【硬式野球】他大学インタビュー 明治大学野球部②~髙橋裕也選手、渡辺佳明選手、森下暢仁選手~
2018年3月4日(日)
明治大学野球部グラウンド
第2回は、投手から唯一の副将を務める髙橋裕也選手、三塁手から遊撃手に転向し打率3割4分9厘の渡辺佳明選手、また先発としてすでに3勝を挙げている森下暢仁選手に話を伺った。
選手インタビュー
髙橋 裕也 投手
ー昨年を振り返って、チームやご自身にとってどんなシーズンでしたか
春はチーム全体としても個人的にも満足のいくシーズンでは無くて、私生活とか普段の野球では関係のないところの甘さが春季に出てきたんですけど、秋はそこを改善しつつ、自分の中でもポイントをつかみながらリーグ戦に登板することが増えてきて、チームとしても最後まで優勝争いをしていたので、そういった面では勝負に至るまでの私生活の改善は良かったと思います。ですが、最後の最後で甘さが出てしまったので、この春から切り替えてやっていきたいと思っています。
ー昨季で思い出に残っている試合は
やっぱり岩見(雅紀=現東北楽天)さんに打たれた5本目の本塁打の試合ですね。フォークをストライクゾーンギリギリに投げられて結構良かったと思うんですけど、あれをあそこまで飛ばすっていうのは力の差があるなと痛感しました。パワーヒッターにはボールを低めに集めることと、ストライク先行でいけばだんだん打者も追い込まれると手が出なかったりすると思うので、まずはチームの流れも全て加味した中で、テンポやストライク先行で行くことを意識してやっていきたいと思います。
ー今年のキャンプではどんなことを中心に取り組みましたか
まずはとにかく投げる量にこだわって、練習量を多くするようにして、右打者の外のアウトコース真っすぐであったり、そこから落とすフォークであったり、そのようなところを重点的にやってきました。あとは、フィールディングとかも量を多くやって、だんだん試合に向けて試合感も付いてきたかなと思います。
ー開幕までに調整していきたいことは
チーム全体としてバッティングと投打のバランスであったり、投手がしっかりしていれば打者も付いてきてくれると思うので、負けない投手陣づくりというものを4年生である自分が引っ張っていきたいと思います。個人的には前で投げるか後で投げるかわかんないですけど、任せてもらったところで全力で投げるだけだと思っています。
ー今季から副将に就任されましたが、幹部としてどのようにチームを支えたいですか
4年生でただ1人の投手の幹部なので、まずは投手をまとめて、団結力のある投手陣でリーグ戦を戦えればいいなと思っています。
ーご自身の好きな野球選手は
R.A.ディッキー(元ブレーブス、メッツなど)ですね。ナックルボウラーなんですけど、自分もナックルを投げるので見ていて面白い投手です。
ーご自身のアピールポイントは
勝負どころで気持ちをむき出しにして投げるところですかね。
ー法大に対しての印象は
法大は甲子園経験者や有名な選手が多くいるので、それに気負うのではなくてやってやるぞという気持ちで対戦していきたいですね。
ー春季に向けての意気込みを
春は前でいくか後でいくかわからないんですけど、防御率を良い数字にするというのもそうですし、自分だけではなくて『負けを付けない』ようにしていきたいです。中継ぎだと勝ちの数が付かないこともあるので、先発だったらもちろん勝ちをつけながら投げたいですし、先発でも中継ぎでも、自分やチームに負けを付けない結果を求めて投げていきたいです。
(取材:岡﨑祐平)
髙橋 裕也(たかはし・ゆうや)
総合数理学部4年 1996年11月7日生まれ
埼玉県出身・向上
173cm72㎏ 右投右打
『小柄ながらパワーある直球と変化球で緩急のついた投球をし、打者封じ込める技巧派。昨季は中継ぎの柱としてチームを支えた。今年は副将となり、投手陣の団結を強めリーグ戦に臨む』
渡辺 佳明 内野手
ー昨年1年間を振り返って
