【ラグビー】U-20代表選手インタビュー

5/28~6/9にチリで開催されたジュニア・ワールド・ラグビー・トロフィー(…

5/28~6/9にチリで開催されたジュニア・ワールド・ラグビー・トロフィー(JWRT)2013。法大からは西内勇人、牧野内翔馬の2選手が選出された。両選手に大会の感想とともに、法大ラグビー部について語ってもらった。

U20に選出された西内(右)と牧野内(左)

大会評

 20歳以下ラグビーW杯であるジュニア・ワールド・ラグビー・トロフィー(JWRT)2013が南米チリで5/28~6/9に開催された。強敵ひしめくなか、法大からは西内勇人(社・3)、牧野内翔馬(社・1)が選出され、更に西内はキャプテンも務めた。日本は、ウルグアイ(○40-20)、カナダ(●15-39)、トンガ(○43-22)と戦い、グループ二位で地元チリと三位決定戦に挑み、35-38と惜敗し四位で大会を終えた。

 日本はアタッキングラグビーが持ち味である。「トランジションは外国より日本のほうが速い」と言う通り、日本のラグビーが世界に十分通用することを証明した。西内は全試合、フルタイムで出場し、名実ともにチームを牽引したが、彼は決して満足していない。「来年出場権を持った選手がたくさんいる。今回悔しかったけれど、次の世代の子たちには優勝してほしい。自分はこれからフル代表に選ばれるように頑張りたい。」と未来のビジョンをはっきりと描いている。

 一方、牧野内は出場機会には恵まれなかったものの、「(この経験から)もっと高いレベルで試合がしたいと思った。そのために身体を鍛えて体力をつけたい。」と前向きな発言。

 まだ一年生なだけに今後の伸び代が楽しみな選手である。大型ルーキーの今後の活躍に目が離せない。

 日本の誇りを胸に世界で戦った二人は確かな手ごたえを掴み、帰国した。このW杯の経験が彼らの今後のラグビーに取り組む姿勢をより高めたのは明白である。二人の活躍が法大勝利の鍵となり、部員一丸で大学日本一を目指す。(吉田 佑梨)

選手コメント

西内 勇人

ー去年に引き続き、U20に選ばれた時の気持ち
嬉しかったけど、その中で自分たちが優勝しなければいけない、という責任感もあった。自分が頑張ろうという気持ちがあった。

ーキャプテンに任命されて
中学校以来のキャプテンで最初はどうすればいいかわからなかった。自分は言葉で上手く説明するタイプではないので、練習中引っ張ってプレーでみせて背中をみてもらおう、と。そういうことで、練習中から意識した。日本代表に選ばれるという時点で、日本を背負っているということなので、勝つというのは絶対なので、キャプテンだから、どうこうというのはなかった。

ー短い期間でチームをまとめることについて
違う大学の人たちが集まるので、やはりまとめるのは難しいですけど、そういう選手達はコミュニケーションをとってくれるので、やりやすかったですね。皆が代表の誇りというのを持っているので、それで勝とうという気持ちが一つになってまとまっていった。国内合宿のシンガポール戦では、チームはバラバラだったのですけれど、その中で反省して、勝つという気持ちが生まれてきた。

ー日本のラグビーの特徴は
ランニングラグビーとアタッキングラグビーです。アタックをして、ディフェンスでも当てて、すぐターンオーバーできるように、そして最後は走り勝つ、というのが日本のプレースタイルです。

ーカナダ、チリ戦について
カナダ戦は、アップから雰囲気も良くなくて、緊張している選手がいた。カナダはフィジカルが強いので、自分たちが押されてしまったというのがある。相手のディフェンスラインがいつもと違うことをしてきたので、日本が対応できていなくて日本のラグビーができなかった。ディフェンスを詰めてきたので、BKが対応できなかったのと、セットプレーで勝てなかったので、そこが敗因としては大きいかな、と。今までのことをやっていれば、勝てたと思う。チリ戦は完全にアウェイなので、そこで気後れした部分もあるし、ディフェンスのところで、一人一人が受けてしまってゲインラインを越えられてしまったというのが大きい。

ーウルグアイ、トンガ戦について
日本のラグビーができた。ウルグアイは強かったのですけど、初戦ということもあり気持ちが入っていた。スクラムからボールをだして、さばくという早いラグビーも出来ていて、アタックも出来た。自分たちが意識しようとしていたことが出来たので、それが勝因だと思います。
トンガ戦は、完全に相手のフィジカルが強いとわかっていて、そこにダブルタックルで止めるという作戦だった。それをFWがやってくれて、BKもゲインラインをとってくれて、流れを作ってくれた。

ー外国と比較して日本が劣っている点、優れている点
劣っているのは、フィジカルとスピードですかね。勝っている点で言えば、(下のカテゴリー)の中ではフィットネスは勝っていた。トランジション、攻守の切り替えの反応は、外人より早いというのが日本の特徴。

ー法大の練習と比べて日本代表の練習は
法大はウエイトをして、一時間半くらい練習する形で、日本代表は、一時間あるかないかで練習時間が短くて、ウエイトをいれる。そこまで違いはないです。練習方法としては、法大の方はゲーム形式が多いというのは感じる。代表はブレイクダウン周辺はゲーム形式をやるので、似ていると思います。

ーU20に選ばれてこれから意識、心境の変化は
一番はフィジカルが弱いので、ウエイトをしていこうという意識と、U20とは違うのですけど、法政は日本一を獲ろうとしているので、しっかり勝つという意識でいつもいる。日本A代表なのですけど、その上のフル代表に選ばれるように、頑張りたいな、と。

