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【重量挙】第67回全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権優勝記念インタビュー

2022年1月20日(木)
オンライン

昨年12月7日から9日にかけて第67回全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権がさいたま市のサイデン化学アリーナで開催されました。9年ぶりの優勝を狙う法大は主将の澤登健太郎選手(キャ4)が+109kgで大会記録を樹立する活躍を見せ、8連覇中の日大を下し、見事大学日本一に輝きました。弊会では優勝を成し遂げた平良監督、そして澤登主将にお話を伺いました。


大会記録を樹立するなど主将としてチームをけん引した澤登(写真提供:法政大学体育会重量挙部)

平良朝順監督

―9年ぶりの大学日本一となりましたが、今のお気持ちは
大分(時間が)経っちゃったので冷めちゃったけど(笑)。9年ぶりもそうなんですけど、その前の年がワーストの6位だったので、何とも言えない喜びでした。

―8連覇中の日大を破っての優勝でしたがどのような気持ちで大会に臨みましたか
7月に東日本の対抗戦があったんですけど、日大さんに20点差くらいつけて大差で勝ったんですよ。それで順当にいけば勝てるなと私も部員もみんな思ってたと思うんですが、調整に入ってもなかなか怪我人とかが多くてうまく調整ができない状況で大会を迎えてしまったので、部員もそうですし指導している我々も優勝するのは厳しいのではないかなと思って臨んだ大会でした。

―選手には何か声はかけましたか
まず大会に臨むにあたってはワクワクした気持ちでいくようにと、ドキドキしてるやつは勝てっこないよということとバーベルはハートで挙げるものだと、今大会準備の調整中で調子は悪いけど気持ちを強く持つようにというようなことを言いました。

―9年ぶりということもあり優勝の喜びは今までと違うものがありましたか
優勝はコーチ時代は5回くらい、監督としては今回で6回目でしたけど、いままでのどの優勝よりも今回の優勝がうれしかったですね。例えようのない喜びというか、当日のインタビューでも答えたんですが、今まで勝つときは準備がしっかりできていて、勝てるという自信がある中で勝ってきたんですけど、今回はどうしようもないくらい調子が悪かったので、その分喜びが何倍にもなったんじゃないかなと思います。

―コロナ禍で活動するうえで大変だったことは
これに関してはうちだけでなく他の大学さんも同じ条件なので。ただコロナだからとか体育館が午前中は使えないとかそういうのは勝てない理由にはならないよとは常々言っています。その中で学生たちが各々考えて創意工夫をしてトレーニングをすればいいのかなと、監督がいちいち言うと効果も薄れるので、彼らが一生懸命考えた結果が優勝に結び付いたんだと思っています。

―来季に向けて
今年のレギュラー10人中4人が4年生で、4年生全員選手だったんですよ。それに澤登は断トツの優勝でしたし、西田は2位、岡が3位と目ぼしい選手が(来年は)抜けていくので、次年度は厳しい戦いになるのかなと思っています。今残されている1~3年生までの今年度出れなかったメンバーと、4月に入ってくる新1年生でいいのがいますので、なんとか10人のメンツは揃えられるかなと。そうはいっても今年の抜けた穴を埋めるほどにはいかないかなとは思ってはいるんですけど、何としても連覇したいという気持ちは強く持っています。連覇に向けての秘策などはないので、私はただひたすら叱咤激励をするのみです。

―応援してくださるファンのみなさんへ一言お願いします
保護者の皆さんとOB,OGの皆さん、各都道府県協会の皆さんが関心を持っていただいておられたと思うので、その方々がずっと期待していただいていたにも関わらず9年間も勝てなかったことを大変申し訳なかったということを、この度の優勝でなんとか恩返しができたかなと思っています。何としても連覇を達成して、祝賀会をしたいという風に思います。また今後ともご支援、ご指導のほどよろしくお願いします。

 

澤登健太郎(主将・キャ4)

