【陸上競技】関東インカレ開幕直前!陸上競技部インタビュー第1弾
2016年3月20日、4月2日
法政大学多摩キャンパスほか
トラックシーズンが開幕してはや1カ月。そして、あと数日で関東インカレを迎える。
インタビュー第1弾は苅部監督、大瀬戸主将、長田選手、佐久間選手。
冬季の取り組みや今季の目標などを伺った。
監督・選手コメント
苅部俊二監督
ー昨シーズンをふりかえって
世界陸上に現役で2人出てくれましたし、関東インカレも全日本インカレもその前のシーズンよりは総合順位が上がっているので、力はつけてきてくれたかなというのがあります。あとは、箱根駅伝も走れましたし、部としては最低限の目標は達成できたかなと感じはします。昨シーズンは、及第点かなと思います。
ー苅部監督の予想よりは良かったのでしょうか
いや、予想はこれくらいはいきたいなという感じだったので良かったですね。一昨年の関東インカレでは、総合10位以下で、今年はちゃんと入れていたので、少ない人数なので、総合狙えるような部ではないのですが、結構上位にいけました。全日本インカレでも総合もかなり穫れました。
ー今年は大瀬戸選手が主将となりましたが、選ばれた経緯は
チームをしっかりけん引してくれますし、実力もあるし、やっぱり一番練習ちゃんとやるので、強い選手が一番練習するというのは大事なことだし、チームにも影響力ありますし、総合的に考えて大瀬戸になりました。
ーこの冬場はどのようなトレーニングを中心に行っていたのでしょうか
基本的には、例年と変わらない練習ですね。うちは、元々質も量も高くて多い大学なので、大きなけがもなく順調にやれています。去年よりもいい感じでタイムも出ていると思います。
ー昨年よりもけが人の選手は少ないのでしょうか
小さいのはありますが、大きいのはないので、しっかり練習できていますね。シーズンが楽しみです。
ーリレーについて、4継は昨年日本選手権リレーのメンバーに4年生の西垣選手と専門が400mの矢野選手がいて、新しいチームを作らなければならないと昨年おっしゃっていましたが
今年は2人大砲がいるので、それを生かせるメンバーでいきたいなと思います。昨年の関東インカレでは決勝で平山が走って3番に入ってくれましたし、川辺も日本選手権リレーで決勝では走ってなかったのですが、立役者ではあって、決勝だけ変えてしまってかわいそうだったのですが、力は2人ともこのひと冬で結構つけているので、穴を補ってくれるかなという感じはします。後は新戦力ですね。インターハイで3番に入った勝瀬は、高校2年のユースでも優勝しているので元々力のある選手なので、彼はすごく期待しています。インターハイで法政二高が優勝したときの2年生のメンバーだった子も上がってくれているし、新戦力が何人かいるので。ただすぐにはメンバーに入るかはわからないですけど、後で新戦力が入ってきてくれれば。まあやっぱり西垣・矢野に比べるとちょっとというところは否めないですけど、まあこれからしっかりとやっていって3連覇したいなと思います。
ー今お話に出てきた選手がメンバーに入るかなということでしょうか
まあ今言ったメンバーが中心だと思います。そこに入りそうなのは村瀬、後は未知ですけど杉尾、塩山。塩山っていうのも1年生なのですが、彼は実は中学チャンピオンで、中学では100mも200mも優勝して無双していて、高校はちょっと停滞していたのですが、大学入ってもう一花咲かせられるかという状況で、非常に真面目な学生なので、期待はしています。
ー大瀬戸選手、長田選手の走順はもう決まっていますか
できれば、大瀬戸2走長田4走でいきたいのですが、チーム事情でもしかしたら長田を3走に持ってくるかもしれないです。もったいないので、本当は長田を4走を使いたい、長田までで勝負を決めちゃえば絶対勝つので、そういうメンバーを作れるかどうかという感じですね。ただそこができなかったら、長田3走にしてもうトップできて逃げ切る戦法なんですけど、それはちょっと何回か去年失敗している、川辺がトワイライトと全日本インカレでやられているので、あれはちょっとやりたくないんですよね。だからまあ盤石な体制を取るのであれば、長田をアンカーに。両エースを直線のところに持っていって。3走ってすごい難しいんですよ。3走の選手をいかに育成するかということですね。
ーマイルについては、今年はどのようなメンバーを考えていますか
