【スピード】第36回全日本学生スピードスケート選手権大会 〈AR部門〉大竹が総合3位で見事表彰台!安済は5000㍍で3位となる!
第36回全日本学生スピードスケート選手権大会
2016年12月10日(土)~11日(日)
群馬県総合スポーツセンター伊香保リンク
日本学生氷上選手権大会(インカレ)の前哨戦ともなる今大会。AR(総合部門)では、大竹拓三(文2)が本調子ではない中10000㍍で準優勝、総合でも3位で表彰台に上った。安済修哉(営1)も5000㍍で自己ベストを記録、3位表彰台と好成績を収めた。田中笑太(営1)は500㍍で失格となり、総合順位は振るわなかったものの5000㍍で4位など、1年2人の成長もうかがえる結果となった。
試合結果(AR部門)
種目成績
種目 | 選手名 | 順位 | 記録 |
---|---|---|---|
500m | 大竹拓三(文2) | 18位 | 39秒15 |
安済修哉(営1) | 19位 | 39秒18 | |
田中笑太(営1) | – | 失格 | |
1500m | 大竹拓三(文2) | 9位 | 1分55秒83 |
安済修哉(営1) | 11位 | 1分56秒47 | |
田中笑太(営1) | 33位 | 1分59秒66 | |
5000m | 安済修哉(営1) | 3位 | 6分58秒34 |
田中笑太(営1) | 4位 | 6分58秒67 | |
大竹拓三(文2) | 5位 | 7分00秒11 | |
10000m | 大竹拓三(文2) | 2位 | 14分32秒50 |
安済修哉(営1) | 10位 | 15分12秒47 |
個人総合成績
選手名 | 順位 | 合計点 |
大竹拓三 | 3位 | 163.396点 |
安済修哉 | 11位 | 165.460点 |
田中笑太 | 44位 | 81.753点 |
※総合部門…500m、5000mを1日目、1500m、10000mを2日目に滑り、計4本の合計点で総合成績を決める。
戦評
2日間に分けて4つの距離を滑り総合成績を競うオールラウンド部門。法政からは大竹拓三(文2)、安済修哉、田中笑太(営1)の3選手が出場した。
まず行われたのは、普段中、長距離を中心に滑っている選手は不慣れな500㍍。法政最初の出番の田中は、順調な滑り出しで最終コーナーまで行くも、まさかの転倒となり失格となってしまう。嫌な雰囲気が立ち込める中、続いての出場となった大竹は、風の影響でバランスを崩してしまいタイムを落として18位。最後の出場となった安済も悪い流れにのまれてしまったのかタイムを伸ばすことが出来ず、19位という不本意な結果となった。
そんな悪い流れを全員で払拭したのが続いて行われた5000㍍だ。「常に同じラップで滑りきることを意識していた」という安済は屋外ベストを更新する好タイムで見事3位に入り総合部門最初の表彰台に登った。田中と大竹も、安済の成績に奮起するように好タイムを出しそれぞれ4位と5位。法政3人が上位に並ぶ結果となった。
1日目終了時点で総合得点で安済が6位、大竹が7位と、2選手が2日目の成績上位12名のみが出場できる10000㍍の出場圏内で折り返した。
オールラウンド部門2日目は最初に1500㍍が行われた。この競技で3種目の合計が12位以内に入らないと4種目に進めない重要なレースとなる。
可能性のある大竹と安済は無難な走りで9位と11位となり、10000㍍出場を決める。しかし、田中は33位と悔しい結果で2日間の競技を終えた。
法政からは2選手が出場となった10000㍍。このレースの結果によっては総合成績での表彰台が狙える重要な最終競技となる。
この競技で輝いたのが大竹だ。長距離を専門にしている実力そのままに序盤からスピードに乗り、最後まで34秒後半から35秒前半のラップタイムを出し続け、見事2位となり表彰台に登った。前日の5000㍍で3位と長距離で波に乗っていた安済は、2日間の疲れからか序盤思うようにタイムが伸びず、徐々にラップタイムも落ちていき10位と悔しい結果となった。
