【硬式野球】東京六大学野球 春季リーグ戦 第2週 立大3回戦 1安打沈黙… 長谷川が気迫の3連投も4連敗で勝ち点逃す
東京六大学野球 春季リーグ戦 立大3回戦
2017年4月16日(月)
神宮球場
勝ち点奪取へもう負けられない法大。逆襲を期すも、先発熊谷が3回途中で被安打7、2失点で降板。2番手の長谷川は3連投となったが無失点に抑えるも、打線が立大先発田中誠の前に走者を出せない。結局9回1安打完封を許し、二塁を踏むことも出来ず惨敗した。これで引き分けを挟んで4連敗となり、立大からの勝ち点を落とした。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
立 大 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 |
(法大)●熊谷、長谷川-鎌倉
(立大)〇田中誠-藤野
[本塁打]
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 相馬 | 3 | 0 | 0 | .462 | ニゴロ | 三ゴロ | 二ゴロ | ||||||
2 | (7) | 斎藤卓 | 3 | 1 | 0 | .167 | 空三振 | 左前安 | 遊ゴロ | ||||||
3 | (5) | 小林 | 2 | 0 | 0 | .238 | 四球 | 遊併 | 二ゴロ | ||||||
4 | (3) | 中山 | 3 | 0 | 0 | .300 | 空三振 | 投ゴロ | 空三振 | ||||||
5 | (9) | 森 | 3 | 0 | 0 | .182 | 三ゴロ | 二飛 | 三ゴロ | ||||||
6 | (4) | 川口 | 3 | 0 | 0 | .211 | ニゴロ | 中飛 | 中飛 | ||||||
7 | (2) | 鎌倉 | 3 | 0 | 0 | .143 | 投ゴロ | 二ゴロ | 空三振 | ||||||
8 | (8) | 舩曳 | 3 | 0 | 0 | .182 | 投ゴロ | 一ゴロ | 二ゴロ | ||||||
9 | (1) | 熊谷 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空三振 | ||||||||
1 | 長谷川 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空三振 | |||||||||
H | 宇草 | 1 | 0 | 0 | .000 | 右飛 | |||||||||
計 | 26 | 1 | 0 | ,198 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
熊谷 | 2 1/3 | 57 | 15 | 7 | 2 | 1 | 2 | 6.94 |
長谷川 | 7 2/3 | 68 | 20 | 1 | 3 | 2 | 0 | 0.00 |
計 | 9 | 125 | 35 | 8 | 5 | 3 | 2 | 4.30 |
ベンチ入りメンバー
10 | 森(キャ4=日大三) | 20 | 鎌倉(法3=日本文理) | 33 | 斎藤卓(社3=大宮西) |
12 | 河野太(文3=法政二) | 22 | 駒場(文4=鹿沼) | 1 | 大西千(営3=阪南大) |
13 | 菅野(キャ3=小高工) | 27 | 中村浩(営3=多良木) | 8 | 清水ニ(法4=中京大中京) |
14 | 岩崎(営4=前橋商) | 2 | 川口(法3=横浜) | 28 | 宇草(営2=常総学院) |
17 | 熊谷(キャ4=平塚学園) | 3 | 相馬(営2=健大高崎) | 29 | 船曳(キャ2=天理) |
18 | 内沢(キャ2=八戸工大一) | 6 | 大崎(法4=智辯学園) | 37 | 中山(人3=履正社) |
19 | 長谷川(経4=聖望学園) | 7 | 小林(法3=中京大中京) | 41 | 浅見(キャ4=横浜商大) |
34 | 柏野(営1=広陵) | 23 | 町田(社4=桐蔭学園) | ||
36 | 落合(法1=常葉菊川) | 25 | 福田(人4=大阪桐蔭) |
戦評
引き分けを挟んで3連敗を喫した法大。優勝候補と言われただけに、今日は何としてでも勝ちをとりたい試合だっただけに、今日の完封負けは痛いものとなった。
先発は開幕戦も任された熊谷拓也(キャ4)。本来なら直球に伸びがあり、コントロールもいい選手。今季は球種も増え期待を掛けられたエースだ。しかし、開幕戦で勝利をつかめず、このカードの1回戦でも3回0/3で被安打8、2四球、自責点4と荒れる。その結果を挽回するためにも、今試合が勝負だった。
