関東学生アメリカンフットボールリーグ 第6戦 対慶大
2025年10月26日(日)
アミノバイタルフィールド
秋季リーグ第6戦は慶大と激突した。試合はRB小松桜河(文4=日大三)の2つのTDと、WR山本健二朗(情4=日大二)のTDで優位に進める。ディフェンス陣は立大戦に続き、相手にTDを許さず。21-0で完封勝利を飾った。次戦は秋季リーグ最終戦。相手はここまで全勝の早稲田大学。勝てば逆転での関東王者となる頂上決戦は11月9日(日)、横浜スタジアムを舞台に13時キックオフだ。
試合結果
|
法政大学ORANGE |
7 | 1Q | 0 |
慶應義塾大学UNICORNS |
|---|---|---|---|---|
| 7 | 2Q | 0 | ||
| 0 | 3Q | 0 | ||
| 7 | 4Q | 0 | ||
| 法政大学ORANGE | 21 | Total | 0 | 慶應義塾大学UNICORNS |
試合得点
| Q | ポジション | 選手 | 得点方法 | トライフォーポイント(以降:TFP) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | RB | 小松桜河(文4=日大三) | タッチダウン(以降:TD) | ○ |
| 2 | RB | 小松桜河 | TD | ○ |
| 4 | WR | 山本健二朗(情4=日大二) | TD | ○ |
戦評
雨の中での一戦となった今試合はK高城颯真(経4=法政二)のキックオフで開始されると、リターナーに対するDB杉山源(人3=駒場学園)のタックルにより慶大の攻撃は敵陣8ヤードからとなる。このシリーズはDL吉田祥真(人4=法政二)のノーゲインに抑えるタックルもあり、3rd outに抑えて攻撃権は法大へ。自陣32ヤードからの攻撃はRB中川達也(法4=明治学院)のランやWR阿部賢利(営3=法政二)へのパスにより、自陣42ヤードまで前進する。続く1st&10で中川へスクリーンパスが通るもゲインには至らず。それでもその後の3rd&11でQB齊藤空大(法4=駒場学園)からWR須加泰成(営4=足立学園)へのロングパスが成功。さらにRACにより約60ヤードのビッグゲイン!

先制のTDにつながる須加のビッグゲイン
敵陣ゴール前2ヤード地点まで前進すると、最後は1st&goalでRB小松桜河(文4=日大三)がランTD!TFPを高城が決めて7ー0と今試合も先制に成功した。再開後の慶大の攻撃は敵陣32ヤードから。相手QBのランプレーにより1stダウンを更新され、敵陣43ヤードまで前進される。それでもその後の攻撃をDL赤穂谷怜旺(法1=法政二)のタックルやLB犬飼真基(営2=佼成学園)のQBサックにより抑え、4thダウンでパントを蹴らせて攻撃権は法大へ。自陣4ヤードからの攻撃は齊藤のスクランブルや、阿部への21ヤードをゲインするパス成功により、自陣37ヤードまで前進する。さらにWR高津佐隼世(キャ4=佼成学園)のランやWR山本健二朗(情4=日大二)へのパス成功により敵陣35ヤードまで前進したところで、第1Qが終了した。

TD後の黒川凛太郎(文2=千葉日大一)と小松
第2Qは敵陣27ヤード地点、法大の2nd&2の攻撃で開始。するといきなり法大に不正なシフトの反則があり5ヤードの罰退となってしまう。それでも3rd&6で高津佐がサイドラインギリでパスをキャッチし、敵陣21ヤードまで前進すると、続く2nd&7 でスクリーンパスを受けた小松がそのままエンドゾーンまで運びきりTD!TFPも成功し、14ー0とリードを広げる。

小松とともに喜ぶ選手たち
再開後のキックオフはアウトオブバウンズとなり、慶大の攻撃は敵陣35ヤードから。いきなりランプレーにより、敵陣45ヤードまで前進されるも、続く攻撃をLB林凌平(営4=法政二)のロスタックルや、パスプレーに対するDB岡村裕(キャ3=佼成学園)のナイスカバーにより抑え、パントを蹴らせて攻撃権は法大へ。自陣26ヤードからの攻撃は2nd&8で法大にホールディングの反則があり、10ヤードの罰退となってしまう。それでも齊藤のスクランブルや阿部へのパス成功により20ヤードをゲインするなど、自陣47ヤードまで前進。しかし続く攻撃では1stダウンを更新できず。パントを蹴り攻撃権は慶大へ。敵陣25ヤードからの攻撃は1st&10で相手のハンドオフからのランプレーに対してLB瀧川元熙(営3=佼成学園)が見事なロスタックル。さらに直後の2nd&longで瀧川がQBサック!瀧川の立て続けのビッグプレーで3rd outに抑えて攻撃権は法大へ。

