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【硬式野球】東京六大学野球2021秋季リーグ戦 第6週 明大2回戦 4年生が奮闘 チーム一丸となったプレーを見せ、ラストゲームを終えた!

東京六大学野球2021秋季リーグ戦 第6週 明大2回戦
2021年10月27日(水)
神宮球場

ついに迎えた最終戦。法大は前日緊急登板した山下輝(営4=木更津総合)が5回途中を2失点。6回に浦和博(キャ2=鳴門)、小池智也(営4=八戸学院光星)の連打で逆転。7回に2死満塁から登板した三浦銀二(キャ4=福岡大大濠)が逆転を許すも、その裏に岡田悠希(人4=龍谷大平安)、宮﨑秀太(営3=天理)の連打で再び逆転に成功した。しかし、9回に三浦が失点。引き分けで終わったが、4年生が奮闘し、学生生活最後の試合でチーム一丸となったプレーを見せた。

4年生にとっては学生生活最後の試合になった

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
明 大 1 0 0 0 1 0 3 0 1 6 8 0
法 大 0 0 0 0 0 4 2 0 0 6 14 1

(法大)山下輝、扇谷、武冨、三浦—村上
(明大)竹田、藤江、高橋、西城、村田—蓑尾
[本塁打] なし

 

打撃成績

打順 位置 選手 打率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (8) 岡田悠 5 3 1 .216 三振 三振 一安 右2① 右2
 R 木下 0 0 0  —
2 (7) 宮﨑 5 3 1 .273 中安 中飛 右安 右安①   三振
3 (4) 齊藤大 3 2 0 .438 二ゴ 右2 四球 遊安 四球
4 (3) 4 1 3 .276 一ゴ 左飛 左2③ 二飛
 3 松田 1 0 0 .000 遊ゴ
5 (9) 諸橋 2 0 0 .067 三ゴ 右飛
 H 小池 1 1 1 .167 左2①
 R 高原 0 0 0 .000
 1 武冨 0 0 0  —  
 1 三浦 1 0 0 .200 右飛
6 (5) 高田 2 0 0 .111 一ゴ 三振  
H9 西村 2 0 0 .206   中飛 二ゴ
7 (2) 村上 4 2 0 .333   二直 左安 左安 二直
8 (6) 海﨑 4 1 0 .200   右安 一直 遊ゴ 右飛
9 (1) 山下輝 1 0 0 .167   投併
 1 扇谷 0 0 0  —  
H5 今泉 2 1 0 .174   左邪 左2
 5 中原 1 0 0 .182   中飛
38 14 6 .232

 

投手成績

球数 打者 防御率
山下輝 4 2/3 82 21 4 5 3 1 0.98
扇谷 1 1/3 25 4 0 3 0 0 3.68
武冨 0 2/3 20 6 1 0 3 3 23.63
三浦 2 1/3 36 10 3 4 1 1 4.62
9 163 41 8 12 7 5 3.24

 

ベンチ入りメンバー

10 三浦銀二(キャ4=福岡大大濠) 42 吉安遼哉(法1=大阪桐蔭) 1 岡田悠希(人4=龍谷大平安)
15 石田旭昇(文3=東筑) 2 中原輝也(人4=尽誠学園) 3 小池智也(営4=八戸学院光星)
16 尾﨑完太(キャ2=滋賀学園) 4 齊藤大輝(人3=横浜) 7 諸橋駿(法4=中京大中京)
18 古屋敷匠眞(営4=八戸工大一) 5 松田憲之朗(キャ3=龍谷大平安) 8 宮﨑秀太(営3=天理)
19 扇谷莉(営3=東邦) 6 海﨑雄太(文3=埼玉栄) 33 西村友哉(法1=中京大中京)
21 山下輝(営4=木更津総合) 24 高原侑希(法2=福井工大福井) 37 浦和博(キャ2=鳴門)
47 武冨陸(営2=日大藤沢) 35 今泉颯太(法2=中京大中京) 38 木下将吾(文3=静岡)
20 是澤涼輔(現3=健大高崎) 36 高田桐利(営3=広陵)
27 村上喬一朗(法3=東福岡) 39 肥後幸太(法3=法政二)

