【アイスホッケー】関東大学リーグ戦 対早大 2度のリードを守れず引き分けに終わる

アイスホッケー

関東大学リーグ戦 対早大 2度のリードを守れず引き分けに終わる

平成26年度関東大学アイスホッケーリーグ戦Div.Ⅰ-A 対早大
2014年11月1日(土)
ダイドードリンコアイスアリーナ

前節の敗戦で、またも上位校と突き放された法大。次に迎える相手は1敗で首位を守り続ける早大だ。1次リーグでは7失点の大敗を喫した相手だけに、雪辱を果たしたいところ。常に法大がリードする理想的な展開となるが2度追い付かれると、終盤の決定的なチャンスも物にできず、今季初の引き分けとなった。

w2 1
一時勝ち越しのゴールを決めた西口

試合結果

トータル試合結果

2
(31)
1(15) 1P 0(8) 2
(35)
1(9) 2P 1(9)
法政大学 0(7) 3P 1(18) 早稲田大学

※(カッコ内)はシュートの本数

ゴールデータ

チーム ピリ 時間 ゴール アシスト アシスト PP/PK
法大 1 02:37 13 松本力也 21 木戸啓太 30 小原日向 PP
早大 2 12:24 88 寺井敏博 5 堰合芳貴 14 森田哲朗
法大 2 16:32 18 西口開羅 PK
早大 3 04:00 7 新井遥平 28 石川貴大 26 青木優之介

※PPは法大のパワープレー、PKは法大のペナルティキリングを示す

メンバー

SET FW FW FW DF DF
1 10 間山慎也  18 西口開羅 91 中口郁弥 C 4 佐々木祐希 16 畑中大季
2 13 松本力也 21 木戸啓太 A 30 小原日向 81 横山恭也 6 松本勝利
3 11 吉田厳介 23 末廣直樹 89 吉村紀耶 8 川上朝日  A 88 石橋智輝
4 92 大野峻丈朗 19 磯田祥平 61 大山翼 71 阿部拓斗 3 髙橋魁人

※GKは#35藤田拓丸が出場。控えに#55富田哲平

戦評

 前節での完敗をバネにしたのか、法大は立ち上がりから気迫を感じさせるプレーを見せた。開始53秒でパワープレーとなると2分、ゴール裏でパスの相手を探していたFW木戸啓太(営2)からパスを受け取ったFW松本力也(人2)がゴール正面から流し込み、早くも先制。リードを奪った法大は、これまでになく攻めの姿勢を見せた。どのセットでもシュートを次々に放ち、ゴールを積極的に狙っていく。一方の守りは、DF陣の落ち着いたプレーによりディフェンディングゾーンで相手に時間をつくらせず、堅い守りを見せた。

w2 3

開始2分での先制に沸いた

 先制点を挙げた良い流れで、試合を運んでいきたい第2ピリオド。この日4度目のキルプレーとなるも粘っていたが守りきれず、残り3秒で同点とされる。しかし16分、FW西口開羅(法1)が自陣のブルーラインでパックをキープするとそのまま一人で運び、右サイドから落ち着いてシュート。2―1となり、またもリードを奪う。ターンオーバーなど少しずつ攻め込まれる場面も増えたが、木戸が何度も攻め上がりゴール前を陥れ、1次リーグで大敗を喫した相手と互角の勝負を繰り広げる。

w2 6

終了直前のブレイクアウェイも決まらず

 このまま逃げ切りたい第3ピリオド。変わらず攻めの姿勢を見せるが、その後自陣ゴール前で攻め込まれる時間が長くなる。しかしここはGK藤田拓丸(法4)が好セーブするなど、鋭くなってきた早大の攻撃からゴールを必死に守る。だが、なかなかディフェンディングゾーンから抜け出せずにいると4分、ゴール前でリバウンドを処理できず、緩くなったパックがそのままゴールに入って失点。序盤でまたも試合は振りだしに戻された。その後は早大の猛攻にペースを崩され、立て続けにペナルティを取られる苦しい展開となる。中盤には木戸がディフェンディングゾーンでパックを奪って攻め上がり、正面から1対1となりシュート。決まるかと思われたがGKがこれをキャッチし、相手の好守に阻まれる。相次ぐキルプレーで人数がそろわない時間が多くなるもなんとか守っていた法大に、最後の最後でチャンスが訪れる。カウンターで攻め込まれたところをDF佐々木祐希(営4)がカットし、パックはFW小原日向(営4)へ。そのままドリブルで切り込みブレイクアウェイとなるが、ここもネットを揺らすことはできなかった。何度か決定機もあったが決められず、そのまま試合終了となった。