総合成績は大竹が3位で入賞を果たし、実力を存分に見せつけた。1年生の2人も、安済が11位とポテンシャルの高さを見せ、田中は44位となるも、転倒がなければと思わせるようなレースを見せてくれた。
インカレまで残り1ヵ月。それぞれが大会などで調整をしながらその時を待つ。最強世代と呼ばれた先輩たちは卒業したが、全員で力を合わせて大会3連覇、更にその先を目指す。(川北一輝)
選手コメント
大竹拓三
―今大会を振り返って
1週間前に肺炎にかかって、正直出るか出ないかも直前まで迷っていたんですけど。練習の一環ということで、結果がどうであれ練習という位置づけで割り切ってやろうと思いました。レースが一番いい練習になると思っているので。
でもいざレースってなるとやっぱり狙っちゃうものじゃないですか。500㍍、1500㍍はあんなもんかなって感じなんですけど、(1日目の)5000㍍は割り切っていたなりに自分でペースとか、目標のタイムとか決めていました。それは切れたんですけど、同じチームの1年生に上にいかれるっていうのは、割り切ってやってたつもりでも悔しくて。今日の10000㍍は気合い入っていました。
練習も大会の二日前くらいからしか乗れてなくて、動かず休んでいて合わせることもできなかったので。その中で3位は、良い練習ができたなっていう位置づけにしておきたいですね。とりあえず、割り切っていたなりには良かったんじゃないかなと思います。
―今日の10000㍍はどんなレース展開を考えていましたか
前の日のラップを見ていたんですけど、34秒台でいかに押していけるかっていう感じだなと見えていたので。34秒台をキープっていうことで。途中何回か35秒に落ちているんですけど、それ以上に34秒台を出すことができて、色んなことを考えながら滑れました。肺炎で練習できてなくて、体力的にはまったく良いところに来てなかったんですけど、感覚的にはそんなに悪い気はしていなかったですね。
―昨年同大会より大幅に順位を上げましたが
ワールドカップに行っている人がいないっていうのもあるんですけど…やっと大学生の大会で戦うことが楽しくなってきました。上に行くことが可能になってきて、レースがすごく楽しみなので。良いシーズンになってるかなと思います。
今年は得意種目の5000㍍の自己ベストも大幅に更新できていて、それ以外の種目はあまり滑っていないので分からないんですけど、着実に力がついていると思います。チームみんなが自己ベストとか良いタイムが出ているので、いい練習ができているっていうのはみんなすごく感じてると思うので。その波を作りつつ、自分も乗りつつ、みんなでいい結果を出して行ければなと思っています。
―練習の内容や雰囲気について
雰囲気はいつもの感じです(笑)。でもやる時はやるっていうか、みんな気持ちも入ってますし。それ以外はダラダラしますし。私生活でも食事制限かけたり、意識高くやっていけています。
練習的にも今年はみんな頑張っているっていう意識があるし、内容も氷上に生きるような練習ができていたと思います。隼人先輩(中村隼人=営3)が全部(メニューを)組んでくれていて、練習に関しては隼人先輩に任せて信じてついていっただけなので、良いメニューを組んでくれていたのでくれた先輩のおかげかなっていうのもありますね。
今回の大会は隼人先輩と同部屋で、夜本当に一緒に楽しく過ごしたんですよね。それでリラックスしたりとかできて。隼人先輩もすごい面白いこととか言ってくださる方なので。自分も言って、イラッとさせたりしたんですけど(笑)。私生活も今回よかったかなと思います。結構真面目です、これ(笑)。布団もくっつけて寝てるんですよ。めっちゃ広い和室の部屋なんですけど、お互いマットレス持ってきていて、それをしっかりくっつけて寝てるんです!
