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【硬式野球】東京六大学野球2023春季リーグ戦開幕直前特集 監督・助監督編 ~加藤重雄監督、大島公一助監督~

2022年3月24日(金)

ついに明日、開幕する東京六大学野球春季リーグ戦。春季リーグ戦開幕直前特集最終回となる今回は法大首脳陣の加藤重雄監督、大島公一助監督のインタビューをお届けする。(全8回)

法大を率いる加藤重雄監督。守りの野球で頂点へと導く。

監督・助監督インタビュー

加藤重雄 監督

―ここまでのオープン戦の状況は
成績はそんなによくないんですが、目的とするところは徐々にできています。2月より今月の方がよくなっているという手ごたえを感じます。

―目的や目指すところというのは
毎年目指すところは同じなんですけど、ピッチャーを中心とした守りの野球ですね。やっぱり、リーグ戦では各大学のエースが出てきますので、そんなにヒットを連ねて得点を取れるというのは想定しずらい試合展開ですので、同じようにうちもエース級を投げさせるわけですから、点をやらない、守り切って1点、2点差で勝利すると。そういう展開に結びつけば。もっといえばピッチャーがしっかり投げ切らないと勝てないと思っています。

―『守り勝つ野球』で大事になってくるのは投手。今年の投手陣は
去年の反省点で「しっかり投げられるようになる、投げる体力をつけよう、もちろんその上でコントロールもつけよう」と取り組んできて、キャンプ中では成果に出なかったんですけど、ここ数試合で調子も上がってきてますので、特に尾﨑(キャ4=滋賀学園)、篠木(健太郎、営3=木更津総合)には期待大です。

―尾﨑投手、篠木投手が軸
そうですね。そこは外せないところだと思います。

―今年の投手運用の方針は
一番いいのは先発完投なんでしょうけど、なかなか体力的にもプレッシャーがかかった試合で完投するというのは難しいとは思うので、できたら先発が7回くらい持ってくれて、あとはリリーフ陣、塙(雄裕、法4=常総学院)、武冨(陸、営4=日大藤沢)、吉鶴(翔瑛、営3=木更津総合)ら辺で逃げ切れればと思います。

―では今年の野手陣の方は
例年もいい選手はいたんですけど、平均的に機能発揮してくれそうな気がしています。

―野手で中軸になってくるのは
一番期待していて、去年から出ている今泉(颯太、法4=中京大中京)ですね。キャプテンも今年務めますし。安定的な力を出してくれることを期待しています。得点源になると思います。あとは私が一つのポイントにしているのが、スイッチヒッターで去年は代走が主だった鈴木(大照、文3=明徳義塾)という選手がいますので、足も速いですし、その辺の機能発揮が大きなポイントになると思います。

―今泉選手の主将としての姿は
期待どおりと言っていいんでしょうけど、3年生の時は4年生がいたので、黙々と野球に取り組む姿があり、その姿を見てキャプテンにはいいのかなと思っていたら、今度は発言も十分でして、チームに対する指示だったり指摘だとかも自分が感じたときに発することができる。私はいい人材をキャプテンに選んだなと思います。

―先日、新1年生の入寮がありました。今年の新1年生は
ピッチャーをいっぱい取りましたけど、野手はひょっとしたら1年生の出番もあるかなと。具体的には藤森(康淳、営1=天理)。セカンドもサードもできますし、とにかく足が速いですし、とにかく野球センスがいいんで、ひょっとしたら出番が来ることもあるでしょうし、チーム力アップにつながる選手だと思っていますんで、期待の1年生ですね。

―SSIの選手は人数が減っています
そうですね。今年から13名になっているんですが、まあ1名でも多く取れればいいのはいいんですけど、13名取れれば戦力的には十分だと思います。

―投手が多く、”二刀流”のような選手もいます
昔ピッチャーはだいたい4番を打っていて、二刀流というのはあたりまえのようなことだったんですよね。ただ、今は専門性を重んじて、ピッチャーはピッチャー、野手は野手ということなんでしょうけど、基本的にピッチャーは野球能力が高いからピッチャーをするんで、打たせたら打力も優れた人間もいると思います。ただ、うちに入ってくるときにはどっちかに選択して練習してもらうようにしています。

―ファンの方へメッセージ
ちょっとここ1、2年うまくいかず4位や5位が続いていますが、本当に決まり文句やただ単なる決意じゃなくて、今年の春は必ず優勝できると信じて選手と一緒に戦ってまいりますので、応援をよろしくお願いしたいと思います。

(取材・皆川真輝)


加藤 重雄(かとう・しげお)
1956年4月20日生まれ
鳥取県出身・鳥取西高→法政大学→日本生命
『現役時代は投手としてプレーし、4年次には春秋合わせて9勝を挙げる活躍。卒業後は日本生命でプレー。2021年から法大を率いる指揮官。低迷が続く名門の復活へ、辣腕を振るう。』

大島公一 助監督

―今のチームの状況は
それなりに順調にはきているかなというところですね。やはり悔しさを持っているので、それを胸に秘めながら、闘志がどんどん燃えてきているなという感じはします。

―昨年は得点力不足に悩まされました。改めて昨年を振り返って
他大学のエースピッチャーというのはいいピッチャーが多いですし、なかなかそういった投手を打ち崩すのは難しい、そういうシーズンだったと思います。

―得点力を上げるというのは課題になると思います。このオフに重点的に取り組んだ点というのは
得点力を上げるというよりは、まずは守りを固めるということが六大学で優勝するためには必要かなともともと感じています。守りを固めるということを優先的に考えつつ、あとは1点を取りにいく野球ですよね。やはりそこをみんなで考えながらやっているという状況です。

―その成果はどれほど発揮できているか
どうなんでしょうね。オープン戦は昨年もそんなに悪い成績ではなかったような気がしておりますし、得点力もあったように思いますし、オープン戦と本番の違いはやっぱりあるのですが、悪い状況ではないと思います。

―開幕まで仕上げたい点というのは
特に大きなことをやるというよりは確実にできることをつめていきたいなと思います。基本的なことを大切に、今から準備していきたいなと思います。

―ファンのみなさまへメッセージをお願いします
私が来てから2年間、なかなかいい成績が出ず、期待に応えられず残念なシーズンが多かったんですけれども、こうやってコロナも開けて、WBCもあり、少しづつ野球人気が盛り上がっている状況です。法政大学野球部もこの波に一緒に乗っていけるような熱い試合をやりたいと思ってますし、ぜひぜひ法政大学野球部の学生たちを応援していただけたらなと思っております。よろしくお願いいたします。

(取材・皆川真輝)

大島 公一(おおしま・こういち)
1967年6月17日生まれ
東京都出身・法政二高→法政大学→日本生命→近鉄→オリックス→東北楽天
『大学時代は東京六大学のベストナインを3度受賞。社会人の名門・日本生命を経て飛び込んだプロ野球ではつなぎの打撃と好守で3球団にわたって活躍し、ブルーウェーブ時代の1996年にはイチローや田口壮らのスターとともに日本一に貢献した。ゴールデングラブ賞を3度受賞した卓越した守備力を選手たちに還元し、守りの野球を支える。』

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