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【重量挙】第62回全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会 1日目、2日目 赤松が大学記録、大会記録ともに更新!

重量挙

【重量挙】第62回全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会 1日目、2日目 赤松が大学記録、大会記録ともに更新!

第62回全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会
2016年12月23日(金)、24日(土)
さいたま市総合記念体育館

今年最後の大会である、全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会(インカレ)が埼玉県さいたま市で行われた。1日目は62㌔級に1人、2日目は3つの階級に4人が出場。本領が発揮できずに終わった選手もいたが、77㌔級の篠原航平(文4)と94㌔級の赤松哲郎(キャ4)が優勝。また赤松は大学記録、大会記録を更新し、チームを勢いづける結果となった。

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優勝だけでなく記録も樹立した赤松

試合結果

個人成績(丸数字は順位)

選手名 階級 順位 総得点 スナッチ クリーン&ジャーク トータル
古屋敷拓也  62kg級 5位 12点 106kg⑥ 132kg④ 238kg
篠原航平 77kg級 優勝 23点 136kg② 172kg① 308kg
大城翔吾 77kg級 6位 7点 116kg⑦ 146kg⑦ 262kg
新海裕輝 85kg級 6位 10点 123kg⑦ 159kg④ 282kg
赤松哲郎 94kg級 優勝 23点 155kg① 183kg② 338kg
 ※丸数字は種目別順位

戦評

 インカレ初日となったこの日、法政からは1年生の古屋敷拓也(法1)が62㌔級で出場。事前申請よりもスナッチ、クリーン&ジャーク(以下ジャーク)ともに重量を下げて挑んだ。
 他の選手が成功する中迎えた1本目、「緊張してしまった」と103㌔をまさかの失敗。2本目は同重量を成功し、3本目は3㌔上げて106㌔を成功。スナッチは6位と出遅れてしまう。ジャークは1本目の130㌔を失敗してしまうが、2本目の同重量は成功。3本目は132㌔に挑戦し成功し種目別順位は4位となったものの、トータル238㌔で5位と、本来の実力を出し切れないまま今大会を終えた。
 1年生ながら出場した今大会は完全燃焼できないまま終わった。しかし、この悔しさをバネに今後更なる飛躍を見せてくれるだろう。

 インカレ2日目最初の種目である男子77㌔級には篠原航平(文4)と大城翔吾(営3)の2人が登場。しかし共にスナッチの1本目を失敗し出鼻をくじかれる。不調の大城はその後も失敗試技が続いて6位に終わり、獲得点数も7点にとどまった。一方の篠原はそこから立て直し、スナッチでは同重量ながら体重差で1位とはならずも、ジャークで合計重量を逆転し優勝。得点のロスも最小限に抑え23点を獲得した。

 85㌔級には新海裕輝(キャ4)が出場した。スナッチでは1本目123㌔を成功するも、その後127㌔を続けて失敗。1年間通して、課題であったスナッチを克服することはできなかった。一方ジャークでは3本連続成功。それでも、記録は昨年に7㌔及ばず不本意な結果となった。夏前にはインカレ優勝を目標に掲げるも、その後けがが重なった。充分に練習を行えず、大会に臨むも、本来の力は発揮できずインカレを終えた。

 2日目の最後に登場したのは94㌔級の赤松哲郎(キャ4)。一昨年、昨年と2年連続優勝をしており周囲からの期待も大きく重圧がかかる中で、3年連続優勝を果たした。
最初のスナッチは1本目に144㌔を挙げ、スナッチ1位を確定させる。その後2本目の148㌔も「ここまでは自分の仕事と思っていた」と順調に成功させる。3本目は狙っていたという155㌔を見事挙げ、大学記録更新と2年連続となるスナッチ大会記録更新を果たした。一方のジャークでは、1本目の183㌔を「練習から少し調子は良くなかった」と言いながらもきっちり挙げる。しかし、2本目、3本目の187㌔は共に失敗。挙げた重量では他選手と並ぶも、体重差で惜しくも2位となり、 貴重な1点を落とす結果となった。
「ジャークに関しては悔いしか残らない結果になりました」。本人はそう述べたが、スナッチ、トータルで大会新記録を残した赤松の活躍はチームに勢いをもたらすはずだ。その勢いを明日の結果につなげたいところだ。(川北一輝、小島雄太、八木下伸一、中西陽香)

選手コメント

62㌔級 古屋敷拓也

―今日の試技を振り返って
今日の試技は消化不足でした。全力を出しきれなくって、ジャークに関しては押し上げる力がなかったです。

―スナッチ、ジャークともにスタートの重量を下げて挑まれました
他の大学の選手も1ポイントでも多くとるために確実に挙げに来ていたので、自分も合わせました。

―2種目とも1回目は失敗でした
スナッチの1本目は少し緊張してしまって、大きく回ってしまいました。ジャークに関してはタイミングが合わなかったです。

―トータル順位は5位でした
今回は3本ずつ成功していればもっといい順位になれていたので、悔しいです。

―インカレ出場の8人に選ばれた要因は
監督のメニューをしっかりとこなしてきて、あんまり記録は伸びなかったんですけど、自分のできることをやってきたからだと思います。