今年は矢野・伊藤・片山の3枚は残っているので、まあそのままで。伊藤が今年結構いいですね。あとやっぱり4継と同じように新戦力が来てくれています。新戦力で一番期待しているのは、江藤くんといって彼はインターハイのマイルチーム優勝しているんですよ。優勝のアンカーの選手で、力があるので、彼が入ってきてくれるかなという感じがするのと、あと法政二高の400mHハードルのインターハイチャンピオンと国体のチャンピオンの洛南高校の豊田くんの2人は力があるので、楽しみな1年生がすごく多いです。だから既存のメンバーと1年生と大瀬戸などが入ったときよりは大砲ではないのですが、久々にこれだけ高校トップのいい選手が入っているので、すごく期待はしています。
ー色々と試す形となるのでしょうか
試します。六大学対校はちょっと間に合わないので上級生でやりますが、その後の岩壁杯でたぶん新戦力をちょっと試してみて適性見てって感じですね。
ー冬季の練習で特に成長が見られる選手はいますか
そうですね。大瀬戸、長田はいいと思いますね。ちょっと急成長というとトップ選手だと伸びしろがねそんなにある訳ではないので。ただ2人は順調にきているので、世界陸上出ていますけど、やっぱりオリンピックを目指してほしいなというのはあります。2人とも本当に順調なので、いいと思います。急成長といわれるとやっぱり伊藤ですかね。伊藤は結構いい感じで調子を上げていますね。あと、金井がいいですね。金井がもしかしたらもしかしちゃいますね。
ー日本選手権も楽しみですか
楽しみですね。本当に金井が楽しみですね。走りが良かったので。あいつは今までちょっとスプリントがなくて、持久力もあまりなくてひ弱だったのですが、身体もまだひ弱なんですけど、少しずつできてきてスピードついてきたので。元々ハードリングは高いレベルを持っているので、それが結びついてきつつあります。本当にもしかしたらいいかもしれません。
ー今年は、リオデジャネイロ五輪があります。大瀬戸選手の代が4年生となり、4年間の集大成として五輪を迎えることになりますが、そのことについてはどのように感じていますか
大瀬戸に関しては、前の五輪は高校3年生のときで、狙える位置にいたんですよね。狙える位置にいたんですけれども、インターハイを選択して、選考会に出ないで五輪を回避したんですね。それが正解か正解でないかというのは難しい判断なんですけど、インターハイ優勝しましたし。高校生はインターハイかもしれませんが、スポーツやっている人ってやっぱり五輪というのは特別な存在なので、そこでやっぱり出れなかったという思いは少しは絶対あると思うんですよ。ただインターハイで結果を残すという最大の目標を彼は達成したので、後悔はしていないと思うのですが、だけどそこで五輪を選ばなかったことは、すごく高校の先生ともすごく話をして、それで彼本人がインターハイ選んだんですよ。先生は五輪に行ってほしかった、先生も五輪行ってないんですよ。先生も世界陸上出たような選手だった先生で、やっぱり五輪に出てほしいという思いがすごく強いんですよね。なので、その先生のためにもやっぱり彼は出たいという思いは持っていると思うので、私も出てほしいと思うし、しっかり大瀬戸と長田には五輪にきっちり出てほしいと思っています。ただ、すごく厳しいと思います。桐生も良くなってきてるし、高瀬、藤光、ハキーム、それで飯塚という本当に日本トップが飛び抜けているので、そこに食い込んでいくのはなかなか厳しいですけれども、なんとか入ってくれればなとは思っています。
ー大瀬戸選手は100mの標準を切るためにこれから出場する大会では100mに絞る可能性はありますか
いや。たぶん200mもやると思います。100m200m両方やって、100mのために200mやるみたいな感じなので、全く別物ではないので、たぶん彼が200mやることが100mにも活きてくるので。だからちゃんと狙うのはたぶん100mだと思うんだけど、200mもやりつつだと思いますね。
ー現在の大瀬戸選手の具体的な状態は
スタートを少し改善して、スタートは元々良い選手なんですけれども、もっと桐生くんに対抗するにはやっぱりもう少しスタートを磨いて桐生に先行していく。今も先行しているんですけれども、中盤でやっぱり捕まるんですよね。だから捕まらないくらいの飛び出しというのをしたいんですよね。それが良い方向にいきつつあるので、それとあとは持久スピードも結構ついてきているので、なおかつ後半落ちないような形の練習ができているので、ワンランク今年は上がったかなという手応えはあるので、できれば0台くらいいってほしいなと、それくらいの力はあると思います。
