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【陸上競技】第97回東京箱根間往復大学駅伝競走直前インタビュー 最終回 坪田智夫駅伝監督、糟谷勇輝駅伝主将、竹村惣汰駅伝主務

箱根直前インタビュー
2020年12月14日(月)
オンライン取材

いよいよ箱根まであと2日。最終回では、坪田智夫駅伝監督、糟谷勇輝駅伝主将、竹村惣汰駅伝主務のインタビューをお届けする。

 法大を指揮する坪田監督

インタビュー

坪田智夫 駅伝監督

―現在(12月14日)は合宿中ですか

12月12日から17日まで、最終調整で千葉県の富津で合宿を行っています。

―箱根まであと3週間を切りましたが、現在のチーム状況はいかがですか
今回はエントリー16名の選抜合宿で、故障者もなく例年通りの流れの中で順調に練習を消化できています。

―予選会後の練習はどのような流れで行っていますか
今季は大会中止が多かったので、予選会前は試合に出るというよりも予選会にピーキングを合わす準備をしていました。それ以降は、5000㍍や1万㍍の記録を少しでも向上してから箱根に向かいたいと考えていましたので、試合に多く出場しました。

―現在の合宿ではどのような練習をメインに行っていますか
あまり練習の強度は上げていません。12月10日のエントリー前に、高強度の練習を取り入れましたので、そこから3週間は練習を落としながら行っています。今回はロードに慣れることが目的です。多摩キャンパス周辺はアップダウンがあり、なかなか実践的な練習ができませんので、合宿でロードの感覚を養っています。

―直前合宿での手ごたえは
16名全員が非常に良い状態で仕上げてくれていますので、手ごたえというよりもこれからどう区間配置をしていくか、逆に落とす作業をしなければなりません。この後の調子の上がり下がりは多少出てきますので、12月29日まで練習を見ながら区間配置を考えたいなと思っています。チーム状況としては非常に良い状態かなと思います。

―エントリー選手はどのような基準で選考されましたか
その前に行った1次合宿では、山の準備をする選手など数名は残しましたが、大体20名程で組みました。まずは夏以降の練習の流れでどこまで消化できているのか。予選会と大会の記録や、合宿の練習の消化具合、あとは12月9日にレベルの高い練習を行い、そこはエントリー直前の練習だったので重視していました。ある程度流れを見て、チームバランスを考えながらオーダーを決めることは選手たちに伝えていました。

―4年生が多くエントリーされました。現在の4年生の状態は
ようやくチームバランスとして良い形になってきました。予選会は4年生1人、3年生3人で下級生中心のエントリーをせざるを得ない状況でしたが、今回は4年生5人、3年生4人、2年生5人、1年生2人とバランスとしては良い形です。4年生が秋以降、状態を一気に上げてくれました。やはり4年生は一人でも多く入るべきだと思いますし、力が無ければいれません。状態を上げてくれたのは大きかったと思います。4年生はハーフの経験などが数多くありますので、ポイントとなる区間やつなぎの区間、入れ替えをしなければいけない時に非常に頼りになります。4年生がしっかり上がってきたというのはチームとして良い状態かなと思います。

―4年生が多いことでチーム全体の勢いも変わってきますか
そうですね。勢いというよりは、4年生がいてくれてチームが安定すると思いますね。こういった合宿でも、やはり4年生が率先してチームをまとめてくれています。今年のチームは2年生、3年生に力がありますが、そのバランスを考えた時に4年生が下級生に目を配りチームを安定させてほしいですし、5人入ったことでチームに安心や安定をもたらしていると思います。

―総合8位以内を目指すにあたって大まかなレースの構想は
5区、6区に関しては、ある程度目処は立っています。前回の青木(涼真=現Honda)、坪井(慧=現コニカミノルタ)の2大会前の法大記録に近い記録を2区間とも出せるのかなというところです。前半からしっかり流れに乗っていけるようなオーダーを組んでいきたいと思います。前回は出遅れてしまいましたので、まずは1区、2区で流れに乗って山で勝負したいなと考えています。

―山区間を走る選手は
清家(陸、3)が行きたいと言っているのと、4年生で急遽入った古海(航)は非常に良い山の準備ができています。下りに関しては、4年生の須藤(拓海)がいけるかなというのがあります。須藤は前回も坪井のリザーブでいれていて、前回の坪井のタイムを上回れると思いますし、それぐらい力のある選手ですので、山に関してはこの3人を軸にオーダーを組みたいと考えています。

