【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 慶大戦展望

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【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 慶大戦展望

東京六大学野球春季リーグ戦 対慶大戦
2014年5月10日(土)~
神宮球場

 
※取材日
2014年3月23日(日)
慶大野球部寮

3カードを終えて勝ち点1の法大。優勝戦線からは大きく後退し、厳しい立場に追い込まれた。一方、慶大は今季未だ無敗と勢いがあるチームだ。僅かだが優勝の可能性がある限り、立ち向かっていく他はない。

慶大のリードオフマン・佐藤旭主将

展望

 先週の明大戦で勝ち点を落とし、優勝争いから大きく後退した法大。次の相手は勝ち点2で未だ無敗の慶大だ。

 慶大の主軸は現在、打率ランキング1位の竹内惇を筆頭に1番・佐藤旭、主軸を担う谷田成吾、横尾俊建など経験豊富で強力な打者が揃う。投手陣は防御率1位の左腕・三宮舜、先発で活躍している加藤拓也、加嶋宏毅が牽引する。

 一方、法大は言わずと知れたエース・石田健大(営4)がチームを支える。石田は先週の明大1回戦で完投勝利を挙げ、勝利数が17勝となり、トップを走っていた山﨑(明大)についに並んだ。明大の試合の無い今週で単独トップに躍り出ることができるか、その行方にも注目が集まる。打線は先週の今季初スタメンの起用に応えるホームランを打った若林晃弘(営3)、明大1回戦の2死から劇的なサヨナラタイムリーを放った畔上翔(キャ3)、打率ランキング3位と好調の佐藤竜一郎(法3)らに期待がかかる。

 優勝するために、これ以上は勝ち点を絶対に落とせない法大。無敗で勢いに乗る慶大から勝ち点を奪い、最終戦の東大に向けていい流れに乗りたいところだ。(高橋由希)

慶大寮取材

佐藤旭主将

―昨年を振り返って
春季は5位、秋季は4位とチームとして全然結果を残せなかった1年でした。特に秋季は優勝も見えていたんですけど、最後に勝ちきることの難しさを痛感しました。

―主将として心がけていることは
何事にも自分から率先してやろうということです。あとは、これだけの部員がいるので、全員とコミュニケーションをとるのは難しいんですけど、なるべく多くの人に自分から会話をしていこうということです。

―ご自身の調子は
まずまずだと思います。すごくいいという訳ではないですけど、今までやってきたことがオープン戦でもできていたので、そんなに悪くないかなと思っています。

―今年の慶大はどのようなチームですか
今年は「勝ちにこだわる」ということをモットーにやっているので、他の大学よりもそれに対するこだわりは強いかなと思います。

―沖縄キャンプではどのようなことに取り組まれましたか
朝からずっとバッティングをやっていました。打てなきゃ勝てないと考えているので、振り込み、打ち込みといったことをやってきました。

―今年のチームの目標
リーグ優勝と日本一ということを掲げてやってきたので、そこは見失わないでやっていきたいと思います。

―個人的な目標
首位打者とベストナインを狙っていきたいと思っているので、そこを目指して頑張っていきたいと思います。

―法大の印象
個々の選手のレベルが高くて、戦いづらいという印象があります。当たり出したら止まらないというか、爆発的な力があるイメージが強いです。

―法大で警戒する選手
やっぱり投手の石田くんですかね。1戦目に投げてくると思いますし、彼がチームの軸になっているのかなと思います。

―今年の意気込み
とにかくチームとして結果を残せるように、リーグ優勝と日本一を目標にやっていきたいと思います。

(取材:遠藤礼也)

谷田成吾 外野手

―昨シーズンはどのようなシーズンでしたか
初めてシーズン通してずっと出たのが去年の春だったんですけど、春は思うような成績が残せなかったです。序盤は調子がよかったんですけど、終盤調子悪くなって、シーズン通してずっと打つというのが難しいなと感じました。秋はそれを踏まえて、色々考えて調整して、中盤少し調子が悪くなった時期はあったんですけど、(最終カードの)慶早戦で盛り返せて3割に乗せましたし、自分が思ったような成績ではないですけど、ある程度結果は残せたかなと思います。

―具体的にはどのような点を調整されたのですか
春は初めてレギュラーになれて「絶対やってやる」と思って、リーグ戦前のオープン戦から少し飛ばしすぎてしまいました。調整が早かったというか、意気込みすぎて終盤ガス欠した感じです。秋はのんびり自分のペースで、自分のスイングだけできれば大丈夫だと思って、ゆっくり調整したのが良かったと思います。

