【フィギュア】第44回関東学生フリースケーティング選手権大会 宮田が2年連続個人優勝!男子団体では3位入賞!
第44回関東学生フリースケーティング選手権大会
2016年6月18日(土)
東大和スケートセンター
今年度初の大会である関東学生フリースケーティング選手権大会。新体制となった法大からは今年度から主将を務める宮田大地(文2)、渡邉直弥(通2)の2人が7・8級男子に出場した。
試合結果
最終結果
クラス |
選手名(学部・学年) |
順位 |
得点 |
7・8級男子 |
宮田大地(文2) |
1位 |
60.10点 |
〃 |
渡邉直弥(通2) |
9位 |
43.93点 |
第1部男子団体結果
大学名 |
順位 |
得点 |
明治大学 |
1位 |
45点 |
日本大学 |
2位 |
29点 |
法政大学 |
3位 |
28点 |
※8校中3位までを掲載
戦評
関東フリースケーティング選手権大会、例年フリースケーティング(FS)で競われる今大会だが、今年はショートプログラム(SP)が課題となった。
先にリンクへと姿を現したのは番滑走の宮田。プログラムは昨シーズンからのSP「シンドラーのリスト」。リンクサイドからOBの服部瑛貴、中畑美咲(ともに2015年度卒)が見守る中、リラックスした様子でリンクの中心へ。演技直前までは屈託のない笑顔を浮かべていた宮田だが、音楽が流れ始めるとその表情はがらりと変わる。「6分間練習は調子が悪かった」という言葉とは裏腹に、冒頭の3ルッツ+3トゥーループを軽々と着氷。緩急をつけたスケーティングと、長い手足を生かした表現力で観客を惹きつける。残りのジャンプも成功させ、安定したスピンで演技を締めくくった。ノーミスの演技に、ホッとした表情でリンクを後にした。結果は60,10点と2位の中野耀司(明大)に約5点差をつけ、2年連続の優勝を果たした。
世界ジュニア選手権大会を経験し、更なる成長を見せた宮田
続いてリンクに登場したのは、プログラムに合わせグリーンのジャケットを羽織った渡邉。自身も気に入っているという『レ・ミゼラブル』に合わせた衣装だ。「この曲、このプログラムが好き」という気持ちから昨年のプログラムを持ち越すこととなった。「本当に調子が悪かった」という言葉の通り6分間練習では幾度もジャンプで転倒してしまう。しかし、「軸はしっくり来ている」という自信を胸に舞台へと降り立った。コンビネーションジャンプをつけられなかったことや、衣装の部品が落ちてしまったことなどハプニングもあったが、6分間練習とは見違えるほどの安定ぶりを見せた。3フリップ、3ルッツ、2アクセル全てのジャンプを成功させた。穏やかなテンポから曲調が変わる後半では華麗なステップ、速さのあるスピンで魅せ、会場はどこからともなく手拍子に包まれた。結果は43.93点で9位入賞。思い入れのあるプログラムで会場を魅了することができ、渡邉の顔には満足げな笑みが浮かんでいた。
演技後、観客席へ丁寧にお辞儀をする渡邉
1月の日本氷上選手権大会(インカレ)を総合優勝で終え、3人の上級生が卒業したフィギュア部門。その穴は大きいかと思われた。しかし、氷上で堂々と滑る彼らの姿には頼もしさがあった。既に上級生としての意識の変化が芽生えていた。残念ながら今大会は欠場した藤澤亮子(文3)。そして新入生の山口萌々奈(通1)、立野在(通1)。5人で切磋琢磨していくことで、より成長することができるに違いない。本格的シーズン開幕は10月、新生法大フィギュア部門が今動き出す。(梶山麗・高野茜)
