文部科学大臣杯 第70回大学対抗選手権自転車競技大会
2014年8月30日(土)
日本サイクルスポーツセンター(静岡県)
3日目はトラック競技最終日。前日の500mタイムトライアルでの優勝に引き続き丸田京(法4)が女子スプリントでも表彰台の中央に立ち二冠を達成。チーム・パーシュートは日大を破り3位入賞を果たした。一方でスプリントとケイリンで上位入賞を期待されていた植原琢也(法2)は、この日最初の種目で前方を走る選手の落車に巻き込まれ負傷。その後のレースの辞退を余儀なくされた。
男子 タンデム・スプリント
4位 菊山将志・荒井佑太
男子 チーム・パーシュート 3~4位決定戦
3位 深瀬泰我・新村穣・寺崎浩平・鈴木康平 4分15秒493
女子 スプリント
優勝 丸田京
男子 4kmインディヴィデュアル・パーシュート
4位 鈴木康平 4分15秒493
戦評
トラック競技最終日となる3日目は、植原琢也(法2)が出場する男子ケイリン1/2決勝から始まる。ケイリンでの結果に期待がかかっていたが、ラスト1周を残したところで落車に巻き込まれてしまう。その結果、ケイリンと出場する予定であった男子スプリント5-8位決定戦は棄権となった。男子タンデムスプリント1/2決勝は菊山将志(環2)・荒井佑太(営1)のペアが出場。昨日からの勢いに乗り、1、2本目を中央大から先取する。このまま決勝に勝ち進むと思われたが、競技違反とみなされ失格が決まり2本目を落としてしまう。勝負は3本目までもつれ込み、判定に納得がいかないまま、結局、この勝負に負けてしまう。その後、3-4位決定戦へと進み最終的に4位でこの種目を終えた。女子スプリント決勝では昨日、500mタイムトライアルで優勝した丸田京(法4)が出場。「必ず校歌を2回流す」と宣言していたという丸田は、力強いスプリントで見事宣言どおり二冠を果たした。男子4kmインディヴィデュアルパーシュートには鈴木康平(スポ2)が出場。残り7周で徐々に差を広げられ、3位を逃すも4位と健闘した。トラック最後の種目となる男子4kmチームパーシュートは昨日とメンバーを変え、深瀬泰我(営4)・寺崎浩平(営3)・新村穣(法3)・鈴木が出場。昨日よりタイムを2秒近く縮め、3位入賞を果たした。
競技失格や落車にみまわれたものの、丸田の二冠をはじめ、複数の競技で上位にくい込むことができたトラック競技。明日のロードレースへ望みをつなげる。(梶山麗)
選手のコメント
深瀬泰我
−ご自身の結果について
チーム・パーシュートはベストメンバーを組まずにチーム・スプリントに寺崎と新村を入れたのですが、予選では同期の山本が頑張ってくれて4位になれました。3~4位決定戦ではベストメンバーを組んで3位に入ったのでとても嬉しかったです。
−3~4位決定戦では山本選手から寺崎選手にメンバーが変わりましたが
寺崎は3日目に走る種目がない予定だったのに対し、チーム・パーシュート予選とポイントレースを走った山本が足に痛みを感じている状態だったので、状態の良い寺崎を起用しようということになりました。
−タイムは具体的に設定されていましたか
3~4位決定戦では具体的にタイムは設定せずに、相手の様子を見て、最後あげていこうということだったのですが、自分は興奮もあって2走はペースを作らなければならない役目だったのですが、気づいたら8割ぐらいで走ってしまっていました。
−ラップタイムが上位チームと比べて序盤と終盤が遅れている印象を受けましたが
自分たちの走りの特徴としては、最初はかなりオーバーペースで走って最後どれだけだれずにゴールできるかという感じなので、昨日の予選の走りはそれが顕著に出てしまった結果だと思います。
−インカレにピークを持ってくる事はできましたか
自分の中では比較的いい調子でインカレを迎えることができたと思っています。
−トラック班全体の総括
ケイリンで植原が落車してしまい、チーム・パーシュートも失格になってしまい、大学対抗のポイントが付かないという状況で点数的には厳しい状況ですが、それを除いた全種目で得点できたことは非常に良かったと思います。
−青野選手のインカレ欠場による影響は
元々青野はチーム・パーシュートとポイントレースに出る予定だったのですが、欠場になったことで、寺崎と新村のどちらかが3種目出なければいけない状況になりました。そういった意味では青野が出場できていれば新村にはもう少し1kmタイムトライアルに集中させることができたのかなと思います。
ー中大のチーム・パーシュートでのタイム(4分10秒347)をうけて
