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【準硬式野球】東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対立大3回戦 まさに有終の美!4年生を中心とした代打攻勢で逆転勝利を果たす!

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【準硬式野球】東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対立大3回戦 まさに有終の美!4年生を中心とした代打攻勢で逆転勝利を果たす!

東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対立大3回戦
2016年10月24日(月)
早稲田大学東伏見グラウンド

 勝敗に関わらず、今季最終戦となる立大との第3戦。すなわち、4年生にとっては大学生活最後の試合となる。試合はその4年生が有終の美を飾る結果となった。7回に2点をリードされ、試合は決したかに思われたが、8回に4年生を中心とした代打攻勢を仕掛けると、中村聖弥(経4)の逆転打などで試合をひっくり返す。そのまま、最終回を無失点で守り抜き、最終戦を勝利で飾った。これで勝ち点は2、リーグ戦4位で大会を終えた。

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逆転の2点適時三塁打を放つ中村

試合結果

トータル試合結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
立 大 0 0 0 1 0 0 2 0 0 3 10 1
法 大 0 0 0 1 0 0 0 5 × 6 14 2

(立大)片山、山下、●中川―榛葉
(法大)末次、○室木(3勝3敗)―栗田、土倉

三塁打:中村(8回)
二塁打:栗田(1回)、永田(4,6回)、小野(8回)
盗塁:小野(4回)、永田(8回)

打撃成績

打順 位置 選手名 出身校 打数 安打 打点 四死球 打率
1 (4) 藤口帝(社3)  遊学館 3 0 0 0 .167 
  PH 萩原幹斗(社3)  報徳学園 1 0 0 0 .381 
  4 飯嶋直也(法4)  弥栄 1 1 1 0 .417 
2 (8) 甲本裕次郎(社3)  鳴門 3 1 0 0 .326 
  PH9 内川慶一(経4)  佐賀北 2 2 0 0 .308 
3 (2) 栗田和憲(社3)  掛川西 3 1 0 0 .294 
  PH 湯田伝一郎(経4)  福島東 2 0 0 0 .000 
  2 土倉徳(社1)  遊学館 0 0 0 0 .150 
4 (9) 小野慶典(経4)  静岡 3 2 1 1 .167 
  PR7 窪田剛士(経3)  桐蔭学園 0 0 0 0 ―― 
5 (3) 永田直(経4)  桐蔭学園 4 3 1 0 .250 
6 (7) 中村聖弥(経4)  藤代 4 1 2 0 .270 
  8 石橋優一朗(法2)  徳島北 0 0 0 0 .364 
7 (6) 三品勇人(社2)  報徳学園 3 3 0 0 .353 
  PH6 福地誉(スポ4)  普天間 0 0 0 1 .400 
8 (1) 末次慶一郎(社4)  佐賀北 0 0 0 0 .400 
  PH 福井寛(社4)  富山第一 1 0 0 0 .182 
  1 室木大(経3)  星稜 0 0 0 1 .250 
9 (5) 大石智貴(経1)  静岡 3 0 0 1 .150 

投手成績

  被安打 奪三振 四死球 自責点 防御率
末次 7 9 1 2 2 3.00
室木 2 1 2 2 0 2.17

リーグ戦最終結果

  慶大 早大 明大 法大 立大 東大 試合 勝点 勝率
―― ○○ ○○ ●○○ ○●○ ○○ 12 10 2 0 5 .833
●● ―― ○●○ ○○ ○○ ○○ 11 8 3 0 4 .727
●● ●○● ―― ●○○ △●○○ ○○ 14 7 6 1 3 .538
○●● ●● ○●● ―― ○●○ ○○ 13 6 7 0 2 .462
●○● ●● △○●● ●○● ―― ○○ 14 5 8 1 1 .385
●● ●● ●● ●● ●● ―― 10 0 10 0 0 .000
 

戦評

 第2戦で零封負けを喫し、第3戦にもつれた対立大戦。勝っても負けても今季最終戦となる。4年生にとって引退試合となるだけに、勝利で最後に4年生へ花道を作りたいところだ。  