その立ち上がり、初球のストレートを1番寺山寛人に右前に運ばれる。続く2番峯本匠には送りバントを決められ得点圏にランナーを置くと、3番松崎健造を3ボールからスライダーなどで2球で追い込んだ後の四球という結果で一、二塁に。そこで迎えたのは4番の笠松悠哉。あっさりと左前に打たれ早々と先制点を許した。2回も先頭の熊谷敬宥から三振を奪った後、藤野隼大の内野安打から田中誠也に犠打で2死二塁とされる。その後寺山の左前安打、峯本の左前適時打と2本連続でヒットを許し更に1点を追加される。3回も先頭から2者連続で長打を許し2回1/3で被安打7自責点2で無念の降板。試合後に悔し涙を流すことになった。一方で結果を残したのが長谷川裕也(経4)だ。長谷川は熊谷が降りた後のマウンドを9回まで守りきり、被安打1で四死球2。終始安定したピッチングを見せた。立大戦は3戦連続の登板。全ての試合で結果を残し、存在感を示した。
打者も今日は沈黙だった。どの打者も、先発田中誠也の変化球を織り込んだ緩急のついたピッチングに苦戦。1回に小林満平(法3)が四球で出塁するも、リード幅を大きくとりすぎたために牽制から一、二塁間で挟まれタッチアウトに。また、4回も斎藤卓拓(社3)がチーム唯一の左前安打で出塁するも、小林の遊撃への内野ゴロで併殺に打ち取られた。9回まで田中誠を打ち崩せず、終わってみれば全ての回で三者凡退。わずか101球で1安打完封勝利を献上してしまい、投手陣を援護することはできなかった。
次戦は、昨年春秋連覇を果たした明大戦。この空きの1週間で、バッテリーの立て直しを図り、バッテリーから攻める流れを打者に持ってこれるように、各々が課題を克服してほしいところだ。『今季こそ』と優勝を期待していたファンも多かった中で、これ以上の負けは本当に許されない。せめてAクラスには入れるように。残りの3カードは後がないという気持ちで臨み、次こそ泣き顔ではなく笑顔を見せてほしい。(中西陽香)
クローズアップ
森龍馬 (全試合に先発出場 主将として前だけを見る)
今カード、森は先発として全試合に出場。1回戦では、2安打を放ち意地の好守も披露した。しかし、あと一歩のところで手からこぼれ落ちた今季初勝利。一瞬の気の緩みが招いた悲劇だった。気持ちを切り替え、臨んだものの待っていたのは2連敗。あっけなく勝ち点を献上してしまった。
試合後のミーティングでは、チームに前向きな言葉をかける森の姿があった。「高校野球とは違ってまだ終わった訳ではない、まだ3カードある」。開幕から未だ白星なし。窮地に立たされた法大。しかし、過ぎた日々を嘆くばかりでは何も変わらないこともまた事実である。「常に前向きな姿勢を見せ続ける」。今の森は、開幕前に語った主将としてのポリシーをまさに体現している。
1週空いて待ち受ける明大との戦い。目先の1勝を泥臭く、粘り強く勝ち取るために。森は主将として何を変え、どうチームを率いるのか。王者復活を誓った春はまだ終わらない。意地の勝利を見せてくれ。(下河辺果歩)
監督、選手インタビュー
青木久典 監督
ー今日の試合について
負けたのが悔しいですね。勝ち点も取れませんでしたし。
ー立大先発の田中誠投手に1安打完封を許してしまいました
厳しく言えば打線が奮起しなくちゃいけないです。彼にも意地があったと思いますけど、2点というビハインドは返してくれると思いましたけどね。
ーベンチからの指示は
昨日から初球から打ててなかったので、攻撃的にいきなさいという指示は出してました。
ー先発の熊谷選手は早々の降板となりました
変わる気配もなかったし、これ以上点を取られると重いと思ったので苦渋でしたけど変えました。
ー3回途中被安打7ということについては
春先からずっと土曜日の先発に向けて精一杯やってきたと思います。けど、我々は勝負の世界で生きますから、結果が出てないということはそこまでなんだと思います。彼自身が改めないといけないのではないでしょうか。
ー熊谷選手と何か話は
全員帰った後に1人で涙を流していて。自分の悔しい思いからなんでしょうね。それに対して話をしましたね。
ー長谷川選手は3連投となりましたが、好投をみせてくれました
非常に計算できる投球をしてくれて、僕としては明るい材料だと思います。
ー4連敗となりましたが選手に対しては
負けると人間は責任転嫁をしがちですが、そういうことを考えずに前を向けて3戦残ってますから。前を向いていこうと言いました。
ー森選手はミーティングでは何か言われましたか
彼は「高校野球とは違ってまだ終わった訳ではない、まだ3戦あるし秋もある」と。前を向いて「野球部として、プライドを持って戦っていこうぜ」と言ってましたね。
ー森選手も主将としては苦悩してると思います