 常に法大がリードしながらも守りきれず、試合は引き分けとなった。「勝てるゲームを落とした」と松田圭介コーチも語るように、勝ち点3がほしい法大にとっては痛い引き分けとなったことには間違いない。特に中盤以降は反則が重なり、そこから相手に攻めのリズムをつくらせてしまったことが大きかった。
 次節は中1日で迎える中大戦。第10節では慶大相手に14点を奪った強力オフェンス陣から、いかにゴールを守れるかが鍵となる。自分たちのペースを崩さずに60分間ホッケーをできるかどうかが、勝負の行方を分けるだろう。(大森麻子)

コーチ・選手のコメント

松田圭介コーチ

―今季初の引き分けとなりましたが、試合を振り返って
勝てるゲームを落としたというのが正直なところです。悪くはないんですが、自分たちで苦しめているなという印象ですね。もっとシンプルにやればいいところを難しくプレーしたりというのは、言い続けている面ですがなかなかできていなかったりします。長いリーグ戦なのでそういうこともありますが、悪いなりにプレーをしていかないといけないですし、そういうところは選手たちが意識を高めないといけないと感じています。

―今日の1Pのプレーはこれまでになく攻めの姿勢が強かったですが、何か変えた部分はありますか
特に指示はしていませんが、今までずっとやり続けてきたことをとにかくやりなさいという話はしました。単純にゴールに向かってその中でパスをつなぐのも一つの選択肢ですが、やっぱり奥の深いところでプレーすることが大切だというのは言い続けています。それが(今日は)たまたまパワープレーで、ローハイからの1点につながりました。ただ、やっぱり前へ前へとなったときに冷静な選手がFWに一人いるということがすごく大切だなと思います。

―今季は選手から「シンプルなホッケー」という言葉がよく聞かれますが、「シンプルなホッケー」というのは、複雑な戦術ではなくシンプルに攻めるということですか
基本をいかにやるかということですね。基本的なことにいかに忠実にやるかというのはどこのチームでも難しいことだと思うんですけど、それができるということ。それができて初めて次に色々なことを戦術としてできるということが出てきますが、基本的なことというのがまだまだできていないというのがあります。もちろん集中していると思いますが、選手たちはもう少しゲームに対して集中が必要ですね。慶大戦で6人攻撃をやりましたが、あの時は本当に点数を取るということに、チーム全員が集中していました。そういうのができるので、それをたった5分ではなく60分間しっかりできるか、というところがウチのチームの最重要事項です。

―コーチに就任されてから今までチームを見て感じることは
個人個人のスキルはすごく高いなと見ていました。ただ、チームで戦うとなったときにそのスキルが生かされていないことや、“勝つホッケー”がまだ分からないのか、もしくはできないのか…というところは感じます。

―試合中も頻繁に選手に声を掛ける場面が見受けられますが、普段からどのようなことを指示されていますか
基本的に攻撃面はあまり言いません。気を付けないといけないのは(FW)3人が入るなとか、そういったところを言っているだけですね。とにかくゴールに向かえということです。ただ、守りなどで一瞬の判断ミスがあったときに「今はこうあるべきだ」といったことを時には叱咤激励することもありますし、そういったことは指示として出しています。あとはシンプルにやれということを言っています。(それを)やっている試合とやっていない試合があるので、そういう意味では、こういった表現が適しているのか分かりませんが、まだ“強い法政”にはなれていないというのが正直なところです。

―ここまで勝つときはロースコアというのが際立っていますが
どのゲームでもそうですが、やっぱりゲームは2点か3点以内、それ以上になるとその分(点を)取らないといけない。そうなると使う選手も限られてくる。ということで、ロースコアのゲームというのはそこが重点になってくると思います。

―その一方で失点が多いことに関してはいかがですか
守る意識として、1対1に負けていること、Dゾーンのゴール前、ミドルレンジを空けない…といったことを再三言ってきて、浸透してきてはいますが、たまにぽっかり空くことがあります。今日はたまたま(その場面で相手に)やられなかったですが、やられるときはそういうケースが多いかなと感じています。

―決定力不足がなかなか解消されないことについて
僕もDFでしたが、(FWが決められないというのは)DFが失点するのと同じくらいのダメージなんですよね。ですからFWの選手というのはもっと決めに対して貪欲にやってもらわないといけないと思います。決定力不足というのは、あとは本人の技量と運だと思っていますし、水物でもあります。ただ、“されど1点”かなというのは今日改めて痛感しました。