 法大の先発は第1戦で完投勝利を挙げたエース末次慶一郎(社4)。ストライク先行の打たせてとるピッチングで立大打線を封じていく。しかし、ここ2試合4回に先制を許しているが、またしてもこの鬼門のイニングに試合が動く。4回表、簡単に2アウトを取るが、その後に四球を許すと、2死一塁から6番柴への初球。鋭い打球は左中間を抜ける二塁打となる。ヒットエンドランでスタートを切っていた一塁走者は一気に本塁まで疾走し、1点を先制される。  
 第2戦では、結局この4回の1点が決勝点となり敗れただけに、嫌な記憶が呼び起こされる。しかし、この暗雲を振り払ったのが主将だった。失点の直後の4回裏、4番の小野慶典(経4)が四球を選ぶと、すかさず盗塁。2死二塁のチャンスで、主将・永田直(経4)が左線を抜ける適時二塁打を放ち、すぐさま同点に追いつく。ここ最近不振に喘いでいた永田だが、さすがの勝負強さ、そして意地を見せつけた。  

 6回には、またしても小野、永田の4年生ペアで得点機を作り出す。小野が中前への安打で出塁すると、続く永田が左中間を抜ける安打を放つ。外野手がフェンス際で打球の処理に手こずる間に一塁走者小野は三塁を蹴って一気に本塁へ。立大の見事な中継プレーが繋がり、クロスプレーとなる。判定はアウト。勝ち越しのチャンスをものにできなかった。  
 すると、ピンチを乗り切った立大に試合の流れは移っていく。7回、無死から適時二塁打で得点圏に走者を進められると、中前への適時打で失点。二連打で勝ち越し点を奪われると、1死二塁から2番上原が一塁への絶妙なセーフティバントを仕掛ける。このバントの処理をした永田の一塁への送球がバッター走者と交錯し、ライトへ転々とボールが転がっていく。その間に二塁走者が生還し、この回2失点。試合終盤に痛い2点ビハインドを背負う。  

 これで試合は決したかに思われたが、8回にビッグイニングを作り出す。積極的に4年生を代打に送り出した法大。学生生活最後の打席となる4年生の意地に賭けたこの作戦が功を奏す。先頭打者の代打内川慶一(経4)がショートへの内野安打で出塁すると、続く代打湯田伝一郎(経4)の内野ゴロの間に二塁へ。この1死二塁のチャンスに、4番小野が右中間への適時二塁打を放ち、1点差に迫る。止まらない法大は、永田がこの試合3安打目となる中前安打で繋ぐと、盗塁で1死二、三塁に。すると、4年生で副将の5番中村聖弥(経4)が思い切り振り切った打球は右中間を抜けていく。逆転の2点適時三塁打。これにはベンチも大盛り上がり。打った中村も塁上でガッツポーズを作って見せた。  
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逆転の2点タイムリーを放ち、塁上で喜びを表す中村

 その後も代打福地誉(スポ4)、室木大(経3)の連続四球で満塁のチャンスを作り出すと、この回から守備で出場していた飯嶋直也(法4)の打席に。飯嶋の打球はショートへの内野安打となり三塁走者中村が生還。そして、遊撃手がボールをこぼしている間に二塁走者福地も本塁に滑り込み、2得点。この回、打者11人の猛攻で試合を6-3にひっくり返した。  
 残るは最終回の守りのみ。8回からリリーフした室木が2死から二塁打を許すものの、最後はセンターへのフライに打ち取り、勝利。勝ち点を2に伸ばし、リーグ4位で大会を終えることとなった。  

 8回の逆転劇。これは打った4年生にとっても、見ていた下級生にとっても忘れられない出来事となっただろう。最後の最後で4年生が背中で見せた。法大の売りでもある「打ち勝つ野球」を体現した形となったが、最後は技術ではなく、勝利への思いの強さだということを後輩たちに示した。全日本選手権、秋季リーグ戦と悔しい結果が続いてきたが、最後の最後で勝敗を分けたのはいつも精神力だった。この1ピースが足りず、これまで粘り負けを続けてきたが、最終戦でようやく思いの強さが勝利に結びついた。4年生は、来年こそ日本一を達成してほしいと後輩たちに期待をかける。4年生が背中で伝えたこと。3年生を中心にそれを成長に繋げられれば、来年全国の頂点に立つのは法大であるに違いない。(今井惇基)

 

選手コメント

永田直 主将(猛打賞をマークし、最後に主将の意地を見せる)

