【スキー】第91回全日本学生スキー選手権大会 男子1部GS 塩入が2年連続入賞で上位進出へ向けて好発進!
秩父宮杯・秩父宮妃杯 第91回全日本学生スキー選手権大会
2018年2月28日(火)
野沢温泉スキー場
季節外れの暖かさの中で開幕を迎えた、今年の全日本学生スキー選手権。総合上位入賞を目指す法大スキー部は、初日のアルペン男子大回転からエースの塩入が躍動。見事に2年連続の入賞を果たし、チームとしても幸先の良いスタートを切った。
試合結果
アルペン部門
男子1部GS
順位 | 選手名(学年・学部) | 一本目 | 二本目 | 合計 |
---|---|---|---|---|
4位 | 塩入資(社2) | 1:01.33 | 59.43 | 2:00.76 |
27位 | 齋藤喬太(社4) | 1:03.36 | 1:00.26 | 2:03.62 |
DNS | 八幡優月(現1) | 1:04.65 | ― | ― |
DNF | 園部竜也(理2) | ― | ― | ― |
DNF | 伊藤健介(社3) | ― | ― | ― |
DNF | 蔦有輝(経3) | ― | ― | ― |
戦評
雪解け水が滴る晴れやかな空の下、スキーインカレが幕を開けた。
初日の今日行われたのは男子大回転。アルペン競技の中でも、スピードだけでなく技術が求められる。法大からは6人の選手が出場した。
状態の悪い雪質に苦戦を強いられ、法大からもGNとなる選手が続出する中、齋藤喬太(社4)が出場。2本目を滑り切り、「思ったより遅かった」と振り返る27位。しかし、全力を出し切って「気持ちよかった」と清々しい表情でラストレースを終えた。
最後に登場したのは、昨年ルーキーながら8位入賞と堂々のデビュー果たした塩入資(社2)。
迎えた1本目。勝負を分けるスタート直後の急斜面にも落ち着いて対応し、トップの中村舜(東海大)とのタイム差を0.02秒で2位につける好滑走を見せる。
塩入は時間毎に変わる雪質を慎重に確かめ、2本目に臨んだ。2本目の滑り出し、急斜面に入る前の溝でリズムを崩したものの最後まで滑り切り、4位入賞。昨年の8位から大幅に順位を上げ、1年間の飛躍を感じさせる滑走となった。
試合後、自身の滑りを70点と評価し、「優勝を狙える位置だったので、悔しい」と話した。今シーズンは海外遠征に多く足を運び、実りのある1年となった塩入。目標に掲げるのは、4年後の北京五輪、世界の大舞台だ。(大平佳奈)
監督・選手コメント
近藤浩之 監督
―塩入選手が4位入賞を果たしました。それについていかがですか
去年も1年生ながら8位に入賞しているし、今年も一本目は2位だったので個人的に本当は優勝を狙いたかったと思いますが、6人中2人しか二本目には残っていないので、0点になるか入賞するかっていうのは大きい違いがあるので、その辺は責任感を持って完走してくれて、4位というのは十分立派な成績だったと思います。
―塩入選手のこの一年間の成長を見てどう思いますか
夏場からオフシーズンがスキーは非常に地道なトレーニングが必要で、康応から大学になると環境も全然変わるんですけど、1年で大学の生活のリズムに慣れてすごく追い込んで体もできているし、精神的にも成長しているので、このまま(上に)行くと思います。SLも、本当はこのGSが得意なんだけれども、SLも入賞圏内に入ってくると思います。
―今日の大会では1本目からGNFで脱落してしまう選手が多く出てしまいましたが、今日のチーム全体の印象はいかがでしたか
実はここ(野沢温泉村)に入る前に志賀高原で直前の合宿を3日間やって、そこでの調子を見ると上向きで、非常にピークが合っているなということで、滑りも失敗するまでのところはビデオで見ても良い滑りをしていたので、そこはあまり気にしていないです。残念ではありますけれども。
―今日のスキー場のコンディションはどうだったでしょうか
雪質が春の雪になっていて、少しザラメというかスキーを押すとずれてくる感じのところがあったりしてみんな失敗していたんですけど、それは6人が今日滑ってみてそれを明日の女子に伝えられて反映されていくと思うので、それに対応していくしかないですよね。
―今大会のチームの目標や、どのようなことを目指して試合に臨んでいるのでしょうか
だれかが全種目のなかで入賞するというのを目標にやっていて、この野沢の前におんたけであったスーパーGの大会でも、一応男女で1人ずつ入賞しているので、今のところは予定通りだなと思います。女子に関しては力的には複数入賞を狙える選手たちが揃っているので、そこは強い気持ちをもってやってもらいたいなと思います。