ー大瀬戸選手と桐生選手はどれほどの差があるのでしょうか
どうですかね。桐生も強いですからね。桐生とはちょっとまだあると思います。やっぱり彼のトップスピードはすごく高いものもあってですね。そこにはちょっとまだ追いつかないところはあるんですけれども、まあやっぱりスタートダッシュですね。スタートダッシュと後は桐生は結構早くトップスピードがくるんですけど、大瀬戸はそこまで早くトップスピードがこなくて、飛び出しは速いんですけど。じわっと上げてくるので、何とか後半持てばある程度良いところまでいくのかなという感じですかね。ただまあ超えてるのかなというと、冷静な目で見ると、まだ超えてはいないかなという感じはします。でも超えさせたいなとは思っています。
ー大瀬戸選手は、2012年以降100mの自己ベストを更新されていません。そのことについてはどのように感じていますか
自己ベストを更新していないというのは、私の責任でもあるし、ただたぶん本人も思っていることだと思うんだけど、高校のときのベストっていうのは結構風もあったし、広島のすごく良い条件で出したんですね。だから、フロックとまでは言わないけれども、しかも10秒23のタイムで、(当時)そのほかは結構低いんですよ。そこだけたまたま出ちゃったみたいな感じで、今は2台も何回も連発してるし、アベレージは全然今の方があって、だから力的には全然今の方が強いんですよ。ただ、記録が出てないだけ。風とか条件に恵まれていないだけであって。もし例えば長田が19出したレースでもし彼が走っていたらどうなっていたかなと思うので、あのような条件の良いところで走れていない。ちょっと可哀相なんですよね。だからベストはいつ出てもおかしくないですよ。出せていないという事実はあるけれども、いつでも出せるなというのは、たぶん本人も感じているし、僕も感じている。それはあんまり心配していないですね。
ー昨年からとても調子を上げている長田選手の状態は
長田は、去年一皮むけたというかもう走りの感覚のレベルが一個上がっちゃいましたね。そういうのはあるんですよね。地面のキャッチングの仕方とかそういうのがはっと気づくときがあって、それを身につけるとワンランク上がっちゃうんですよ。だからもう遅く走れないんですけど。そういう風なレベルに来ましたね。だから一個上がっちゃった、階段一個上がったみたいな感じですね。だからたぶん何か掴んだんでしょうね。その走りの何かの感覚を。元々良かったんですけど、ワンランク一個上をいく何かを掴んでくれたんだと思います。それで、くっと上に上がったという感じですね。
ー昨年の3月に取材させていただいたときも、苅部監督は長田選手がすごく良くなっているとおっしゃっていました。それはどの辺りを見てそのように感じたのですか
長田は、動きももちろんありますけれども、タイムも出ていたし、あと大瀬戸とほとんど変わらないような練習をできていたんですよ。だから勝ったり負けたりもしてたし、大瀬戸が遅い訳ないので、大瀬戸が遅くなったら困ったんですけど、大瀬戸もタイム出ていたので、これはいくなというのはもう冬の時点でもう分かっていたというか、ただ19までいくというのはできすぎでしたね。2台くらいかなと思っていたのですが。あと20秒台もいくなという感じはもうしていましたから、インカレで上位はいくんじゃないかなという予想はしていました。だから出来すぎな感じですね。世界陸上までいくと思わなかったし、まさかまさかの。予想以上でしたね。
ー長田選手自身は100mの方が得意だとおっしゃっていますが、苅部監督はどのように感じていますか
本人はそういう意思があるみたいですね。スタートがもっと上手くなれば、100mいいと思いますよ。スタートがまだ改善できていないので、でも今ちょっとやっていることが結構良い方向にいっているので、もしかしたらもしかするかもしれないというのはありますね。ちょっとスタート変えて、それがはまればいくかもですね。長田はあんまり長いのはいけないんですよ。300mとか400mとかいけるタイプではない。大瀬戸はいけるんですけど。どっちかというと大瀬戸よりも、100mに近いのかもしれないですけど。でも意外と200mも走れるので。だから本人は100mにこだわりがあると思うんですけど、両方走れる感じですね。大瀬戸は結構マルチな感じで、100mにも400mにもいける感じです。