―その中で期待している選手は
木戸、小原といったあたりが良いポテンシャルがあるので、それに対して佐々木、横山といったところが守りの中心となって、しっかりチームを引っ張ってくれるというところを、もっともっと見せてほしいかなと。我が強いというか、個人個人の性格が強いチームなので、やっていますが、それを選手たちがもっともっとチームに貢献ができる。理想はそういうようなチームになってもらいたいです。どのチームも核はいるので、(彼らは)その核になってはいるんですが、そこをもっとプレーで見せて、言葉でポジティブな発言をどんどんしてもらいたいなというのもあります。

―スコアに出ていないというのはそのあたりも関係していますか
苦しくなってくるとそうなると感じます。勝負所の時間帯とかで、彼らにはもっと経験が必要かなと思います。実際勝っていないので、勝っていければ見えてくるものも見えてくると思います。

―セットもコーチが決めているとお聞きしていますが、今季のセットについてはどのような意図を
1つめで勢いのあるプレーをしっかりしてくれる、2つめである程度リスクを冒してでもスコアリングできる2つめ、3つめは絶対に失点してはならないセットというのが私のアイスホッケーの考えですし、多分どこのチームも同じだと思います。そういう意味では今日3つめで失点したので、それが致命的だなとも感じています。

―前の試合から、それまであまりアイスタイムの多くなかった畑中選手を1つめに起用されていますが、その理由というのは
彼はもともとポテンシャルや攻撃センスを含めて悪くないかなというのはあったんですが、今まであまり出さなかったのもまだまだな部分も沢山ありました。試合とともに少しずつ成長してきたり、本人もそういう意味ではやってくれるだろう、と。ただ、最終的な固定ではないですし、色々な選手を入れ替えながらやっていかないといけないと思っています。

―次の中大戦に向けて
中1日で明日は氷も乗れないですが、やるべきことは変わらないので、それが本当にできるかどうか。あとはロースコアのゲームで我慢しきれるかどうかです。アイスホッケーというのは我慢のスポーツ、そして得点をするスポーツなので、そういった意味ではそこができるかが鍵です。この前の中大戦はそれができて、我慢我慢して巡ってきたチャンスで勝ちました。ああいった泥臭い1点でもいいですし、そういうようにして(点を)取るのが、きれいな1点よりも一番ウチらしいかなと思います。

※松田コーチ略歴
駒大苫小牧高校―法政大学―日光アイスバックス―SEIBUプリンスラビッツ
ポジションはDF。法大では平成15年度のキャプテンを務め、卒業後は5年間プレーした。
アジアリーグでは2004-2005シーズンに新人賞を受賞。
今年の関東大学選手権後にコーチへ就任。

FW 松本力也

―今日の試合全体を振り返って
反則が多いのはもちろんですが、チャンスを決めきれなかったと感じています。

―試合に挑む前にチーム全体でどんな意識をしていましたか
優勝がないことが確定してしまった以上、インカレに向けて1試合1試合目的をもってやらないとなにも得ることがなくあっという間に過ぎてしまうので、楽しんでホッケーをやろうという意識がいつも以上にありました。

―先制点は自身にとって日体大以来のゴールとなりましたが
監督にシュートを打たないことを指摘されていました。自分がいいところへ動けば、セットを組んでいる仲間が絶対に良いパスをしてくれると信じて動きました。周りの人たちのおかげです。

―3Pになってから相手に少し押され気味になりましたが
リズムが崩れていくのは自分たちの反則からで、反則が多いチームはロースコアな展開の試合では勝ちきれないので、チーム全体としても個人としても反省しています。

―ここまでアシストがかなり多くなっていますが、何か意識されていますか
自分が一生懸命つないだパスをほかの選手がシュートに持って行ってくれているからです。自分のセットの人たちを尊敬しているので、安心してプレーができます。

FW 西口開羅

―今日の試合を振り返って
試合のスタートから足を動かして何回かいい形を作れて危ない場面も少なかったので良かったんですけど、チームとしては反則が多く、それで流れを持っていかれたのが悪かったと思います。

―自身の得点の場面について
カウンターで2対1になったんですけど横に木戸さんがいてパスを出そうか迷いましたが、シュートを決めれると思ったので自分で打ちました。

―最近、勝負所での活躍が目立ちますが
普段からゴールやアシストを決めたいと思っていて勝負所での得点はたまたまチャンスがあっただけなんですけど、普段の練習の成果が出てよかったと思います。

―1Pは攻撃の時間が長かったように見えましたが
反則も無くて自分たちのリズムでできていたので、攻めの時間が長かったと思います。

―試合全体として反則が多かったことについてどう思われますか
正直、反則を取られることに疑問に思ったところもあったんですけど、自分たちが普段の練習から反則しないようなプレーを心掛けて、今後インカレに向けて改善していきたいと思います。

