【サッカー】全日本大学サッカー選手権 決勝 法政大1-5流通経済大 総理大臣杯の再現ならず…今季二冠目をかけた大会は準優勝で幕を閉じる
全日本大学サッカー選手権 決勝 法政大-流通経済大
2017年12月24日(日)
浦和駒場スタジアム
同じ関東地区から出場した流通経済大との一戦となった決勝戦。法大は夏冬二冠をかけて臨んだが、結果は1-5で敗戦。法大史上初の快挙とはならなかったが、大きな飛躍を感じさせる1年となった。今大会をもって4年生は引退となる。
試合結果
トータル試合結果
1 法政大学 |
0 | 前半 | 1 | 5 流通経済大学 |
---|---|---|---|---|
1 | 後半 | 4 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
15分 | 得点 | 流通経済大学 | 立花歩夢 | 0-1 |
50分 | 交代 | 法政大学 | 森→上田綺 | |
53分 | 得点 | 法政大学 | 加藤威吹樹 | 1-1 |
60分 | 交代 | 法政大学 | 上田綺→松澤 | |
67分 | 得点 | 流通経済大学 | 新垣貴之 | 1-2 |
68分 | 交代 | 法政大学 | 青柳→清谷 | |
73分 | 交代 | 法政大学 | 末木→藺藤 | |
80分 | 得点 | 流通経済大学 | 渡邉新太 | 1-3 |
90+1分 | 得点 | 流通経済大学 | 新垣貴之 | 1-4 |
90+4分 | 得点 | 流通経済大学 | 宮津祥太 | 1-5 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
1 | GK | 関口亮助 | 経済4・浦和レッズY |
2 | DF | 武藤友樹 | 社会4・八千代高 |
4 | DF | 森岡陸 | 現福1・ジュビロ磐田Y |
5 | DF | 加藤威吹樹 | 経済2・サンフレッチェ広島Y |
22 | DF | 黒崎隼人 | 経済3・栃木SCY |
13 | MF | 末木裕也 | スポ健2・ヴァンフォーレ甲府Y |
24 | MF | 大西遼太郎 | 社会2・ジュビロ磐田Y |
8 | MF | 紺野和也 | 現福2・武南高 |
11 | MF | 青柳燎汰 | 現福3・前橋育英高 |
29 | MF | 森俊貴 | 情科2・栃木SCY |
9 | FW | ディサロ燦シルヴァーノ | 経済3・三菱養和SCY |
サブメンバー | |||
---|---|---|---|
12 | GK | 吉田舜 | 社会3・前橋育英高 |
3 | DF | 前谷崇博 | スポ3・ガンバ大阪Y |
26 | DF | 藺藤子龍 | 現福3・横浜FCY |
30 | DF | 高木友也 | 経済1・法政第二高 |
10 | MF | 上田慧亮 | 現福4・前橋育英高 |
14 | MF | 長谷川元希 | 現福1・大宮アルディージャY |
27 | MF | 清谷陸 | 経済4・広島皆実高 |
18 | FW | 松澤彰 | 現福2・浦和レッズY |
20 | FW | 上田綺世 | スポ健1・鹿島学園高 |
今大会の戦績
回戦 | 対戦相手 | スコア | 得点者 |
2回戦 | 静岡産業大 | 3-0 | 青柳×2、松澤 |
準々決勝 | びわこ成蹊スポーツ大 | 3-2 | 森、大西、松澤 |
準決勝 | 関西大 | 1-1 (PK:4-2) |
ディサロ |
決勝 | 流通経済大 | 1-5 | 加藤 |
マッチレポート
関大との死闘を制し決勝に進出した法大は、法大史上初となる夏冬連覇を懸けて流経大と対戦した。
序盤は法大が攻めあぐねる時間が続くと、15分に流経大にワンチャンスをモノにされ先制を許す。スローインの流れから右サイドを突破されると、スルーパスに反応した立花歩夢が豪快にゴールネットを揺らした。
しかし、失点から3分後、法大に前半最大の決定機が訪れる。17分、左サイドに開いていた青柳燎汰(現3)がクロス。これをボックス内にいた紺野和也(現2)が絶妙な胸トラップで収めると、相手守備陣をかわし左足を振り抜くも、流経大GK新井栄聡のスーパーセーブに阻まれ得点ならず。
その後も2トップの青柳とディサロ燦シルヴァーノ(経3)を狙ったロングボールで得点を狙う法大。27分、ディサロのシュートのディフレクションを青柳が狙うも、これは枠を外れた。続く28分にはCKの混戦から加藤威吹樹(経2)が倒れこみながらシュートを放つ。これは枠を捉えるも再び新井のセーブに阻まれる。
