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【陸上競技】第97回東京箱根間往復大学駅伝競走直前インタビュー 第4回 奥山智広、田辺佑典、古海航、須藤拓海

箱根直前インタビュー
2020年12月14日(月)
オンライン取材

箱根まで残すところあと3日。今回は4年生の奥山智広選手、田辺佑典選手、古海航選手、須藤拓海選手のインタビューをお届けする。

 予選会でもチームを支えた奥山

インタビュー

奥山智広

一2年連続2回目のエントリーとなりましたが率直な心境は
去年はエントリーはされましたが走ることはできず、その悔しさをばねに1年間練習をしてきて、ひとまずメンバーに入ることはクリアできたので箱根駅伝に向けて調整するだけかなと思っています。 去年は悔しい結果にもなったので、去年貢献できなかった分、今年は走りで押し上げていきたいと思っています。

一予選会では4年生唯一の出場となりました
夏頃に4年生が全体的に状態が悪く、僕自身も教育実習に行っていた関係で個別で練習を組み立てるという形で苦しい時期もあったので、そういった面ではうまく予選会には持っていけたと思います。唯一の4年生として仲間の思いであったり、後輩たちはハーフマラソン経験者が少なかったので上級生として安心感をもたらすことができるような雰囲気作りというのを意識していました。

一下級生の活躍もありました
スタート前に監督の方からチームとして10番目に帰ってきてくれればいいから他の選手を連れてきてくれと任されていて、途中まではペースメイクをして自分の役割を果たせたのですが、ペースアップをしなくてはいけない時に自分にはその余裕が無く、後輩たちに託す形になってしまって申し訳なかったです。自分のタイムはチームの中でも最下位で不甲斐ない走りをしてしまいましたし、予選会を通過させてくれた後輩たちがきつい時に4年生の顔が思い浮かんだと言ってくれていたので、最後の箱根駅伝では走りで貢献したいという気持ちが強くなりました。

一箱根には4年生が5人エントリーされていますが、4年生で話したことは
現地の雰囲気を感じることができたのは僕だけだったので、緊張感がある中で力を出してくれた後輩たちの思いを自分が還元しなくてはいけないなというのはあって4年生には訴えかけてきました。予選会後は、最後の箱根駅伝であり、4年生は誰も走ったことがないという中で自分たちのやれることを精一杯やっていかないとという話をしてここまでやってきて5人がエントリーできたので、そういった面で予選会が変わるきっかけになったのかなとは思います。

一夏に教育実習の関係で全体での練習に参加できず、調整の面で難しかった点は
周りが集団で集まって夏合宿ができなかった分を補うような練習をする中で、自分は教育実習と練習のスケジュールがうまく合わず、自分のやれることが限られてしまって、本当にこの練習をしていて他の選手と力の差が生まれないのかなという不安があったのは大変でした。

一個人で練習を組み立てる中で意識した点は
けがをしてしまったら次につながらないので、無理をしないというのは意識していました。全体の流れよりは練習の強度は低くなってしまいますが自分の自信がつくような練習をして、全体に戻った時にすんなり入れるような準備というのは心がけて練習していました。

一最上級生として活動する1年でした
箱根駅伝は最上級生である4年生が中心だということを監督も話していましたが、新型コロナウイルスの影響で大会などがなくなってチーム状況も分からず、モチベーションを保つ上で自分たちが腐ってしまえば後輩たちにも響きますし、個人的にも最後の年にかける思いやチームのためにも動かないといけないという両立の面が大変だった1年間だったかなと思います。

一箱根の希望区間は
10区です。

一富津合宿で10区を意識して取り組んだことは
特に10区のためにというのはなくて、自分のパフォーマンスを最大限発揮するために走っていました。

一富津合宿で意識したことは
去年初めて富津合宿に参加させてもらった時より確実にレベルの高いことをしなければシード権というのは獲得できないので、速いペースになっても気持ち的にも焦らず余裕を持てるように、もっと上を目指してやらないといけないということは意識していました。

一富津合宿でのコンディションは
去年より質の高い練習をこなせているので状態的にも上がってきていますし、あとはコンディションを整えていくだけかなというくらい練習の消化度が良いので、あとはけがなくやっていきたいなと思います。