春は本当に調子悪いなかで始まって、最後は上げられたんですけど、やはり良いところで1本も打てなかったですし、そういう意味では春は本当に悔しいシーズンでした。秋はその悔しさとかから修正して臨んだ結果が最初から最後まで調子が良かったので、トータル的に見たら良い形で打てた方が多かった1年間だったなというのはあります。ただ、春先は全体的に毎年打てていないので、そこは今年しっかりやっていこうかなというのが今年の課題です。
ーチーム打率、防御率1位ながらに優勝を逃したことについては
優勝争いをしている、ということは防御率も打率も1位というようなこともついてくると思います。でもやはりここぞというところの1本の打率は低かったのかなと思います。(投手も)抑えなきゃいけないところで打たれてましたし、結果的には両方とも1位でしたけど、抑えなきゃいけない、打たなきゃいけないというところでは結果が出ていないので、そういうところではしっかりしなくてはいけなかったのかなというのはあります。
ー自身は昨季打率が3割6分4厘で目標のベストナインを取りました
本当に秋は全体的に良くて、自分で目標に掲げていたベストナインも取れて。本当に3割5分打てればと思っていたので、3割6分4厘は良い形で打てたのかなと思うので、良かったかなと思います。
ー昨年の日本代表合宿メンバーに選出されましたが、代表経験者での選出は渡辺選手を含み4名のみであることについて
やはりそれだけ周りの人に期待されていますし、やらなきゃいけないという面もありますし、候補として挙がっていますけど候補だからと気を抜くのではなくて、候補に選ばれているからこそ、2年連続で選ばれたいという自分の気持ちもあるので、しっかり春やらなきゃいけないなというのはあります。
ー合宿に参加してみて
去年経験している分、今回の合宿はみんなよりも1つも2つも気持ちは楽にできたんじゃないかなと思います。監督にもまとめ役で選んでいただいて、自分の中では選ばれなきゃという緊張よりも、しっかりやらなきゃという緊張の方があって。やはり周りの選手たちも去年選ばれているという目で自分のことを見ていると思いますし、変なプレーはできないなと思っていたので、本当に去年より今回の方が緊張もせず、自分のプレーをしっかり出せたのかなと思います。
ー代表メンバーでお手本になるなと思う選手は
去年一緒にやっていた東洋大の中川圭太とかはやはり良いバッターだと思っています。仲も良かったのでずっと一緒にいましたし、その中で一緒の内野ということもあって、守備のことだったりバッティングのことだったり色々2人ではなして、あいつの良いところを見られて自分の中に習得できたのかなと思います。
ー自身の現在の調子は
そこまで悪くないですけど、良いとも言えないくらいなので、まだまだかなというのはあります。
ー具体的にどういった部分が引っかかっている
バッティングも、ヒットはちょくちょく出ていますけど、自分の納得いったヒットは本当に1本か2本ですし、タイミングを外されてその結果がヒットになったりというのが多かったので、自分の形で打ちたいなというのはあります。なので、そこが引っかかっているのと、やはりショートをやっていて慣れない部分もあるので、まだ不安というか、もう少しやらなきゃいけないなというのも引っかかっている部分ですかね。
ー三塁手から遊撃手へ転向の理由は
新チームが始まったときに監督から「ショートやってみないか」ということで、去年の暮れから一緒に練習してやって。ショートを自分のものにしようかなというのはあります。
ー三塁手との違いは
試合中ずっと動いてなきゃいけないので(笑)、シンプルにちょっと疲れるというのはあります。でも、サードよりやりがいはあると思っているので慣れていかなきゃいけないのかなと思います。
ーオフの期間に取り組んだことはありますか
まず身体を大きくしようかなということで、ウエイトと食事の回数を増やしました。体重は6㌔くらい秋のリーグ戦から増えました。あとは、バッティングで打球を良い回転で打ちたいという理想のバッティングが自分の中にあるので、良い質の打球を飛ばすためにフォームを変えたりとか、捉えるポイントを変えたりとかを、この冬は重点的にやってきました。
ー身体を大きくするのはプロに向けてなどの理由もあるのですか
