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【テニス】2023年度王座出場校決定リーグ 対慶大 シングルスでインカレ王者に勝利するなど粘りを見せたが、惜敗。悲願の王座が遠のく結果となった・・

2023年9月1日(金)
2023年度王座出場校決定リーグ 対慶大

王座出場権をかけて行われるリーグ戦。今年度は4年ぶりの有観客試合に加え、有明テニスの森公園で開催。悲願の王座出場・優勝に向け例年以上に注目が集まるリーグ戦となった。法大の3戦は戦は慶大との対決。第2戦で日大に敗戦したため、何としても勝利をつかみたかったが、あと一歩及ばず惜敗。自力での王者出場は潰えた。

試合結果

トータル試合結果

法政大学

ダブルス

2

5

慶應大学

シングルス

ダブルス

勝敗 選手名 スコア 対戦相手
D1 大田空(スポ4)・加藤木塁(経4) 3-6,(5)6-7 藤原智也・下村亮太朗
D2 佐藤太耀(現福4)・原田悠仁(現福2) 3-6,6-4,9-11 有本響・菅谷優作
D3 新井翼(スポ3)・大西洋平(経3) 7-6(7),1-6,12-10 高木翼・林航平
勝敗 選手名 スコア 対戦相手
S1 大田 6-3,6-2 藤原
S2 新井 2-6,7-5,3-6 下村
S3 松崎稜太朗(スポ2) 7-6(3),1-6,0-2RET 菅谷
S4 佐藤 3-6,6-3,6-2
S5 森田凌矢(社4) 2-6,3-6 高木
S6 大西 6-1,6-3 眞田将吾

戦評

ダブルス

ダブルス1番手に抜てきされたのは大田空・加藤木塁。対する相手は村田英夢・山中朝陽。昨年度夏関準優勝と新進気鋭のペアとの対戦となったが、インカレ王者としてミスのない安定した試合運びで快勝した。
ファーストセット。2人の持ち味である前に出るダブルスで鉄壁の守りを見せる。相手のストロークも正確にボレーで流し着実に得点を重ねる。1度も流れを渡さないまま6-1でセットを取った。続くセカンドセットでも終始主導権を握り、危なげない試合運びで6-2と快勝した。
大田・加藤木は安定した試合運びで流れを引き寄せ、チームを勝利へ導く1勝目となった。

今回がリーグ戦初出場である原田・山田ペア。堂々のダブルス2番手に抜てきされた。スタートから原田の鋭いサーブとリターンで相手を圧倒し順調に試合を進めるも、緊張からか、チャンスを決めきれないシーンが続く。だが、原田・山田ペア持ち前の笑顔でペアの雰囲気が崩れることはなく、さらにチームの間でも応援が盛り上がりを見せ徐々に調子を取り戻していき、ファーストセットを7-5で勝ち取った。その後も勢いが途絶えることはなくセカンドセットを6-3で取り、初のリーグ戦でストレート勝ちを決めた。

ダブルス3番手で登場したのはインカレから好調を維持している新井翼・大西洋平ペア。ファーストセットから新井のリターンが相手前衛の横を抜いたり、大西の鋭いサーブが相手のミスを誘ったりと、その好調さを存分に発揮する。またスマッシュの精度も抜群で相手と一進一退の攻防を続ける。その後タイブレークまで試合がもつれたが、この緊張する場面でも新井と大西は冷静かつ的確なショットでタイブレークを制し、ファーストセットを奪う。しかし続くセカンドセットを取られると、ファイナルセットでも相手にリードを許し、あと1点で敗戦の状況を作ってしまう。ただ新井・大西ペアはこの絶体絶命の状況から連続ポイントを奪い、試合をデュースに持ち込むと、最後のポイントを奪い勝利が決まった瞬間、ガッツポーズを見せ喜びを爆発させた。大田・加藤木ペア、佐藤・原田ペアが敗れたものの、新井・大西ペアが一矢報い、チームに大きな1勝をもたらした。

 