ー苅部監督はやはり200mの方が
今は、スタートが改善できないのであれば200mですね。スタートは致命的なので。1人だけ遅れるので。でもちょっといじってるので、これから試してみてそれがはまればたぶんいっちゃいますよ。あいつ強いですよ、やっぱり。
ー2選手は今年、日本学生個人選手権は出場されますか
わからないですね。これから考えます。オリンピックトライアルに向けて、どうやって調整をしていくかということはこれから考えていこうかなと思っています。まずは六大学やって、織田やって、長田は川崎あって、大瀬戸はまだきていないんですけど。そんな感じでちょっと作っていって、それで個人選手権迎えて。その辺りの様子を見ながら、日本選手権に向けてどうやって試合組んでいくかというのは話しながら。まあなかなか、これらが出れるというのは難しいので、今のところそれくらいです。
ー新入生で特に期待している選手は
全員期待していますよ。沢山いいのがいます、去年も良かったんですけど。今年は400mHの2人は高校の1番、2番ですし、豊田というのは世界ユース銅メダリストですし、高田はインターハイ優勝ですし、やっぱり400mHはうちの伝統的に強い種目なので、うまくはまってくれたら良いかなと思います。今年49秒出たら日本代表クラスになるかなと思います。今年歩数少し変えるので、高校のレースとだいぶ違うので、それに対応できればそのままいっちゃうかもしれないですね。できなかったらちょっと時間かかるかもしれないです。
ー最後に今年の意気込みをお願いします
インカレ多種目優勝したいなという感じはありますね。一回やったんですけど、早大と一緒だったので。しかも早大がカップを持って、半分半分にするって言っていたのにずっと持っていっちゃったので、うちに一回もカップが届いていないので、なので自分のところで一年間多種目優勝のカップが保管できるような感じでいきたいですね。だから、100m・200mできれば4継・マイル・走幅跳など6種目くらい勝てばいけるので、狙いたいですね。うちはそういう大学なので、総合は難しくてなかなかフルエントリーできないので、そうやって個人でアピールできるような法政旋風を巻き起こしたいなと思っています。あと女子もいるので、女子も少しずつ増えてきたので、女子は総合難しいですけれども、女子もいるんだなっていうのをアピールできたらなと思います。
取材に応じる苅部監督
大瀬戸一馬主将
ー新チームの雰囲気は
この冬を通して例年より大きなけがの数も少なくて、しっかり練習が積めています。 去年の主力メンバーも結構残っているので、いつもより上を目指せるんじゃないんですかね。
ーチーム全体としてのけがの数が少なくなりつつありますか
そうですね。例年だと冬場でけがをする人が多いが、今年は練習量も増えている中で怪我人のの人数も減っているので結構いいんじゃないかと思います。
ー練習量の増加というのは走り込みの量が増えたということですか
そうですね。練習量も増えてますし、質も上がっているかなという感じですね。チームの雰囲気も良く、なかなか高い質でできているかと思います。
ー主将になってから何か変化はありますか
もともと協調性がない人間なので、最初は向いてないかなと思ったんですけど、積極的に後輩とコミュニケーションをとったり、他の部員の走りを見たするようになって、(そういった点では)チームの状況を把握出来るようになったのかなとは思います。
ー主将の理想像は
僕自身の今の目標でもあるが、高校から更新出来てない記録の更新です。結果でしっかり引っ張っていくのが法政のキャプテンなので、僕がベストを出せていないのもアレなので、しっかり結果を出してチームを引っ張っていきたいですね。 それと、少しでもチームの意識を高いところに持っていきたいなと思っていてて、経験ある人たちからじゃないと意識の底上げは出来ないと思うので繋げていきたいです。 特に今の自分たちの代は各ブロックの主力がいて強いと思っているので、うまくコミュニケーションをとっていきながら下の代に意識を繋げていきたいなっていうのがありますね。
ー昨年のシーズンを振り返ってみて