―前回エース区間を走った鎌田航生選手(3)は今季の記録会でも好成績を残しています。現在の状態は
昨年とは比べ物にならないと思います。鎌田は故障や不調の波が少ない選手です。年間を通してしっかり練習ができる選手ですし、年々スタミナが上がってきていて、今年に関してはより体力や筋力が上がっていて、コロナ禍であっても質の高い練習ができました。昨年や一昨年であれば坂東(悠汰=現富士通)だったり青木や佐藤(敏也=現トヨタ自動車)だったり、力のある選手たちに付いて行って練習をまわしていたので、2番手、3番手という本人の意識もあったと思います。今年は箱根で2区を走ってチームでも練習を引っ張っていかなければいけないという自覚も芽生えて、非常に力がつきました。5000㍍、1万㍍でも記録は出ましたが、あんなもんじゃないと思います。他大学さんもかなり記録が出ていますが、同じぐらい力のある選手たちと1万㍍で競っていたりペースメーカーがいれば、あと20秒は記録を更新できたかなと思います。その自己ベストを出した時も、後半はほぼ一人で引っ張っていましたので、本人にとっても内容のあるレースができたと思います。その辺の感覚も芽生えてきて、昨年と比較にはならないくらいの力がついたと思います。

―2年生では松本康汰選手が急成長を見せています
彼も3月の練習を見ていると、もっと早い段階で記録が出ていたかなと思います。彼の好調の要因もやはり練習の継続だと思います。持っているスピードはチーム1です。鎌田よりもスピードはありますので、その中でスタミナがしっかりついてきて28分台を出せました。彼もあと20秒、30秒くらいは更新できたと思います。途中から競う選手がいませんでしたので、本人にレースを作らせて、どんどん行かせました。もっと記録が出ると思いますし、昨年卒業した佐藤敏也よりも身体やスピード等の能力値でいけば松本のほうがかなり上です。あとは気持ちの方だけですね。もう少し欲が出てくればうちの大エースになると思います。

―河田太一平選手は予選会では本人も悔しい結果だったと伺いましたが、その後の調子は
あまり彼も故障をするタイプではないのですが、コロナ禍で春先からなかなか練習に集中できていませんでした。予選会の直前で急に調子を上げましたが、やはり継続ができていなかったので、予選会の後半の失速につながってしまいました。前回は河田が4区で良い走りをして、自分がこの学年で力的にはリーダーだと思っていたところで、同期の松本や川上(有生)が5000㍍、1万㍍で好記録を出してトラックのレースに関しては逆転をされてしまったというところで、本人も非常に悔しい思いをしたと思います。今はしっかり気持ちの入った良い練習ができています。

―力を伸ばしている選手は
2年生の川上ですね。29分06秒まで記録を出せました。その前の週に、他大学と富津でタイムトライアルをやりました。最後まで西山くん(和弥、東洋大4)に食らいついて好記録を出しました。試合に向けてというよりは練習の一環で20㌔を走った中で、予選会以上の走りができたことは本人にとっても自信になったと思います。また、その時に競い合っていた帝京大の増田くん(空、4)がいて、彼は全日本駅伝のエース区間である6区で区間3番の選手で、チーム力で言えばはるかに上の帝京大の主力の選手と互角以上の走りができたのは彼の成長の証だと思います。その次の週に1万㍍で自己記録を出しました。レース内容に関しても、後半の厳しいところでずっと引っ張り切って勝ち切り、楽しみな選手に成長してくれました。彼も重要な区間に配置しようと考えています。松本、川上に関してはこの1年で2年生の中で一番成長したと思います。

―今年の法大の強みは
そうですね。本当はまとまりのあるチームと言いたいのですが、例年になくまとまりの無かったチームです。例年は、4年生がまとめ、チームを引っ張っていましたが、今年は4年生がまとめ切れず、チームとしてのまとまりがなく夏まで来てしまいました。うちのチームだけではなかったと思いますが、コロナ禍でなかなか練習に身が入らなかったり、大会もなく合宿もできず、ストレスのかかる中で学生生活をしなければいけませんでした。そのストレスがチームの中に入り込んでしまって、8月、9月くらいまではチームのまとまりはなかったです。本当に一度、空中分解をしたような状況で。ただ、そこから結束力が固まったと言いますか、箱根に向けてチームでやっていかないといけないというところがしっかり固まった形ですね。