―お二人は仲がいいのですね
そうです!!自分は隼人先輩思いなので!(笑)
―今シーズンについて
例年にないくらい自己ベスト更新しまくっていて、充実していますね。練習も1年生がタイムを伸ばしてて。去年は佐藤さんがいて、今年いなくなって練習どうなるかなって思っていたんですけど。1年生が結果残したり、力をつけてくれていたので。自分としてもうれしいですし、チーム全体の勢いっていうのが大事だと思うので、今それを作れているかなって感じはしますね。
―全日本選手権での目標は
肺炎を全日本までに治して、また良い練習をして全種目で自己ベストを出せればなって思いますね。
―インカレでの出場種目は
5000㍍、10000㍍ですね。
―インカレに向けて意気込みをお願いします
今回大学生が出る大会ってことで見ても、隼人先輩がすごい力があって大量得点が見込めて、阿部先輩(阿部啓吾=営3)もタイムが出てて大量得点が見込めて。1年生も自分も今回5000㍍で3、4、5位で。まあ上はワールドカップでいないですけど、全員が入賞すればそれも大量得点になるので。専大さんがいるんで、優勝はなかなか厳しいって言われてますけど…。外は何があるか分からないので。自分は高校の時のホームリンクなので。しっかり良い練習して、みんなで良い結果残したいですね。
下級生中心となる長距離組を引っ張る
安済修哉
(1日目終了時点)
―今日のレースを振り返って
とにかく同じラップで回ることを意識してました。今までは前半速いラップでいって後半にタイムが落ちてたので、今回は前半突っ込みすぎずに同じラップで後半まで持たせようと思ってました。
―今回の記録について
5000㍍は屋外で7分を切れたので、凄くいい収穫になったと思います。ただ、500㍍はよろしくないですね。
―今シーズン、他の大会での調子は
ジャパンカップ1戦までは調子良かったんですけど、2、3戦目はダメダメでした。なので今回そこそこの記録が出て良かったんです。
―調子は戻ってきましたか
戻ってきたと思います。
―2日目に向けて
明日は1番好きな1500㍍なので、そこで記録を出して10000㍍出れるように頑張りたいです。
(2日目終了時)
―今日のレースを振り返って
1500㍍も10000㍍もあんまりパッとしない結果でしたね。
―成績上位12人しか出られない10000㍍に出場しました
5000㍍で3位に入れたので、1500㍍で転ばなければ出られると思っていたので、そのように心の準備をしてきました。
―5000㍍で屋外ベストを更新しました
大学に入ってからレベルの高い練習を先輩が考えてくれているので、それにしたがって練習をしてきた成果が出ていると思います。
―10000㍍に共に出場した大竹選手について
面白くて、周りを盛り上げでくれるような先輩です。でも、練習となると切り替えて真剣に取り組んでます。自分は5000㍍も走るんで、目標になる先輩です。
―シーズンの中盤ですが、今シーズンここまでを振り返って
毎月1回レースを走るか走らないかなんですけど、もうちょっとタイムを安定して走れるようにしたいです。
―インカレで出場する種目は
まだ決まってないんですけど、1500㍍、5000㍍、リレー、チームパシュートだと思います。
―インカレに向けて
1つでも上の順位を目指して、少しでもポイントをたくさん取れるように頑張ります。
5000㍍の表彰中、笑顔を見せた
田中笑太
―本日の1500㍍を振り返って
もともと自分はスピードを持っていなくて、全然結果としては良くないのですが、でない割にはキープできたので、良くはないですが無難に滑れました。
―昨日の2種目については
500㍍は転んでしまい、自分の技術不足で終わってしまい、悔しかったです。5000㍍も安済にコンマ差でやられて、悔しい部分はありました。ジャパンカップ第2戦から5000滑っていて、7分23秒で第3戦が7分11秒で、今回の大会では6分58秒でタイムは上がっているので、自分の中で5000㍍の滑り方がわかってきて、良い感じです。屋外の自己ベストは出せたので、全日本選手権で室内で滑れるので、自己新を狙いたいです。今のベストは6分53秒なので、50秒台を切るか切らないかくらいを目標にしたいです。
―全日本選手権出場できることについて
高校時代はスケートのランキングで50傑に入ってないような選手だったのですが、今年の1本目のレースで選抜権を取れました。1回1回のレースが経験という感じです。
―大学入学後成長の要因は
環境ですね。法政のスケート部で練習しているからこそこういうタイムが出たと思います。自分1人ではこのタイムは出なかったと思います。
―安済選手の存在は
同じ大会出ると、だいたい自分のよりちょっと速くて。たまに自分が勝ったりとかで、良い感じに競い合っています。自分は長距離派で、安済にはスピードでは負けてしまいますが、長距離では競い合えています。
―今大会は10000㍍出場できませんでした
スピードがたりないという欠点があるので、来年には改善したいです。
―全日本選手権に向けて
今年の目標は達成できたのですが、今以上の結果を塗り替えて、大竹先輩にどれだけ近づけるかだと思います。ランキングでも上位に食い込みたいです。
―インカレに向けて
この調子でいけば、長距離3人で大きな点数取れるんじゃないかなと思うので、もっと上を目指していきたいです。
インカレでも好タイムに期待だ
フォトギャラリー
- 大竹は総合3位!
- 昨年同大会より成績を伸ばした(写真:大竹)
- 調整もままならない中、1万㍍では好レースを見せた(写真:大竹)
- 5000㍍で3位となった安済
- 練習の成果を発揮した(写真:安済)
- インカレでも得点源となれるか(写真:安済)
- 田中も5000㍍で4位と好成績を残した
- 500㍍では惜しくも転倒してしまったが、先に期待ができる結果となった(写真:田中)