―リーグ戦開幕までに主に取り組んでいきたいことは
去年の秋は打率は3割に乗せたんですけど、ホームラン1本しか打てなくて。打率ももっと上げてホームランの数も増やしていきたいと思っているんで、その兼ね合いですね。長打ばかり狙っていくと打率が下がってきたりするので、しっかり打率も残して長打力も上げるというのを意識してやっていきたいと思います。

―高校では本塁打を通算76本も打たれていますが、やはり長打を意識しますか
高校の時は自然に(打てる)という感じがあったんですけど、大学になってからは極端にホームランの数が減ってしまいました。だからそれは意識せざるを得なかったというか、自分の中でもう少し打たなければいけないというのがあって、今年はホームランの数を増やしたいと思っているので、そういう面では少しは意識していますね。

―上級生になって意識の変化は
チームの中心と呼ばれる位置になったので自分が活躍しなければならないという思いはあります。気負うわけではないんですけど、チームをしっかり勝利に導きたいなと思っています。

―夏には六大学オールスターにも選ばれ、秋季リーグ戦も好調のように見えましたが、ご自身でも前のシーズンに比べて手応えはありましたか
去年の秋はヒットを打つのに一杯一杯でした。今はまだオープン戦の数も少ないのですがホームランも出ているので、自分がこの冬からキャンプにかけてやってきたことが結果になって出てきています。だから順調にきているなとは思います。

―ご自身ではどのようなバッターだとお考えですか
目指しているところはやっぱり三冠王を目指しているので、打率も高くて、ホームランも打てて、チャンスに強くて打点も多いというのを目標にしています。そう言われるように頑張ります。

―やはりタイトルや数字は意識しますか
自分が今年達成しようと思っている目標が4割5本塁打20打点なんですけど、それをやれば自然とタイトルがついてくるだろうと思っています。相当ハードルは高いんですけど、それくらいを目標にやっています。

―野手から見た今年の慶大の投手陣の印象は
投手力が課題というのは毎年言われていて、オープン戦では抑えるとこは抑えてくれているのでピッチャー陣も意識はしていると思います。リーグ戦でもピッチャー陣は抑えてくれていても逆に野手が点を取れなくて負けた試合もありました。去年の秋より成長したピッチャーもいるので、今年の春はいけるんじゃないかと思っています。

―佐藤旭主将はどのような主将ですか
(慶應義塾)高校の時も(佐藤)旭さんが主将で、すごく人を引っ張っていける人だなというのは高校の時から感じていました。大学でもその通りで、野球部全員で200人くらいいて名前覚えるだけでも大変だと思うんですけど、いろんな人に話しかけていて、そういう点ですごい人だなと思います。

―今年のチームカラーは
僕からではわからないんですけど、江藤監督代行は「打撃のチームにする」と言っていたので、打ち勝てるようなチームになりたいなと思います。

―今年の法大の印象は
去年から強いなというイメージはあります。今年は(去年のメンバーが)抜けましたけど、法政は層が厚いですし、あなどれないなという感じです。新入生でいい選手もたくさん入ってきているというのも聞くので、厳しくなるだろうなとは思います。

―その中で特に警戒している選手は
やはり畔上ですね。畔上とは結構連絡取ったりもするんですけど、チャンスに強いですし、出てきたら怖いなと思います。

―最後に、今季の意気込みをお願いします
今年こそ優勝したいという思いが強いです。今年は自分の中で勝負の年だと思っていてかなり意気込んでいますし自分に期待もしているので、自分の期待を超えられるように結果を残したいなと思います。

(取材:村上紗規)

横尾俊建 内野手

―昨シーズンを振り返って

優勝できなかったのであまりいいシーズンではなかったと思います。

―上級生になって意識の変化はありますか
そんなにないです。でも前までは先輩がいて少し遠慮している部分があったんですけど、バッティングの面でも試合でも自由にできています。

―横尾選手と言えば長打のイメージがありますが、長打は意識されていますか
長打は意識していたんですけど、狙うと打てないということにやっと気づきました。だからそのためにウエイトトレーニングをして、狙わなくても自然と長打が出るようにやってきました。それが結果として出ればうれしいなという感じです。

―ご自身ではどのようなバッターだとお考えですか
六大学には良いピッチャーが揃っていて、その中でも左ピッチャーが多いので、右の良いバッターになりたいなという風に考えています。しつこくて、フルスイングできるバッターになりたいです。