見事なQBサックを見せた瀧川
自陣49ヤードからの攻撃は高津佐のRACやランプレーにより、敵陣25ヤードまで前進する。その後は3度パスプレーによりTDを狙うも成功せず、法大は4thダウンでFGを選択。42ヤードのFGを高城が狙うも、これも失敗に終わり、14ー0と点差は変わらぬまま攻撃権は慶大へと移る。それでも敵陣25ヤードからの2nd&10の攻撃で赤穂谷がQBサック!さらにその後もディフェンス陣の素早い集まりによりゲインを許さず。14ー0と相手に流れを渡さずに試合を折り返した。

赤穂谷はQBサック後にこのガッツポーズ
第3Qは高津佐の35ヤードをゲインするリターンで開始され、法大の攻撃は敵陣45ヤードから。中川のランプレーで1stダウンを更新し、敵陣31ヤードまで前進。しかしその後の3プレーでは1stダウンを更新できず。4th&2となったところでギャンブルプレーを選択。しかしこれが失敗に終わり、攻撃権は慶大へ。敵陣27ヤードからの攻撃は、いきなり33ヤードをゲインするロングパスを通され、自陣40ヤードまで前進されてしまう。それでも続く1st&10でDB浅賀大生(デザ4=法政二)がロスタックル。しかしその後QBのスクランブルにより前進され、4th&4となったところで慶大はギャンブルプレーを選択。パスを通され、これが成功となり自陣29ヤードまで前進されてしまう。その後浅賀のパスカットなどがあるも、中央を突くランプレーにより、さらに自陣18ヤードまでゲインを重ねられてしまう。それでもその後の3rd&5 だった。相手のパスをDB高山晃(経4=法政二)がインターセプト!高山の前節に続くビッグプレーで攻撃権を取り戻す。自陣6ヤードからの攻撃は小松、中川の両RBのランプレーや、中央に入ってきた高津佐へのパス成功もあり、敵陣8ヤードまで前進し、相手に攻撃権を渡さず。しかし第3Qでは得点が奪えず、14ー0のまま勝負は最終第4Qへ。

高山は2試合連続のビッグプレー
第4Qは法大の敵陣ゴール前8ヤードからの攻撃で開始。1st&goalで齊藤のスクランブルによりゴール前3ヤードまで前進。続く2nd&goalで山本がランTD!山本の今秋初TD、さらにTFPも決まり21ー0と第4Q開始早々にリードを広げることに成功。

TD後の齊藤×山本
再開後のキックはタッチバックとなり慶大の攻撃は敵陣25ヤードからとなると、このシリーズを3rdoutに抑えて、攻撃権は法大へ。しかし自陣3ヤードからの攻撃は3rdoutに抑えられ、攻撃権は再び慶大へ。自陣40ヤードからの攻撃はランプレーにより、自陣28ヤードまで前進されてしまう。それでも直後の1st&10で赤穂谷がQBサックをし、ファンブルしたところをリカバーしたかに思えたが、ビデオ検証の結果、相手QBが先にニーダウンをしており、リカバーは認められず。それでもその後の4th&6のギャンブルプレーをしっかりと抑えて、攻撃権を取り戻す。自陣24ヤードからの攻撃はRB竹村真柊(法3=箕面自由学園)の16ヤードをゲインするランプレーやRB今手太陽のランにより、敵陣43ヤードまで前進する。さらに3rd&5で慶大にラフィングザパサーの反則があり、15ヤードの罰退。敵陣23ヤードまで前進すると、さらに竹村のランプレーにより敵陣ゴール前5ヤードまで前進する。残り時間わずかのところで、竹村やRB宮本樹音(文2=佼成学園)がランTDを狙うも、惜しくもエンドゾーンまで運びきれず。それでもディフェンス陣は2試合連続で相手にTDを許さず、21ー0で見事勝利を飾った。