―法大としては9年ぶり、ご自身にとっては初の大学日本一でしたが今の率直な気持ちは
1年生の時から対抗戦は出させてもらっていて、法政にとってどれだけ大きい大会か分かっていたので、最後の最後自分たちの代で自分が主将の時にみんなに優勝させてもらえてよかったなという気持ちでいっぱいです。

―個人としても大会記録を樹立しての優勝となりました
個人のことは考えていなくて、団体としてどうするかだけを考えていて、最後の最後で自分が優勝しないとチームとしても優勝できないという状況で、自分のことよりもチームのためにという感じで、それでたまたま個人の優勝もついてきたのかなと思います。

―今季主将としてチームをまとめるうえで大変だったこと
僕自身この競技を始めるまではバスケをやっていて、バスケはみんなで一つのゴールを目指して戦うスポーツだと思うんですけど、それに比べてウエイトは最終的にはその人が頑張るしかない、いくら自分たちが応援しても手助けすることが出来ないので、個人種目ではあるんですけど、応援とか仲間の頑張りは刺激になっていましたし、17名全員で頑張ってやっていこうと話はしていました。一人も気が抜けてやるようなメンバーもいなかったですし、自分が何かしたってわけではないんですけど、みんながついてきてくれたのかなと思います。

―コロナ禍で活動していく上で大変だったことは
学生だからこそわかることなんですけど、コロナ禍だから全員で集まって練習できなかったりだとかみんな合宿所で生活しているんですけど、新しい新入生が入ってきてもすぐバラバラになってしまったりで、やるべきことを教えられなかったり、下級生の仕事を覚えられなかったり、今まで続いてきたものがコロナのせいで続けられないというのはありました。でもそれが自分的には逆に良くて、1年生から4年生まで全員がウェイトの練習を集中してできるような状況をしていけるようにしていました。

―4年間を振り返って
人生で一番濃い4年間と言い切れるくらい、最悪の気分も最高の気分を味わって、終わりよければ全てよしじゃないですけど、最後いい形で終われたので4年間最高でした。

―ウェイトを始めたきっかけは
バスケを小学校から本気でトップの方を目指してやっていて、県とかでもいいところ行かせてもらったりしていたんですけど、小学校から一緒にやっている幼馴染が中学の時にバスケの世代別日本代表に選ばれたんです。すごいなと思いながらもいつかは越してやると思ってやっていたんですけど、力の差を感じたり、悔しいなという思いが大きかったんですよ。そしたらたまたま自分が中学校三年生の時に地元でインターハイがあって、日川高校が団体優勝していて、それを見てこの競技は日本でも戦えるし、地元だけどトップを目指せる競技なんだなと知って、そこでウェイトリフティングをやろうって思って、その幼馴染に追いつく、負けたくないっていう気持ちで始めました。

―他競技の選手との交流はありますか
実はバレー部の主将の緒方悠大も自分と同じ高校で、高校2,3年同じクラスですごい仲良くさせてもらっていて、お互い法政で頑張っていこうなって話もよくしていました。そいつとは関わりも深かったり、社会人でバレーを続けるって言うんでこれからも仲良くしていきたいです。

―優勝した際には緒方選手からも連絡はありましたか
すぐ送ってくれて、良かったなおめでとうと言ってくれて、会えてないんですけど今度優勝したのを祝おうなって話はしました。

―卒業後も競技は続けられますか
はい。大学に残らせてもらって続けていきたいと思います。

―今後の目標は
まだ目標と言える立場ではないんですけど、最終的な夢としてオリンピックでメダルを取ること、そのためにもまずは全日本選手権を優勝するということが今の目標になります。

―来季以降後輩に期待することは
4年生によってルールとか決まりとか部の運営方法は変わってくるので、それは今の代を真似しなくていいし、自分たちで作り上げていくものだから、全部後輩たちに任せて、何かあった時は自分も一緒に練習させてもらうので頼ってくれという感じで、自分は何も期待せず見守っていきたいと思います。

―ファンの皆さんへひとことお願いします
皆さんの応援が力になって、最後の最後結果残せてよかったなというのはありますし、個人的にはこれからも競技を続けるので応援よろしくおねがいします。

(取材:二瓶堅太)

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