その後も両サイドを起点に得点機を窺うも、同点に追いつくことはできずに後半を迎えた。
しかし、後半開始早々に試合を振り出しに戻す。53分、CKからのこぼれ球を拾った青柳がクロスを放つと、ボックス内の加藤が頭で合わせた。
61分には紺野が独特なリズムのドリブルで右サイドを駆け上がり、松澤彰(現2)をめがけてクロスを放ったが、相手守備陣に阻まれた。同点に追いつき徐々に流れをつかんでいくかに思われた法大だったが、67分、カウンターからスルーパスを受けた新垣貴之のGK関口亮助の逆を突くシュートで再び追う展開に。点を奪うしかない法大は68分、青柳に代え清谷陸(経4)を投入。しかし、直後に大西遼太郎(社2)が2枚目の警告を受け退場となり、10人で点差を追いかけることになるが、「遼太郎がいないと中盤で負けてしまうので、あの退場は痛かった」と紺野が話すように、前のめりになっていた法大を流経大のカウンターが襲う。
79分、カウンターから抜け出した相手を加藤がPA内で倒してしまい、PKを献上。これを渡邉新太が決め、2点差に。さらに90+1分にはカウンターから抜け出した新垣にこの日2点目となるゴールを決められ、続く90+4分には宮津祥太がダメ押しとなるゴールを決め、1-5で試合終了を迎えた。
試合前、長山一也監督は「球際での勝負」をポイントとして挙げており、大西の退場がターニングポイントになったと言えるだろう。終わってみれば1-5の大敗となったが、最後まで声を出し続けチームを鼓舞した主将・関口と、それに呼応する法大イレブンの姿は非常に印象的であった。
昨季無冠から総理大臣杯優勝・インカレ準優勝という快挙を成し遂げた法大の長いシーズンが、幕を閉じた。(赤染徳光)
記者会見コメント
長山一也監督
お疲れさまです。まずは流通経済大学のみなさん、優勝おめでとうございます。完敗でした。決勝戦ではいいゲームをして大学サッカーの素晴らしさをもっといろんな人に伝えたかったのですが、こんな形になってしまい申し訳ない気持ちです。
関口亮助キャプテン
自分自身の引退試合でもあったので、この大会にかける思いは強かったですけど、結果は5対1ということで率直に悔しいという思いがあります。4年生があまり出てなくて、後輩たちに今まで助けられたので、感謝の気持ちを伝えたいですし、頑張ってほしいです。
選手コメント
関口亮助
ー試合を振り返って
大敗でしたね。1-2までは全然取り返せる印象でしたけど、1人退場してから難しい展開になってしまいましたね。
ー二冠の難しさを感じたと思います
やっぱりタイトル取るということは難しいと感じましたね。
ー4年間を振り返って
4年間を振り返ると、今年が精神的にもサッカー的にもきつい年で、リーグ戦とかでも上手くいかないことが多かったです。ですが自分のやれることはやりきって、大臣杯も優勝できましたし、本当にやりきったって感じですね。
ーキャプテンとしての1年間を振り返ると
チーム状況が悪いときとか、落ち込んでる選手がいるときにどういう風に携わるか、一人一人考えていくのが大変でした。
ーリーグ戦前期で桐蔭横浜大に大敗したときはチームの危機だったと思います
あのときは週に2回ぐらいミーティングを開いて、後輩とも上下関係なく言いたいことを言い合って問題を消していって改善していきました。
ー4年間で1番の思い出は
大臣杯に優勝したときですね。
ー長山一也監督については
かずさんは厳しい人で、自分たちの代は結構厳しくされましたけど、今思うと愛情の裏返しというか、逆に感謝しています。かずさんのおかげで、自分たちが人間としても成長できたのかなと思います。感謝しています。
ー同期に対する思いは
同期で試合に出れている人はあまりいないですけど、その中でも自分のやるべきことをやっていて応援だったり運営側の仕事だったりをしてくれました。だからこそ自分たちは大臣杯で優勝できましたし、ここまで来ることが出来たので、同期にも感謝してます。
ー「史上最弱の代」と言われる中で大臣杯優勝を遂げました
見返せたと思うので、嬉しかったですね。
ー試合後のミーティングで後輩に伝えたことは
自分たちは後輩に助けられた部分がたくさんあったので、これから法政がどんどん強くならないと困りますし、頑張ってほしいと伝えました。
ー期待の後輩は
上田綺世ですね。代表にも入ってますし、得点感覚がある選手なので、日本を代表する選手になってほしいと思います。
ー同じポジションの吉田舜(社3)については
吉田選手もいい選手なので(笑)。期待はしてます。
ー進路は
就職します。サッカーはやらないです。
ー最後にファンにメッセージをお願いします