一残り1ヶ月を切っている中、最後の箱根に対して意識することは
小さな時からずっと箱根駅伝のためにやってきたので、あと3週間しか自分の目標に費やせる時間がないのかという状況なのですが、予選会を通してくれて最後に挑戦する権利をもらった身でもありますし、予選会ではチーム内で10位以内で走ってチームに貢献してくれた3選手がエントリーを外れているということもありますので、最上級生として後輩がつないでくれたものを受け取って、後輩の思いも汲んで最後シード権を獲得して来年のチームに残せたらいいなという思いが今は一番強いです。

一去年インタビューさせていただいた時に原点として鈴木亮平(平30年度卒)さんの名前を挙げられていたと思いますが、何か連絡などは
予選会前と予選会終わりに連絡をもらって、予選会の分を取り返すのは箱根駅伝しかないからしっかり走れよという形で連絡をもらったので、そこでまた頑張ろうという気持ちが強くなりました。

一アピールポイントは
今年に入ってからは安定感が以前より増したと思います。大きくタイムを外すことも無くなりましたし、そういった面から予選会ではペースメイクの仕事を任せてもらえたので、安定感がアピールポイントかなと思います。

一チーム目標は
総合8位、シード権獲得を目指しています。

一個人目標は
前回大会でアンカーとして先輩が法大記録で走っていますので自分も法大記録で走って、チームの総合8位のためにも4年生最後を走りの面で結果を残せれば最高の終わり方になるかなと思うので、今まで10区を走った中で一番速く走って最後を締めくくって有終の美を飾りたいなと思います。

一法大の注目選手は
個人的には稲毛(崇斗、1)がルームメイトになるので稲毛ですね。前回、河田(太一平、2)が1年生で走って今は準エース級になっていて、今回走れば稲毛もそういった核となる選手になれると思いますし、自分のルームメイトということもあるので期待したいなと思います。

一初めてのエントリーとなる稲毛選手に対してかけてあげたい言葉は
予選会も僕と同じ集団で走っていましたが、安定感というか長い距離は得意な選手で、あまり大崩れするタイプではないと思うので、人のペースに惑わされず落ち着いて走ってもらえれば力が発揮できると思います。そういった点は部屋でも話していてわかっていると思いますが、そういった言葉をかけてあげたいです。

一意気込みは
4年間走れず今回が最後のチャンスとなりますし、新型コロナウイルスの影響がある中でも大会が開催される、そして後輩たちがつないでくれて走ることができるという形でチャンスをもらっているので最後責任を果たすために走って総合8位に貢献して締めくくりたいなと思います。

一最後にファンの方へメッセージをお願いします
今年は大会が少なく、最後に一番注目される大会がありますので去年獲得できなかったシード権を獲得して、現地での応援ができずテレビでという形になると思いますが、応援してくれている人に感動や元気を与えられるような走りと結果を残したいと思いますので応援よろしくお願いします。

(取材・吉本侑樹)

奥山智広(おくやま・ともひろ)
経済学部4年
1998年11月19日生まれ
173㌢・58㌔
出身校:酒田南(山形)
1万㍍自己記録:29分39秒53
座右の銘:継続は力なり

田辺佑典

ーコロナ禍での練習状況はいかがでしたか
今年の前半は、あまりみんなで練習ができなかったので個人で練習をしたのですが、全体練習が行えない中で駅伝の単独走を意識して練習をしていました。

ー今年成長したと感じる部分は
今年は4年生ということもあり、周りに気を遣うことができるようになったのかなと思います。チームが一回バラバラになったので、まとめることができたとは言えませんが、2年生と3年生の間に入って人のために行動すると言いますか、そういうのができるようになったのかなと。走りの面では長い距離を走れるようになったこともそうですし、スピードもついたと感じています。

ー予選会ではメンバー入りとはなりませんでした
今年は夏頃にチームがバラバラになってしまいました。ちょっと色々あって、原因の一部は4年生なんですけど。4年生がチームを引っ張っていかなくてはいけない立場ですが、監督からチームを追い出されたという形でした。4年生は予選会で奥山(智広)1人だけ走ったのですが、彼はその時教育実習中で、一人で頑張っていたのでエントリーに入りました。僕自身、予選会の頃は調子は上がってはいましたけど少し練習が足りていなかった部分があるのかなと。チームに戻ったときに、4年生はチームの後輩たちより練習が積めていなかったので予選会は走れなかった形になります。

ー11月の記録会では1万㍍で自己ベストを出しました
その時は練習はしっかり積めていました。1万で自己新を出す前に富津で20㌔のタイムトライアルがあったのですが、どちらかというと20㌔の方が箱根に向けての選考でした。そのタイムトライアルでしっかり走れたので、その勢いで1週間後の記録会は自己ベストが出せました。