選手 コメント
宮田大地
―今日の演技を振り返って
6分間練習で調子が悪くて「あーもう終わった…」って思ったんですけど、ジャンプがあんまり良くなくて。でも何とかまとめられて良かったです。
―演技直前、衣装の手首を気にしてらっしゃいましたが
衣装の手首のボタンがずれてて、シャツのボタンが手首に3つあるんですけど1つ穴が空いてて「あ、ずれてる!」ってなって急いで直しました。
―関東学生フリースケーティング大会は毎年FSが課題になっていますが、今年はSPでした
FSやりたかったですねー(笑)。結構急で1か月前くらいに知らされました。
―今日の大会に向けてはどんな練習を
今回の大会に向けての練習はしていないです。とにかくハードな練習を重ねて、気付いたら試合でした。でも1週間はSPかけました。
―3カ月ほど前ですが、世界ジュニア選手権大会はどうでしたか
世界ジュニアというだけあって、とりあえず皆上手過ぎてもっと練習すればよかったなと思いました。まだ自分の実力じゃ全然だめだなと思いました。(本田)真凜ちゃん(関西大学中・高スケート部)が良かったですね。女の子が本当にすごかったです。日本女子は本当にすごい!何であんなに簡単にジャンプ跳べるんですかね。女子のジャンプはやっぱり安定してます!男子は4回転とか3アクセルがないと同じ土俵に立たせてもらえないですね。男子のSPは3アクセル入れないと、ジュニアはSPで4回転入れられないので。優勝した人なんてFSに4回転3本位入れてて、技術点とか高かったですね、イスラエルのダニエル・サモヒン選手。
―世界ジュニアのトップ選手の演技を見て、得たものは
外国の人はすごくジャンプが上手いんですよ。でも外国の人は外国の跳び方があって体格とかも全然違うので、僕が今1番参考にしているのは宇野昌磨(中京大)と山本草太(愛知大瑞穂高校)のジャンプですね。こういうイメージなんだなっていうのは、いつも研究して見てます。やっぱり安定感のあるものが良いと思うんです。跳べても、安定感がなかったら意味ないじゃないですか。安定するものが欲しいですね。
―1番刺激を受けた選手は
デニス・ヴァシリエフス(ラトビア)選手です。SPが3位だった選手です。SPが本当にすごかったです。
―今シーズンの目標は
目標はユニバーシアード出場で、ちょうど良いラインかなと。
―今シーズンのプログラムは
SPは持ち越しで、FSは変えました。FSの曲は映画の「パールハーバー」からで、ロシアのアレクサンドル・サマリン選手が使っていて良い曲だなと思ってこれ使いました。戦争の映画なんですけど、戦争を経ての「平和」の方を表現できたらなと思います。
―FSには4回転を入れますか
入れます、冒頭に。
―国体でもFSは4回転に挑戦を
今シーズンは絶対おります!
―強化選手Aに選ばれて
ギリギリなんですけどね。全日本ジュニアで3位になったのでそれだと思います。もっと頑張っていきたいと思います!
―法大スケート部フィギュアスケート部門主将として
より一層頑張ろうと思いました。インカレ総合優勝が目標で、今年は2人なんですけど来年は新入生が入ってくると思うので、そこからしっかり優勝を狙っていかないとっていう責任感が。去年はやっぱり1年生で新入りだったので、気負わず自分の演技すれば良かったんですけど、主将になったので責任感が芽生えてくるのかなと思います(笑)!
―宮田選手の演技前、円陣をしていませんでしたが
忘れてました、いつものルーティンが(笑)。
―スケート関係以外で目標は
フル単で!!これ大事です!