法政はこれからどんどん強いチームになっていくと思うので、ぜひ応援よろしくお願いします。
武藤友樹
ー試合を振り返って
悔しいです。自分たちのサッカーを決勝の舞台で最後まで出せずに終わったことが一番悔しいです。この経験を来年にもつなげないといけないと思います。自分はプロでやっていく中で、今日の悔しさを忘れずに成長していきたいです。
ーチームとしては敗れましたが優秀選手賞を受賞されました
チームの調子が良かったからです。みんなのおかげで取れた賞だと思っています。自分は選手としてまだまだなと思います。
ー今大会はフル出場でした
1年間やってきたことをプレーで出すだけだったので、監督からの指示などは特にありませんでした。
ー長山一也監督に対しての思いは
監督の熱いご指導があったので総理大臣杯もインカレも決勝まで来れました。個人的にも成長できたと思うので4年間ありがとうございましたっていう気持ちしかないです。
ー4年間ともに戦ってきた同期に対して
今年の4年生は試合に絡んでる選手が少なかったんですけど私生活や練習での姿勢が後輩に伝わっていたと思います。試合に出ている選手も出ていない選手も一緒に頑張ってくれたので仲間に感謝したいです。
ー後輩たちに思うことは
今日の決勝のような大事な試合で自分たちの実力が出るっていうのは出た選手もベンチにいた選手も分かったと思います。この経験を忘れずに総理大臣杯、リーグ戦、インカレと全部勝ち進んでほしいです。
ー4年間を振り返って
うれしいことや楽しいことよりも辛いことの方が多かったです。それでも4年間頑張ってきたことで最後に決勝の舞台に立つことができました。ここで勝てたらもっと良かったんですけど。1日1日の練習が本当に大事だなと感じました。
ー辛い時を乗り越えることができた理由は
常に支えてくれた仲間たちとか、監督に怒られた時も笑って励ましてくれた同期とかのおかげです。感謝したいです。
ー今後、プロでプレーすることへの意気込みをお願いします
プロという舞台で1日も早くプレーしたいです。これから社会人として進んでいく仲間たちの思いも背負ってプロとして活躍することで恩返ししたいです。
清谷陸
ー試合を振り返って
最終的には不甲斐ない結果になってしまいました。応援してくれた方々に申し訳ないなと思いもあります。自分自身、サッカーは続けないので最後に最高の舞台で終えることができてよかったと思います。
ー後半からの出場となりました
楽しむという気持ちがありました。1-2で負けている状況だったんですけどポジティブな気持ちで試合に臨みました。絶対に自分の力で点を取って試合を振り出しに戻して延長にでも持っていって勝つというイメージはできていました。退場者が出てしまったりして最終的にはこんな結果になってしまいました。試合に出るときはポジティブな気持ちで出ることができました。
ーインカレでの目標は何でしたか
やっぱり優勝ですよね。監督にはお世話になったので恩返しすること、自分自身としては楽しむことを意識してやっていました。
ー法政大学での4年間はどのような4年間でしたか
やっぱり監督には感謝しています。こんな僕のことも1年生の時から使ってくれたので。感謝している反面、監督の期待に応えることができなかった部分もあるのでそこは残念です。この4年間で学んだことは社会人になってからも通じるものだと思います。監督から教わったことを忘れずに頑張っていきたいと思います。
ー法大サッカー部への入部のきっかけは
この仲間とならプロになる機会もあるだろうし、全国大会優勝できる機会もあると思って法大に決めました。
ー後輩にひとこと
このチームはまだまだ強くなれると思います。自分たちが果たせなかった二冠を後輩、これからの法政ができるように。二冠だけじゃなくてリーグなども優勝できるように頑張ってほしいと思います。
ー同期へメッセージをお願いします
感謝のひとことですね。でもこれからもよろしくお願いしますっていうことを伝えたいですね。一生の仲間なので。
ー清谷選手の進路ついて
僕は商社の方に進みます。これからも人と関わりながら仕事をしていきたいと思います。サッカーは完ぺきにやめようかなと思っています。新しい自分を探しに行こうかなと思っています。
青柳燎汰
ー今日の試合を振り返って
勿体なくて、恥ずかしい悔いの残る試合をしてしまいました。
ー準優勝という結果について
納得できないような悔しい気持ちが1番大きいですね。
ーインカレでは2得点を決められましたが
今日もヘディングとかチャンスがあったのに、大事なところで決められませんでした。決めれたことは自信につながると思いますが、まだまだだと思います。
ー今日の試合で4年生が引退ですが