ー練習の一環で自己ベストを出したことについてどのように感じていますか
タイムとしては28分台を狙っていたのですが、出場した組がそこまで速い組ではなかったのでタイムは出ませんでした。ただ組トップでゴールできたことは良かったと思いますし、箱根に向けて監督にしっかりアピールができたので良かったかなと思います。

ー富津での20㌔のタイムトライアルはどうでしたか
20㌔トータルで見たらそこまで悪い記録ではなかったとは思いますが、中盤でペースで落ちてしまったことが箱根に向けて自分の課題なのかなと感じました。

ー本戦のエントリーに入りました
エントリー発表の前日に、富津で10㌔+5㌔をやりました。10㌔を29分30秒の集団走でやって、5㌔がフリーという練習だったのですが、5㌔のフリーところを14分08秒で行けました。一緒にゴールしたのが5000㍍で13分台、1万㍍で28分台の記録を持っている2年の松本(康汰)だったので、山のメンバーを除けば自分はチームで3番目か4番目くらいの位置に来れているのかなと思います。あとはしっかり調子を上げて、重要な区間を走って、そこでしっかり結果を出したいなと考えています。

ー重要な区間とありましたが、走りたい区間は
3区を走りたいです。

ー10㌔+5㌔は余裕を持ってこなせましたか
そうですね、最初の10㌔は余裕を持ってこなせました。5㌔の方はフリーだったので他の人に負けないように勝負を仕掛けて、ラストは結構飛ばしました。

ー前回の箱根駅伝は当日変更となりました
前回の箱根駅伝は自分の中では走れるかなと思っていました。でも1週間前にメンバー発表された時に落とされてしまいました。自分では落とされたことに関して納得はいってなかったのですが、決まったことは仕方ないので次の箱根に向けて頑張るしかないなという気持ちになりました。今回の箱根駅伝が最後のチャンスにはなりますが、ただ走れればいいという風には考えていなくて、しっかり結果を出してチームの目標である総合8位を達成し、笑って終われるようにしたいです。

ー箱根駅伝での4年生の役割は
今回16人のエントリーの中に5人4年生が入れて、走れるのは何人になるか分かりませんが、まず僕自身は絶対に走るという気持ちを持っています。箱根駅伝を走って結果を出してチームに迷惑をかけた分を恩返ししたいと考えています。他のメンバーももし走れなくても何かしらチームのために動いてくれると思っているので、最後チームを良い状態にして後輩たちに託すことが4年生としての役割なのかなと思います。

ー下級生にはどのような走りを期待しますか
3年の鎌田(航生)や清家(陸)、2年の河田(太一平)、川上(有生)、松本はすごい力があるので、彼らには区間上位で走ってもらいたいなと思っています。他のメンバーもチームの目標を達成する上でしっかりつないでいく気持ちを持って欲しいとは思っていますが、何よりまずは楽しんで走って欲しいなと思っています。

ー応援してくれる方へのメッセージ
まだ4年生で箱根駅伝を走ったことのある選手はいないのですが、最後の箱根駅伝なので少しでも多くの4年生が本番で走って、応援して下さる皆さんに喜んで終われるように頑張りたいと思います。

(取材・根本成)

田辺佑典(たなべ・ゆうすけ)
経済学部4年
1998年10月7日生まれ
181㌢・63㌔
出身校:伊賀白鳳(三重)
1万㍍自己記録:29分21秒79
座右の銘:あきらめたらそこで試合終了

古海航

―4年目で初のメンバー入りとなりました。現在の心境は
2、3年生のときも5区の候補には入っていましたが、エントリーからは漏れていたので、最後は入れてよかったです。

―エントリーされた要因は
上りの練習である程度走れたというのが大きかったかなと思います。

―現在重点的に取り組んでいることは
特にこれをやっているということはないです。上りの候補ではあるんですけど、普通に他の選手と同じように練習しています。特別上りばかり走っていることはないです。

―現在の調子は
今はずっと調子良い状態を保って練習を積めているかなと思います。

―ご自身の走りの強みは
後半きついところで粘れるのが一番の強みかなと思います。

―1〜3年目を振り返っていかがですか
1年目はけがで全く走れなくて、2年目の夏くらいから走れるようになりました。3年目は箱根を狙っていましたが、あまりうまくいかなかったです。練習でいっぱいいっぱいになっていたところがあり、それで調子を落としてしまって。調子の波がすごくあったのでなかなか結果につながらなかったです。