その部分もありますし、去年まで3年間大学野球をやってみて、終盤になると少し疲れも見えてきますし、体重がどんどん落ちていってしまうので。ただ増やすだけだったら3年生のときも増やせていたと思うんですけど、やはり体重が落ちないように筋肉で増やすということを目標にしてウエイトとかやっていたので、上でやりたい、プロでやりたいというのもありますけど、まずは体力が落ちないようにという自分の体力作りの面で、身体を大きくしたいなと思ってやりました。
ープレーでも副将としてもチームの中心に立つことになりますがどのようなことに取り組みたい
副将だからと言って、「こうやろう」とは思っていないですね。でも、内野で一番多く試合に出ているのは自分だと思っているので、(内野には)キャプテンの吉田がいますけど、あいつよりも自分の方が(試合に)出ているので、プレー面ではキャプテンだからと言って気を引けるんじゃなくて、試合に入ったら内野のことは自分が引っ張っていこうかなというのは自分の中にはあります。特に副キャプテンだからということは意識をせず、チームが勝てるように今まで出てきた分、色んなことを経験しているので、そういうことを色んな人に伝えていきたいなということでやっています。
ー春に2連勝、秋に2連敗した法大戦に向けてどのように戦いたいですか
法政はずっと自分達の学年の人が出ているイメージがあって。去年は2連勝と2連敗ということで、チーム的にも悔しかったですし、自分的にも同じ学年の人が多く出てる法政にそうして連敗するというのは、他のチームに連敗するよりも違った意味で悔しいですし、同学年に負けるというのは色んな意味で悔しいので、今年は最後の年ですし、連敗はしないように、連勝で終わりたいなと思います。
ー法大の中で注目や警戒している選手は
良い選手が多いのでみんな警戒はしているんですけど、でもやはりピッチャー陣が良い印象があります。あと、どう1枚目のピッチャーを降ろして2枚目にいくかは鍵だなと自分は思っているので、先発で投げてきそうな菅野とか、その辺は警戒していかないといけないのかなと思います。
ーこれから調整したいことは
まずは打たなくては勝てないので、バッティングを今上げてしまうとどうしてもリーグ戦で落ちてしまうので、良い感じに100で持っていけるようにやっていきたいなというのはあります。あとやはりサードの守備は不安がなかったですけど、ショートの守備には不安があるので、その不安を0までというのは期間が短いので難しいとは思うんですけど、なるべく0に近いように不安をどれだけとれるかというのが課題なので、本当にバッティングと守備の不安なくリーグ戦に持っていけたらなと思います。
ープロ一本とお伺いしましたがプロに関しては
色々ありますけど、プロ一本でやっていきたいなというのは自分の中ではあるので、やはりそのためにもこの冬色々考えていやってきた部分もあるので、自分にいい意味でプレッシャーをかけて、今までとは違ったプレッシャーはあるんですけど、それを良いプレッシャーに変えて結果を出せば必然的に結果はついてくると思うのでそういうところはしっかりやっていきたいなと思います。
ー最後に、今年1年間の目標、意気込み
まずはチームで4冠というのは目指しているので、そこはしっかりやっていきたいなというのは目標にしています。一番最初の春のシーズンは優勝しないと4冠というのは始まらないので、この春を目標に掲げて4冠するにはこの春が一番大切だと思うので、出だしをしっかりやっていきたいなというのはあります。そのためには自分自身もチームに少しでも貢献できるように、自分自身今まで一度も取ったことのない首位打者を目指してやっていきたいなというのもあるので、しっかり打ってチームに貢献して両方ともいい感じで終われたら良いのかなと思います。
(取材:中西陽香)
渡辺 佳明(わたなべ・よしあき)
政治経済学部4年 1997年1月8日生まれ
神奈川県出身・横浜
179㎝77㎏ 右投左打
『1年生からリーグ戦に出場し、現在までの平均打率が2割9分6厘のアベレージヒッター。本塁打こそないが、勝負強い打撃で、越智達矢、森下智之に次ぐ5打点を挙げチームの勝利に貢献している』