去年はけがの多いシーズンでした。春先の試合は怪我をかばいながら、ごまかしながらやっていたので自分の力が出し切れない部分がありました。後半はそれなりにまとめられたかなとは思うんですけど、シーズン通して不完全燃焼といいますか出し切れてないなところがあるなとはシーズン中はずっと思ってました。 でも今振り返ってみると、シニアの世界大会でメダルが取れましたし、ユニバで僕自身初の金メダルも取れましたし(高2銀・高3銅)ま、あとは世界陸上も出させてもらえましたし、不完全燃焼の中でもそれなりの結果は残せたのかなとは思います。それと代表で初めてマイルも走りました。6月のアジア選手権で補欠だったのがメンバーが風邪になって急遽出場になりました。多く色々な経験ができたかなとは思ってます。
ーけがについてどういった原因がありましたか
冬場に調子が良すぎて、良すぎた中で自分を抑えきれなかったというか。去年の2月ごろの寒い中で、スピードが上がりすぎちゃって身体はついてこないのに動きすぎてしまいました。で、その怪我をかばいながら、だましだましでずっとやってたのでまた別のところが痛み出してという負の連鎖がありましたかね。
ー腰の慢性的な怪我とは別なものですか
去年はそんなでしたね。要所要所ではありましたけど特に大きなものはなかったですね。 去年はひとつのけがが色々なところに連鎖していくような形でしたね。ま、そういうところは治していきたいなと。
ーけがへの対策はしていますか
去年に比べて自分の身体をケアするというか、もともと全くそういうケアに興味がなかったというか、全くしてなかったので、風呂でストレッチをしたりとか、ドリルでも身体の使い方を意識して、色々な動きや色んな使い方が出来るようにってのを意識したらけがの軽減にもつながりますし、これから走りにも生きてくると思うので、そういったところで意識は変わりました。
ー身体は固いほうですか
そうですね。身体のストレッチなどの静的なものは固いですね。動き自体は固いっていう感じではないですけどね。やっぱ普通にストレッチをすると筋肉は固かったりしますね。
ー夏のトワイライトゲームスでシーズンベストを出したのはけがが治ったことが大きかったのでしょうか
けがが治って、その前の頃からしっかり走れるようになって、練習もちゃんとできたのが大きいですね。それまでは質も落ちてしまっていたので。7月初めくらいから怪我もあまりなくなってきて、練習もしっかり積めていたっていうのと、ちょうどそのトワイライトの直前でフォームを変えてハマったので、それがそこではいい要因だったかなと。 気持ちも高まっていましたし、久々に本調子で走れて。世界大会は基本的にリレーで選出されていて、リレーで走ってた時はあるけれど個人ではだましだましでやってたとこばかりなので、久々に本調子で個人の種目にも臨めて高まっていましたね。いい条件で走らせてもらったので。
ー法大としてのリレーについて、今年はどうなっていきますか
ありがたいことに主軸の長田もいますし、去年400の矢野もメンバーに引っ張ってきて走ってもらってるので、メンバーとしては優勝は狙える位置にいるかと思います。この冬季を見て、新2年が去年実力を出せてないとこがあったんですけど、この冬場の練習を見るあたり結構状態が良くなっているのでそのあたりと、新入生もいい選手が入ってきているのでうまく組み合わせることができれば。日本選手権リレーもそうですけどインカレとかだと個人種目も入ってくるので、特に長田には頑張ってもらわないといけないです。
ー今年のレースは100mに絞っていきますか
インカレは出るかもしれない。自分自身200mは種目として好きなので。 春先はまず織田記念で1本とゴールデングランプリに出させてもらえてそうなのでそこで結果を出さないとリオは遠いので、まずはメイン100で200はおろそかにしないくらいの感じで楽しんでいこうかなと考えています。
ー日本陸連の合宿で得られたものは
実は陸連の合宿はほとんど参加してないんですよ。最低限でなければいけないとこだけ参加した感じなので、得たものはないですけど、他の選手と走ったり走りを見たりして自分に刺激ってのはありましたし、選手と一緒に走ることによって現状どの位置にいるのかがわかるので、モチベーションを上げて残りの冬季も積めそうだなと思いました。あと暖かい中で走れたので、いい動きが出来てるかなと思います。