渡邉直弥
ー公式練習では転倒が多く見られましたが今回の演技を振り返って
今日の朝もホームリンクで滑ったんですけど本当に調子悪かったんですね。6分間練習でもたくさん転倒したんですが軸はしっくり来てると感じながら跳べてたんでそんなに落ち込みませんでした。待ってる間も跳べるなって思えました。そのおかげで本番も昨日と比べたら比較的良かったと思います。点数はあんまり良くないと思うんですけどとりあえず良かったです。
ー点数が良くないと予想できる原因は
コンビネーションをどっちのジャンプにもつけられなかったことですね。1個目のジャンプでは降りた瞬間に体が開いてしまって、2個目のジャンプにつけようかなって思ったんですけど壁に近すぎてつけられなかったです。跳んでる間にも色々考えなくちゃいけないんで大変です(笑)。コンビネーションつけられなかったことは痛いですね。でもスピンは速く回れたかなと思います。
ー衣装の部品が飛ぶというハプニングもありましたが
6分間練習で跳べなかったジャンプを成功させたからみんなが笑ってると思ったんですけど笑ってる時間長くて「なんかあったのかな」と思ってたら降りたあと見たら「あれ、落ちてる」と思って(笑)。最初のポーズで衣装を触る振り付けがあるんですけどその時点でグラグラしてたのでびっくりしたんですけどやっぱり落ちちゃいましたね(笑)。それもマイナス1点なので残念です。今回失敗して大きな大会では同じことをしないようにしたいと思います。部品を落としたのは初めてでびっくりしました。
ー演技中、会場では手拍子がありましたが
本当にありがたいですね。あの曲、あのプログラムが大好きなので。
ー昨年と同じプログラムにした理由は
「やりたい曲あったら考えておいて」って先生に言われたんですけどその時自分の意見を言えなくてずっと黙ってたら先生が探してくれてちょうどそれがやりたかった曲で運命的な曲だなと思いました。元々この曲を先生に勧めてくれてたのがファンの方だったみたいなので、色んなつながりのおかげでこのプログラムが出来てるんです。だからすごく大事にしたいと思ってます。昨シーズンボロボロで先生にも「曲変える?」って言われたんですけど、この曲もこのプログラムも大好きなので、もっといいものにしてから違う曲にしたいなと思ったので今年もこの曲にしました。
ー前回大会からの今日までの練習を内容は
とりあえずジャンプの練習の数を増やしました。疲れずにベストな状態で数回跳ぶことも大事とは思うんですけど最近の練習でやっていたのは1つ1つのジャンプに集中しつつ、たくさん跳ぶということですね。大会で1回転とかしたくないなと思ったのがその理由です。あとは表現力ですね。表現しようとは思ってるんですけどなかなか動きがダサいんですよ(笑)。他の選手を参考にしながら頑張りたいです。一辺倒な滑りではなくて強弱をつけた滑りを心がけたいです。
ー次、別のプログラムに変えるとしたらどんなプログラムにしたいですか
今日、鎌田詩温選手(明大)がルパンの曲で演技してたんですけどすごく楽しそうだな、と思いました。やってみたいけど体力が持たないかなと思います。自分のスケートは流れる感じなのでもうちょっとスケートがうまくなって(宮田)大地みたいに滑れたらどんな曲でもかっこ良く滑れるのかなと思いました。そうしたらもうちょっと重めの曲とかやってみたいです。
ー渡邉選手から見て宮田選手のスケーティングの印象は
「何でこんなにうまいんだろう」っていつも思います(笑)。一緒の練習場所で毎朝見るんですけど、毎朝うまいって感じです。下手なところがないし、普段話してる時は表現力ある子の独特な雰囲気とかがあまり感じられないんですけど曲が始まる瞬間の大地の切り替え、演技中の表現力は本当にすごいと思います。躍るセンスっていうのもあって、動きがダサくならないんですね。演じすぎてダサくなるときもあるんですけどそれが全くないです。去年までジャンプで決まるジュニア選手だったのに、ジュニアの頃からスケーティングも踊りもうまい選手ってなかなかいないから、全日本選手権の実況の人がファイブコンポーネンツも演技力も高い評価をしてました。踊って滑れるオールマイティな選手だと思います。参考にならないくらいうまいけど、参考にできることはしてます。同じ練習場所で良かったなと思います。
ーそんな宮田選手は主将ですが渡邉選手は副将ということになるんですか
そこらへんの制度のこと全然聞いてなくてよく分からないんですよね(笑)。まだ話し合い中って感じですかね。
ー渡邉選手の滑走前だけ法政のメンバーで円陣を組んでいた理由は
OBの服部選手が急に「円陣組んどこうか」って言ってきました(笑)。法政の仲の良さを見せられて良かったです。でも本当にあれのおかげで最初のジャンプが跳べたと思います。調子悪すぎて出場するかもどうしようって思ってたし、法大は1人だけ上手くてもう1人は足引っ張ってるって思われたらどうしようとか本当に思い詰めてました。でも円陣のおかげでいいスタートが切れました。本当に円陣はパワーを貰えますね。OBの先輩方に頼らなくてもある程度の演技ができるようになりたいです。
ーやはりOBの先輩方の存在は心強いですか
去年はやることが多かったり、大学に慣れてなかったり、本当に不安なことだらけだったんですけどその時に言葉をかけてくれたり、態度で見せてくれたりしたので、もっとチームの役に立ちたいと思いました。先輩方の存在は本当に心強かったです。
ー演技の練習とフィギュアスケートの両立はどうですか?