―今日の試合を振り返って
最終ゲームにふさわしい試合だったと思います。  

―8回には4年生の活躍で逆転を果たしました
すごく感動しましたね。いろいろ苦しかったことを思い出しながら見ていたのですが、今日4年生の打線が繋がったということは、今までの苦しかったことはこのためだったのかなと思いましたね。  

―個人としては3安打1打点の活躍でした
ずっと打てなくて、昨日も試合が終わった後に練習もして、最後に打てればいいなと集中していました。最初の打席で良い当たりを打てて、その後も会心の当たりが続いて。僕個人のことでも、今までの野球人生の最後を、良い結果で締められたんじゃないかなと思います。  

―この試合は大学最後の試合ということで、どういう思いで試合に臨みましたか
最後に勝ちたいという思いが一番ですね。ヒットが打てなくても、チームに徹するようなプレーをしたいなと。チームが最後に勝てることだけを目指して頑張りました。試合が始まる前にも「今日こそ本当に最後の試合になるから、4年生は今までの気持ちを全部ぶつけて、3年生以下も4年生を送り出すような気持ちでチーム一丸頑張ろう」と言いました。言わなくてもみんなその気持ちだったと思いますが、そういう意気込みでいました。  

―このリーグ戦を振り返っていかがですか
全日本が終わってすぐにリーグ戦が始まりましたが、まさか全日本でそんなにすぐ負けるとは思っていなくて、その気持ちを引きずったような気持ちでリーグ戦に入ってしまいました。それで自慢で売りの打線もうまく機能しなくて、苦しい試合が続きました。ピッチャーが頑張ってくれているのに、野手が奮起できないという試合が続いたようなリーグ戦でした。  

―この準硬式野球部としての4年間は、どのような4年間でしたか
最初は、法政の準硬式野球部がスポーツ推薦も取っていて強い、野球ができる環境があるということで入りました。高校でも厳しい環境でやってきた人が多い中、準硬式野球部は主体性が求められるところで。仲間を大事にすることはもちろんなんですけど、その中でも周りに流されずに自分はこうなんだという気持ちを常に自分の中に持ち、自問自答しながらやってきました。自分磨きや自己啓発をするには素晴らしい環境だと思います。僕は素晴らしい4年間だったと思います。  

―その4年間を共にした同期への思いは
みんな言いますが、明らかにクセが強い人間が多くて。僕はリーダーシップに秀でている人間ではないけど、リーダーに任命されて、何で俺がこんな役回りしなければいけないんだと思ったこともありました(笑)。みんなは八王子近辺に住んでいて、一緒にご飯食べたり銭湯行ったりみたいなことをしていますが、僕は横浜の実家暮らしなので全てに参加できるわけではない中で、孤独に感じることもありましたが、それでも平日練習や土日に一緒に野球をやって、仲間の大切さというのをひしひしと感じながら過ごしていました。いろいろぶつかり合った仲間がほとんどなのですが、だからこそこれから先もずっと大切な宝物のような存在になったと思います。  

―最後に、後輩たちに期待することは
それは全日本の優勝じゃないですかね。今年は、僕たちも優勝候補と言われていて、モチベーションも4年間で一番高く臨んだ大会だったのですが、それでも初戦であっさりと負けてしまって、それに関してはすごく悔いが残っています。4年間で唯一みんなが涙したようなシーンだったので、その悔しさというのは後輩たちには常に持っていてもらいたいですね。僕たちが来年社会に出たときに、みんなが活躍して全日本に出て、日本一になったという報告を聞けたら最高です。ぜひ日本一目指して頑張ってほしいですね。

 

飯嶋直也(8回の適時打で勝利を確実にする)

―4年生として最後の試合の感想は
出番があることは薄々感じていましたが、守備から試合に出ることは想定していなかったので、ミスをしてしまったのが心残りです。  

―打撃では追撃のタイムリーが出ました
会心の当たりではなかったですが、みんなが自分のために繋いでくれたという思いを受け取ったので、何とか打とうと思いました。  

―8回は4年生が中心となり逆転に成功しました
4年の意地というか、今季は4位に終わってしまった中でも、最後4年生で繋いで勝てたというのが本当にうれしいです。  

―同期はどのような存在ですか
一生この先も付き合っていきたいと思える仲間です。  

―後輩に期待することは
後輩たちには全日本で優勝してもらいたいです。  

―今後の抱負をお願いします
これから社会という闇に出て行くんですけど、この法政大学準硬式野球部で培った忍耐力というのを忘れずに頑張りたいです(笑)。

 