戦評

試合前のシートノック時には振っていた雨も上がり、法大の今季最終戦が幕を開けた。

先発は、前回先発の慶大2回戦では、自身初となる無四球完投を果たした山下輝(営4=木更津総合) 。
先頭打者を四球で歩かせると、盗塁と村上喬一朗(法3=東福岡)の悪送球でいきなり無死三塁のピンチを迎える。
続く打者の左前適時打で先制を許すも、後続を抑え初回を最少失点で切り抜ける。


前日に緊急登板も予定通りに先発した山下輝

打線は3回に先頭の8番・海﨑雄太(文3=埼玉栄)が左前安打で出塁するも、9番・山下輝が犠打に失敗し、併殺打となるなど、なかなか得点機を広げられない。

3回まで2安打に抑えられていた打線は4回、齊藤大輝(人3=横浜)がこの試合初の長打となる二塁打で出塁。打席には昨日の試合で勝ち越し適時打を放った浦和博(キャ2=鳴門)。ここは6球目を打ち上げ左飛に終わると、5番・諸橋駿(法4=中京大中京)も倒れ同点機を生かせない。

2度目のピンチは直後の5回。先頭に二塁打を浴びると、犠打で1死三塁のピンチ。打席には山下輝と同じく、昨夜リーグ優勝を決めた東京ヤクルトスワローズからドラフト2位指名を受けた明大の主将・丸山和郁。3球目を二ゴロに抑えここは山下輝に軍配が上がるも、続く打者に内野安打を許し、痛恨の2点目を奪われる。
続く打者に四球を与えたところで、加藤重雄監督は2番手の扇谷莉(営3=東邦)にスイッチ。4球目で左飛に打ち取りピンチを抑えると、6回も3者連続三振を奪う完ぺきなリリーフでチームを鼓舞する。

するとその裏、1番・岡田悠希(人4=龍谷大平安)、2番・宮﨑秀太(営3=天理)の連打と四球で満塁のチャンスを作ると、前の打席チャンスで凡退した浦が走者一掃となる左越二塁打で逆転。
続く打者は、今季は代打で7打席安打のなかった代打・小池智也(営4=八戸学院光星)。左中間を破る適時二塁打が飛び出し点差を2点に広げる。打者8人5安打の猛攻で逆転に成功した。


小池は大学最後の打席で結果を出した

7回に3番手の武冨陸(営2=日大藤沢)が1点を奪われ、なおも2死満塁のピンチを作ると、主将の三浦銀二(キャ4=福岡大大濠)が通算50試合目のマウンドへ。だが初球、内角の直球を詰まりながら中前に運ばれる2点適時打を許し、試合は再びビハインドに。

だが今日は打線に活気があった。その裏、9番・今泉颯太(法2=中京大中京)が二塁打で出塁すると、岡田悠が初球を叩き、適時二塁打ですぐさま同点に追いついた。試合を振り出しに戻すと、宮﨑も詰まりながらも右前に運ぶ連続適時打を放ち、再び勝ち越した。

7回には逆転適時打を浴びるも、8回には3者連続三振を奪うなど意地を見せた三浦。1点リードで迎えた最終回のマウンドを法大はエース兼主将の三浦に託す。
先頭に二塁打を打たれ、無死二塁のピンチを迎えると、ここまで2打点の2番・陶山勇軌の打球は中堅へ。タッチアップには十分の距離かと思われたが、岡田悠からの素晴らしい返球でタッチアウト。2死走者なしと今季2勝目まであとアウト1つまで追い込んだが、同じく今季最終戦となる明大も譲らない。四球で走者を出すと、続く上田希由翔に右中間を破る同点適時二塁打を放たれ、土壇場で同点に追いつかれてしまう。


