【ラグビー】関東大学リーグ戦 対専大 “上柚木の悪夢”…。後半ロスタイムに勝ちこされ、痛すぎる1敗…
関東大学リーグ戦
2018年9月24日(月)
上柚木陸上競技場
上柚木公園競技場に訪れた法大ファンの悲鳴がこだました。関東大学リーグ戦1部が23、24日に上柚木陸上競技場などで行われた。法大は専大に33-38で敗れた(1勝1敗、勝ち点5)。前半は専大に先制を許すが19-14とリードして折り返した。しかし、後半法大の足が止まった時間帯から同点とされると、ロスタイムに勝ちこしトライを許した。なお専大の他に東海大、大東大、流通経大が勝利。専大以外の3校は2連勝を飾った。
法大は来月6日(14時30分キックオフ)に秋葉台公園球技場で拓大と対戦する。
23・24日の関東大学リーグ戦1部
専 大 38―33 法 大
東 海 大 48―28 日 大
大 東 大 55― 5 拓 大
流 通 経 大 29― 7 中 大
試合結果
トータル試合結果
33 法大 |
19 | 前半 | 14 | 38 専大 |
---|---|---|---|---|
14 | 後半 | 24 |
ポイント詳細
3/2 | T | 2/4 |
---|---|---|
2/2 | G | 2/2 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:井上拓,斉藤,中井/山下憲,井上拓 G:金井(2)/金井(2) |
※前半/後半。公式試合記録による
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 稲田壮一郎 | 社1 | 春日丘 |
2 | HO | 川越藏 | 現4 | 高鍋 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社4 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社4 | 長崎北 |
5 | LO | ウォーカー アレックス 拓也 | 社3 | 東福岡 |
6 | FL | 山下憲太 | 社2 | 長崎海星 |
7 | FL | 大澤蓮 | 現1 | 長崎南山 |
8 | NO.8 | 安達武志 | 経2 | 報徳学園 |
9 | SH | 中村翔 | 経3 | 東福岡 |
10 | SO | 金井大雪 | 経4 | 深谷 |
11 | WTB | 斉藤大智 | 現2 | 黒沢尻北 |
12 | CTB | 呉洸太 | 社4 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 長利完太 | 経4 | 桐蔭学園 |
14 | WTB | 中井健人 | スポ4 | 筑紫 |
15 | FB | 井上拓 | 社3 | 御所実業 |
16 | Re | 濱野隼也 | 社2 | 秋田工 |
17 | Re | 後藤久貴 | 人3 | 高鍋 |
18 | Re | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
19 | Re | 兼森大輔 | 経1 | 報徳学園 |
20 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 経2 | 札幌山の手 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経4 | 京都成章 |
22 | Re | 奈良望 | 社4 | 秋田工 |
23 | Re | 山根雄矢 | 経3 | 尾道 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半32 | 山下憲 | ジョーンズ |
後半33 | 川越 | 濱野 |
後半33 | 長利 | 奈良 |
関東大学リーグ戦1部 法大の試合日程と結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
---|---|---|---|
9月16日(日)12:30 | 中大 | 長野Uスタジアム | ◯43-10(詳細) |
9月24日(月)12:30 | 専大 | 上柚木陸上競技場 | ●33-38 |
10月6日(土)14:30 | 拓大 | 秋葉台公園球技場 | |
10月20日(土)14:00 | 日大 | セナリオH三郷 | |
10月28日(日)14:00 | 大東大 | 秩父宮ラグビー場 | |
11月10日(土)11:30 | 東海大 | 秩父宮ラグビー場 | |
11月25日(日)11:30 | 流通経大 | 秩父宮ラグビー場 |
戦評
前節の開幕カード・中大戦で見事白星を収めスタートダッシュに成功した法大。この流れをものにし選手権へ一歩ずつ駒を進めていきたい重要な時期である。今節は前年度2部から1部昇格を果たした専大との対戦となった。