―インカレ出場はいつ決まりましたか
1ヶ月前です。

―今大会で4年生が引退します
先輩たちは自分の分まで頑張ってくれるので、しっかりと応援したいと思います。

―今後に向けての課題
次の試合は3月の全日本ジュニア選手権なので、そこで世界ジュニア選手権に出られるかもしれないので、そこに向けてしっかりと力をつけていきたいと思います。

77㌔級 篠原航平

―本日の試技を振り返って
1本目のスナッチの失敗がもったいなかったです。自分が競っていた日大の近内君でした。元々ベストは彼の方が上だと思うのですが、日大には絶対には負けられなかったです。スナッチの1本目取っていれば、3本目で逆転できたと思うので、1本目取りたかったです。

―スナッチ2位という結果について
自分が24点は取らなきゃいけないと思っていたので、取れなかったのは自分の失敗です。1本目の失敗が完全に響きました。それがなければ、今日の調子なら勝てたと思うので、勝ち試合で24点取れた試合だったので、落としてしまったのは僕のミスかなと思います。

―ジャークについては
日大の近内君が160㌔を1本目で失敗したので、勝ち試合だなと思って、自信を持って1本目162㌔やりました。172㌔は自己新だったですが、取れる自信はあったので、しっかり取れて、最後大学新まで触れたのは良かったですが、取れなかったのは練習ではそこまで触れてなく、165㌔くらいまでだったので、そのへんの練習不足が出たと思います。177㌔は初めて触ったのですが、クリーンまでできると思っていなくて、クリーンできたので、さしてやろうと思って、おもいっきりやったのですが、取っていたとは思いますが、前に流してしまいもったいなかったです。

―ご自身の調子は
あまり良くなくて、直前の多摩合宿で最初の方は全然良くなく、1週間終わりスタート重量をやる辺りから、徐々に良くなってきました。3日前くらいの練習は感覚的に良かったので、この試合はいけるかなと思いました。絶対に負けられない戦いで気持ちいれて上げれば上がるだろうと思いやりました。136㌔は練習でも触れもしない重量だったので、そこを取れたのはしっかり練習してきて良かったと思います。

―同階級には大城選手も出場されました
肩の調子があまり良くなく、普段一緒にパートナーでやっていて、なかなか調子が上がってこなくて、心配ではあったのですが、ある程度まではやってくれたので、また来年期待したいです。

―チームとしての目標は
もちろん優勝しか目指していないです。今後の展開でまだわからないですし、しっかり後の人たちがやってくれると思います。

―今後の競技予定は
続けていく予定です。しばらくはゆっくり休みたいです。目標はまた練習再開してから考えます。

77㌔級 大城翔吾

―今日の試技を振り返って
4年生に申し訳ないですね。

―東日本インカレから記録を大きく落としましたが
調整合宿の前から調子が上がらず。焦って練習してけがをして、だんだん上がらなくなってきて、それでこの結果ですね。

―東日本インカレでは85kg級での出場でしたが
もともと77㌔級で、東日本インカレで85㌔級にいって、日本大学の点数を1点でも下げるために。本来77㌔級ですね。

―今回は成功試技が2本にとどまりましたが
やっぱり練習でできてなかったので、それに尽きますね。失敗の練習が多くて、だんだん体の力が入らなくなってきて、それでこうなりました。

―試合前に監督から言われたことは
やってきてこうなったのは仕方ないから、もう思いっきりやれって言われました。

―2日目の法大勢の中で最初に登場しましたが
初日に1年生の古屋敷が出て、いい流れではなかったので、自分がケガしてたのはみんなわかっていたので、自分から6本成功して流れを作れたらいいなって。

―4年生で同じ77kg級の篠原選手が優勝したことについては
東日本インカレの反省会から2人で1、2位のワンツーフィニッシュを狙っていたんですけど、こういう結果になって申し訳ないですね。

―来年にはご自身も最終学年となりますが、今後に向けて
早めにケガを治して、団体優勝したいです。

85㌔級 新海裕輝

―本日の試技を振り返って
スナッチは今年1年を通して調子が上がらず、合宿中で若干良くなり、今日を迎えたのですが、1本しか取れず不甲斐ない結果に終わりました。これが今の実力だと思います。

―課題であったスナッチを克服するために何か取り組みは
大乗メニューを多くして、スナッチの補強をやり、イメージトレーニングをして、良い方向にもっていこうとしたのですが、結果は1年通してあまり変わらなかったので、考え直さなければいけないと思います。

―ジャークは3本成功しました
一応、3本成功はできたのですが、重量が低いので、物足りないところがあります。あまり練習ができてなくて、けがも重なり、かつかつの状態でこの試合に臨んだので、このような結果になってしまいました。もう少し体の調子を治して、練習に臨めたら良かったかなと思います。

―個人の目標は
前期の段階では優勝を目標にしていたのですが、後期に入って、けがで思うような練習できず、優勝というのはもちろんあったのですが、それ以前に自分の記録を戻して、しっかり点を取ることを目標にしていました。