―最後に箱根への意気込みをお願いします
前回は15位と、前半から出遅れて良いところがなく2日間を終えてしまいました。選手たちは総合8位以内を掲げていますが、まずはしっかり前半から良い位置に付いて、シード権を確実に獲得することが大事だと思っています。

(取材・守本咲希)

法政大学体育会陸上競技部駅伝監督
1977年6月16日生まれ
神戸甲北(兵庫)ー法大ーコニカミノルタ
2013年より本学駅伝監督を務める

糟谷勇輝 駅伝主将

ー今のチーム状況は
この前、練習の中で大事な選考レースがありました。その結果を見ると例年より出来は良かったと感じていますし、チームの状態としては上がってきているのかなと思います。

ー理想のチームにはなってきましたか
昨年度は、青木さん頼みになっていた所がチームとしてあったのですが、今年はずば抜けたエースがいない中でチーム全体で戦おうという雰囲気ができてきていると感じています。

ーキャプテンとして意識してきたことは
一番意識したのは、コミュニケーションを取ることです。緊急事態宣言が出て全員でまとまって練習ができない時もあったのですが、そういう時こそ周りのチームメイトに気を配って、全員とコミュニケーションを取ることを行っていました。ー16人のエントリーでは4年生から5人が入りました
4年生全体としても最後の箱根駅伝ということで、そこに懸ける思いは強いと思います。4年生が1人でも多く走ってチームに貢献しようということを話合ってきたので、ここに来てやっと足並みが揃ってきたのかなと感じています。ー予選会の頃の4年生の状態は
予選会の時は4年生は全体的に仕上がっていなかった状態でした。ただ予選会が終わって箱根駅伝が近づくにつれて、4年生の状態も上がってきて雰囲気としても今はいいのかなと思います。

ー予選会での収穫と課題は
収穫としては走った全員がハーフマラソンをある程度のタイムで走れたことで選手層に厚みが増したことです。課題としては、やはりもっと上のレベルを見なくてはいけない、もっとタイムを縮めなければならないということが予選会後にチームで挙がりました。

ー予選会後の練習は
昨年度はスピード駅伝に対応できませんでした。予選会までは距離を踏むことをベースとしてやってきたのですが、予選会後はそのスタミナのベースの上にスピードを身に付ける練習をやってきました。

ースピード強化の手応えは
自分としても手応えはありますし、チーム全体を見ても例年よりいい練習ができていると感じています。スピードに関しては力がついてきていて、スタミナ面も強化できているので十分戦えるとは思っています。

ー調子が良いと思う選手は
客観的に見て、調子が良さそうな選手はエースである鎌田かなと思います。

ー昨年のチームよりも勝る部分と今年のチームの強みは
勝っているところは選手層の厚さかなと思います。昨年は青木さん頼みになっていましたが、今年のチームはエース頼りにならないで、一人一人が責任を持ってやっていこうと取り組めていることが強みとして挙げれます。

ー糟谷選手自身の今の心境は
12月10日に16人のメンバー発表があって、まずそこで選ばれた段階で少しホッとしたところがありました。ただ箱根駅伝は絶対に走らないといけないという気持ちがあるので、今は1日1日を大切にして過ごしています。

ーこの1年間を振り返って
本来なら、今年はトラックで自己ベストを更新することを目標としてやっていたのですが、コロナ禍ということでなかなか記録会や試合に出場することができませんでした。試合がなかった分、スタミナ面をしっかり強化できたので昨年よりスタミナもそうですし、精神面も強化できたと感じています。

ー今年1年は継続して練習が積めましたか
そうですね、今年は大きなけがもなく順調に練習は積めていました。

ーチームの目標のためにどのような走りをしたいですか
自分自身の走りとしては、やはり守りの走りではなく攻めの走りをして、順位を保つことを意識するのではなく順位を押し上げる走りをして、チーム目標である総合8位以内を達成できればいいなと思っています。

ー下級生に期待することは
下級生には、まずは楽しんでほしいという気持ちが一番です。当日は緊張する部分もあるとは思いますが、下級生は力があるので楽しんで走れば結果も付いてくると思うので楽しんで走ることを一番に考えてほしいです。

ーエントリーに入らなかった4年生もいます
数日前に記録会があり、そこで4年の寺沢(玄)が1万㍍で自己ベストを更新しました。エントリーされた僕たち4年生もやらなくてはいけないと刺激をもらったので、エントリーに外れた4年生の思いを汲み取って当日は恩返しの走りができればいいなと考えてます。