ー感覚的な問題がいい感触を掴めていますか
意外と悪くはないかなとは思ってます。
ー注目している選手は
僕は中堅だと思ってるので、上の選手である高瀬慧(富士通)さん藤光謙司(ゼンリン)さん桐生祥秀(東洋大)あたりはすごいかな。 来年怖いなと思うのはケンブリッジ飛鳥(ドーム)さんがきてますね。 そういったとこよりもまずは自分の心配ですかね。(笑)
ー冬場はどういう練習をしてきましたか
去年のシーズンを通して自分の世界観が変わって、世界思考になってきて、昔は外人の選手とか全然知らなかったんですけど、ああいう大会を見ていると走り方も違いますし、そういうとこに目がいって、海外の選手と勝負するために必要なことをメインでやっていきました。
ー具体的には
意識したのは2つで、最初は前半で中間疾走にいかにうまくつなげられるかというポイントでスタートを改良したのと、後半はスピードをどれだけ落とさないでいけるかという走りを外人選手と見比べました。僕の中ではフランスのJ.ビコ選手っていう人は変わった走り方をしてるんですけれど、走り方が似ててこの選手のポイントを真似してみようかなとこの冬季は意識してやってきました。
ー大瀬戸選手はスタートが得意なのかなと感じていますが
スタート自体は速く走れるんですけど、そのスタートを利用してそのあとの中間疾走を速くするほうへと改良しました。
ー9秒台は狙っていますか
9秒台は出るものだとは思ってる。来年とかではなくて選手生活の中でどっかで出るとは思う。まずは自己新とリオの標準の10秒16が今年度の目標だと思う。
ー4年間を通しての計画はありますか
高校のときから4年間どうやっていこうととは決めてたんですけど、今のところはのっとってないので 元々は1年目で世界陸上の代表としてなんでもいいから行きたかった。 2年目は大きい試合は何もないのでここで世界大会を見て、それに向けて何ができるのかを考えて、工夫の年にしようかなと。それは結構できて、400とかも走りましたし。 3年目で経験を残して、4年目のオリンピックで結果を残す。元々の4年間の目標です。 2年目以外はあまりそれ通りにいってないとこがあるので、4年目くらいはしっかりしたいなと。
ー身体面の方で何か取り組んでいるものはありますか
高校のときはあまり筋トレはしないんですけど、この冬は臀部やハムストリングなどはスクワットや、ジャンプ系のトレーニングで。 ウエイトもやってみたが、正直重りを持って走ることもないと思い、それならばある程度自分の体重とか使って速い動きや走りの中で使うジャンプを使ったトレーニングの方がいいかなと思って軽い負荷で速い動き、上げようと思えば100kgできるが50-60kgで速いスクワット・30kgの重りでスクワットジャンプとかをやってきました。 走りのほうにつながるように。
ー4年目の意気込みをお願いします
自己新、10秒16切りはキャプテンになって思った。少数精鋭で2部落ちの危機にあるが今年は違うので、キャプテンとしてなにかひとつでも賞を。チームの最多優勝を狙いやすいかなと。
大瀬戸は大学4年目のシーズンを主将として臨む
長田拓也
―今の調子は
順調で、けがについては大きいけがはなくて、去年のこの時期よりももう1歩上の設定タイムでこなせたかなっていう印象ですね。
―冬季練習で重点を置いていることは
バネを強くしたいなと思っていて、スタートとかの瞬発力とかが足りない気はしていたので、ジャンプとか、例えばハードルジャンプだったり、立ち五段跳とか、そういう練習をして、その結果3月の合宿のコントロールテストでそういう数値が伸びていて、成果が見られたので、そこをどうやって走りにつなげていくかっていく段階ですね。
―300mなど筋持久力が求められる練習もしたと聞きましたが
やっぱり200mとかも走るので、200mの後半とかに活きてくるかなと思っているので、そういう練習もちゃんとやるようにしています。
―沖縄の合宿ではどのようなことを
沖縄合宿の前に陸連の合宿で石垣島に行ってて、その段階でスピードを割と上げてっていう練習をして、それを踏まえて沖縄の合宿で質の高い練習をっていう感じで、シーズンでの動きに近づけていくような練習をしていました。
―昨季と比べて変えたこと、変わったことは