1年生で強い子が加わって良いタイムは出ると前から思っていたのですが、日本記録に後一歩迫るタイムが出たのですごいと思いました。前々から中央・日本・鹿屋・朝日・法政で上位を争う構図は見えていたので、どれか一つに勝とうと考えていました。
−国体で出場する種目を教えて頂けますか
チーム・パーシュートと1kmタイムトライアルです。
−プロの道に進まれるということですが
競輪学校に行こうと考えています。入るためには1kmと200mのタイム計測の試験があり、速い順に選ばれるので、その試験にむけてまたトレーニングを積んでいきたいと思います。
丸田京
ー優勝おめでとうございます。率直な感想をお願いします
今回はずっと2冠するって言ってて。自信はなかったんですけど、言葉にはずっとしていて。(会場に)来る直前に後輩たちにミーティングで、「絶対2冠するからきみたちも頑張ってね」って言ってたんですよ。なので2冠できて本当に良かったです。あとは、4歳から自転車競技をやっているんですけど、その集大成として勝てて本当に良かったです。両親に感謝の気持ちを込めて走りました。
ーウィニングランの後もお父様と抱き合われていましたね
お父さんはいつもはアメリカにいるんですけど、(インカレのために)わざわざ帰ってきてくれて。それにお兄ちゃんも、おじいちゃんおばあちゃんも親戚みんな来てくれました。
ータイムトライアル、スプリントそれぞれの優勝については
タイムトライアルは自信はなかったんですけど、やれることだけはやったし、調子は良かったので、「必ず勝って帰る」と自分自身に言い聞かせて頑張りました。あとは本当に、声援が力になりました。スプリントは、本当にこっちのほうが自信がなかったんですけど。今日の朝、ケイリンに出場した後輩が転んだんですね。
ー植原(琢也)さんですね
はい。それで(植原選手が出場する予定だった)スプリントもケイリンもダメになっちゃったんで、そいつの分も勝って帰りたくて。ステムという自転車のハンドル部分に、いろいろ言葉を書いて貼って走ったんです。「感謝を込めて」とか「植原の分も勝って帰る」とか「必ず勝ってみんなのとこに帰る」とか。それで、本当に勝ちたかったから勝てて良かったです。
ースプリントでは気持ちに余裕はありましたか
相手とのレベルで余裕はなかったんですけど、リラックスして走ることができました。
ーどのような作戦を立てていましたか
スプリントの1本目は相手が先に(スプリントを)かけてきましたが、タイムが速い選手が先にかけたら、単独で自分より速いんで、それを抜かすというのは難しいんです。だから2本目3本目は自分からいくような、攻撃的な走りを積極的に自分にしなさいと言われてたんですが、それが出来たのが良かったです。
ータイムトライアルのタイムについては満足されていますか
満足はしていないんですけど、去年の自分のタイムの自己ベストは更新できたんで良かったです。
ー今回のタイムは歴代7位だそうですが
7位じゃちょっとあれですね。やっぱり学連記録を更新したかったので。それには満足いってないですね。
ー昨日も今日も表彰台の上では涙を流されていましたが、あの涙は
校歌を流すというのが何よりも部の目標だったんです。男子ではないんですけど、女子で校歌を2回流せたので。優勝しないと校歌は流せないから、それが流せたのが本当に嬉しかったです。来る前のミーティングで
後輩たちにも、「必ず校歌を2回流すから全力で歌えよ」って言ってたんですけど。
ー以前後輩の方から「優勝を目指した練習をしていないからダメ」だと言われているとおっしゃっていましたが
「それじゃ勝てない」「それじゃ勝てない」ってお兄ちゃんにも言われるし、お父さんにも言われるし、部員にも言われるし、遊びに行けば友達にも言われるし。法政のバレー部とかと仲良くて、一緒にウェイトとかをしていても「それじゃ勝てないよ」と言われ、重りを付け足されたりとか。みんなに育てられた感じです。
ーみなさんの想いを背負ってという感じだったんですね
はい。本当に気持ちで走ったという感じです。
ーよく指摘をしてくれた後輩とはどなたですか
バンク班の全員ですね。植原、寺崎、新村は特に。あと一緒に練習してくれたのは、植原、寺崎、新村、菊山、白垣とかだったり。みんなほんとに一緒に練習してくれて、みんなに育ててもらったというか。みんなに助けられました。
ー今日で引退ですか
この大会で勝ったので、日韓戦に日本代表として出ます。あとは就職してから競技を続けるかは決めていないです。これからゆっくり考えます。
ーインカレが終わって、法政大学自転車競技部での4年間を振り返っていかがですか
本当に楽しかったですね。女子1人で、最初は2人だったんですが、1人になって、みんなに支えられていたなと思います。みんな優しいですし。法政大学が大好きです。いろいろ問題もありますけど、みんな大好きです。
