかがう。新入生の福島がいきなりメンバーに入り、リーグ戦の幕が開けた。
 初戦の相手は専大。中盤6点差をつけられるも、下級生の頃から活躍してきた栗本が終盤に2点差まで盛り返す。38-40で迎えた9セット目はエースの木村。十分に逆転可能な場面だったが、苦戦を強いられる。アタックを狙うもなかなか決まらず40-45でゲームセットを迎え、黒星からのスタートとなった。しかし、続く日女体大戦は45-15と大勝を収める。この流れに乗りたかったが、翌日の日大戦は、追いかける展開が待っていた。7セットを終えて7点差と、厳しい状況に立たされる。それでも初戦に粘りを見せた栗本が、この試合も力を発揮し36-40と点差を縮めた。それでも日大の背中は遠く、45-36のスコアで涙をのむ結果に。2敗目を喫し、リーグ優勝の可能性ははぼ消滅した。
 次の早大戦は序盤からリードし、最終セットに入る時点で10点差をつける戦いぶりを見せる。相手の粘りにあうも45-37で勝利を手にする。最終戦となった東女体大との試合も、終盤に追い上げを受けるも木村が最後の一本を決め、45-42と辛くも逃げ切った。
 3勝2敗でリーグを終え、結果は3位。王座進出は惜しくも逃した。経験値がある木村と栗本に加え、新戦力の福島も毎試合チームに貢献し、昨年に比べ今季は勝機が持てる。この先に待つ秋の団体戦に期待が見えるリーグ戦だったのではないだろうか。 (宮城風子)

リーグ戦総括

男子団体

 王座連覇に向け、まずはリーグを制したかった「フルーレ」だったが、予想外の結果となった。中大と日大に敗れ3位に沈み、リーグ優勝どころか王座出場すらも逃した。インカレ個人優勝の長島や大石利、東と役者揃いだが、今後は団体戦で必要な『チーム力』の向上が求められる。
圧倒的な強さを見せた「サーブル」は全勝優勝を飾り3連覇を達成。今回のリーグ戦は、主将の吉田、安藤、大崎と不動のメンバーで挑んだ。対戦校に一度も30点以上奪われることがない好調ぶりで、学生タイトル4冠が期待できる内容だった。
昨年、種目の連覇が途絶えた「エペ」は2位に滑り込み、王座出場を決めた。エース吉沢が早大戦最終セットで力を発揮し、チームをけん引した。藤倉、村越もエペの成長株だ。
 残念ながら、7年間守り続けた総合連覇の座は日大に受け渡した。どの種目でもライバルとなる日大との対戦に、これからも目が離せない。

女子団体

 昨秋の関カレ、インカレ優勝の「フルーレ」は今季のリーグ戦でも力を見せた。エース大石栞が得点源であり大黒柱としてチームを支える。久良知、真田、柳岡と戦力が充実。唯一、土をつけられた日大には王座でリベンジとなるかー。
エース木村を中心に戦った「サーブル」は優勝に届かなかった。しかし、栗本が得点を稼ぐ場面が多く見られたり、新入生福島が全試合に出場するなど好材料もある。
1部昇格とはならなかった「エペ」も即戦力ルーキーの池田亜優が躍動。また、2年生ながら池田五月が重要な最後回りのポジションを担い、その若い2人を経験豊富な小林が支えた。昨秋の全日本団体では準優勝を獲得しているだけに、秋以降の戦いに更なる期待が集まる。  (宮城風子)

選手のコメント

吉沢有紀(エペキャプテンとして実力を発揮)

ーリーグ戦を振り返って
総合優勝を取れなくて残念でした。

ー4勝1敗という結果について
満足はしていないですけど、新しいチームとして良い試合はできたと思います。

ー唯一敗れた日大戦について
ずっと前から想定した試合だったのですが、悪い流れのときにしっかり(流れを)変えられれば良かったと思います。

ー途中までは接戦でしたが
(点差が)離れることはないと思っていました。

ー世界ジュニア選手権で金メダルを獲得した山田選手(日大)と第1セットで対戦しましたが
1セット目で(得点を)プラスで回すと考えていたので、そこはちゃんとできて良かったです。

ー王座をかけた早大、専大戦も競った展開となりました
王座に行けるようにしっかり集中して頑張ろうと思いました。

ー早大戦は吉沢選手が最終セットで逆転し勝利に導きましたが、あのときの心境は
去年のリーグで負けていたので何とかして勝ちたかったです。去年は、1,2点プラスで回ってきたのですが、それよりも1点負けているくらいの方が気持ちが楽だったので良かったと思います。

ーリーグ戦での収穫は
「I can explained. I’m in the zone」というマイケルジョーダンの言葉があるんですけど、「僕はゾーンに入った」という風になったのが収穫です!