昨季は良かったので、あんまりベースは変えず昨季のままで、さっき言ったようにバネだとか、あとやったことと言ったら今まで手をつけていなかったウエイトトレーニングだったりとか。基礎は去年のままなんですけど、それにプラスアルファして加えていくっていうことをしていました。
―ではフォームなどは変わってはいないですか
そうですね。特にいじらずにそこからプラスアルファしてどこを伸ばしていくかっていうのを大事にしました。
―話は変わりますが、2015年を振り返って印象に残っているレースは
やっぱり1番は世界陸上。悔しい思いをしたっていうのもそうですけど。逆にいいレースで印象に残っているのは、やっぱり個人選手権。10秒3台だったのがいきなり10秒1台まで伸びてっていうのが。それが鮮明に残っていますね。そういういい感触っていうのは。
―個人選手権でいきなり10秒1台まで伸びた要因は
あんまりそういうのはなくて、その前までのベストが10秒3台っていうのが、まだ(自分の力が)出てないなっていう感じで、10秒2台は出るだろうと思っていたので。それにもう一歩加わって10秒1台が出たみたいな感じだったので。びっくりしたのはびっくりしたんですけど、そこまでではなくて、出てもおかしくないなという感じでした。
―さきほどお話にあった世界陸上について、緊張などは
緊張は特になかったですね。でもミスを出してしまったというのは事実なので、緊張もあったかもしれないですけど、あんまり感じてはいなくて、楽しみたいと思っていました。
―世界陸上の会場は北京でしたが、今年の五輪はリオ、時差などは
まあ僕自身、経験したことのある時差がMAXで1時間なので、そんなに海外遠征なども、大瀬戸みたいにエリートではないので、経験をしていない部類なので、不安はありますけど、そこまで不安には思ってはいないですね。
―2016年の目標は
やっぱり1番は五輪に出ること。そこでもう1回代表に戻って、結果を出すことっていうのが1番の目標で。あとは学生ラストシーズンになるので、4年生として何かチームに残せるように。個人だったら去年のインカレで優勝していますけど、去年よりもさらにいい結果を出して、タイトルを獲るということであったり。あとはやっぱり4継チームがインカレで勝ててないっていうのがあるので、関カレ、全カレ、日本選手権リレー、全部獲りたいと思っています。
―100mでは0.03秒、200mでは0.07秒まで五輪の標準記録に迫っていますが、感覚ではどちらが五輪に近いなどは
200mのほうが、(標準記録を)切れるだろうなっていうのはあるんですけど、日本のレベルからしても200mのほうが切れると思うんですけど、日本選手権で勝負して代表の座を獲得するってなった時に、100mのほうが近いんじゃないかなって思っています。日本ランキングでも、100mのほうが上ですし、10秒16っていう標準も厳しいと思うので、その点だと僕は(標準を)切れてない人たちの中では1番近いタイムを出しているので、そういう点では100mのほうが近いかなと思っています。
―その上で意識している選手は
やっぱり100mだと大瀬戸は練習で一緒に走っていて負けることもありますし、来るかなと思うので負けたくないと思っているのと、山縣(亮太、SEIKO)さんが合宿で一緒に走った感じすごく良かったので、その2人ですかね。桐生(祥秀、東洋大)くんと髙瀬(慧、富士通)さんはもう標準を切っているので、代表を争う形になった時にはそこの2人かなと思っています。
―世界陸上ではリレーに出場しましたが、五輪でもリレーに出場したいという思いは
もちろん出たいです。でも去年の場合は標準が切れなくて、リレーだけで呼ばれて、もともとは控えっていう感じだったので、今年は個人でも余裕を持ってっていうか、リレーも走って当たり前っていう結果を出して、最初からリレーを走るつもりで行ってリベンジしたいです。
―今年の日本選手権は地元の愛知での開催ですが
いろんな記念というか、そういうのが重なっていて。学生ラストシーズンっていうのもそうですし、日本選手権も100回記念っていうのもそうですし、いろいろあって、何か感じるものはありますけど、それを考えすぎないようにっていうのは気をつけていて、あくまでも日本選手権は五輪に出るためのものなので、地元で声援とかくれるのは嬉しいので、そういうのをプラスにしたいなあとは思っています。
―最上級生となりましたがチーム内の雰囲気は