―4年目になっての変化は
練習はそんなに変わらずという感じです。練習以外の食事やケアにあてる時間を増やしたことで、調子を落として走れないということが今年はあまりなく、ここまで来れたかなという感じです。

―夏の強化練習を振り返って
今年は合宿ができなかったのでいつもとは違いましたが、練習は積めたかなと思います。

―4年生はどういった雰囲気の学年ですか
田辺(佑典)はトラックですごい活躍していましたが、飛び抜けて強い選手がいませんでした。その中でも自分たちのペースで力をつけてきて、向上心は1年生の時からみんな持っていましたし、楽しむところは楽しんで、やるときはやるという感じでできているのかなと思います。

―箱根駅伝に向けて4年生の間で話したことは
特に話はしていないですが、予選会は4年生から1人しかメンバーに入っていなくて、後輩たちが通してくれたんですけど、予選会を走った選手で漏れている選手もいて、その後輩たちもそうですし、同期で外れてしまった選手の思いというのはみんな持って練習できていると思います。

―チーム全体の状態は
今は順調に、いい雰囲気で練習に取り組めているのではないかなと思います。

―箱根への意気込みをお願いします
今年のチーム目標が総合8位で、1年間そこに向けてやってきたので、自分が5区を走ってチームの総合8位に貢献したいと思っています。

―ファンの方々へ一言
今年は沿道での応援ができませんが、テレビの前で応援していただけたらうれしいです。

(取材・齋藤彩名)

古海航(ふるみ・わたる)
社会学部4年
1998年7月31日生まれ
169㌢・57㌔
出身校:川西緑台(兵庫)
1万㍍自己記録:30分40秒12
座右の銘:最小の努力で最大の結果

須藤拓海

─今年1年を春からを振り返って
大学ラストイヤーですが、最初は意気込んで入って2月、3月くらいまでは順調でしたが、やはりコロナのせいで自分の中で計画していたことがなかなかできない部分もあり非常に苦労しました。なんとか10月、11月、12月で練習を消化できて、箱根にうまく合わせられているのかなというのが今の率直な感想です。

─なかなか練習が思うようにできなかったとのことですが、そのような中で行ったことは
4月、5月、6月に関しては、帰省したり多摩の方に残ったりで、個人練習も多かったです。箱根駅伝では結構1人で走ることが多いので、個人練習の中で20㌔や25㌔といった長い距離を走る練習もあり、その時から箱根を見据えて1人でも走れる力を付けることに重点を置いていました。

─2度目のエントリーとなりましたが、エントリーされたことについての率直な感想は
昨年に引き続きエントリーしていただいたのですが、その時はまず16人のエントリーに入ることを目標にしていた部分もあったので入ったことに満足したのもありますし、素直に喜びがありました。今年はもちろんうれしい気持ちもありますが、やはり選ばれた上でさらにここから一段階調子を上げて、昨年は走れなかった分(今回こそは)箱根でしっかり走ってチームに貢献したいという思いが強いです。

─予選会には下級生が多く出場しました
予選会で走ることを見据えてずっと練習してきたのですが、練習をうまく消化できない部分と夏場に調子を落としてしまって、予選会のメンバーからはギリギリ外れてしまいました。結果的に2年生中心の下級生に負担をかける形になってしまい、非常に申し訳ないなという気持ちがありました。その分自分は10月以降、箱根の1月2日、3日に合わせてしっかり走れるようにという調整をしていました。(箱根本戦は)4年生が後輩たちに恩返しをできればなという思いですね。

─4年生は5名がエントリーされました。4年生の中で話したことなどはございましたか
今回エントリーされた5人で何かしたという感じではないのですが、予選会は奥山(智広、4)しか入れなかったので、その分しっかり本戦を走りたいという思いがあります。また、後輩たちにシード権を残してチームを去りたいというか、僕たちの代は1年生、2年生、3年生とチームが前年度にシード権を持っていたので、箱根の予選会の大変さを知らなかったのですが、いざ予選会から戦ってみるとピーキングを年に2回持っていかないといけないので非常に大変だなというのもわかりましたし、それを次の年も後輩たちにさせるのは可哀想だなというのもあります。僕たち4年生がチームの中で重要な役割となってくると思うので、何としてもそこはしっかり走ろうという意志を5人全員が持っていると思います。

