【硬式野球】第43回日米大学野球選手権大会 第5戦 投打かみ合い快勝し、3大会ぶりの優勝!宇草は2安打1打点1盗塁の活躍で勝利に大きく貢献
第43回日米大学野球選手権大会 第5戦
2019年7月21日(日)
神宮球場
2勝2敗とアメリカ代表と互角の戦いを見せた中で迎えた今日の第5戦。日本は打線が序盤、中盤、終盤と着実に点を重ね、6得点を挙げると、今日先発のエース・森下暢仁(明大)も5回無失点と好投。その後は盤石の投手リレーでアメリカ打線に隙を与えず6―1で快勝し、見事3大会ぶりの日米野球優勝を果たした。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
米国 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 |
日本 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | × | 6 | 9 | 2 |
(米国)●ニカイジー、ウィルコックス、ブラウン、アボット、キャラウェイ―ベイリー
(日本)○森下暢、佐藤隼、吉田、伊藤―海野
[本塁打] なし
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (7) | 宇草 | 4 | 2 | 1 | 中前打 | 三振 | 三振 | 中前打① | 四球 | |||
2 | (6) | 児玉 | 2 | 0 | 0 | 投犠打 | 一直 | 遊ゴロ | 死球 | ||||
R6 | 元山 | 1 | 0 | 0 | 三振 | ||||||||
3 | (9) | 柳町 | 3 | 2 | 1 | 投安① | 四球 | 三ゴロ | 左前打 | ||||
4 | (4) | 牧 | 2 | 0 | 1 | 遊併殺打 | 四球 | 右飛 | 右犠飛① | ||||
5 | (D) | 郡司 | 2 | 0 | 0 | 中飛 | 三犠打 | 四球 | 三振 | ||||
6 | (3) | 佐藤都 | 3 | 1 | 0 | 左飛 | 三ゴロ | 捕犠打 | 左前打 | ||||
7 | (2) | 海野 | 3 | 1 | 2 | 遊ゴロ | 左中間二塁打② | 右飛 | 投犠打 | ||||
8 | (8) | 丸山 | 3 | 2 | 1 | 三振 | 左中間三塁打① | 三安 | 四球 | ||||
9 | (5) | 篠原 | 4 | 1 | 0 | 中前打 | 二飛 | ニゴロ | 二飛 | ||||
計 | 27 | 9 | 6 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | |
森下暢 | 5 | 59 | 17 | 1 | 2 | 0 | 0 |
佐藤隼 | 2 | 30 | 9 | 3 | 0 | 1 | 0 |
吉田 | 1 | 12 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
伊藤 | 1 | 14 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 |
計 | 9 | 115 | 32 | 4 | 3 | 1 | 0 |
ベンチ入りメンバー
10 | 篠原涼(4年=筑波大) | 2 | 郡司裕也(4年=慶大) | 8 | 安本竜二(4年=法大) |
11 | 伊藤大海(3年=苫小牧駒大) | 7 | 佐藤都志也(4年=東洋大) | 26 | 田中幹也(1年=亜大) |
14 | 山﨑伊織(3年=東海大) | 12 | 海野隆司(4年=東海大) | 9 | 宇草孔基(4年=法大) |
15 | 早川隆久(3年=早大) | 22 | 古川裕大(3年=上武大) | 24 | 竹村陸(4年=近大) |
16 | 村上頌樹(3年=東洋大) | 1 | 柳町達(4年=慶大) | 25 | 森下翔太(1年=中大) |
17 | 内間拓馬(3年=亜大) | 3 | 元山飛優(3年=東北福祉大) | 28 | 丸山和郁(2年=明大) |
18 | 吉田大喜(4年=日体大) | 4 | 児玉亮涼(3年=九産大) | ||
19 | 森下暢仁(4年=明大) | 5 | 小川龍成(3年=国学院大) | ||
21 | 佐藤隼輔(3年=筑波大) | 6 | 牧秀悟(3年=中大) |
戦評
今年も互角の戦いを演じ、2勝2敗で迎えた日米大学野球選手権大会第5戦。勝った方が優勝という状況の中、日本大学野球の聖地・神宮球場で最後の戦いの幕が下ろされた。法大からは、宇草孔基(営4)が1番・左翼で先発出場。安本竜二(営4)はベンチスタートとなり、代打での出場が期待された。
日本の先発はエース・森下暢仁(明大)。今季の六大学リーグ戦、全日本大学野球選手権と圧巻の投球を続けてきた右腕はこの日米野球でもその実力を遺憾なく発揮した。初回を危なげなく3者凡退で打ち取ると、その後も4回まで安打を許さない完璧な投球を披露。最終的には5回を投げ切り、二塁を踏ませない投球で日本に流れを引き寄せた。
打線は1回から森下暢を援護する。先頭の宇草が中前打を放つと、2番・児玉亮涼(九産大)が犠打で1死二塁の好機を演出。そして、打席には今大会好調の3番・柳町達(慶大)。ここで、日本は走者に対し無警戒だったアメリカバッテリーの隙を突き、エンドランを敢行。柳町の放った打球は投手への強烈な内野安打となり、ボールが転々とする間に宇草が二塁から生還。いきなり『日本らしい』野球で先制点を手にした。
先制のホームを踏んだ宇草はチームメイトに盛大に迎えられる
その後も日本打線は着実に点を重ねる。4回には2死二、三塁から7番・海野隆司(東海大)の左中間適時二塁打、8番丸山和郁(明大)の左中間適時三塁打で3点を追加。そして、7回には1死二塁から宇草が今日2安打目となる中前適時打を放ち、さらに1点を追加した。この回はその後、4番・牧秀悟(中大)の犠飛でさらに得点を加え、アメリカとの差を5点差とした。