HO川越藏(現4)、LOウォーカーアレックス拓也(社3)らが今節から先発出場。経験十分の上級生がフォーメーションを固める中、専大のキックオフで前半が開始した。序盤、前半6分にディフェンスの隙を突かれ、先制トライを許す。14分までに2トライ2ゴールを喫し、苦しい展開。しかし法大は、得点を許した直後の16分、ディフェンスの間をかいくぐり、FL山下憲太(社2)からSH中村翔(経3)、FB井上拓(社3)へと素早くパスがつながり、待望のトライを成功させる。5-14と反撃を見せるが、その後はなかなかペースをつかめないまま終盤へ。同33分、今季初出場となったWTB斉藤大智(現2)が同点トライを決める。前半終了間際にはCTB呉洸太(社4)のパスからWTB中井健人(スポ4)のトライで逆転を演出する。SO金井大雪(経4)は3本中2本のゴールを成功させ、法大は前半を19-14で折り返す。
前半から流れをつかめなかった法大フィフティーン
後半でさらにリードを広げていきたい法大はFL山下憲、FB井上のトライなどで14点を追加。後半22分までに33-21と12点差を付ける。「このまま粘り切り開幕2連勝は確実か」と思われたが、現実はそう上手くいかなかった。同28分、専大にトライを決められ33-28と点差を詰められ、法大は3人の選手を交代したが相手の猛攻を止められない。同35分にはまたも守備の隙を突かれトライを許しついに33-33の同点とされる。再逆転を狙いたい法大は同40分、23フェーズまで持ちこたえトライを目指すが、オフサイドを喫して得点につながらない。そして終了間際の44分、自陣10mライン付近の法大ボールのスクラムから専大FW陣にボールを取られ、大きく展開を許す。最後は左タッチライン付近を専大WTBに突破されトライを許しこれが決勝点に。最後まで粘りをみせることができず、今季昇格チーム相手に38-33で敗戦を喫した。
リーグ戦初スタメンとなったFL大澤
相手の反則から自分たちに有利な展開にできず終わった今日の試合。これで上柚木公園陸上競技場では3年連続の敗戦となった(16年東海大戦、17年関東学院大戦で敗戦。同年の中大戦は勝利)。主将の川越は今日の反省から「立ち上がりを修正し、コンタクトエリアで低く・速くということを徹底して練習していきたい」と語った。次戦相手の拓大は外国人留学生を多く擁する、パワーのあるチーム。選手権へ向け連敗は決して許されず、次が正念場を迎える。(岡崎祐平)
The Featured Hoseirugby Player
ウォーカーアレックス拓也(グラウンドリーダー,社3,LO)
(NZからCome Back!「激しさ」を体現し、チームに刺激与える)
頼りになる男がニュージーランドから一回りも二回りも大きくなって帰ってきた。LOウォーカーアレックス拓也(社3)が9月上旬に半年間のニュージーランド留学を終えて帰国。早速法大の先発メンバーに名を連ねた。ウォーカーは80分間プレー。攻守にわたり体を張り続け、献身的にプレーした。
ニュージーランド留学ではラグビー向上と、現地の生活を体験するために旅立ったウォーカー。ニュージーランド南島の東海岸にある都市、クライストチャーチ近くのアシュバートンで過ごした。「SOUTHERN」という社会人がいるラグビーチームでもまれてきた。「コンタクトが激しかった。ラグビーの激しさと熱意を学べた」と充実感を漂わせた。体重は留学前の90㌔から10㌔増えて、大台の100㌔に到達。より力強くなり、チームに加わった。
専大戦でも、後半センターライン敵陣寄りの左ラインアウトでは「(塩見)伊風さんが(スペースが)あいているよと。僕もそのスペースは見えていた」とタッチライン近くの開いたスペースを逃さない。ラインアウト後方で上げたリフトではなく、リフトに参加していなかったウォーカーに川越藏(現4)が直接ショートパス。再び川越にボールがわたり、タッチライン付近のビッグゲインをアシスト、後半21分の井上拓(社3)のトライに結び付けた。ダミーのリフトに目線を奪われた専大のFW陣の裏をかいた。「状況判断できた。良いプレーでしたね」と自画自賛のプレーだった。
ただ、課題も残した。ウォーカーだけでなく法大FW陣にいえることだが、80分間走り切れるフィットネス(運動量)だ。「(専大のタックルに)あおられたり、ターンオーバーされた」と悔しそうに語った。 「セットプレーの安定と『激しさ』をもっとみんなにアピールしたい」と今後に向け意気込む。「もっともっと自分からFWを盛り上げて、チームが勝てるように頑張ります」。セットプレーは安定していた。ニュージーランド留学で得た「激しさ」をプレーで体現し、あとは勝利をつかみ取るだけだ。(藤原陸人)
ニュージーランド留学を終え、より力強い選手になったLOウォーカー
選手インタビュー
川越藏(現4,HO,クラブリーダー)(悔しい敗戦もセットプレーの安定もたらす活躍!)