―明日のチームの意気込み今後の目標をお願いします
残念ながら明日は上位15人っていう第一シードに今回は誰も入っていないのですが、実力的には引けを取らない5人を選出しているので、後ろのゼッケンからドンと上位に飛び込んでくるのを期待したいと思います。後は今回のバーンというのは急斜面があってハートの強い選手が結構来るので、強い気持ちで乗り切ってほしいと思います。
塩入資
ー4位という結果について、いかがですか
今期は、前半があまり調子が良くなかったのですが、インカレの1ヶ月前くらいから調子が上がっていい流れできていました。今日は得意種目のGSで、レースの一本目にトップとコンマ2で優勝が狙える位置だったので、悔しい結果ではあります。でも最近の調子が安定してきているのかなと思いました。
ー去年の8位から大きく順位を上げました
去年の8位から4位になったのは、自分の成長が実感できる結果だとは思いました。
ーミーティングで監督などから、最初の急斜面が勝負だというお話がありましたが
僕、地元が長野なので小さい時からこのコースは滑ったことがあって、急斜面入る前の、ウェーブがある緩斜面でどれだけ稼げるかが勝因を分けると僕自身も思っていました。そこの滑り自体は自分的にはうまくできたと思います。
ー今日の雪質はいかがでしたか
あまり良くはなかったのですが、いつもよりアップを多めにしました。朝と昼で全然雪質が変わったので、レース前にインスペクションが終わったらすぐに上がって、隣のコースで雪質を確かめてから臨みました。
ー以前、2022年の北京五輪を目指すと仰っていましたが
ワールドカップに出た年から、いろんな人が応援してくれて、今シーズンは資金面であまり負担がかからなくなってきたので、個人の遠征に行く機会が増えました。イタリアでトレーニングを積んできて、今シーズンの目標を北京五輪に出場するということから、平昌に出場するということに切り替えていて。ヨーロッパでは調子が良くて、そのあと中国を回って、それから北海道で全日本選手権があったのですが、その全日本選手権で優勝すると平昌に出られるという感じで。でも、中国で調子を崩してしまい、全日本選手権でいい結果を出せませんでした。悔しいですけど、また平昌から北京に向けて、あと4年間あるので、今までとは違った方法で北京に向けて練習していきたいと思います。
ー海外遠征で収穫したことは
今までコースのポールセットに得意なセットと苦手なセットがあったのですが、今年は差がなくいろんなセットが出来るようになった事です。あと雪質を問わなくなりました。今までは固い氷のバーンしか得意じゃなかったのですが、柔らかい雪にも対応できるようになった事です。
ー今日のご自身の滑りは何点でしたか
70点ですね。一本目はノーミスで降りてこられたし、自分の中で良いフィーリングだったので合格点でした。でも二本目で繋ぎの部分、急斜面に入るところの溝でリズムを崩してしまったので、そこが課題でした。
齋藤喬太
―今日のレースを振り返って
全力を出しきったつもりはあったのですが、思っていたよりも遅かったということで。それも実力かなと少し残念に思う部分はありますね。
―気温も高く雪質も悪い中での試合となりました
雪面はとても悪かったですね。表面何センチかが腐ってたので、やりづらかった部分はありましたけど、それは皆一緒なので言い訳はできないなという感じですね。
―試合前に意識されていたことは
10番に入らなければ意味がなかったので、最初から全開でいかなければという心持ちで臨みましたね。
―レースプランについて
上が平らで中間から急な下り坂ということで。レース前日にコーチから上でタイムを稼ごうという話はされていたので、そういうことは意識していましたね。
―今日でラストレースとなりました
調子が良い中で滑れたので、実力は出せたのかなとは思います。次はもうないのですが、終わって「あぁ、ダメだったな」と潔く振り返ることができて、気持ち良かったですね。
―学生で競技引退ということですが、これまでを振り返って
やれる限りのことはやってきたので、終わってみて気持ち良かったですね。良い終わり方ができたと思います。
フォトギャラリー
- 塩入は滑らかなストロークで滑り切った(一本目)
- 学生最後のインカレに挑んだ齊藤(一本目)
- キレのある滑りを見せた八幡(一本目)
- DNFと残念な結果に終わった園部
- 齊藤は全力を出し切りゴールラインを越えた(二本目)
- 滑りから課題も見つかった塩入(二本目)
- 塩入は堂々の滑りを見せたが、僅かな差で表彰台を逃した