【ラグビー】U20W杯優勝メンバーインタビュー
2014年6月10日(火)
法政大学多摩キャンパスエッグドーム
今年もIRB Junior World Rugby Trophy 2014(JWRT)が4月7日から19日まで香港で行われ、日本U20代表は悲願の初優勝を成し遂げた。今回は優勝に大きく貢献した二人の法大戦士に試 合だけならず、普段のプライベート面も含めお話を伺った。
選手コメント
―U20に選出されるにあたって松村選手は初めてシニアキャンプがありましたが
松村:法政大学に入った時からU20に入ることを目標としていたので、そこに呼ばれたことは凄く嬉しかったですし、法政を代表してがんばろうと思いました。
―実際に参加してみて
松村:法政の皆と見ている所が違うというか、皆将来日本代表になるんだっていう強い気持ちを持っていて。プレー面でもそうですけど私生活の面でも学ぶ事が多くて参考になりました。
―昨年に引き続き選出された牧野内選手、今年度のチームの雰囲気は
牧野内:去年から入って大会を経験していた人が多くいたので、経験を伝えたりして去年よりはまとまっていたし、絶対今年は優勝するっていう気持ちがありました。
―去年は主将西内勇人(社4)さんが代表チームでもキャプテンを努めていましたが、今年は自分達が引っ張っていくという気持ちだったのでしょうか
牧野内:去年は試合に出れませせんでしたが選ばれて練習で体ぶつけたりしたので。学んだことを今年に活かさないと意味が無いなとは思っていました。
―代表発表の際松村選手は漏れてしまいましたが当時の心境は
松村:発表前のオーストラリア遠征の時からメンバーに入れないことが多くて、自分の中ではもう次は呼ばれないなという覚悟みたいなものができていたので。凄く悔しかったですけど、自分の中の課題として受け止めていこうと思いました。
―オーストラリア遠征の際に感じていた課題は
松村:監督からも言われていたんですけど、本当に基本的なパスの取り方であったりフィジカル面でも通用しない部分が多かったので。
―同じチームに同じ大学の選手がいるというのは
松村:やっぱり心強いというか、牧野内を通じて仲良くなったりしたので。プレー面でも相談していました。
牧野内:自分をあまりやっていなくてU20の選考の際にもやったんですが数値低くて。でも松村は強いんですよ。なので毎日部活始まる前とかに一緒にやって、結構追い込まれたりして(笑)でも大分数値も上がって、合宿まで本当に毎日やって楽しかったです。
―大会が始まり松村選手は追加招集という形で選ばれましたが
松村:正直に言うと最初断ろうと思っていて。オーストラリア遠征の際に大きな差を見 せつけられて、僕がこのままU20に行っても何も貢献できないだろうなと思っていて。試合出れないのもあってメンタル的にもきつかったですし。試合のメン バーに入れなかった選手たちの練習っていうのがあったんですけど厳しい練習をやってもなかなか短期間では報われなくて。自分の中では今まで一番つらい時期 でした。そんなとき西内キャプテンに相談したら、優勝に向かっていく雰囲気とかを体験すれば絶対お前のためになるって言われて。個人的に成長出来る面があ るのならばと思い参加することを決めました。
―遅れながら合流した代表チームの雰囲気は
松村:遠征時一緒にいたチームとは全然違って。練習中の声であったり凄く勝ちに行こうっという優勝への気持ちが凄くて、まとまっているなという印象でした。
―去年は4位という結果に終わってしまい今年への意気込みは高かったですか
牧野内:絶対今年は優勝したかったですし。初戦ウルグアイ戦に敗れてしまって消沈し た部分があったんですけど、ウルグアイの結果次第ではまだ可能性が残っているのがわかった時にやっぱり頑張ろうという感じになってチームが一戦一戦やって いく度にどんどん強くなっていって楽しかったです。
―1戦目ウルグアイ戦で敗れた際チームを鼓舞してくれていたのは
牧野内:監督もそうですけど、キャプテンの松田力也(帝京大)が「こんなところで終わったら意味ない」と。半年ぐらいみんなで合宿していたので。
―1戦目敗れ優勝が遠くなった中、勝ちを進め手応えを掴むようになったのはどのタイミングですか
牧野内:一戦目始まる前からチームの雰囲気自体は良かったんですけど、試合の時だけ上手くいかなくて。でもそれを修正したら絶対大丈夫だっていうのは皆言ってて。だから礎的なところから大事にしていこうと。
―一度試合からはそれた質問になるのですかおふた方のU20チームにおける立ち位置みたいなのはどういうものでしたか
松村:追加招集された時が一戦目敗れた後だったのでスタッフの方からは盛り上げるようにと言われたので、自分は盛り上げるのはそこまで得意では無かったので結果的にいじら役でした(笑)みんな元気づけるために踊ったりしていました。