―今年の法大の印象は
去年は河合完治さん(現・トヨタ自動車)、船本一樹さん(現・JX-ENEOS)がいて少し怖かったんですけど、今はその人たちが抜けたので僕的には少しですがやりやすいかなという感じです。

―法大の中で特に意識しているの選手は
畔上ですね。去年まではあんまり出場機会がなかったと思うんですけど、普通に王レーしていたら結果残すと思うので、レギュラーで出た時が怖いなというのはありますね。練習は多分すごくしていると思うので、そろそろ結果出してきますね。

―他大学やチーム内で意識している選手は
チーム内では谷田ですね。ライバルな気がします。今までは谷田が4番打っていますが、4番を打ちたいなと思って、紅白戦から一人で意識してやっていました。そしたら結局僕が4番になって、谷田が3番になったので、いいかなと思います。二人とも4番を打ちたいタイプで、僕が4番打たなかったら足遅いので5番になるんですけど、谷田は足早いので(4番打たなかったら)3番になって。とりあえず4番取れたのでいいかなと思います。

―最後に、今季の目標をお願いします
少し渋いですけど、今季の目標は、ストライクを振ってボール球を見逃すということです。それで優勝したいなと思います。

(取材:村上紗規)

加藤拓也 投手

―昨年を振り返って
1年生のうちから投げられるとは思っていなかったので、1シーズン通して投げることができたのは収穫だったかなと思います。

―ご自身の成績をどう評価しますか
1年生としては良かったのかなと思います。

―試合の中で得た手応えはありますか
真っすぐで押せるようになったことが大きいと思います。

―逆に課題に思った点は
先発として完投する試合が無くて、途中で相手に掴まってしまうことが多かったので、そこを投げ切れるようにすることが課題だと思います。

―投手陣の雰囲気は
全員が勝ちにこだわってやれているので、そういう中でいい競争ができていると思います。

―投手陣の中で刺激になる存在は
1つ上の加嶋さんは先発の座を争っている存在なので、そういう意味で刺激をもらっています。

―オフシーズンに取り組んだことは
筋力とスタミナを上げるため、ウエートトレーニングと投げ込みを重点的にやりました。

―理想の投手像は
投げる試合をすべて勝つのが理想だと思っています。調子が良いときは抑えて当たり前だと思うので、悪いときにどれだけのピッチングができるかということが大事だと思っています。

―キャンプやオープン戦を経て得たものは
まだ全然本調子ではないんですけど、自分のボールをしっかり投げ切れれば抑えられることがわかったのは良かったです。四球がまだ多いのが課題かなと思います。

―個人の目標
投げた試合で全部勝つのが目標なので、具体的な数字は決めていないです。

―法大の印象
主力だった選手が抜けて、また新しい選手が入ってくると思うんですけど、自分のいつも通りのピッチングができればと思っています。

―今年の意気込み
優勝するためには、自分に何ができるかということを考えながら、投げる試合をすべて勝てるように頑張りたいと思います。

(取材:遠藤礼也)

慶大予想オーダー

打順 打席 位置 選手(学年=出身校)
1   (7) 佐藤旭(4=慶應) .227 0 1 0
2   (6) 山本泰(3=慶應) .200 0 0 2
3 (9) 谷田(3=慶應) .318 2 3 0
4   (5) 横尾(3=日大三) .389 0 2 2
5   (8) 藤本知(4=慶應) .278 1 5 0
6 (4) 竹内惇(4=慶應) .563 1 6 1
7 (3) 齋藤(2=慶應) .300 0 1 0
8   (2) 小笠原(3=智辯和歌山) .278 0 5 0
9   (1) 加藤拓(2=慶應) .333 0 2 0

慶大の主な投手陣

選手(学年=出身校)
  明(4=慶應) 1 0 0 1 0 18.00
加嶋(3=慶應志木) 3 2 0 20 1/3 11 2.66
三宮(3=慶應) 4 1 0 10 1/3 11 0.87
  加藤拓(2=慶應) 2 1 0 13 1/3 13 2.03

(※記録はいずれも5/5までの成績です)

フォトギャラリー

  • 201405091慶大のリードオフマン・佐藤旭主将
  • 2014050923番に座る左のスラッガー・谷田
  • 201405093打率.389と要注意の4番・横尾
  • 201405094先発として対戦が予想される加藤拓
 

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