【アイスホッケー】平成27年度関東大学アイスホッケーリーグ戦 対東洋大2回戦 攻め切れず…守り切れず…中盤の失点が響き、後半戦2連敗
平成27年度関東大学アイスホッケーリーグ戦 Div I-A
2015年11月3日(火)
DyDoドリンコアイスアリーナ
前半戦で勝利した東洋大から再度勝ち星を奪いたい法大。第1ピリオドに先制を許すも、第2ピリオド前半に同点に。だがその後立て続けに3失点を喫してしまう。攻撃陣も数多くのチャンスを作るも決めきれず、後半戦2連敗となった。
試合結果
トータル試合結果
3 (42) |
0(13) | 1P | 1(9) | 5 (27) |
---|---|---|---|---|
1(10) | 2P | 3(10) | ||
法政大学 | 2(19) | 3P | 1(8) | 東洋大学 |
※(カッコ内)は、シュートの本数を表しています。
ゴールデータ
チーム | ピリ | 時間 | ゴール | アシスト | アシスト | PP/PK |
---|---|---|---|---|---|---|
東洋大 | 1 | 19:30 | 19 武尾秀康 | 18 今野友尋 | 7 岩野和貴 | PK |
法大 | 2 | 26:53 | 21 木戸啓太 | 22 中口郁弥 | 81 横山恭也 | ― |
東洋大 | 2 | 30:31 | 48 人里茂樹 | 13 出口圭太 | 16 飯島晃 | ― |
東洋大 | 2 | 33:51 | 48 人里茂樹 | 49 田中健太郎 | ― | ― |
東洋大 | 2 | 38:24 | 48 人里茂樹 | 7 岩野和貴 | 36 柴田嗣斗 | PK |
法大 | 3 | 53:43 | 22 中口郁弥 | 6 松本勝利 | 21 木戸啓太 | PP |
東洋大 | 3 | 55:35 | 46 渡邊亮秀 | 11 今村健太郎 | ― | PK |
法大 | 3 | 59:56 | 88 吉村紀耶 | 13 松本力也 | 21 木戸啓太 | ― |
※PPは法大のパワープレー、PKは法大のペナルティキリングを示しています。
メンバー
SET | FW | FW | FW | DF | DF |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13 松本力也 | 21 木戸啓太 | A 22 中口郁弥 | C 81 横山恭也 | 6 松本勝利 |
2 | 29 石田和哉 | 18 西口開羅 | 50 沼田翔 | 2 今将駿 | 3 高橋魁人 |
3 | 23 末廣直樹 | A 88 吉村紀耶 | 10 鈴木翔弥 | 8 川上朝日 | 16 畑中大季 |
4 | 61 大山翼 | 71 阿部拓斗 | 92 大野峻丈朗 | 14 藤本渓太 | ― |
※#14 藤本はFW。GKは#25 久保田雄樹が出場。
戦評
1巡目に勝利した東洋大相手に敗れ、チームに勢いをもたらすことはできなかった。
試合開始から攻める法大。スピードが持ち味の東洋大に対し、開始30秒で既に1本目のシュートを打つなど積極的に足を動かす。3分のパワープレー(PP)では、得点こそ決めることは出来なかったものの、アタッキングゾーンに留まりパックを渡さず攻撃の態勢を作る。立ち上がりはディフェンスも前線からのプレスで相手にチャンスを作らせない。10分にはゴール裏を使った相手の攻撃に危ないシーンも見られたが、この日大学初先発出場を果たしたGK久保田雄樹(法3)の好セーブでピンチを切り抜けた。その後も法大ペースで試合は続き、FW石田和哉(営1)やFW松本力也(人3)らのシュートでゴールに迫るも、得点が奪えない。そして徐々に東洋大に流れが傾き始めた後半の残り30秒、ペナルティで数的不利の状況におかれる。ここでパック回しでゴール右ががら空きになった隙を突かれ、先制点を許してしまう。
松本力らがチャンスを演出するも、ものにできない
そのまま第1ピリオドが終わり、1点を追う展開で第2ピリオドへと移ったが、パックは依然として法大が保持。ハイスティックでノーゴールの判定が出てしまったものの、FW吉村紀耶(国4)がゴールネットを揺らしチームを勢いづかせる。そのまま波に乗った6分53秒、復帰して2戦目と「まだ本調子ではない」と語るFW木戸啓太(営3)がドリブルでリンク中央を攻め上がり、そのまま相手DF2人の間を通してゴール。試合を振り出しに戻した。この後は攻守の切り替えが目まぐるしく変わり、お互い一歩も譲らず攻撃の隙を与えない。だが、東洋大でポイント数トップを誇る人里茂樹にこの状況を打破されてしまう。人里1人に10分、13分、18分と立て続けにゴールを決められ、東洋大にゲームの流れを奪われる。
同点ゴールを決めた木戸(左から1人目)に駆け寄る選手たち
一気に1-4までリードを広げられたが、必死に食らいつきたい第3ピリオド。アタッキングゾーンに長くとどまり、東洋大に怒とうのシュートを浴びせるも、相手の1年GK・古川駿にことごとくセーブされる。この後試合はこう着するも、12分、PPのチャンスが到来し得点力のある第1セットが出場。5人全員でゴールを狙う。巧みなパスでパックを回すと、最後はFW中口郁弥(法4)が力強くゴール。なんとか1点を取り返す。