貴重な追加点をもたらす中前適時打を放った宇草は塁上で大きくガッツポーズ
一方、投手陣も負けじとその実力を発揮する。5回無失点と好投し、降板した森下暢の後は、佐藤隼輔(筑波大)、吉田大喜(日体大)、伊藤大海(苫小牧駒大)と盤石の投手リレーを見せた日本。アメリカ打線に1点は許したものの、最後まで的を絞らせなかった。最後は伊藤が三者凡退で抑え、投打ががっちりとかみ合った日本が6―1で快勝。見事に3大会ぶり19度目の優勝を果たした。
優勝を果たし、歓喜に沸く日本代表
安本は出場機会を得られなかったものの、前日の第4戦では代打で出場。安打を放っており、初めての代表選出で確かな結果を残した。「本当に良い経験をした」と今大会を振り返り、「自信を持ってリーグ戦に向けて頑張っていきたい」と秋への意気込みを語った。宇草はこの日、2安打1打点1盗塁と躍動。日本の勝利に大きく貢献した。試合後、優勝の余韻に浸りながらも、「法政の春は5位で終わってしまったので、必ず優勝できるようにこの夏必死に、腹くくって練習していきたい」と法大の副将として、気持ちを切り替えた宇草。今大会で確かな成長を見せた2人が秋の戦いに向け、チームにどんな影響をもたらしてくれるだろうか。法大の歓喜に向け、鍛錬の夏が始まる。
(山﨑有馬)
選手インタビュー
宇草孔基 外野手
—まずはじめに率直に優勝した感想をお願いします
自分は守備している時に優勝して、マウンドに集まるのを初めて経験したので、最高でした。
—打撃面ではマルチ安打、1打点と大活躍でした
腹くくって1打席1打席立った結果がヒットにつながって良かったなと思います。
—盗塁も成功し、走塁面でも活躍されました
生田(勉、監督)さんからも谷口(英規、コーチ)さんからも「思い切ってお前の足で行ってこい」と言われていたので、チャンスがあったら思い切っていこうと決めていました。
—先頭打者ということで今日のチーム初安打を放ちました
相手ピッチャーも良い球を投げていて、なかなか捉えきれなかったんですけど、自分の持ち味はセンター前へのヒットだと思うので、良い形で出塁できたと思います。
—先制のホームを踏みました
結構、今回は得点が多かったと思うんですけど、自分で踏めたのはうれしいです。
—今大会、全体を振り返って
本当に財産になったというか、もちろん良かったところも、反省するべきところもあるんですけど、この日米野球を経験させていただいたので、もっともっと成長していかなければいけないなと思います。
—最後に日本代表のファン、そして法大のファンの皆さまへコメントをお願いします
日頃からご声援いただきありがとうございます。日本代表ではマウンドに集まって優勝することができました。法政の春は5位で終わってしまったので、(秋は)必ず優勝できるように、この夏必死に、腹くくって練習していきたいと思います。これからもまた、応援よろしくお願いします。
☆試合前インタビュー☆
—今日までの試合を振り返って
いろいろあったんですけど、2勝2敗という形で、昨日も良い形で勝ったので、今日は本当に優勝する流れだなと思います。
—改めてジャパンのユニフォームを着ての試合はいかがですか
本当に責任を感じますし、誇りを胸にどんな時でも全力で戦っています。
—昨日はマルチ安打でした
外国人の球はパワーもすごくて、みんな良いピッチャーばっかりで、なんとかヒット打って、勝ちに貢献できて良かったです。
—そのアメリカ人投手の印象としては
例えば変化球もパワーとうか力を感じて、どれも良いボールだなと思います。
—日本各地での開催、短期決戦となりますが疲労やコンディションは
移動とかスケジュールも詰め詰めで、きつい部分もあるんですけど、皆さんも条件は一緒ですし、今日は本当に最終戦となるので思い切って悔いのないように腹くくってやりたいなと思います。
—今日の意気込みを
今日は1番なので、たくさん塁に出てたくさんホームに帰ってくることが仕事だと思います。やるべきことはやってきたのであとは腹くくって打席に立つだけなので思い切っていきたいと思います。
安本竜二 内野手
—3大会ぶり優勝、今のお気持ちを教えてください
なかなか勝てていなかったみたいなのでうれしいです。
—今大会を振り返って
個人的には、外国人投手に受け身になっていた自分がいて、なかなか結果は出せなかったのですが、本当に良い経験になりました。今後の人生においても大きな糧になるのではないかと思います。チームとしては、寄せ集めのチームとはいえ、本当に仲が良いチームで、団結力があって、すごく楽しかったです。
—初めての日本代表でした
本当にレベルの高い中でやっていて、その中でも自分を出してやっていかなければいけないという中で、なかなか出せない場面とか、自分がもっと出せた場面とかもいろいろあったと思いますが、本当に良い経験になったと思います。
—試合後、アメリカの選手とバット交換されていました
「バットチェンジ」と言われたので、「あーOK!」という感じで交換しました(笑)。
—今後の目標は
本当に良い経験をしたので、自信を持ってリーグ戦に向けて頑張っていきたいと思います。
—最後にファンの皆さんに向けて一言お願いします
個人的には活躍できなかったですけど、(この日米野球の)経験を生かしてまた頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。
フォトギャラリー
- 試合前セレモニーで首脳陣とグータッチをする宇草
- 始球式は高橋由伸氏が務めた
- 2安打1打点1盗塁の活躍で日本の勝利に貢献した宇草
- 森下暢、柳町、早川が各賞を受賞し、六大学の選手の活躍が光った
- 試合後、米国の選手とバットを交換する安本
- 試合後には記念撮影を行った
- アメリカ代表とともに撮影に応じた
- 貴重な経験を積んだ2人の今後の活躍に期待だ