竹村のTDも待ち遠しい
今試合の結果をもってリーグ3位以内が確定し、2年連続で全日本大学選手権出場の切符を手にした法大。それでも彼らが望むのは『関東王者』での日本一だ。リーグ最終戦の相手はここまで全勝の早大。ここまで1敗の法大は早大に勝てば逆転で関東王者に輝くことになる。文字通りの頂上決戦となる最終戦。横浜スタジアムで歓喜の瞬間を迎えるために、1人1人が全力で立ち向かう姿に期待したい。(記事:白戸大貴)
選手インタビュー
WR/山本健二朗(情4=日大二)
ーー試合を振り返って
オフェンスは、今日21点取れましたが、練習の思い通りにいかなかったっていうのが本音で、これから2週間後の早稲田戦に向けてしっかり準備したいなと思います。
ーーTDを獲得した時の感想は
練習の時から準備してきたプレーだったので、昨日も最後まで齊藤空大(法4=駒場学園)が付き合ってくれました。練習していたので、取れた時はすごい良かったです。
ーーラストイヤーの思いは
自分は、去年から高津佐隼世(キャ4=佼成学園)と阿部賢利(営3=法政二)が怪我した時にすぐ出れるよう、替えとしてという準備はたくさんしてきたので、今日もその場面が何回かあったりして、あの2人がいなくなった時にどれだけあの2人と同じレベルでできるかというのをすごい大事にしてきたので、そこを頑張りたいと思います。
ーー次戦に向けて
次が最後になりますが、しっかりと準備をして、全部やりきって、2週間後、自信を持ってプレーできるように頑張ります。
(取材・川邉まなみ)
OL/中島稜(文3=明治学院東村山)
ーー今日の試合を振り返って
僕は1年生からフィジカルが課題というのがありました。今日は相手が結構フィジカルがあるチームで、自分の3年間の努力が試される試合だなという感じでした。結果として勝ったんですけど、自分としては反省点がたくさんあるので、次の早稲田戦に活かせるように頑張りたいと思います。
ーー春は黒川凛太郎(文2=千葉日大一)選手がセンターを務めていたがポジションが変わった経緯などは
春はケガ人も多くて、元々僕がセンターをやる予定だったんですけど、中々練習ができないという状況でした。
ーーこの2週間で取り組んできたことは
僕はセンターなので安定したスナップと、速く低いヒットというのをテーマにやってきました。
ーー次戦早稲田戦に向けて
次の試合は勝てば関東優勝ということで、自分の力でチームを引っ張っていけるように頑張りたいと思います。
(取材・白戸大貴)
LB/瀧川元熙(営3=佼成学園)
ーー今日の試合を振り返って
ディフェンス全体としては、3rdダウンで止められていたので良かったです。個人的にはタックルミスもあったので、そこを改善できればと思います。
ーーQBサックもあったが
みんなのおかげかなと思います。
ーーディフェンス陣は無失点だったが、意識していたことは
前回の試合からランプレーでも『前に出る』というのを意識していました。それに加えて、ランを出されずに、ボールに対して全員で行くという意識でした。
ーー明治戦以降、ディフェンスが大きく改善されたように感じるが
少し怖がっていた部分がありましたが、とにかく『前に出る』という気持ちの面を改善しました。
ーー早稲田戦に向けての意気込み
早大は全勝していて、かなり強い相手なので地に足をつけて、今回の試合のように激しいタックルをできたらと思います。
(取材・松野要)
DB/ジュッフ ムハマド(文1=明治学院東村山)
ーー今日の試合を振り返って
まずは勝てたことはみんなで喜ぼうってことで、ディフェンスとしては0点で抑えられたところは嬉しくはあります。でも次の節が早稲田ということで、やっぱりこのまま気を抜いてやるわけにはいかないなと思っています。このまま関東 1位になって甲子園ボウル優勝するってなった時に、今日の試合結果はあんまりいい内容ではないよねという話になりました。そこはちゃんと切り替えて、次絶対に早稲田を倒すために全力で頑張っていきます。
ーー個人のプレーを振り返って
1個いいタックルがあって、次の試合に自信がつくプレーはできたと思っています。なので個人的には良かったかなと思ってます。
ーー春から成長したと感じる部分は
まずはアサインメントの部分です。あとは体の部分でトレーニングちゃんと頑張るとか、一つ一つのその細かいことはちゃんと磨きあげることができたかなと思ってます。
ーー高校と比べてリーグ戦の強度などは
もう全然違うなと思います。あの高校がすごい弱くて結構初戦負けとかしちゃって、すぐシーズン終わっちゃう感じでした。こうやって何回も積み重ねてきてやっぱり体の疲労だったりとかメンタルの疲労とかもあるんですけど、すごい楽しくできてるのでそこはいいかなと思います。
ーー次戦への意気込み
絶対早稲田倒します。
(取材・紺野真帆)