シングルス

シングルス3戦目に登場したのは松崎稜太朗(スポ2)。勝利してチームに勢いをつけたい。ファーストセットから長いラリーが続く長期戦となるが、松崎が自らのショットでポイントを積み重ねるなど状態の良さを発揮する。ただ強いボールを打つだけでなく、この日は緩いボールで相手をネット際に出させてからストロークを決めるシーンも見受けられ、強弱をうまく使い分けながら試合を支配した松崎がファーストセットを奪取する。セカンドセットもこの調子でいきたいところだったが、松崎の体に異変が起こる。1-2からの4、5ゲームを簡単に相手に奪われると、足を気にするシーンが見られるようになる。序盤からかなり走らされた影響か、全力プレーができない状態に。その状況を相手に巧みに利用され、ネット際のショットを打たれ、ボールに追いつけない状態が続いてしまった松崎。そのままセカンドセットを落とすと、その後も体の状態が良くなることはなく、最後は松崎が棄権。予想だにしないまさかの幕切れとなった。

 (記事、写真:脇野剛・東夏紀)

選手コメント

大西洋平・新井翼

―今日の2試合を振り返って
新井:ダブルスは春関でも勝ったことのある相手ではありますが、インカレではベスト4に入るなど成長を遂げているペアで、今日もサーブキープを相手にされましたし、ブレイクできそうな場面でもなかなか簡単には取れませんでした。ただリードされている状況でも、インカレやリーグ戦などで培った経験を生かし、発揮することができたのではないかと思います。ファイナル10ポイントは、最初は良い形で入れたのですが、途中相手にリードを奪われる状況を作ってしまいました。5-9と追い込まれましたが、その後は1球でも多くボールをコートに返していくことができましたし、攻めることができたので結果的に勝つことができました。2人でしっかり戦えた試合だったと思います。シングルスでは、チームが4-4で慶大に追いついて、自分の試合でチームの勝敗が決まる状況となり、4-4で回ってきたのは初めての経験でしたし、自分も気合が入りました。実力の部分を考えると相手のほうが実力はあると思うのですが、団体戦としてチームで戦ったからこそ最後まで競った試合になりましたし、勝つチャンスはあったのかなと思います。戦った人にしかわからないプレッシャーがあったので、これはプラスに捉えて残りのリーグ戦に生かし、王座に出場したいと思います。

大西:ダブルスでは最初の明大戦では負けたのですが、続く日大戦では勝つことができて、その勝利があったからこそ2人なら戦えるという自信につながりました。今日勝てたのも自分たちのプレーができたこともありますし、自らを信じることができたからだと思います。相手が少し引いてくれた状況で自分たちが思い切りのあるプレーができたり、ポーチに出たりすることができた分、最後の最後で逆転勝利につながったのかなと思います。シングルスは相手が1年生で、自分もシングルスは今回で2回目だったこともあり、両者あまりシングルスの試合に慣れていない状況ではありました。その中でも自分が得意なところでは着実に点を取り、苦手なところで粘れることができたので、勝つことができたと思います。普段からトレーニングを入念に行っているからこそ、シングルスでもダブルスでも最後の最後まで粘れているのかなと思うので、良かったです。

―大西選手はシングルスとダブルスで勝利しましたが、状態は

大西:ダブルスはインカレでも結果を残すことができ、今回のリーグ戦でも日大戦と今日の慶大戦で勝つことができました。自分たちでも自信がついていますし、良いプレーができたなと思っているのですが、シングルスはすごく調子が良いというわけではありません。自分のプレーにはあまり満足していませんが、その状態でも勝ちを拾っていけるように意識しながらプレーしています。調子が悪い中でも、端から見たら調子が良いように見えるふうに見てもらえたら嬉しいです。

ーダブルスのファイナルセットは、見事な逆転勝利でしたが、勝因は
新井:ペアを組み始めてからファイナルの10ポイントまで試合がもつれることが、けっこうあるんですけど、自分たちはファイナルの10ポイントの戦い方に自信がついてきましたし、負けていても自信があるからこそ、いけるのではないかと常に思っていますし、運もあるとは思うのですが、どれだけ厳しい状況でも、攻めることで勝利につながるのかなと思います。
大西:今まで勝ってきたという自信と、状況的には追い込まれた後はもうやるしかないと思い、気持ちを切り替えて思い切りのあるプレーができたからこそ勝利につながったと思います。