朝6時からスケートの練習をして、そこから午前中芸能のレッスンを受けて空いてる時間に通信の勉強をして、スケートの夜練をしてまた通信の勉強をして次の日の朝また6時から練習って感じです。全然ハードじゃないですよ(笑)。忙しい忙しい詐欺です(笑)。
ーこれからの目標は
すごく大きなことを言うとインカレを連覇したいです。2人で連覇って異常なほど難しいんですよ。難しいことは分かってるんですけど自分の順位次第ではなれると思うので足を引っ張らないでついていけるくらいのレベルになりたいです。でもまだこれは夢なので現実的な目標としては全日本選手権大会(全日本)に行くことですね。去年は自分以外の人が全日本に行って、眺めてるだけだったので今年は頑張りたいです。できるだけ大地と試合に出て近づくのが目標です。
藤澤亮子
―今大会に出場しなかった理由は
2月の国体が終わってから腰痛がひどくて、検査したらヘルニアと言われて…。ちょうどこの大会のエントリーの時期にがっつり休んでいたので、間に合わないだろうなと思って出なかったんですけど、今は全然練習しています。
―次はどの大会に出場する予定ですか
大きい大会は9月末の東京ブロックなんですけど、ブロックからだと怖いので、夏に地元の福岡の試合に出ます。
―SPが新しくなって、渡邉選手と同じ『レ・ミゼラブル』ですね
はい。でも(渡邉選手とは)全然曲調とか使っているところが違います。
―就活(インターン)との兼ね合いは
やっとインターンの申し込みをしました。やっぱり練習もしながらなので、インターンは夏に行きたいなと思っているんですけど、合宿とかが1番多い時期なので、1dayのインターンとかを探して行けたらいいなと思っています。
―今年の目標は
今年は多分就活も始まるので、まずは就活と両立することが目標なんですけど、全日本とかインカレ入賞を狙いつつ、でも体を壊さないように…。とにかく両立です!今年中に卒業単位を終わらせることも目標です(笑)。
山口萌々奈
ー法政大学に入学した理由は
中畑美咲(2015年度卒)先輩とは同じシンクロでやらせていただいてるんですけど、先輩は大学にも行きながらキャプテンもやっててすごいなと思いました。その後を追ってこの大学に入りました。
ークラブチームと大学との違いは
大学の方が先輩方の暖かみを感じます。アットホームな感じがして今までのクラブチームでやってた個人のフィギュアとはまた違うと感じました。皆が応援してくれたり、皆を応援したりっていう楽しみが増えました。試合が楽しく感じられます。
ー緊張はありますか
すごく緊張します(笑)
ー今日出場しなかった理由は
プログラムが今回の試合に間に合わなかったので残念ながら欠場しました。高校3年生のころからけがをしていたので構成が間に合いませんでした。大学初めての試合だったので出たかったです。
ーどのようなけがですか
足首をけがしていて高校1年生の頃に手術しました。でもけががシンクロをやるきっかけにもなりましたし、シンクロのおかげで中畑先輩とも出会えたのでけががなければ法政にも入れなかったと思います。自分の転機にもなりました。
ーシングルとシンクロ、それぞれ演技中に意識していることは違いますか
シンクロの試合だと自分のことだけではなくて周りのチームメイトのことも気遣いながらチームの雰囲気を作ったりする必要もあります。自分の緊張が周りに伝わらないようにする気遣いがあるんですけど、シングルだと自分のことを考えて滑るっていう感じなので、シンクロは協調性という面では良い勉強になりました。
ー大学での目標は
ご縁があって入れた法政大学なのでシングルの試合に出て、少しでも結果を残せるようにしたいです。先輩たちが作ってくれたアットホームな雰囲気のチームを引き継いでいきたいです。