山本洋平
ーポイントレースについてお伺いします。まず、1周目では1人で逃げていましたが、どのような展開を予想していたのですか
自分自身、結構前も言ったと思うんですけど、スプリント力というか瞬発的な力自体は多分、他の選手よりも劣っている部分があるので、差が開いた時くらいしかチャンスが無いので、最初ちょっと踏んだだけで、結構差がついたので、それでいけるかなあという感じで走りました。
ー鹿屋体育大学の橋本選手の走りについてはいかがですか
勝てないって言ったらだめだとは思うんですけど、やっぱり一味二味違う選手でした。少し余裕があった状態だったので、向こうも。後ろ着いてるだけで自分は結構きつかったところはありましたね。
ー(橋本選手と)対戦するのは始めてでしたか
何回もあったんですけど、勝ったことは一度もないですね。
ー寮取材で話していた、リラックスして臨むという目標は達成できていますか
予選は結構ガチガチだったんですけど、決勝は午前中に団体追い抜き走らせていただいたんですけど、その時の影響もあるのかな、という感じでリラックスして走れたかな、と思います。
ーでは次に、チームパーシュートについてお聞きします。昨日の4位という結果についてはどう思いますか
結構急に変えられて、メンバーに入ったんですが、あんまりやってない割には、4位という結果で、監督にも頑張ったと言われたので、最低限度の仕事はできたかな、と思います。
ー今日の3・4位決定戦のチーム変更はいつ決まったのですか
だいたい、3・4位決定戦か決勝に残れるとは思っていなかったので、3・4位残ったら、正メンバーで走らせるということはなんとなくは聞いていたので、ちょっと悔しいですけど、そんな感じです。
ーどういう作戦の元、変更したのですか
やっぱり、選手同士の個々の能力で見ますと、今日走ったメンバーが、良くて、自分よりも交代したメンバーが走れるので、そういう面で交代した方がタイムは絶対出ますし、そういうところだと思います。
ー最後のインカレの感想をお願いします
なんだかんだ結構インカレとか大会とか出させていただいたんですけど、これといってパットする試合結果はあまりなかったんですけど、自分自身も焦ってたというわけじゃないんですけど、何度も悔しい思いをしてきたので、最終的に、団体追い抜きでみんなの役にもたてて、3・4位進むこともできましたし、ポイントレースで皆が感動して、良い走りだったと言ってくれたので、そのためだけに頑張ってきたと思えば、苦しい練習も良い思い出になるんじゃないかな、と思います。
ー法大自転車部の4年間を振り返って、お願いします
嫌なこともありましたけど、最終的に、チームワークはうちが1番なんじゃないかな、という感じです。
菊山将志
ー今日の結果について、率直な感想を聞かせてください
悔しいです。
―対中央大学の1/2決定戦、2回目のレースの時に反則の判定をとられてしまいましたが、どのような判定だったのですか
一応反則ってなってるんですけど、自分は納得してません。相手の車体をかわす時に、ある程度間をあけて入らなくちゃいけない…要するに被った状態で入っちゃいけなくて、そこを数ミリ被ったということで審判から危険走行と見られてしまいました。でも被ってない状態で入ったので、自分としてはやはり納得してないですね。
―反則という判定が出てやり直しになってしまったとき、モチベーションの変化はありましたか
2本取って決まったと思ってたんで、正直切り替えが厳しくて、納得がいかないままという感じになってしまいました。そこも課題だと思います。
―対日本大学1/4決定戦では調子が良いように見受けられたのですが、今日のコンディション自体はいかかでしたか
コンディションは最高に良い状態でした。
―1/2決定戦ではどのような作戦を考えていましたか
逃げもまくりも両方勝てる自信があったので、どんな手であろうと勝てる自信はありました。
―28日の予選の、7位という結果については
タイム的にはあまり出ていなくて、もう原因は分かっているんで、そこを改善していきたいと思います。
―荒井選手とのコンビネーションはいかがでしたか
シンクロ率は大分良いですね。息は完璧に合っていました。
―今回の会場の走り具合はいかがですか
特に苦はないですね。怖さも全くありません。
―去年のインカレでは1/4決勝で敗退でしたが、去年に比べて今年の結果はどうですか
去年は4年生の先輩が出場されたんですけど、それよりいい結果が残せたのでその点はまあ良かったと思います。
―今後の課題