―今後の目標
新井:シングルス、ダブルスともに日本一になれる実力はあると思っているので、まずリーグ戦をしっかり勝ち切って、そこから始まる様々な大会や試合でシングルス、ダブルスともに優勝を目指して頑張っていきたいと思います。
大西:今はリーグ戦で出場する試合に全部勝つということを目標にして、ダブルスは(新井)翼と一緒に勝っていきたいですし、シングルスも自分の調子どうこう関係なく勝利できたらなと思います。

―次の試合への意気込みをお願いします
新井:ダブルスは今2連勝中で、勢いづいているので、ダブルスはこの調子で引き続き頑張っていきたいです。シングルスは今日は敗れましたが、強い相手に良い試合まで持っていくことができて自信にもなっているので、明日はシングルス、ダブルスともに勝てるように頑張っていきたいです。
大西:ダブルスで出場するなら1勝、シングルス、ダブルスともに出場するなら2勝できるように頑張ります。

佐藤太耀主将

―シングルス、ダブルスの2試合を振り返っての感想
ダブルスに関しては、あと1点自分が取れていればチームは勝利できたので、負けてしまったことはとても悔しいです。ただ後輩たちが本当に頑張ってくれたので、嬉しさも感じています。

―主将として迎えた最後のリーグ戦はどういった心境で臨んでいますか
小さい頃から続けていたテニスが終わりに近づいているということもあり、今回のリーグ戦を勝って、王座に出場することを考えて1年間練習していました。

―ダブルスでともにペアを組んだ原田選手の印象
初めて組んだんですけど、頼りになる男だなと思いました。最初チームに入ってきたときは、少しなよなよしていた部分がありましたが、今日実際にペアを組んでみて非常に頼りがいがありましたし、楽しかったです。

―シングルスの試合を終えての手応え
この1年間、自分自身あまり良いプレーができていなかったということもあり、悩んでいました。あまり調子が上がらないまま今回のリーグ戦を迎えて、最初は自分の中で不安はすごくあり、プレーが小さくなってしまったのですが、途中から団体戦でみんなが応援してくれる姿を見て、少し自分の中で昔のプレースタイルというか、自分は強く振り切ったときに1番良さが出るんだと思い出すことができました。そこからはすごく良いプレーもできるようになりましたし、良かったです。

―今回のリーグ戦含め後輩たちの躍動はどのように感じていますか
いやもう、全員が最高のプレーをしてくれていると思いますし、主将から見るともう感謝しかないですね。

―次の早稲田戦に向けて
早稲田戦は9-0で勝ちます!

大田空・松﨑要喬

ー今日の試合を振り返って
大田:勝てるとは思っていなかったので、楽しくやってその結果気づいたら勝てました。相手が絶好調でないのもあったのですが、楽しく楽しくやって、だからこそ良いプレー、自分らしいプレーができました。

ー勝てた1番の要因は
大田:迷いがなかったところです。勝ちが見えたところで勝ちビビりをしてしまったり、ファーストのセットが取れるところで引いたところもあったのですが、1、2ポイント悪いプレーがあっても普段は委縮しちゃうのですが今日は強気でできました。そこはリーグ戦だったから気持ちで勝てたのかなと思います。

松﨑選手はベンチコーチとして
松﨑:(大田)空さんのサーブがダブルスの時と比べてファーストの確率が高かったのも勝てた要因だと思います。(大田)空さんの得意のバックハンドも相手の選手に効いていて相手の普段のプレーを封じられてたのも良かったと思います。

ベンチコーチとして意識していることは
松﨑:ダブルスに関しては、大田・加藤木ペアに言うことはあまりないと思っているので、基本的にファーストサーブや出だし、1本とってほしいところで掛け声をしています。他のチームはそこを怠る所が多いので、自分が声を出すことで選手に良い雰囲気になってくれればということだけを考えていました。

リーグ戦残り2試合への意気込みをお願いします
大田:王座はもうほとんどなくなってしまったのですが、入替戦に行かないことが後輩に残せることだと思うので、4年生の宿命として頑張っていきたいです。僕個人としてもチームで戦うのはあと2戦なので体がぶっ壊れても頑張って、自分のプレーを貫いて何かしら後輩たちに残せたらと思います。
松﨑:僕ができることは選手が自分の力を最大限出すために声を出すことだと思うので、この2日間で喉をしっかり治して千寿が全力で戦えるように声出し頑張ります。


松﨑は大田・加藤木のダブルス、大田のシングルスでベンチコーチを務めた

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