7回からリリーフし、最終回まで投げた三浦

何とか1点が欲しい9回裏の攻撃は岡田悠の二塁打などで2死一、二塁の得点機を作るも途中出場の松田憲之朗(キャ3=龍谷大平安)が遊ゴロに倒れゲームセット。
今季6度目の引き分けで今季の戦いを終えた。

投手陣では27回 2/3を投げ防御率0.98と安定感を見せた山下輝や、1年生ながら東大2回戦に先発し好投した篠木健太郎(営1=木更津総合)などが奮闘。打撃陣も昨季ベストナインを獲得した齊藤大が.438と今季も打線をけん引すると、今季からスタメンマスクを勝ち取った村上も、初本塁打を放つなど齊藤大に次ぐチーム2位の打率を残し存在感を示した。一方でチーム全体では得点機を作るもあと一本が出ず、リーグ5位の27得点と得点力に課題が残った。

(記事:山田陸斗、写真:東夏紀)

クローズアップ:三浦銀二

決して理想通りの最後ではなかった。それでも、三浦銀二(キャ4=福岡大大濠)は4年間法大のマウンドに立ち続けたエースとしての姿を見せた。

7回から登板した武冨陸(営2=日大藤沢)が犠飛で1点を失い、連続四球を出すなどして2死満塁となった場面でマウンドに上がった三浦。チームを勝利に導くためにも抑えたい場面だったが、山田陸人に初球を中堅前に弾き返され、2失点。逆転を許した。しかし、その裏に岡田悠希(人4=龍谷大平安)の適時二塁打、宮﨑秀太(営3=天理)の適時打で再逆転。援護をもらい、「勝つ」と臨んだ8回は3者連続三振を奪った。三浦は9回もマウンドへ。先頭の丸山和郁に二塁打を許すも、続く陶山勇軌の中飛でタッチアップした丸山を岡田悠が捕殺。2死とした。しかし、村松開人に四球を与えると、上田希由翔に2球目に投じた変化球を捉えられ、同点に追いつかれてしまった。なおも一打負け越しのピンチを背負ったが、集大成のマウンド。打たれるわけにはいかなかった。7回に逆転打を浴びた山田陸を自身の武器である直球で空振り三振に打ち取った。

1年次からデビューするも、順風満帆ではなかった4年間。「山あり谷ありの4年間でした」と語るように、2年次までに通算8勝を挙げるも、3年次は未勝利。「何をやっても上手くいかないという感じで、自分がやりたいことと自分ができることがマッチしなくてすごくしんどい時期でした」。その苦しい日々を乗り越え臨んだ昨季、開幕戦の慶大1回戦で無安打完投勝利(ノーヒット・ワンラン)を達成し、完全復活。その後は打線が沈黙する中で、慶大1回戦を含め3試合連続完投。エースとして必死に腕を振り続けた。有終の美を飾るべく臨んだ今季は、新型コロナウイルスの集団感染の影響により過密日程に。5回を持たずに降板する時もあり、1ヶ月半のブランクがある中でなかなか本調子とはいかなかった。そして迎えた今日のラスト登板は、2回 1/3を1失点という結果だった。

「(9回は)詰めの甘さが出たイニングでした」と三浦。「終わりよければすべて良しということで、最後しっかり投げて終われたら良いなと思います」と試合前に語っていた三浦にとって、悔しいラスト登板となった。だが、通算投球回である192回 2/3と、通算完投数である7完投は現役最多。この4年間、誰よりも長く三浦がマウンドに立ち続けてきた証だ。

1年次からエースとして、そして4年次はエース兼主将としてチームを引っ張るその姿に、法大ファンならず六大学ファンは魅了されてきた。三浦の卒業は、法大の一つの時代の終わりすら感じさせる。だが、「頼もしい後輩たちがいるので、新チームに対して心配はしていないです」と三浦。その言葉通り、尾﨑完太(キャ2=滋賀学園)や篠木健太郎(営1=木更津総合)が今季は主戦投手として活躍した。「先輩として良い形でチームを渡したい」。勝利こそできなかったが、今日の三浦の36球をファンも、そして後輩も忘れないだろう。