―ここまでのリーグ戦での自身の働きについて振り返って
得点もアシストもしていて良いとは思いますが、総合的に見たらまだ自分がチームに迷惑をかけたりすることもあるのでまだまだだと思います。

―次の試合に向けて
明治もそうですが中央もインカレで当たる相手なので、前回もしっかり勝てましたし次の中央戦も全員で反則しないようにして勝ちます。

FW 小原日向副将

―今日の試合全体を振り返って
1Pは良かったですが2P以降は反則が多くなって、それで流れをつかめなかったです。

―1Pは良い攻めができていました
足も動いていて、相手の反則もあってあそこで先制点が取れたのが大きかったです。

―2Pは同点にされましたが、すぐに勝ち越して雰囲気が良かったように見えました
1対1になった時に同点になっても1点取れば勝ち越しできるので、前向きにやっていました。

―再び同点に追いつかれた3Pを振り返って
反則が多いと足もどんどん止まってきてしまいますし、そういう意味で今日は反則が多すぎました。足が止まり、手やスティックを使いすぎました。

―小原選手自身もGKとの1対1の場面が何度かあり、勝ち越しのチャンスがありましたが
こういう競ったゲームでしっかり決めないと、インカレでも同じような場面で決めれず勝てないと思うので、これから決められるようにしたいです。

―首位の早大に引き分けたという結果に関して
正直今日の試合は勝てるゲームだったので、しっかり勝ち切りたかったですね。

―前回の明大戦を踏まえて、今日の試合前にはどのようなことを話しましたか
ホッケーを楽しもうということと、あとは守りをしっかりやろうということです。

―反則がかなり多かったですが、守りの面はいかがでしたか
2点目の失点とかは自ゾーンをしっかり割れなかったところから始まっています。次は中央戦なので、そういうところをしっかり修正していきたいです。

―今日の試合を踏まえて、次の中大戦はどのように挑みますか
次の中央大もインカレで勝っていけば当たる相手です。また中央大も1回目、自分たちに負けているのもあって、必死になって勝ちにくると思います。そこを引いて守っていたらやられてしまうので、自分たちも中央大に負けないくらい、相手に勝つという気持ちを持って臨みたいです。

FW 木戸啓太

―今日の試合を振り返って
実力不足という感じです。

―1Pから攻めの姿勢が見受けられましたが、今日のチームの方針は
向こうの足が全然動いてなかったので、こっちが足を動かしてゴールを狙いに行こうという話はありました。

―先制点をアシストしましたが、そのプレーを振り返って
正直後ろの横山を狙ってパスを出しましたが、たまたま当たって松本力也に渡ったので、ラッキーでした。

―今日は反則が多くでましたがその点について
今日の早稲田だったから点が入らなかったですけど、これが中央や明治となると、多分ほとんど(点を)入れられていたと思うので、反則を無くさないと今後は勝っていけないと思います。

―復帰後あまりゴール数が伸びていませんが、個人の成績についてはどう感じていますか
自分でもそう思っていたので今日はゴールを狙いに行きましたが、結果決めることできなかったので、もうちょっと練習からゴールを狙う気持ちを出していかないと。最近はパスばっかり考えているので、自分で取ることを考えてこれから練習して行こうかなと思います。

―今日は攻め上がるシーンがよく見えたのですが、ご自身で決めようという意識はありましたか
かなりありました。

―次戦への意気込み
中央はやっていてやりがいがあると思うので、個人的にはすごく楽しみにしています。前半(の中大)戦に僕は出てないですけど勝っているので、後半戦も勝てたらいいと思います。個人的にはもうちょっとゴールを狙っていこうと思っています。
 

順位表(第10節終了時点)

1位 中大   8勝0分2敗  勝点24
2位 明大   8勝0分2敗  勝点24

3位 早大   7勝2分1敗  勝点23
4位 東洋大  7勝0分3敗  勝点21
5位 法大   4勝1分5敗  勝点13
6位 慶大   3勝0分7敗  勝点9
7位 日体大  1勝1分8敗  勝点4

8位 日大   0勝0分10敗  勝点0

フォトギャラリー

  • w2 1一時勝ち越しのゴールを決めた西口
  • w2 2松本力は5試合ぶりのゴール
  • w2 4木戸は積極的にゴールを狙い、存在感を示した
  • w2 5ゴールを決め笑顔の西口(中央)
  • w2 7前の試合から第1セットに起用されているDF畑中(法1)
  • w2 8リードを守り切れなかった

関連記事一覧