―日本から盛り上げ役が駆けつけてくれと聞いた時は
牧野内:みんな松村が来るってわかった時に「おお。よっしゃあ!」みたいな感じになって(笑)来た時も皆で迎えにいって、僕がいじる側でイジられていましたね。
―結果的に優勝という結果を残せたことに対して
牧野内:初優勝で、去年も一昨年もメンバーが揃っていたにも関わらずレフリーが厳しかったりして出来なかったことなので。ミスなどもあってキツイ部分もあったんですけど、後輩達が上のランクの大会に進めることは羨ましいですし、本当に勝てて良かったと思います。
松村:まず一番に感じたのは、勝った瞬間に皆とピッチの上で喜びたかったですね。僕はチームの中で与えられたIDがゲストっていうのがあって。アップも出 来ず歯がゆかったです。でも結果的に半年近く同じメンバーできつい練習をしてきたことが優勝の瞬間に報われたんだなと思いました。
―海外の戦いではやはり審判など難しい環境での戦いだったのでしょうか
牧野内:そうですね。結構驚く事は多かったですね。去年も体験していたんですが、しょうがない面でもありますね。
―優勝して帰国してから周りの反響というのは
松村:まずチームメイトにおめでとうと言われたのが嬉しかったですね。
牧野内:自分がメール送る前に親とかも結果を知っていて。中学校の先生とか、友達とかに「まさか。お前がそんなところにいくとは」みたいなコメントを頂い て(笑)その中でも自分は中学校からラグビーを始めたので、中学の先生におめでとうと言ってもらったのが一番嬉しかったですね。
―谷崎監督から何か言われたことは
松村:僕は先ほどお話したように行くか迷っていたので、言ってどうだったみたいなやりとりをしました。
牧野内:代表で学んだことをチーム全員に伝えないと言った意味がないと言われました。
―大会後すぐ春季大会が始まりおふたりとも全試合スタメンで出場されましたが戦い抜いてみて
松村:U20では「低く、低く」という指導を受けてたのが随所で活きましたし、U20で疲れた場面こそ冷静に判断するといった意識が変わった部分があって。そういうところが良かったなと思います。
牧野内:自分代表に行く前までは疲れた時手を抜いてしまうこともあったんですけど、代表の監督はとても厳しい人で(笑)そんな環境でやっている中でやっぱ り常に動いてないといけないと思いましたし、チームはあんまり成績が良くなかったんですけど強豪相手に受け身にならずに戦えたので。ミスとか反則を減らせ ば勝てるなと思いました。
―主力として試合に出るようになって昨年との違いは感じますか
牧野内:去年よりもFWの平均体重が5キロぐらい低くて、スクラムの際などもFW全員でまとまらないと勝てないなっていうのはあります。その分走れないと勝てないですし、まだそういう面を強化していかないといけないなと思います。
―U20チームと所属チームの違いとは
松村:U20では競争から逃げるなって言われて、法政はまだ出しきるっていう面でまだ足りないのかなと思います。
牧野内:U20では食事の面でしっかり落とした体重分をカバーしたり、アイスバスとかの設備があるんですけど法政はまだないので試合の後のケアで遅れてる面はまだあるなと思います。
―法政の中でいつも一緒にいるメンバーなどはいますか
松村:同じフランカーのポジションで西内勇二(経2)とかいつも練習中とかも話したり、休日はクロスバイクで出かけたりしてます。後は大塚翼(社2)とかの部屋に行って騒ぐのが最近の日課みたいになってます。
牧野内:自分は結構先輩と一緒にいますね。門馬麗(経4)さんとか東福岡高校から一緒なのでご飯とか連れて行ってもらって優しくしてもらってます。
―今年のチームの雰囲気は
松村:確かに春は良くなかったんですけど、それでもポジティブに捉えれていつので。春出た課題を秋に向けて1つずつ潰していって秋いい結果残そうっていう感じすね。
牧野内:去年と比べたら練習とかでも締まっていた緊張感がありますね。
―秋に向けた意気込みを
松村:まずは個人的には全部の試合にスタメンフル出場っていうのを掲げてて、チームとしては全国選手権にまずは出場できるように練習から自分のできることを貢献していこうと思います。
牧野内:自分は去年リーグ戦出て選手権に行けなく本当に悔しい思いをしたので、今年はしっかりスタメンで出て勝ちにこだわってどこにも負けないぐらい強気でチームに貢献していきたいです。
フォトギャラリー
- 優勝に貢献した松村(左)、牧野内(右)
- 追加招集を受けるか悩んだと語る松村
- 見事昨年のリベンジを果たした牧之内
- 2人が今後チームの中心になっていくことは間違いないだろう。