大好きな4年生だったので最後に笑って送れなかったのが悔しいです。
ー来年からは最高学年ですが
今年は、苦しいときに4年生が引っ張ってくれていました。来年も良いときもあれば悪いときもあると思うので、悪いときにチームを引っ張れることが大事になると思います。引っ張れるような選手になりたいです。
ー来年の課題と目標は
来年こそインカレのタイトルを取って、夏も連覇して最後笑って終われるように頑張りたいと思います。
ー4年生に向けて
大きい背中をずっと見せ続けてくれていたので、最後に笑って送り出せなかったのが申し訳ないですが、色んなことを吸収させてもらえて感謝しています。
黒崎隼人
ー試合を振り返って
前半の入りが少しふわっとしてしまいました。そこは一年を通して言われていたことなのですが、前半の早い時間で失点してしまいました。来年は4年生になるので、そこは改善していきたいです。
ー流経大のカウンターは脅威でしたが、そこはスカウティングの時点でも話していましたか
相手のトップの選手は強いというのはスカウティングで分かっていましたし、ルーズボールの所でも相手は早いので、そこを処理しようという話もスカウティングで話していました。相手はスピードもフィジカルもあって難しい試合になりましたね。
ージャーメイン良選手との対面に関しては
J1に内定している選手なのでフィジカル強かったですし、まだまだ自分も足りない部分もあったので、勉強になりました。
ー来季に向けて
今日は目の前で優勝杯を掲げられてしまったので、来年は自分たちがこの場所で優勝杯を掲げられるように頑張ります。
加藤威吹樹
(囲み取材)
ー試合を振り返って
結果的に大敗してしまったので、決勝であんな姿を見せてしまったのは自分としてもチームとしても情けないと思いました。でも、個人としては得点できたのでそこは来年につながっていくと思います。
ー準優勝という結果について
満足はできていないです。自分自身、4年生のためにと思っていて、最後日本一で終わりたいという気持ちが強かったです。準優勝ですが、1回戦負けとそこまで変わりないと思うので、できなかったという悔しさが強いです。
ー自身のゴールを振り返って
セットプレーは得意としていて、前期の流経大戦でも得点していたので、セットプレーが鍵になるというのはチームとしても分かっていました。一度ボールが流れてしまったのですが、もう一回くると信じて待っていたら良いボールがきてくれたので思い切ってできました。
ー失点されてからも、周りの選手達を盛り立てているのが印象的でしたが
自分のやるべきことというのが、チームを奮い立たせることだったり、戦わせることだと思っています。プレー以外でもチームの心を奮い立たせられればと思っているので、常日頃から声を掛けるのをやめないようにしています。
ー今日の試合で4年生が引退ですが
結果的に試合には数人しか出ていないですが、出てない4年生も本当に素晴らしかったので、これからいなくなると思うと寂しい部分もあります。4年生がつないでくれた法政のサッカーを来年は自分達が見せて今度は日本一を取れるようにまたやっていきたいと思います。
ー来季も活躍されていくと思いますが
目指すのは日本一だと思うので、そこに向けてどれだけ日々の練習や公式戦でできるかだと思います。1人だけではなくチーム一丸となってまた来年も頑張っていけたら良いと思っています。
ー4年生に向けて
大好きな4年生なので、卒業した後も自分たちのことを気にかけてくれたら嬉しいです。
紺野和也
ー試合を振り返って
前半は相手の勢いに飲まれてしまって自分たちのサッカーができませんでした。後半に入って自分たちのサッカーができるようになってきたときに退場やPKがあって、少し運が悪かったなと思います。
ーやはり大西選手の退場の影響は大きかったですか
そうですね。一人減るとだいぶ違いますし、(大西)遼太郎がいなくなると中盤で負ける回数が増えてしまうので痛かったです。
ー今日の試合もサイドから攻撃を牽引していました
自分のドリブルを相手は消してくるので、2人とか3人とか来るのですが、それでも抜き切ってシュートだったりパスだったりで結果を残さないといけないです。そこが課題ですね。
ー前のめりになっているところをカウンターで狙われていました
点差が開いていたので(点を)取りに行かないと勝てないと思っていました。そこで一か八かで点を取りにいって、仕方ないのですが1点も取れなかったのは痛かったですね。
ー来季に向けて
来年は3年生になるので、自分のプレーで勝たせられるようにならないといけないですし、自分のプレーで引っ張っていきたいです。