―試合前はどんなふうに臨もうと思っていたか
もちろん2部から上がってきているチームだったので絶対に勝たなければいけなかったんですけど、相手のフィジカルに対して自分たちが受けてしまって流れをつかみきれなかったと思います。反省としてブレイクダウンで受けてしまいました。
―川越選手のコンディションは
セットプレーは自分の責任としてあるんですけど、ラインアウトとスクラムはともに安定してできたと思っていて、自分のコンディションとしても良かったです。
―前半は勝ち越しで終えましたが、振り返って
立ち上がりが2トライを取られているので、立ち上がりを修正することと、コンタクトエリアを低く・速くということを徹底して練習したいです。早い段階で自分たちの課題を知れたのは、今後のシーズンを通していく上で重要な収穫になったと思います。
―後半の最終盤、プレーから退いた後に連続失点を許し敗戦。どのように見ていたか
他力本願というか、願うしかなかったんですけど、声はかけ続けたんですけど選手には届いてないだろうなと思って、皆も必死にやっていたので、自分は願うだけでしたね。
―専大に敗戦を喫して
去年も関東学院大に負けていて、これで上柚木では3年連続で敗戦(16年東海大戦、17年関東学院大戦)なので、「ジンクスなのかな」と自分たちの中では思っていますね。
―ヘッドコーチとのお話は
コンタクトエリアで自分たちが受けてしまっている、フィジカル面では相手の方が上ということはわかっていたので、それに対して自分たちが低く速くいくということを徹底できていなかったことですね。あとは流れがあるのに対して流れをキープできないようなプレーをしてしまうことがある、流れができたらしっかり継続する、手堅く行くということを話しました。
―次戦に向けて
次は拓大との一戦なんですけど、外国人留学生がいて、今日みたいなディフェンスをしていたら絶対に同じようなことになるので、今日の課題を徹底したいです。ここから選手権に行くためには1戦も負けられないので、一歩ずつ成長していきたいです。
セットプレーの安定をもたらしたHO川越
ウォーカーアレックス拓也(社3,LO,グラウンドリーダー)
―今日の試合を振り返って
セットプレーはすごい良かったんですけど、フィールドプレーで、相手に圧倒されてる部分があったので、そこが修正点かなと思います。
―あえて敗因をあげるとしたら
(ブレイクダウン)近場のコンタクトエリアです。自分たちが受け身になってしまったことです。コンタクトは負けてはなかったと思うんですけど、流れが悪い時に、相手に差し込まれて、受け身になったところがダメだったのかなと思います。
―アタックだったら、ターンオーバーされたり、ディフェンスだったら、タックルを受けてしまうと
タックルを交わされて、ビッグゲインを深く決められた場面が多くあったので、そういうところです。ターンオーバーされたのが痛いですよね。
―今日の試合の課題は
フィットネスです。80分間通して動ける運動量を身につけなきゃいけないなと思います。
―FWとしての反省点は
フィールドプレーで、相手にあおられたり、ターンオーバーされることがあったので、コンタクトエリアで絶対に引かない、負けないことが課題です。セットプレーは自信はある程度持って良いと思います。
―留学で得られたことは
コンタクトは激しかったので、ラグビーの激しさと熱意、気持ちはすごい学べました。
―今日の試合でも活かせたか
アタックで、自分が体力あるうちは、しっかり、コンタクトして、一歩二歩ゲイン出来てたので、そこは良かったです。逆に改善点はフィットネスが全然なくて、最後活躍できなかったことと、出だしの早さです。
―『出だしの早さ』とは
(ディフェンスの)一歩目しかり、アタックの早い動きですね。
―帰国してから体重が増えたように見えますが
10㎏増えました。90㎏から100㎏になりました。
―戦術など法大に溶け込むにあたって、苦労したことは
サインは覚えなきゃいけないですけど、去年からずっとやってきたので、戦術はそんなに変わらないかなと思います
―後半敵陣のラインアウトでサインプレーで川越選手のビッグゲインをアシストしましたが
伊風さん(塩見、社4、グラウンドリーダー)が「ここ(スペースあいてるよ」と言ってくれて、自分も(スペースが)見えていたので、「それしましょう」と。一応準備してなかったですけど、状況判断出来たので、そこは良かったことかなと思います。
―そこからトライに結びつきましたね
そうですね。良かったですね。良いプレーでしたね、あれは(笑)。
―今日やりたかったことは
(自分の)初戦だったので、インパクト残したいなと思っていたんですけど、今日は出来てないと思います。次戦はもっと爆発できるように、今日の分もしっかりやっていきたいです。
―留学で得たことをどうチームに還元したいか
まずセットプレーの安定化。LOとして激しいプレーが必要だと思うので、『激しさ』をもっとみんなにアピールできれば良いなと思います。
―試合後のミーティングで話したことは
「落ちる必要はない」と。「シーズンは終わりではないので、次につなげていこう」と。ネガティブになる必要はないとみんなで意思統一出来たと思います。
―拓大戦に向けて一言お願いします
もっともっと自分から爆発してFWを盛り上げて、チームが絶対に勝てるように頑張ります。応援宜しくお願いします!