そうですね。彼も頑張ってくれてると思います。今流れが悪いですし、食い止められないですけど、ここは幹部の3人そして4年生でプラスの方向に持っていってほしいですね。
ー森選手はどのようにチームを支えていますか
真摯に気持ちでやってくれるし本当に裏表なく真剣にやってくれるので。前向きな発言をしてくれてるので、チームを鼓舞してくれてます。
ー次戦は明大となります
応援席に挨拶したときに「明治に勝ってくれよ」と言われてたので、ここはやっぱり勝つ為に戦力を整えて見つめ直しながら、全力でいきたいと思います。
ーこれからの熊谷選手に期待する点は
これで野球終わる訳でないですし、本当にエースであれば奮起してもらいたいところですね。この一週間で彼なりいろいろ考えてくれて、実行に移してくれると期待してます。
ー明大戦に向けて意気込みを
悪いものは全部出尽くしたと思うので、1週空いて心も体も空っぽにしてチームを作り直したいと思います。
長谷川裕也 投手
ー今日の試合振り返って
痺れる展開だったのですが、みんなが集中切らさずやった結果だったので、しょうがないかなと思いますね。
ー3回二、三塁からの登板でしたが
自分が作っていないピンチという時ほど、ゼロに抑えたらチームも乗ってくると思うので、なんとかしてゼロに抑えようという気持ちでした。
ーバッテリーの作戦は
前に2試合投げてて、緩急とか使っていったりしてたので今日上手く高低使えてゴロ、フライでアウトを取るという感じでしたね。
ー連日の登板で疲労などは
さすがにあったのですが、やっぱり投げないといけないので、いつでもいけるように準備してました。
ー登板前に監督から言われたことは
厳しい場面の登板が多くなってきて、今日も投げる前まで厳しい状況で申し訳ないけど、ゼロで抑えてきてくれということで、監督の執念も見えてきたので。そういう風に言われましたね。
ー好投が続いていて、今後大きな力となるのでは
チーム方針としてはリリーフとして入ってるので、いつでもどんなタイミングでも使っていけるような投手になりたいです。
ー今後先発の可能性は
どうですかね、やっぱ先発できるピッチャーはいっぱいいるので、そこで争っていければいいとは思っています。
ーミーティングで話したことは
1回戦で結構打てたピッチャーをこの試合で打てなかったということには何か原因があるという話をしてて個人で反省をしっかりしとけよという話でしたね。
ー4年生として、今後の意気込みを
これから先はもう絶対勝たないと、3カードとも絶対落とせないと思うので、4年生の力を出せながら勝っていければなと思います。
斎藤卓拓 内野手
ー今日の試合を振り返って
ピッチャーが2点に抑えてくれていたのに、バッター陣が打てなかったのでそのまま終盤までズルズル行ってしまって流れが悪かったです。
ー先発での出場となりましたが、どんな気持ちで試合に臨みましたか
ヒットというよりも粘って粘って塁に出て、チームの流れを良くするっていうのが目的だと思っていて、監督もそのために起用してくれてると思うのでそれに応えてやろうという気持ちで臨みました。
ー今日の試合で唯一の安打を放ちました
監督が序盤から「もっと強気で初球から振っていこう」と言っていて、それで外のストレートだったですけど踏み込んで初球から強く振りました。
ーつながりに欠けた今日の打線の印象は
本来であれば、春のオープン戦のように初球からどんどん振って、それがかみ合った時は大量得点できる力を持っていると思うので、本当に力はあると思います。
ー立教の田中誠選手について
まずテンポがすごく良くて、コーナーにストレートやスライダーも決まっていたので左バッターからしたら打ちにくかったというのはあったと思います。
ー今日の敗戦で勝ち点を逃すこととなりました
落としたっていう事実は変わらないので、1週間空くのでまた切り替えて残りの3カード全部取る気持ちでしっかり開き直って頑張りたいと思います。
ー試合後、監督からどんな言葉をかけられましたか
負けたのはしょうがないから、残りの3カード全部取るのは当たり前でもっと自信持って開き直っていこうというのは言われました。
ー明大戦への意気込みを
自分が初めてリーグ戦のメンバーに入ってずっと使ってもらっているので、まずは自分の結果じゃなくて勝ちたいです。勝ちます。
フォトギャラリー
- 先発した熊谷はまたも結果を出せなかった
- 舩曳はいい当たりを放つも、好守に阻まれた
- 唯一の安打を放った斎藤卓
- 連日の5番出場も無安打に終わった森
- 2番手に登板した長谷川
- 連投の疲れもありながらも、見事にベンチの期待に応えた
- 相馬は4試合連続安打とはならなかった
- 中山は2試合連続で無安打に終わった