【陸上競技】八王子ロングディスタンス2015 坂田がベスト更新もエース足羽は振るわず
八王子ロングディスタンス2015
2015年11月28日(土)
法政大学多摩陸上競技場
箱根前最後の大会となる八王子ロングディスタンスが開催された。好記録が出ることで知られる今大会では村山絋太(旭化成)が14年ぶりに日本記録を更新し、会場を沸かせた。法大から出場した坂田昌駿(スポ3)は自己ベストを更新。一方でエース足羽純実(現3)は苦しいレースとなった。またOBの西池和人、清谷匠も出場し、共に自己ベストをマークした。
試合結果
男子10000m
組 | 名前 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|
1 | 坂田昌駿(スポ3) | 29分47秒99 | 7位 |
3 | 足羽純実(現3) | 30分14秒66 | 26位 |
4 | 西池和人(平26年度卒=現コニカミノルタ) | 28分37秒22 | 1位 |
清谷匠(平23年度卒=現中国電力) | 28分48秒19 | 4位 |
戦評
箱根駅伝前最後のレースである八王子ロングディスタンス。坪田智夫駅伝監督が「エースと2番手」と評し、箱根の目標であるシード権獲得の鍵を握る2選手が出場した。
1組に出場したのは、2週間前に行われた日体大記録会の5000mで自己ベストを更新した坂田昌駿(スポ3)。かつて大学駅伝を沸かせた八木沢元樹(ヤクルト)ら実業団選手を相手に、序盤から先頭集団でレースを展開。「あまりプレッシャーは感じずにいけた」と話す通り、トップで集団を引っ張る場面もあるなど、終始積極的な走りを見せた。しかし、残り800mからの八木沢のロングスパートには対応できず。2年ぶりの自己ベスト更新も、悔しい結果となった。
積極的にレースを引っ張った坂田
目標タイム28分50秒の3組には、坪田監督がエースとして期待する足羽純実(現3)が登場。スタートこそ集団後方に着けたが、じわじわと位置を上げ先頭に近いポジションでレースを進める。ペースメーカーも設定通りのタイムでレースメイクし、好記録への期待が膨らんだ。だが、4000m過ぎから失速し始めた足羽は「ゆとりがなくなってしまった」と瞬く間に集団からこぼれ、自己ベストとは程遠いタイムでのゴールとなった。
先週行われた1万メートル記録挑戦会、そして今大会で予選会出場メンバーから多く聞かれたのが疲労の蓄積だ。2年前の箱根では、当時エースの西池和人(平26年度卒=現コニカミノルタ)や、期待のルーキー足羽は直前の故障に泣き、出場はならなかった。これから合宿が行われるが、疲労と向き合い、いかに万全の状態に持っていくかが、箱根での結果を大きく左右するだろう。(小島雄太)
監督、選手コメント
坪田智夫 駅伝監督
―今日の坂田選手のレースの評価は
記録は出なかったのですが、内容のあるレースだったと感じています。本人にも指示していたのですが、前半から積極的にいって、上手くコントロールしながらレースを進めなさいと話していて、ペースが落ちてきて一番苦しいところを前で引っ張っていました。記録は出なかったのですが、内容のある、箱根につながるレースでした。来年になってしまいますが、次の1万メートルにもつながるレースだったと思います。
―タイムは29分半を狙っていたそうですが
29分半はあくまで実業団の選手に引っ張ってもらっての記録でした。きついところを引っ張って29分47秒出しているので、記録は条件が整えば出るのかなと思います。
―足羽選手のレースについては
本当はもっと記録出るかなと思っていたのですが、まだまだ体力がないというか、連戦で戦えるまではないのかなと思います。予選会で合わせて、日体大記録会で1本刺激のつもりだったのですが、走ってそれが疲れにつながったのかなと。まだ体力がない部分があると思います。ただ力がないとは思っていないです。練習を見ていいても、28分50、40あたりまでは間違いなく出るなと思っています。今回はタイミングを合わせきれなかったのは、こちらのミスなので、本人には話しているのですが、まだ時間はありますし、合宿もありますし、一回作り直していきたいです。足が悪いとか体調が悪いわけではないので、一回作り直しの期間を設けた上で箱根に向わせたいなと思います。
―今日は中盤から遅れ始めましたが、疲労の影響でしょうか
疲れというよりは練習のためがなくなったという感じです。ここまで持つかなと思っていたのですが、夏しっかりやった部分が1本、日体の記録会が余計だったかなと思います。ただ、ここで落ちるようではまだまだ力がなかったと言えるので、もう一回作り直して箱根に向わせたいです。
―今大会は実業団選手も多く出るレベルの高いレースですが、こういった大会に出るメリットは
実業団のニューイヤー駅伝とかで優勝争いをするようなメンバーが多く出ていました。足羽に関しては実業団でつなぎの区間を走れる選手、状況によっては優勝争いをするチームのつなぎの区間で走れる選手だと思っています。今回は実業団の選手と走るということで、レースの組み立てや進め方といったことは、大学レベルのレースとは違うので、そういった部分を肌で感じることができたのかなと思います。