2点目ゴール後の中口は笑顔を見せる
この時点で2-4。第2ピリオドで広げられた点差はまだまだ縮まらない。このまま反撃に出たいところであったが、15分、ペナルティによりキルプレー(KP)となると相手DFのブルーラインからのシュートを止めることはできず2-5に。点差を広げられる。残り時間も少なくなり、18分のタイムアウトの後は6人攻撃で勝負に出た法大。終了間際残り4秒のところで松本力からのパスに吉村が合わせ、意地の1点を返すも、試合終了。東洋大相手に勝ち点は奪えなかった。
流れをこちらがつかむ場面もあったが自分たちのミスから上手く繋げることが出来ず、逆に少ないチャンスを確実に決めてきた東洋大に敗戦を喫した。負けが続き苦しい状況で次なるカードは首位・中大だが、法大は昨年のリーグ戦で白星を挙げている。勝てない相手ではない。エース木戸の復活や、ポイントランキング上位に食い込んでいる松本力也、横山恭也主将(営4)の力で、現在負けなしの中大から勝ち星をもぎ獲れるか注目だ。(大森麻子)
選手コメント
吉村紀耶
ー今日の試合を振り返って
動きはみんな悪くなかったので、運もあったのかなと思いますね。
ー第1ピリオドは前線から守りの意識が高いように見えましたが
そうですね。今までの試合よりも、立ち上がりはよく、いい感じで試合に入れたと思ったんですけど、決めるべきところで決めることができていなかったので、得点力不足ということが今回の敗因だと感じています。
ーシュート数では相手よりも多い中で負けてしまいました
やはり数ではなく、シュートの精度が重要だと感じましたね。相手のGKがよかったのもあると思います。
ー前節に続き、失点数が多いことについて
今のところ守りというよりも、GKの問題というところも大きいと思いますね。失点数を減らすにはGKの強化も必要ですし、自分たちのシュートの精度が悪いから、GKの技術も上がらないのかなと感じました。
ー今日の試合でも得点直後に失点が見られましたが
そうですね。毎回得点後にすぐ失点しているので、もうずっと得点した後はシンプルにプレーしようと言っているんですけど、それができないのが今の課題でもあります。
ータイムアウトの時に話し合ったことについて
点数を取るしかない状況だったので、作戦や守りよりも攻めをより意識しようと話し合いました。
ーご自身の得点場面について
指示された通りの場所に自分はいたので、いいパスが来て、あとは合わせるだけでした。
ー次の試合に向けて
次の相手である中大は、順位でもトップの位置にいるので、そのトップのチームに対してどれだけ自分たちの力を出し、勝ちに持っていけるかというのもインカレに向けての課題の一つだと考えています。順番に上がっていけば、インカレでも戦うと思うので、次の試合ではインカレに向けての対策もしていかないといけないかなと思います。
川上朝日 (法2)
ー今日の試合を振り返って
勝てる試合を落としたという感じですね。チャンスはたくさんありました。決めきれない部分が多々ありましたし、試合を動かすのに時間がかかって勢いがついたときにはもう遅かったという感じがします。
―立ち上がりから足は動いていたようでしたが
立ち上がりに関しては秋リーグ通して最も良かったのではないかと思えるほどだったので、この感覚を忘れずにいけば残りのリーグ戦でもインカレでも勝ちにつながるのではないかと思います。だからこそそういう意味で、やはり今日の負けはもったいなかったですね。
―一巡目では勝利した東洋大でしたが前回対戦した際の手応えの差は
やはり決定力だと思います。チャンスを確実に決めてくる東洋に対して、僕らはそこが少し甘かったんじゃないかと。
―シュート数は法大の方が上回っていたにも関わらず負けてしまった理由は
シュート数として数字にも表れていますが、実際全体的にアタッキングゾーンにいる時間は僕らの方が多かったと思うんですよ。それにも関わらず負けてしまったのは、やはり先程言ったチャンスの活かし方ですよね。あとは、守りの面に大きな課題があると思います。毎試合4~5点の失点が当たり前のようになっているのは痛いです。失点は最低でも2点、というのがチームで共有している目標でもありますし。
―川上選手ご自身はすごく冷静でミスのないプレーが印象的でしたが
自分は第3セットで出ていたので、とにかく守りに徹しました。チャンスがあればもちろん攻め上がることもしますが、僕たちの場合、優先すべきことは点をとることではなく、ブルーラインを割らないということなので。まず状況把握をしなければならないし、その中で守備からリズムを作ってまた攻撃へ、と考えていました。
―いま、チームに必要なものは
