【フェンシング】第66回全日本学生フェンシング王座決定戦 (エペ) 女子エペは王座で準優勝に輝いた!
2016年第66回全日本学生王座決定戦
2016年6月1日(水)
駒沢オリンピック公園体育館
昨年のリーグ戦では2部優勝&1部昇格。先日行われた関東学生リーグ戦では見事1部優勝を果たし、現在飛躍的な成長を遂げている女子エペ陣。今回は王座へ挑んだ。準決勝はペースを掌握し快勝。決勝戦ではリーグ戦で惜敗を喫した相手・早大と対決し健闘するも勝ち星を挙げられなかったが、準優勝を果たした。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
女子団体エペ | 池田五月(文4)、都甲好栄(国文3)、富永恵美(法2)、村上久美(国文2) | 準決勝◯45—31同志社大、決勝●31—45早大 | 準優勝 |
女子エペ戦評
1部昇格1年目にしてリーグ戦優勝を達成し、勢いに乗っている女子エペ。また新たなステージに挑んだ。
準決勝の相手は関西学連2位の同大。富永恵美マリー(法2)が先制点を取ると、女子エペキャプテンの池田五月(法4)がプレーでチームを引っ張る。第2セットでは失点を1に抑え、第6セットでは4連取でその勢いを加速させた。最終セットでも追い上げをはねのけ、最後は3連取で45-31。「のびのびできた」と関東女王の力を見せつけ、決勝戦進出を決めた。
プレーでチームを引っ張る池田
決勝戦はリーグ戦で敗れている早大と対峙することとなった。「絶対に取り返したい」と特別な思いを持って臨んだ試合は第1セットから緊張感に包まれていた。互いに探り合いながらの展開の中で、第2セットで池田がリードを取り法大ペースで試合を運ぶ。だが第4セット、「無理をしてしまった」という富永が同点に追いつかれてしまう。続く第5セット開始早々に逆転を許し、主導権は早大のもとに。一度渡してしまった流れを取り戻すことは厳しく、好調の相手に苦戦を強いられる。結局、反撃の手だてを見つけられないまま最後まで巻き返すことはできず、31-45で敗れた。
責任感の強い富永、試合後に悔しさをにじませた
試合後、涙を見せた富永は、「変わらなきゃいけない」と語った。その気づきは何物にも代えられない貴重なものであり、この先の成長に無くてはならないものだろう。この春大切な気づきを手に入れた彼女たちは、何倍も大きくなって関カレ、インカレに帰ってきてくれるに違いない。(向井知優)
選手コメント
都甲好栄&富永恵美&村上久美
―今大会を振り返って
都甲)リーグ戦優勝したので、本当のトップである王座も取りたかったですね。リーグ戦で負けた早稲田との決勝戦だったので絶対に取り返してやろうという気持ちをみんなで共有してたんですけど、頑張り方を間違っていたというか、私にとってもチームにとっても課題が見つかった大会になりました。
―リーグ戦で敗れた早大に対しての対策は
富永)リーグ終わってからビデオで早稲田の技の研究ばかりしていたんですけど、リーグ戦で負けたのも技術で負けたわけじゃなくて展開で負けたんですよね。でも、どう試合を組み立てるかとか試合の仕方を反省しないで技ばかり見ていたことで今回も同じ負け方をしてしまったと思います。準備の仕方を間違えていましたね。
―「課題」というのはそういったところですか
(都甲)そうですね。一人が取られたときに、他がどう持ち返すかが大事なんですけど、それぞれが取りたいという気持ちが出てしまって、結局誰がやるのかというところが難しいです。負けで回ってきたときに、自分が何をするべきなのか、どう次に回すべきなのかというのをそれぞれの立場で考えさせられました。
(富永)責任感がみんな強すぎて、「自分が取らなきゃ」って思うあまり無理しちゃうとか、チームのために真っ白になっちゃうみたいな場面が多かったですね。むしろ、「この人が相手は無理だから次の人に回そう」とかチームを信用して、無理そうなら引いたりすればいいのかなと思いました。