―チームとしては優勝を目標にやってきたと思います
優勝はずっと狙っていたのですが、法政が成功しなきゃいけないところを成功できず、ライバル校がどんどん点を取っていくというのは去年、一昨年とあまり変わってないかなと思いました。でも、まだ終わっていないので、残りの人に頑張ってもらいたいです。

―今後の競技予定は
大学院に進学して、法政の所属ではないですが、国体や全日本選手権で活躍できるように頑張ります。

94㌔級 赤松哲郎

―今日の試技を振り返って
やはり学生最後の試合だったので、良い成績を残そうと思いました。スナッチは本当に狙っていたので、狙い通り155㌔大学新記録とって良かったです。でもジャークはちょっとつまずいてしまって、1点を落としてしまって皆に迷惑かけてしまって、本当に申し訳ないと思っています。
 

―先程も言われたように学生最後の大会でしたが、どのような気持ちで臨みましたか
まず1つは記録を残すことが大事だなと思っていていました。あとは団体への貢献というのが、得点を1点も落とさないぞ、という気持ちがあったので。1点は落としてしまったんですけど…。

―赤松選手は一昨年、昨年とインカレで優勝されていて周りから期待も大きかったと思うのですが、プレッシャーなどはなかったですか
ない、と言ったら嘘になるんですけど。本当に周りの”お前は優勝しろ”みたいなプレッシャーっていうのは本当に大きくて、それには応えなくてはいけないので、緊張もあったんですけど、それ以上にプレッシャーとか重圧があって。なので気持ちで挙げていきました。

―具体的にどう気持ちをあげていきましたか
アップの時から「この重量でやるぞ」という気持ちが強くあったので、大学最後ということもあったので、失敗しないで最後は笑って終わろうと思っていたので、そういう気持ちでやっていきました。

―今回のスナッチ記録155㌔も練習の時から挙げる予定だったということですか
そうですね。狙おうと思っていたので、日頃の練習から意識していました。

―155㌔が挙がったときはどのような気持ちでしたか
一番はホッとした気持ちでした(笑)。2本目までは自分の仕事、と思っていたので、3本目は自分のやりたい重量でやらしてもらえると分かっていたので、3本目はやりたい重量だったので気持ちで挙げました。

―クリーン&ジャークに関しては、昨年の177㌔から記録をあげましたが
もっと挙げるべき重量があったんですけど、1本目しっかりとって、この時にトータル重量は1位を決めていたので、あと2本目、3本目でジャークで1番にならなければならない場面で失敗してしまったので、ジャークに関しては悔いしか残らない結果になりました。

―挙げるべき、と言う目標値はどのくらいだったのですか
スナッチはドンピシャな155㌔で設定していたんですけど、ジャークの方は191、192㌔くらいで、大学記録狙っていこうと思っていたので、それを目標にしていたんですけど、全然気持ちとバーベルが合っていないというか、自分の緊張であがってしまって、思うように挙がらない、という結果になってしまいました。

―ジャークで力をみせた九州国際大学の選手も緊張の原因の1つでしたか
前の大会から191㌔を2人とも挙げている、というのは聞いていたので、自分も191㌔より上を挙げないとジャークでは点数を落としてしまうと分かっていました。でも練習からジャークに関しては少し調子が良くなかったので、これが今回は全然挙がらないなと分かっていたんですけど。気持ちで挙げようと思っていたんですけど、揚がらなかったです。

―トータルでは10㌔大会記録を更新しました
スナッチで差が開いていて、トータルに関しては上がいなかったので、安心してトータルは残せるなと思っていました。あと気持ちの片隅にある不安要素はジャークだけだったので。

―今回はご家族の方も来られていましたが、やはりご家族の応援は力になりますか
スナッチ3本挙がったのは、本当に家族や法政陣の応援のおかげで、その力は本当に大きくて。本当に力になりました。

―ご家族や監督さん、チームメイトとは試合前どんな話をされましたか
家族からは「優勝目指して頑張ってね」というのは言われていたので。監督からは「目一杯やりたい重量までやらせる」ということを言われて。自分もそれで気持ちに火がつきました。

―優勝された後は
「おめでとう」ということは言われて。自分もジャークで落としてしまって情けないな、と思っていたんですけど、それでも応援してくれていたというので、ちょっと涙が出そうになりました(笑)。

―最後になりますが、明日に試技を控える選手にエールをお願いします
今のところは、日本大学に(状況が)傾いてしまっているんですけど、後の3人には予想より目標より本当に上の重量でやってもらって、点を遥かに上にとってもらって、大活躍してもらうことを願うだけです。

フォトギャラリー

  • 7優勝だけでなく記録も樹立した赤松
  • 1古屋敷は下級生で唯一の出場
  • 2試技の失敗が続いてしまった大城
  • 3ジャークで合計重量を逆転させた篠原
  • 4見事優勝を果たした
  • 5新海は本来の力を発揮できずに終えた
  • 6ジャークは惜しくも2位となった赤松
  • 8大学、大会記録共に更新
 

 

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