─昨年と比べて強化できたところや変わった部分はございますか
昨年までは自分はあまり力が無かったので、5000、1万のトラックを重視して、そこを走れた上でのハーフマラソン、箱根の距離に対応していくという考えでした。昨年は1万㍍までは結構良い感じで走れていたのですが、ハーフに関してはまだまだ自信がないような状況でエントリーされていたので、今年はそこを課題としてやっていこうと思いました。今年、自分自身ハーフマラソンは1本しか走っていませんが、昨年に比べると長い距離の練習や高い設定タイムの練習などを行っていて、昨年の課題をある程度克服して今回の箱根に臨めるかなと思います。

─富津合宿で行ったことは
1回目は16人の選考もあったので結構追い込んだ練習とかギリギリの辺りの所をやりましたが、2回目の合宿に関してはエントリーは決まってますので、ロードの感覚を自分たちで確かめながらそれぞれが本番を見据えて、強度としては皆が8割、9割こなせるような、少し余裕を持ちつつ感覚を確かめるというのが主な目的だと思います。

─現在のコンディションは
ピーキングを1月の2日、3日に持っていかないといけないので、富津合宿も含めてここから調子を徐々に上げていくイメージで考えています。

─希望区間はございますか
僕に関しては前回もですが、6区の山下りを専門としてやりたいなと思っていて、今年に関しても他の人が試合出ている時もその調整をここまでやってきてるので、希望区間という意味でも6区ですし、自分がしっかり6区で役割を果たさないといけないというのは感じています。

─その役割というのは
法政の山区間というのはここ近年非常に強い先輩たちが走っていて、攻めの5区6区、山の区間で法政が順位を上げているというイメージがあると思うので、自分もその位の走りをしたいと思っています。ですが自分自身、平地の走力が過去の箱根駅伝を走った先輩たちと比べると劣ってしまうので、自分としてはチームの順位を落とさずに、往路でできた勢いをつなげていく役割を考えています。6区というと10区間でいえば真ん中ですが、箱根駅伝は2日間でやるので自分としては事実上復路の1区だと考えており、復路の1区でチームの流れを切ってしまうとその後の区間にも影響するので、やはり自分の役割としては往路できた流れを自分がつなげていくものだと考えています。

─現在のチームの雰囲気は
夏は2年生が結構走れていて、上級生が走れていないということで雰囲気的にも難しい部分はありました。けど、ここにきて3、4年生の調子が上がってきて予選会を経験した2年生が頼もしくなってきて、という風に4学年のバランスが1年の中でも一番良い感じになってきているなというのがあります。合宿でも各学年で刺激し合いながら最後の箱根に向けて練習できている形で、非常に良い雰囲気で練習できているなと思います。

─事前に書いていただいたプロフィールについて少しお聞きしたいと思います。座右の銘に「天才は有限努力は無限」という言葉を選んだ理由は
僕は天才ではないというか普通の凡人のタイプだと思っていて、大学の陸上部に関しても今回合宿に来ているメンバーは僕以外スポーツ推薦で入っていて僕だけ一般入試で入れていただきました。入った時は部員が50人いる中で48番目くらいの走力で、そこから4年間かけて箱根出場を目指してやってきました。チームには元々速い選手とか天才と言われるような選手がいますが、自分はそのような選手ではないので、しっかり一つ一つ努力してやっていけば上に上がっていけるのではないかなという思いもありました。実際に4年間実践してやっと箱根の16人に関わっていくくらいの力を付けてきたので、自分の中では常にその言葉を意識するようにしています。

─この言葉を知った機会は
高校の時も陸上部に所属していたのですが、自分の高校の時の顧問の先生が実際ミーティングの中で話していて、その時以来自分の中で「この言葉良いな」というか、自分が何かする時に一つ胸にしまっておく言葉になりましたね。

─好きな食べ物に納豆とありますが食べるルーティンみたいなものがあるのでしょうか
ルーティンとかは無いんですけど、朝と夜で2パック食べたりします。あとは長距離の選手でよく「納豆のように粘りのある走りをします!」とか言ったり、納豆は長距離の選手からしても非常に良い栄養素が入っている食べ物で、好きで栄養素もあるならめちゃめちゃ食べようということで。納豆好きの中でもめちゃくちゃ好きですし、混ぜ方とかどこでタレを入れるとか結構うるさくて(笑)。実家に帰った時とかは「納豆奉行だね」と両親から言われるくらいで、納豆に関しては多分うるさいと思います。

─納豆には大粒や小粒など様々な種類がありますが特に好きなものは
僕は小粒の方が好きですね。ただ水戸とか本場の納豆は結構大粒が多いと思うんですけど、あまり食べたことがなくて。箱根が終わって引退して社会人になるまでもうちょっと期間があると思うんですけど、そこでやりたい事の一つで水戸とかの本場の納豆を食べてみたいなというのを実は思っていたりもします(笑)。