(村上)みんな「私が頑張ろう」という感じで、それぞれの思いを上手くつなげられなかった感じがします。
―初の王座でしたがそれに対する気負いはありましたか
(都甲)逆に私はリーグのときの方がみんなといて緊張してたかもしれないです。王座はどこにモチベーションを持っていけばいいかわからなくてふわふわしてた気がします。王座が初めてだったのもあるのかな。
(富永)それはあるかもしれないです。
(村上)経験といえば経験なんだけど、もっと良い経験の仕方があったかなと思いますね。もっとできることがあったんじゃないかとか、今になって思います。
―表彰式のあと富永選手には涙もみえましたが
(富永)本当に気持ち入れて練習してたし…情けなかったのもあります。みんなは違うよって言ってくれますけど、自分が流れを変えてしまって、もしかしたら違う展開になっていたかもしれないという現実は受け止めなければならないので。
(村上)私も一から出直します。本当に情けなかったです。チャレンジャーという気持ちがあまりなくて、リーグで優勝してるんだから王座も勝たなきゃみたいなところがありました。
(富永)去年は1年生で、勢いでやってきたけど、そのときの勢いだけでは勝てないし通用しなくなってきているので、変わらなきゃいけないですね。
(村上)まわりも変わるし。大事なことに気付かされた試合でした。いつまでも勢いだけじゃだめってことですね。
―次の関カレまで時間がありますが、どのようになっていきたいですか
(富永)個人的には、私はまだ引き出しの少なさが目立つので、これからチームが少しでも楽に勝てるような人材になりたいと思います。あとは一人ひとりの役割をはっきりさせて、個人戦の積み重ねの団体戦ではなくて、本当の団体戦の戦い方で法政の勝ちパターンを見つけられたらいいなと私は思います。
(都甲)私は今回リザーブで出させてもらって、チームの流れを変えるという役目で出たはずなのに、それが果たせなかった原因として力不足を感じたので、スキルアップをしていきたいですね。あとは、エペの技が自分の中で確立していないので、「エペ」をちゃんとやりたいと思いました。自分の得意技とかも見つけていきたいです。
(村上)一つの技でもタイミングを変えたりすれば違う技にもなるので、タイミングを研究したり、個人のスキルアップですね。試合中も何でやられているのかを分析して、頭を使って試合ができる選手になりたいです。それで、分析したことをチーム内で共有したりして、本当の意味でのチーム戦をしていきたいなと思います。
フォトギャラリー
- 準優勝を果たした池田
- 力戦した都甲
- 身を粉にして戦った村上
王座総合成績 & 総括
関東学生リーグ戦、男女フルーレ、男子サーブル、女子エペと4つの優勝、そして女子サーブルが準優勝に輝いた。関東関西それぞれのリーグ戦上位2チームが今王座決定戦に進むことができ、今年は6種目中5種目が王座へ進出。各種目選手は今大会で大健闘の活躍を見せ、なんと3種目がNO.1に輝き、1種目が準優勝を果たした。「今までで一番いい結果」と大崎が今季の試合を振り返るように、リーグ戦では法政大学フェンシング部史上初となる男女総合優勝を果たし、この王座決定戦においても半分の種目で優勝を飾った。現時点で男女フルーレ、男子サーブルが無敗の2冠に輝いている。しかしまだ彼らはこの結果に満足していない。目指すはあらゆる大会での頂点。秋、そして冬に行われる関カレ、インカレ、そして全日本の舞台に向けて彼らの躍進は止まらないだろう。
種目 | 成績 |
---|---|
男子フルーレ | 優勝 |
女子フルーレ | 優勝 |
男子サーブル | 優勝 |
女子サーブル | 4位 |
女子エペ | 準優勝 |
大会終了後の法大陣