ーファンの方にメッセージを
今年はこのような状況になってしまった訳ですが、改めてさまざまな方々に支えられて私たちは成り立っているのだと強く感じました。応援して下さる方々に恩返しができる走りをして、チーム目標の総合8位以内を達成し、1月3日に大手町で笑顔で大会を終えられるように頑張りますので、応援の程よろしくお願いします。

(取材・根本成)

糟谷勇輝(かすや・ゆうき)
経済学部4年
1998年5月24日生まれ
173㌢・54㌔
出身校:八千代松陰(千葉)
1万㍍自己記録:29分48秒51
座右の銘:努力できることが才能

竹村惣汰 駅伝主務

―普段の業務内容について教えてください
昨年までは、タイムの計測や選手と監督との架け橋になることが多かったです。今年、主務になってからは、マネージャーに指示を与え組織として成り立つよう意識しています。自分だけがやるのではなく後輩にも仕事を割り振り、組織としてマネジメントしていくことが大きな役割だと思っています。

―マネージャーになろうと思ったきっかけは
高校3年生までずっと野球をやっていて、高校でけがをしてしまいました。そのときに力を与えてくれたのが好きだった箱根駅伝でした。大学に入ったら、マネージャーとして箱根駅伝を支えてみたいなという思いがありました。不慣れなことではありましたが挑戦することにしました。

―予選会でのチームの雰囲気は
1,2年生が多く、若いチームでした。それに付随して、とても明るい雰囲気で、変に緊張するというよりは、いつも通りの雰囲気で予選会に臨めていたと思います。

―この1年で大きく飛躍したと感じる選手は
2年生の松本康汰です。記録会でもエースの鎌田に次ぐ記録をどんどん出しています。もともと才能がある選手ではありましたが、なかなか大学駅伝の距離に対応しかねていたという印象がありましたが、この1年で才能を開花させたといいますか、順調に適応距離を伸ばしてチームのエース格に成長してきたという印象があります。

―エントリーメンバーをご覧になっていかがですか
僕が4年生ということもあり、同期には人一倍思い入れがあります。これまで今の4年生の代は箱根駅伝を走っていなくて、予選会では奥山(智広)しか走っていませんでした。そのような状況の中で、4年生が5人もエントリーされたのは、個人的にはとても嬉しいことであると感じます。

―監督と箱根について何かお話はされていますか
マネージャーという立場なので、あまり踏み込みすぎる話はしないのですが、近年の駅伝の高速化についてや選手の調子については話したりします。誰を1区にするといった戦術的な話はあまりしないです。

―現在のチームの状況は
もともと、4年生がトップチームに合流していなかったこともあり、経験不足から不安になることも多々ありました。ただ、ここにきてキャプテンの糟谷、副キャプテンの須藤を軸に4年生が本チームに合流したこともあり、チームとしての安心感は生まれてきていると思います。

―普段の選手とのコミュニケーションで意識していることはありますか
大事なレースの前でも、変に気を使って話すのではなく、常にいつも通りフランクに接することを心がけています。

―箱根について、どのような思いをお持ちですか
高校生まではファンとして、純粋に毎年箱根が楽しみでした。マネージャーの立場になってからは、とても緊張することが多く、他人事ではなく自分事という印象になりました。選手と同じように僕も緊張しますし、絶対に成功させたいという強い思いを持っています。

―残りの期間でのサポートについて
残り日数が少ないということで、ここから選手の力やチームが飛躍的に良くなるということは無いと思うので、普段通りやるべきことをしっかりやるという感じです。マネージャーとして、僕がエントリーしないと選手は出場することができないので、そういった事務関連の作業をやりつつ、選手が気持ちよく箱根に向えるようなサポートを他のマネージャーと一緒にやっていければと思います。

―選手へのメッセージをお願いします
今年1年間、思うような練習や合宿、試合がなかった中でようやく迎えた力を発揮できる大舞台であると思います。今までとは異なり、シードが先輩たちから与えられていたわけではなく、予選会から自分たちの力で勝ち抜いてきたということで、自信を持っていいと思うので、やれることをしっかりとやって、総合8位を目指して頑張りましょう。

―法大のファンに向けて一言
毎年、沿道での声援が力になると選手から聞いていて、僕自身も沿道でののぼり旗や応援してくださる方々に元気をもらっています。今年は状況が状況なので現地での応援を受けることはできないのですが、その他諸々の応援方法で、選手も力をもらえると思います。今年もいつも以上に応援をお願いしたいと思っております。応援よろしくお願いします。

(取材・岩田かおり)

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