―今回走った両選手は箱根でも主要区間を担う選手だと思いますが
良い部分も悪い部分もあるので、この結果がそのまま箱根につながるとは思っていないです。良い部分は箱根にむけてもらって、今回の反省材料は一ケ月ありますので、そこで修正していって、箱根にむかわせたいです。
―これから合宿がありますが、どういった調整、練習をしていきますか
一度組み立てたのですが、今日の午前の練習を見ていても、もう一回組みなおさないといけないかなと。特にケガ人が出ているわけではないのですが、2年前、3年前の流れではなくて、もう少しゆとりをもたせたい、作り直す時間が必要なのかなと考えています。
坂田昌駿
―今日のレースプランは
実業団の選手と一緒に走るという機会だったので、途中まで引っ張ってもらって、遅かったら自分で行くというレースプランでした。実業団の選手があまり積極的に引っ張ってくれなかったので、自分から先頭にいったのですが、あまりいい記録が出せなくて自分の実力のなさを痛感しました。
―周りの選手が全員実業団の選手でしたが、他の試合と違いは
自分より強い選手がいるということにはあまりプレッシャーは感じずに行けました。
―今日の目標タイムは
目標タイムは29分30秒で、なおかつ組1着を取るというものだったのですけど、情けない結果でしたね。
―今日のタイムについては
一応ベストなのですけど、これまでで一番悔しいベストです。もっと自分では行けるなという感じはあるのですが、今回はこういうレース展開だったので仕方なかったのかなと思います。
―2週間前の日体大記録会の5000mでベストを更新しましたが
あの日体大記録会は今日のための刺激みたいな位置づけで走って、一応ベストだったのですけど、調整とスピード練習なしで臨んだ大会としては良かったんじゃないかなと思います。
―予選会を終えてから調子は
調子は悪くなくて、むしろいい方だったのですけど、もっといけるなって思っています。
―これから合宿が始まりますが
今日走ったので前半は休む感じで、後半徐々に練習を上げて、ケガをせずに合宿を終えられたらなと思います。
―箱根にむけて
箱根は主要区間を走ることになると思うのですけど、そこで勝負できるようにして、みんなでシード権を取りに行きたいと思います。
足羽純実
―レースを振り返って
序盤から身体がきつくて3000mの地点でいっぱいいっぱいだったので、レースまでの調整ができていなかったなと思いました。
―今日のレースプランは
ペースメーカーがいるので、その人にずっと着いて、28分台を出すという考えだったのですが、早々に離れてゆとりがなくなって、そのままただ走るだけという形になってしまいました。
―今日の調子は
今日までの練習は結構できていて動いていた気がしたのですが、知らず知らずのうちに疲労が蓄積されていて、今回出し切れなかった部分が大きかったです。
―疲労というのは2週間前のレースからでしょうか
そうですね。やはりまだ連戦できる体力がなかったなというのは思いました。2週間前のレースは今日のレースに向けたスピード練習という目的でやっていたのですが、まさかそのスピード練習で力尽きてしまうとは思っていなかったです。
―タイムについては
ベストよりも1分以上遅いので、身体がきついにしても遅すぎたなと思います。
―目標タイムは
28分50秒くらいでした。
―3000m辺りからきつかったということでしたが、その後はどの位を目安に走ろうとしましたか
5000mを15分00くらいにまとめたかったのですが、完全にゆとりがなくてそのままずるずると撃沈してしまいました。
―レース後、監督からはどのような言葉をいただきましたか
やはり疲れが溜まってきていて、まだ連戦できる体力がないということを指摘されました。
―これからはどのようなことを中心にしていきますか
やはり疲労が溜まっているのでしっかり疲労を抜いていきたいです。ここまで練習自体はできているので、また状態を合わせて箱根駅伝を迎えることができれば良い結果を出せると思います。ここからしっかり休んで状態を戻していくことを意識していきたいです。
―現在の練習は具体的にどのようなことをしているのでしょうか
ここのところはこのレースに向けてスピード練習を入れていたりして追い込む練習をしていました。これからはペースを上げる練習ではなく、長い距離をこなすなどして少しずつ状態を上げていく練習をまた今日、明日からしっかりやっていきたいなと思います。
―箱根にむけて
今回結果は悪かったですが、僕は悪い結果の後に良い結果が出ることが多いのでしっかり結果を出していきたいです。
フォトギャラリー
- 坂田は自己ベストを更新した
- 積極的にレースを引っ張った坂田
- 足羽は序盤は設定通りのレースを進めた
- 中盤から苦し走りとなった
- OBの西池はベストを更新し1着でゴール