ー四位という結果について
応援してくれた人には申し訳ないのですけれど、日本が外国に通じる部分がわかったし、四位だったが、来年出場権を思った選手が十何人いるので、そういう選手が(W杯の雰囲気を)経験できたし、かなり悔しかったけど、もっと次の世代の子達は頑張ってほしいですね。でもやっぱり悔しいです。優勝する気で行ったので。

ー大会を終えて
自分の中ではこの大会で成長できたし、最高の仲間、最高のスタッフに会えて、本当に良かったです。その中で、成長した部分を法政に持って帰って、もっと使って行きたいし、吸収したことを法政ラグビーでもやっていきたい。
個人でもレベルを上げて日本代表に選ばれるように、頑張っていきたいと思います。

ーチームの雰囲気は
去年よりも確実に、練習に臨む姿勢であったり、やり合いの質が上がっている。試合ごとに成長していっている。今年はそこが違うな、と思います。監督が変わったということもあるけど、一人一人の意識が変わったのだと思います。声をだすとか、選手が熱い気持ちを持ってやっています。

ー夏の目標
フィットネスをあげることです。筋力体力を上げるだけだったら、ラグビーはできない。なので、筋力体力を夏で作って、それを連動させれるようにやっていきたいと思います。

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―U20に選ばれた時の率直な気持ちは
最初、U20の合宿には呼ばれていなくて、ちょっと悔しいなと思っていたのですけど、五次合宿が始まる少し前に日本協会の人から連絡が来て、(追加メンバーとして呼ばれて)選ばれて、とても嬉しかった半面、びっくりしました。

―選ばれる自信は
それはありませんでした。けれど合宿には呼ばれたいな、とは思っていました。

―熊谷の時のシンガポール戦について
あの時は呼ばれてすぐでチームのサインプレーや規則も覚えきれていないなかで、監督に「思いっ切り行け」と言われたので、自分のプレーをやろうと思った。その結果が(後半37分)のトライに繋がりました。

―W杯の、敗北したカナダ戦とチリ戦に関して
(牧野内選手は出場機会がありませんでしたが)日本より、カナダ・チリ選手は身体が大きい。日本チームがミスばかりしていて、それで試合もうまく運べていなかったように感じました。内容も良かったから勝てていたとは思いますが、大事なところでミスがあったので、そこが勿体なかった。

―牧野内選手が思う、ウルグアイ戦とトンガの勝因は
ミスが少なかった。チームの雰囲気も良かったので勝利に繋がったのだと思います。

―4位という結果に関しては
優勝するのが目標だったのですけれど、それが消えて3位になって帰ろうということだったのですけれど、(3位決定戦は)地元チリだったので相当アウェイでした。でもその中でも日本を応援してくれる人たちが結構居てくれて、嬉しかったです。

―チリの天候
一か月に2、3回しか晴れないらしくて、ずっと曇りとか、試合前は雨でグラウンドがぐちゃぐちゃで、滑ってしまった。そういうのでミスとか多くなってしまったのかな、と。

―総括的にみて、海外選手に劣っている所、優れている所
怠っているところは体格ですかね。(タックルとか)高く当たっていたら、外人に負けてしまうので、日本は低いプレーで、海外に対抗している。低いプレーができていたから、身体が大きいトンガにも勝てたのだと思います。低いプレーが日本のラグビーの特徴です。低いプレーを徹底しよう、ということでした。

―来年もU20に選出されたい気持ちは
やっぱりあります。今年は選んでもらったけど、試合には出れなかったので、来年はスタートで出れるように。

―この大会を終えて収穫は
練習から100パーセントでやろうと言っていて、法政での練習でも意識していたのですけれど、(U20の合宿では)「100パーセントじゃない、それじゃダメ」と言われて、それから試合と同じ気持ちで練習も取り組めました。自分はあまりウエイトをしていなくて、でも選ばれている人たちは強かった。身体を作らなければいけない、自分が甘かったと気づけたことが今回の収穫で、今後の課題ですね。

―今日からまたチームに戻るわけですが、U20の前と後で何か心境の変化はありますか
レベルが高い所でもっと試合をしたいです。自分の為になるし、もっと試合に出たいですね。

―U20のキャプテン西内(東福岡→法政)さんについて
高校も一緒で、西内さんは高校の時から凄くて同じFWなので一番尊敬している。大学も西内さんが居るから法大に行こうと決めた。U20のキャプテンでは、喋るのは得意ではない、と言っていたのですけれど、気持ちを纏めるのも上手だし、プレーも激しくて泥臭い。言葉でもプレーでも引っ張るキャプテンだな、と思いました。

―法大進学決定時点で、谷崎監督が法大監督に就任することは
知りませんでした。でも毎年、そういう噂があるので、なんとなく…。
谷崎先生は、ラグビーに関して凄いし、言っていることが本当に正しいので、またこの先生の下で4年間頑張ろうと思いました。

―大学に入学して2か月半。練習や寮生活、学校には慣れましたか
高校時代、合宿が多かったので、あまり東京に住んでいるという感覚がない。合宿に来ているような感覚です。今まで親が食事を作ってくれていたのでご飯は大変です。

―高校と大学を比較して
あまり変わらないのですけれど、接点の練習は、レベルが違うくらい激しいので、やっていて辛いけど、やりがいはありますし、楽しいです。

―谷崎監督の指導法について
高校時代は監督から練習メニューを与えられて、後は選手間で集まって、こうしよう、と話してやっていました。試合ではハーフタイムにアドバイスをして頂くだけで、後は選手間で士気を高める、という感じでした。大学でもその指導法は変わっていなくて、スムーズに高校から大学にあがれました。

―最後に目標を
(夏に向けて)一番ラグビーに集中できると思うので、身体を鍛えて、体力をつける。それが一番重要かな、と。

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