小野慶典(今季苦しんだ主砲からもタイムリーが飛び出す)

―最後の試合を終えて
今季苦しんだ中で最後勝てたことは大きいし、自分の野球人生の中でも最高の時間でした。  

―終盤の逆転劇は4年生の力あってのものでした
意地を見せられたし、今まで4年間やってきたことを全て出し切れたのでうれしいです。  

―ご自身のタイムリーについては
4番として全く打ててなかったですし、チームにすごく迷惑をかけていたので、最後は塁に出ることだけを考えた結果、相手を攻略することに繋がったのかなと思います。  

―同期はどのような存在ですか
最高です。最高で本当に楽しいメンバーでした。  

―後輩に伝えたいことは
全日本優勝して下さい!  

―今後も野球は続けられますか
今後は続ける予定はありません。  

―最後に今後の抱負をお願いします
来季は春秋もちろん優勝。この悔しさを晴らして全日本も勝って全国制覇してもらいます。

 

中村聖弥(逆転の2点適時三塁打を放つ)

―今日の試合を振り返って
最後の試合だったので、良い試合ができて本当に良かったです。  

―8回は同期の4年生の活躍で逆転を果たしました
ああやって連打で繋がったというのはうれしかったですね。  

―ご自身は逆転となる2点適時三塁打を放ちましたが、その打席を振り返って
人生最後の打席だったので、あまり気持ちで野球をする選手ではないのですが、最後は気持ちで打ちました。その前に直(永田)が打ったということもあって、それに勇気付けられたというのもあります。打席に入る前は、今まで野球をやってきて、これが最後の打席かという思いがあって、寂しい思いはないですが気合は入っていました。  

―この試合は勝っても負けても最終戦ということで、どのような気持ちで臨みましたか
勝ちたいという思いと、普段通りやろうかなという気持ちがありました。それでも最後は気持ちでしたね。  

―このリーグ戦を振り返っていかがですか
欲を言えば、この試合の最後の勢いがリーグ戦の最初から最後まで続いていれば、という気持ちがあります。今日は見ていてうれしかったですけど、惜しかったなという気持ちですね。みんなで最後4連覇したかったので、それは残念です。  

―この準硬式野球部としての4年間はいかがでしたか
僕は本当にラッキーで、1年の春からずっと試合に出ていました。入った時、先輩たちがみんな上手くて、絶対試合に出れずに終わるじゃんと思っていたのですが、当時の舟木キャプテンが抜擢してくれて、それにたまたま結果がついてきてずっとレギュラーで出してもらったので、本当に先輩方には感謝しています。先輩になってからは後輩が練習を手伝ってくれたので、後輩たちにも感謝しています。  

―この4年間を共にした同期の4年生への思いは
僕たちの代はみんな野球が上手かったので、誰が試合に出てもおかしくないところで、僕が試合に出続けていて。僕が不調の時などは特に、僕が出てていいのかなという気持ちがあって。それでもスタメンでは出ていたので、期待に応えよう応えようとしてきました。同期の協力もあって、試合に出させてもらったので感謝しています。  

―最後に、後輩たちに期待することは
試合に多く出ている選手も多くいるので、普通にやればリーグ戦で優勝できるはずなので普通にやってもらって(笑)。それで僕たちは全国大会1回戦敗退というまさかの結果だったので、せめてそこは超えてもらいたいと思います。相当悔しい思いをしたので、その悔しい思いをしないように頑張ってもらいたいです。

 

フォトギャラリー

  • nakamura逆転の2点適時三塁打を放つ中村
  • nagata主将の永田は適時打を含む3安打猛打賞をマークした
  • suetsugu最終戦で先発した末次は安定感のある投球でゲームメイクを果たした
  • ono笑顔で迎えた最後の打席は逆転の狼煙をあげる適時二塁打を放った
  • iizima飯嶋は勝利を決定づけるタイムリー内野安打を放った
  • fukuchi好走塁でホームに滑り込んだ福地
  • uchikawa代打として出場した副将・内川は2打数2安打の活躍
  • 4nennsei4年生の活躍で最終戦を勝利で飾った

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