上位を狙えるチームだとは思っているし、このメンバーなら十分通用すると思います。でもそこで上位に食い込めないのは、攻撃よりも守備に課題があるからで、失点を減らさないことにはこれから先成長できないです。このリーグ戦で優勝するのは厳しいので、次のインカレを見据えて早急に克服しないと間に合わないと思っています。東洋大はインカレで対戦することも決まったので、今日は勝って自信に繋げたいところでしたね。
―得点直後の失点は長い間課題となっていますね
得点して気が緩んでしまうというか、安心してしまうのはどうしてもあるのが事実です。油断してしまってそこからワンパスで繋げられてしまいます。
―ご自身の強みはどのようなところですか
当たり負けだけはしたくないし、しないよう意識してます。DFとして当たり負けしていてはダメなので、体を張った守りを心掛けてます。
─次の試合に向けて
中大には去年の秋リーグで一度勝利しているので、その時の感覚を思い出してプレーしたいです。みんなでゴールを守り、攻めるときも5人で攻める、そういうホッケーをやれば勝てない相手ではないと思っているので頑張りたいです。失点は絶対に2点以内で抑えます。
久保田雄樹
―今日の試合を振り返って
勝てた試合を落としてしまったなって思いました。自分が2Pでミスさえしてなければ、勝てたと思います。2Pの連続失点がなければ、チームの雰囲気もよく、2Pの段階でもっと得点出来て、点差の開くような試合にはならなかったと思います。
―5失点の結果については
シュートが27本しか来てないので、2Pで入れられすぎだなって感じです。チャンスはいっぱいあったので、2点に抑えて勝てたんじゃないかなって思います。
―1Pは守備が安定していた気がしましたが
1Pと3Pはいいんですけど、2Pに1失点してから一気に崩れて、自分で立ち直れなくなって、連続で失点してしまったんじゃないかなって思います。
―KPでの失点が多いですが
KPはどうしても一人少なくなって、相手が一人多くなるんで、打たれるパスも多くなるんで、そこはもうちょっと自分が声かけて、防ぐことが出来たんじゃないかなって思います。
―微妙な判定が多かった気がしますが
審判が言ったことが覆ることはないので、そこでどう自分たちでやっていく。そこで、なんでってなるんじゃなくて、さらに頑張らなきゃいけないっていうのがこれからのチームの目標だと思います。
―前戦(早稲田戦)で今シーズン初出場となりましたがその時の心境は
緊張はしましたけど、チームの仲間にいっぱい声かけてもらったので、緊張はそんなすることなく、普通に試合に臨めたんじゃないかなって思います。
―今日は今シーズン初スタメンですが
今日は自分が守るってことを第一に考えて、あとはとりあえず勝つということ。どんな内容であろうと、勝つってことを目標に頑張ってやりました。
―いつ以来のスタメンになるんでしょうか
スタメンになったのは大学入って初ですね。大学に入って一度もなかったです。
―出ていない間はどのようなことを
自分にチャンスがいつ来てもいいように、準備して待ってました。
―次の中央戦に向け
今日の東洋よりもっとシュートを打つ、今一番強いチームなのでもっと気を引き締めてやらないとこのままじゃダメなんじゃないかなって思います。
高橋魁人(営3)
―今日の試合を振り返って
前回の試合と同様、大事な場面で失点してしまい、修正できなくて結局最後試合に出ることができなったので反省しています。特に最初1-1の同点にした後に失点したのが痛かったです。
―1P序盤はディフェンスで前線からのプレスが機能していましたが
失点してからできなくなってしまいました。自分たちの失点から連続失点が始まったので、やはり自分たちで流れを悪くしてしまいました。
―2Pに立て続けに失点してしまった要因は
途中で監督からもいわれもしたのですが、流れでプレーしていて、一つ一つ集中できていなかったと思います。
―2Pはシュート数が同じでしたが、スコアは1-3でした
チャンスはあったのですが、攻めきれませんでした。
―この試合もピリオド終了間際や得点後すぐに失点するなど、これまでと同じような失点の仕方が目立ちました
1巡目からずっと言われてきているのですが、修正できなったので今後も集中してプレーしていきたいと思います。
―最近は今(将駿・法3)選手とディフェンスを組まれることも多いですが
学年も同じということで、組みやすいです。監督からは「4年生に頼るのではなくて、お前らがやらないとだめだぞ」と言われています。また、守りができていないのでしっかりやること、そして自分たちが引っ張っていくという気持ちを出せと言われています。
―次も上位校との試合が続きますが
ほぼ全試合で失点してしまっているので必ず無失点で抑えることと、得点をした後など、一つ一つのプレーを集中することを意識しようと思います。
フォトギャラリー
- 試合終盤、得点を奪えず悔しがる木戸
- 木戸は全得点に絡む活躍
- 3セット目を引っ張る吉村
- 川上は冷静なディフェンスでチームに貢献
- 第2セットのディフェンスを担う高橋
- 久保田は課題の残る大学初先発となった
- 松本勝はこの試合、1アシスト
- 鈴木はリンクを駆け回り、積極的な攻撃参加を見せた