ー王座に向けて
日大に勝ってリベンジします。

藤倉陸(レギュラーに定着した3年生)

―リーグ戦を振り返って
日大戦でやられっぱなしだったのでもう少し自分から攻めにいけばよかったなと思います。
―今リーグ戦から初レギュラーでしたが
上級生としてやるしかないと思いました。
―日大の印象は
日大は試合に出ている三人ともが強かったので当たって砕けろという気持ちで挑みました。
―早大、専大との試合は接戦でしたが
結果的には競っていたんですけど内容ではあまり負ける気がしませんでした。
―王座決定戦に向けて
日大にリベンジして、絶対優勝したいと思います。
 

村越優希(4試合に出場し活躍を見せる)

ーリーグ戦を振り返って
2位だったんですけと1位になれたかもしれなかったので、本当に悔しいです。

ー日大戦について
総合優勝が日大に勝つか勝たないかで決まったので、結構プレッシャーになってしまったのかもしれないですけど、伸び伸びとプレーできなかったです。重く考えすぎてしまったかもしれないです。日大戦では僕が1番失点が多かったんですよね。吉沢先輩とかは頑張って点数を平らにしてくれたんですけど、回ってきた僕が負けて戻ってきてしまって申し訳なかったです。

ー修正した点などは
戦い方はあまり変えないようにしたんですけど、昨日は相手の剣を払わないでそのまま一緒に突こうとして相手の勢いにやられてしまっていたので、今日は剣をしっかり避けて突くことを心がけました。

ー課題は
日大戦の山田優との勝負で自分の中でしっかり見えたので、頑張って練習していきたいです。

ー昨年の団体戦ではメインでの出場はなかったですが今年は違います
昨年は先輩たちが素晴らしかったので出ることができなかったんですけど、今年は主力だと思うので頑張ってやっていきたいです。

ー王座に向けて
日大にリベンジしたいです。

 

木村毬乃(サーブルの核となる最上級生)

―リーグ戦を終えて
今年はサーブルで優勝することと王座決定戦に行くという気持ちが強かったんですけど、自分自身気持ちが空回りしてしまって後輩たちに助けてもらう場面が多かったです。

―サーブルチームの雰囲気は
雰囲気は本当に良くて普段からチームワークが取れていると思うのですが、今大会では勝ちにこだわりすぎてサーブルを楽しむことを忘れてしまったかなと思います。良い意味でフェンシングを楽しむことがこれから必要だと思います。

―去年けがをされていて2年ぶりのリーグ戦でしたが
そうですね。目標は王座に行くことだったので三位という結果に納得してないです。

―今後の目標は
優勝を目指せるメンバーは揃っているので、関カレに向けて頑張りたいです。

栗本ひかる(鋭いアタックで多くの得点をたたき出す)

ーリーグ戦を振り返って
絶好調というわけではなかったんですけど調子は良かったです。自分なりに、来る相手に対してどう戦っていくかというのも頭に入れて、勝とうと思ってやりました。

ー3勝2敗という結果について
負けたのが専大、日大という一番強いところだったんですけど、勝つつもりで臨んだし、自分ではそこまで悪い動きではなかったと思うんですけど、もう少しチームを高められるようなプレーをしたかったです。王座には絶対行きたかったので専大には勝とうと思っていたんですけど、最後回りに勝って回せなかったというのが心残りですね。

ー良かったところと課題は
アタックすれば点につながったことは良かったんですけど、下がりで自分の中で迷ってしまった時に相手に点数を取られたので、自分の心を強く持つことですね。技術面でももっと下がりを練習しないといけない、という課題が見つかりました。

ー上級生になって
今までは下級生としてリーグに出ていたんですけど、今年は上級生として初めて後輩が入ってきたので、その後輩にも初めてのリーグで緊張しないように自分のプレーで安心させようと思っていました。昨年は最後回りで出ていて、その時は死ぬ気で戦っていたんですけど、今年は4年生の先輩もいたし頼れる後輩もいたので、少し心が落ち着いた状態で楽にプレー出来たかな、と思います。

ーこれからの試合に向けて
個人戦は自分の戦いなので一本一本しっかりやっていきたいです。秋の関カレ、インカレの団体戦はチームがもっと盛り上がるように、一人一人が意識していくことが大切だと思います。

 

フォトギャラリー

  • 長いリーチが魅力の藤倉
  • 王座でも期待の村越
  • 即戦力のルーキー中村
  • 2年ぶりのリーグ戦出場となった木村
  • 得点を決め喜ぶ栗本
  • 1年生ながら全試合を戦った福島
  • 閉会式後の選手たち。リーグ戦お疲れ様でした!
 

 

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