─今一番行きたい旅行先としてヨーロッパを挙げていただきましたが、特にこの国といったものはありますか
ヨーロッパと書かせていただいたのが何でかと言うと、元々歴史が好きで、日本史世界史両方好きなのですが特に世界史の舞台はヨーロッパ中心になっているものが多いです。それで、日本はある程度主要なところは回ったことがあるのですが、海外には全然行ったことが無いので、今最初に行きたいなとは思うのは海外です。ドイツとかイギリスとかイタリアとかが歴史の中でも色んな出来事があったりとか、中心になってきた所が多いので、そこをできれば回りたいなとは思いますが、状況が状況なのでいつできるかはわからないですね……。

─歴史の中でも特にこの年代が気になるというのはありますか
日本史でいうと戦国時代がすごく好きで、ずっとゲームでも戦国時代をテーマにしたやつをやったりとか、世界史に関してはフランス革命のあたりとかすごく好きで。歴史に関しては普段から教科書を趣味で読んでるくらいだったので、勉強しなくてもテストでは満点を取れるくらい好きっていう感じです(笑)

─それでは箱根の話に戻りますが、年々高速化してきている中でどう対応していきますか
前回は高速化に対応できないことで惨敗したので、チームとしても個人としてもそこに対応してきています。わかりやすく言うと練習の中での設定タイムを上げていくというのもありますが、ただ設定タイムを上げただけだと疲労具合も変わってきますし、けがのリスクも高まります。練習を頑張るのは当たり前なので、その設定が上がった練習に耐えられる体作りだったり、補強トレーニングやケアなどを僕個人としては重視してやってきました。

─チーム目標総合8位を達成するために必要なものは
客観的に自分で箱根を分析した時に、上位のシード校は強いですし自分たちも予選会は8位通過なので、ここから8位を目指すというのは非常に難しいのですが、その上で自分たちが8位を取れるとすれば、1月2日、3日に100パーセントの走りをすることが前提条件だと思います。16人エントリーされましたが、ここから良い意味で皆で切磋琢磨(せっさたくま)してしっかり2日間、絶好調の選手が10人本番で走れるようにして、少しでも上の順位、最低でもシード権を取れたらなと思います。

─個人の目標は
先程も希望区間の時に6区という話をさせていただいたのですが、タイムとしては58分台、区間順位としては区間10番以内を目標にしています。区間10番以内くらいで走らないと、先程話したようなチームの勢いを途絶えさせてしまう走りになりかねないので、タイムや区間順位はその年や気象条件によって変わってきてしまうので何とも言えませんが、過去のデータを見ながらそこの辺りは意識してやっています。

─当日走る際「自分のここを見てほしい」というようなアピールポイントは
自分は元々才能が無いので爆発的な走りは結構苦手なタイプですが、一つ一つのレースを外さないというか、堅実な走りや賢い、クレバーな走りをするねという風に周りからも言われますし、自分でもそこは結構意識しています。計算高い走りができるように、本番では外さない走りでチームに貢献するところを見てもらいたいです。あとは、現在チームに50人くらいいて、速い人から遅い人までいっぱいいますが、自分自身ずっと下の方から這い上がってきた選手なので、自分のチームの人には「最初のスタート位置が低くても、しっかり4年間力を付けていけば最終的に箱根駅伝を走れるようになるよ」というように、皆にアピールできるような走りができればなと思います。

─改めて意気込みを
大学生活最後の箱根駅伝となるので、チーム目標、個人目標というのがそれぞれあるのですが、最終的にはチームとしても個人としても後悔のない結果で1月3日を終えられるように、残り3週間弱もないですがしっかり頑張っていきたいです。

─応援してくださってる方々へ向けてメッセージを
昨年に関しては、応援してくれる人たちももっと上位にいけるだろう、と期待してくれている中での15位ということで期待を裏切ってしまった部分もありました。今年はチームとして昨年の4年生の悔し涙を糧にやってきて、しっかり『オレンジエクスプレス』らしい走りができるように頑張るので応援よろしくお願いします。

(取材・小倉明莉)

須藤拓海(すとう・たくみ)
社会学部4年
1998年7月15日生まれ
169㌢・55㌔
出身校:秦野(神奈川)
1万㍍自己記録:29分49秒40
座右の銘:天才は有限 努力は無限

直前インタビュー一覧

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