ダッシュも持久力もないんで、まだまだ課題はいっぱいありますね。来年は必ず表彰台の一番上に立ちたいんで、絶対仕上げてリベンジしたいと思います。
荒井佑太
―今大会の率直な感想をお願いします
個人戦よりも良い成績をと思ってやってきて、優勝も狙えたと思うので悔しいです。
―昨日の準決勝への進出が決まった日本大学とのレース後はガッツポーズをしていましたが、満足な結果でしたか
やっぱり日大とは何回もあたってるので、勝ちたい気持ちは常に持ってました。あの時は嬉しかったです。
―準決勝では2回目のレースが反則と判定されましたが、自身どう感じましたか
最後のゴール前のコーナーで中央大学がスプリンターレーンを走っているところに、自分たちが入ってしまったという違反なんですけど、判定には文句は言えないので。自分たちの力でもっと余裕を持って入るぶんには違反にはならないんですけど、中央大学が少しでもいるのに自分たちが入ってしまうと違反がとられるので、そこはもうちょっと。
―違反と判定されたことでモチベーションに変化はありましたか
それはまったくなかったです。逆に、もっとちゃんとした勝ち方を見せてやろうと思いました。
―どのようなレース展開を狙っていましたか
そうですね、やっぱり先攻です。先に仕掛けて後は我慢ていう自分たちのスタイルをやろうと思ってたんですけど、インをとられてしまったので疲れもあったんですけど上手くいかなかったです。
―合宿後調子は上がっていましたか
そうですね、上がっていました。合宿の中で何度も菊山先輩とコンビネーション上げるために練習してて、インカレには良い調子で先輩と臨めました。
―今日のコンディションも良かったですか
はい
―3位、4位決定戦では前半戦と比べ勢いがないように見えましたが
相手側にはスプリント力があったので、疲れもあったんですけど自分たちの展開にもってけなかったっていうのが失敗です。
―菊山選手と組んで大会は2度目ですが、2人のコンビネーションはどうですか
練習とか試合で回を重ねるごとに、どんどん上がってきて今回のインカレでも最高の状態で臨めました。
―今後の課題や目標は見つかりましたか
今日優勝した大学を見ていると、コンビネーションや駆ける位置とかも自分の知識というかレース展開とか上手くいけるように頑張りたいです。
寺崎浩平
―チームパーシュートの結果について
今のメンバーで出せるベストなタイムだと思うので、3位をとれてよかったです。
―予選は山本選手が代わりに出場されていましたが
元々は自分が正規のメンバーでした。ただ自分がチームパーシュートの決勝と1kmタイムトライアルに集中するために代わりに予選は山本先輩が出場するという形をとりました。
―レース直前の応援団の大きな声援は力になりましたか
遠くの方から自分の名前が呼ばれたときに頑張ろうと思いました。
―2日目の男子1kmタイムトライアル6位入賞の感想を
タイムは自己ベストとは程遠かったのですが、3位には入れるかなと思っていました。結果として本番にトップのコンディションを持ってこれなかったのが勝てなかった原因です。
―直前に野上選手が日本記録に迫る記録を出しましたが意識はしましたか
最初から野上選手の事は意識していたのですが、予想より早いタイムを出したので自分も頑張ろうと思いました。良いタイムを出してくれたことで自分のモチベーションも上がりました。
―3日間のトラック競技を終えて課題は見つかりましたか
タイムトライアルでは最後まで我慢しきれずタイムが伸びなかったので、そこを改善できるようにウエイトや持久系のトレーニングを冬でこなして、来年のインカレに繋がればいいかなと思います。
鈴木康平
―チームパーシュートの結果について
久々にうれし泣きしました。特に深瀬先輩は地元が同じで中学の時から知っていて、一緒に走ったりしてきたのでそれを思い返すと泣けてきました。
―1日目に地元静岡の声援が力になるとおっしゃっていましたが
レース直前の応援で自分の名前が呼ばれた時はちょっと恥ずかしかったです。自分の高校の後輩も応援に来てくれていてありがたかったです。
―インディヴィデュアルパーシュートでは惜しくも4位でしたが
納得はしています。完敗です。悔しくはあるのですが、去年まで調子が良くなかったのでここまで来れてよかったと思います。4位でもうれしいです。総監督にこの一年間面倒を見てもらってありがたく思っています。
―3日間の競技を終えて今後の目標は見つかりましたか
個人ではこれまであまりインディヴィデュアルパーシュートをやってこなかったので、もっと極めて対戦相手の渡辺選手(朝日大2年)を倒し、優勝した橋本選手(鹿屋大3年)と決勝で勝負することが目標です。そして優勝したいです。