やっぱり僕らの代というのは、今までの法大短距離陣の中でも上のほうの、強い代だなって思っているので、インカレで形として結果を残そうっていう思いは強くありますね。
―長田選手から見た主将の大瀬戸選手はどのような選手ですか
僕らの代はやっぱり強いのがいっぱいいて、クセが強いのもありますけど、そういうのがいっぱいいて頑張ってくれてるなって。僕とかはそういうのできないタイプなので、そういうことをやってくれて感謝していますし。まあそれでも、負けたくないなとは思いつつ、練習をやっていますね。
―さきほどお話にあった日本選手権リレーで、法大は2連覇中ですが
3連覇はもちろん、そこはマストだとして。インカレで勝ててないっていうのが、そこが1番悔しいところではあるので、全部獲りたいですね。全部獲ってなおかつ3連覇。そこに学生記録もついてくればいいかなと思っています。
―その中でライバルとなるチームは
やっぱり中大さん。インカレでも負けていますし、卒業する中大の先輩方はいますけど、チームが変わっても変わらず強くて、層が厚いっていうのが中大さんの特徴なので。僕らの場合はかつかつで、人数少ない中でやっているんですけど、そういう点でも中大さんは強いので、ライバルにはなるかなと思います。あとはいつも来るのが早稲田さんと東海さんなんですけど、そこはいつも勝ててはいるので、中大さんを目標にやることになるかなと思っています。
―去年はリレーでは主に3走でしたが今年は
今は4走の練習をしていて、3走を去年アンカーだった川辺(隼也、スポ2)がちょっと練習しているっていう状態なんですけど、六大はたぶんそこでいくのかなっていう。僕からははっきりは言えないんですけど。そういう流れのほうがいいんじゃないかと、2走大瀬戸でつないで4走僕のほうがいいんじゃないかっていう話になっていて、新入生も来ていろんなパターンで練習していますね。
―これまで1走を担っていた選手が卒業しましたが
今は新入生も考えているんですけど、関カレで1走を走ってくれた平山(裕太、経2)っていうのも今いい動きをしているので、六大は新入生抜きでそういうチームになるかなって思っています。
―最後に意気込みを
やっぱり今年は学生ラストっていうのもありますけど、オリンピックイヤー。いろんな大きい目標がある年なので、1個1個というか、インカレも日本選手権も五輪も、いい結果を出せるように頑張りたいです。
昨年急成長を遂げた長田。今年も彼の走りから目が離せない
佐久間滉大
ーこの1年を振り返って
シーズンの最初の方はなかなか結果を出せませんでしたけど、最後の大会で結果を残したことで冬の練習につながったと思います。
ー昨季で1番成長したところは
走りが少し速くなったのとパワーがすごくつきましたね。ウエイトトレーニングを結構やったので、そこでつきましたね。
ー全日本インカレでは1年生で表彰台にも上がりました
1年目でそこまでいったと考えるといいのかもしれないですけど、自分的には納得してなくて力不足だったと思います。1位も目指せたので、やっぱり悔しい思いはありました。
ー去年の課題は
助走が上手くいってなかったので、そこを修正してきました。
ー同じ種目には同学年の松添基理(スポ2)選手がいます
刺激にはなりますね。でもそんな意識はせずに今の自分に勝てればいいと思ってます。
ー去年で1番印象に残った試合は
全日本ジュニアで自己ベストを出せたので、それが1番印象に残ってます。
ー冬季はどんなことをやってきましたか
ウエイトトレーニングでパワーをつけたのとスピードの強化をしました。2月の初めからアメリカで練習しててそこで技術トレーニングをしてました。走りの技術とかを改良してましたね。
ーアメリカでの練習は何か発見はありましたか
発見は多かったですね。日本と違う環境で考え方が違う人も多かったのですごい刺激になりました。
ー現在の調子は
調子はいい状態ですね。タイミングが合えばいつでもいい記録は出せると思います。
ー今季の目標は
自己ベストを出して、8mを早く跳べるようにすることですね。
ー注目する新入生は
法政二高から来た高田一就(スポ1)ですね。インターハイも勝ってるので。高校も同じなので期待してます。
ー応援してくれる人にメッセージをお願いします
今シーズンはまず自己ベストを出すので、しっかり応援してくれればそれに応えて頑張りたいと思います。
佐久間は六大学対校で優勝を手にするなどシーズン序盤から好調を見せている