ラインアウトでボールをもらうLOウォーカー
斉藤大智(現2,WTB)(今リーグ初スタメン。前半トライを奪う活躍みせる)
―今日の試合を振り返って
前半の最初に専大のペースになってしまって自分たちのペースがつかめませんでした。前半の中盤からペースをつかみ始めて流れが来て、巻き返せればよかったんですが、後半になってからチャンスを潰すパターンが多くて、専大に好機を与えてしまい不甲斐ないし悔しいです。
―BKの動き
専大のアタックの方が圧力がありました。自分たちの持ち味は「回すラグビーと圧力のあるラグビー」と掲げているので、それを逆に相手にされてしまって不甲斐なかったです。
―専大の対策
専大が大外にボールを回してくるのはミーティングの時点で話していて、それをそのままされてしまった。対策をしたことができなかったので反省すべき点だと思います。
―専大と法大の差
大外に振るラグビーが、自分たちはそのチャンスがあったのにできなかった。そこをうまくできたのが専大で、そこが大きな違いだと思います。
―WTBから見てチームの改善点など
もう少し順目に走るラグビーを心掛けないと、相手よりポジショニングが遅いので相手にディフェンスされるのは当たり前だと思うし、順目に回る意識がもっとあれば自分のWTBの位置でもチャンスが増えるかなと思います。
―ハーフタイム話し合ったこと
大外に長いパスを投げるとディフェンスを詰めてくるチームで相手にふさがれてしまうので、自分たちが縦を走って圧力を与えるアタックで切ることを意識して後半の最初の方はできたのですが、中盤からフィットネスが落ちて来て順目に走れていなかったのでそこは改善点です。
―後半で同点のトライを取られた時話し合ったこと
プレーとかは決めていなかったのですが、「とりあえず落ち着いてプレーする、専大のペースだったので落ち着いて自分たちのラグビーをやる」と決めました。
―次の試合に向けて
再来週の拓大戦は見つかった自分たちの反省すべき点を改善して、自分たちの持ち味のアタッキングラグビー、アグレシッブなラグビーをどんどんして、個人的にもたくさんボールをもらって好機をもらって、一回一回相手を振り切って、チームに貢献したいです。
今リーグ初スタメンでトライを決めたWTB斉藤(中央)
フォトギャラリー
- この試合2トライの活躍をみせたFB井上拓
- 入場する法大フィフティーン
- 校歌を歌う法大フィフティーン
- 専大の攻撃に後手を踏んでしまった
- No.8安達のタックルが決まる
- ラインアウトでボールをもらうLOウォーカー
- 2試合連続トライを決めたFL山下憲
- 1本目のトライを決めたFB井上拓
- スクラムで圧倒する法大FW陣
- 前半トライを決め喜ぶWTB斉藤
- ゲインするNo.8安達
- セットプレーの安定をもたらしたHO川越
- セットプレーでもフィールドプレーでも存在感を示すPR土山
- 前半一時は逆転トライを奪ったWTB中井
- ゴールを決めるSO金井。安定感抜群だ
- リーグ戦初スタメンとなったFL大澤
- ステップをみせるWTB斉藤
- ニュージーランド留学を終え、より力強い選手になったLOウォーカー