(五嶋健)

選手インタビュー

三浦銀二 主将

ー今日の試合を振り返って
すごく一体感がありました。

ー苦しんでいた4年生野手陣も奮闘しました
最後ですが、すごく気持ちが入ったいいゲームでした。

ーラスト登板となりました
すごく感慨深かったです。

ー前日に先発しての登板。疲れなどは
ありません。ただ勝ちたかったです。

ー7回に勝ち越しを許しましたが、8回は3者凡退。どんな心境で8回は臨みましたか
勝つという思いでした。

ー9回は悔しい結果となってしまいました
詰めの甘さが出たイニングでした。

ー4年間応援してくださったファンの方にメッセージをお願いします
これまで応援してくださって本当にありがとうございました。
これからも法政大学の応援をよろしくお願いします。

岡田悠希 副将

ー7回、適時打の打席はどのような思いで打席に立ちましたか
絶対打ってやろうと思って打席に入りました。

ー9回には強肩で走者を刺すなど守備面でもいいプレーが見られました
最後の試合で絶対に勝ちたかったので、その気持ちがプレーに出たのだと思います。

ー今季を振り返って
個人としてもチームとしても悔しいシーズンでしたが、最後にチームが一つになれたのでよかったです。今季たくさんの人のお陰で試合が出来たので本当に感謝しています。

山下輝 投手

ー今日の投球を振り返って
悪いなりに良く粘ったと思います。

ー昨日の試合の疲れは
全然ないです。

ー試合前に村上選手と話したことは
最後だし思いっきりやるか!って感じです。

ー4年生へ向けての言葉は
ベンチに入ってない人が多い中で出ている4年生が打ってくれたのは本当に嬉しかった。最後に意地を見せられてよかったです。本当にありがとう。

ー後輩へ向けて一言お願いします
スタメンは3年生以下が多い中でいい経験ができたんじゃないかと思います。頼りになる4年生だったかはわからないけど、沢山、支えてもらった。
ありがとう!来年勝て!

ー応援してくれたファンへ向けて一言お願いします
なかなか勝てませんでしたが、球場に足を運んでいただきありがとうございました。毎回、声援が力になっていました。
ありがとうございました。

小池智也 外野手

ー今季を振り返って
最後の最後でチームの力になれて良かったです。

ー6回裏、代打が告げられた時どのような気持ちで打席に入りましたか
最後だと思ったので楽に入れました。

ー安打の感触は
完璧です。

ーベンチに戻った際、岡田悠選手とやり取りをされていました
ベンチに戻ったらチームメイトと悠希が迎えてくれたので自然でなりました。

ー応援してくれたファンの皆さんに一言お願いします
4年間応援ありがとうございました。
これからも法政大学を宜しくお願いします。

宮﨑秀太 外野手

ー逆転の適時打を放った7回、どんなことを考えて打席に
なんとかランナーを返したいという思いです。

ー7回の打席、打った後の感触は
詰まったんですけど、落ちてくれて良かったです。

ー3安打と好調でしたが、今日の打撃での活躍を受けて
今季は打撃の調子がなかなか上がらなくて苦しかったですが、最終戦で打てて良かったです。

ー今日の試合で感じた課題は
サヨナラの場面でしっかり結果を残すことです。

ー4年生との最後の試合でした
最後は勝って終わりたかったですがいい試合ができてよかったです。

ー今季を振り返って
今季はなかなか思うような成績を残すことができずチームにも迷惑をかけてしまったので、そこはこれからの課題だと思います。

浦和博 外野手

ー今日の試合を振り返って
勝ち切れなかったことは悔しいですが、最終戦に相応しい試合だったと思います。

ー最終戦で意識したことは
気持ちを全面に出していこうと思ってました。

ー勝ち越しの場面どんな気持ちで打席に
絶対打とうという気持ちです。

ー来年に向けて一言お願いします
自分の課題を克服して、いい結果を出せるように練習します。

フォトギャラリー

試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式ツイッター、また公式インスタグラムに掲載いたします。

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