【ラグビー】関東大学春季大会 対早大 選手交代が功を奏し逆転勝利! 春を勝利で締めくくる
関東大学春季大会 グループB 対早大
2016年6月25日(土)
保土谷公園グラウンド
春季大会最終戦となる早大との試合。勝利で今大会を終えたい法大であったが、前半から風の影響もあり、セットプレーが安定しない苦しい展開が続く。それでも後半は途中出場のPR黒田、竹内がスクラムを安定させ、テンポあるラグビーを見せる。最終的にHO大澤のトライから逆転し、春を勝利で締めくくった。

HO大澤の逆転につながるトライ
試合結果
トータル試合結果
28 |
14 |
前半 | 14 | 26 早稲田大学 |
---|---|---|---|---|
14 | 後半 |
12 |
ポイント詳細
2/2 | T | 2/2 |
---|---|---|
2/2 | G | 2/1 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
※(カッコ内)は前半/後半表します
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 西内勇二 | 経4 | 東福岡 |
2 | HO | 大澤翔舞 | 営3 | 長崎北 |
3 | PR | 金子崇 | 社3 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社2 | 長崎北 |
5 | LO | 山根陵 | 現2 | 大津緑洋 |
6 | FL | ウォーカーアレックス拓也 | 社1 | 東福岡 |
7 | FL | 佐々木嵩穂 | 社1 | 桐蔭学園 |
8 | NO.8 | 内田健太 | 4 | 法政二 |
9 | SH | 根塚聖冴 | 経2 | 京都成章 |
10 | SO | 林修兵 | 社4 | 伏見工業 |
11 | WTB | 井上拓 | 社1 | 御所実業 |
12 | CTB | 長利完太 | 2 | 桐蔭学園 |
13 | CTB | 杉本悠太郎 | 経3 | 国学院久我山 |
14 | WTB | 奈良望 | 社2 | 秋田工業 |
15 | FB | 蛯名悠 | 4 | 浦和高校 |
16 | Re | 黒田圭汰 | 社3 | 報徳学園 |
17 | Re | 小谷将之 | 4 | 春日丘 |
18 | Re | 竹内広行 | 4 | 長崎南山 |
19 | Re | 大塚翼 | 4 | 日川 |
20 | Re | 小路央樹 | 経4 | 常翔啓光 |
21 | Re | 坂本泰敏 | 経4 | 常翔学園 |
22 | Re | 北島遥生 | 現3 | 常翔学園 |
23 | Re | 中井健人 | スポ2 | 筑紫 |
戦評
青学大に勝利し成績を五分に戻した法大。春季大会最終戦の相手は、エンジの伝統校、早大だ。応援に駆けつけた多くのファンのためにも絶対に勝利したい。
しかし、先制したのは早大だった。前半6分。スピードある縦の攻撃で、法大DFの間を抜きゲインされると、最後はWTBが右に飛び込みトライ。追いつきたい法大は12分に敵陣中央からのマイボールスクラムからボールを右隅に繋ぎ、最後はWTB奈良が飛び込みトライ。CTB長利がゴールを決め同点とする。さらに、法大の勢いは続く。14分、相手のノックオンを誘いそのスクラムから、No.8の内田から、ボールを受けたSH根塚がそのまま走り込みトライ。WTB井上のゴールも成功し、14ー7と勝ち越す。しかし、前半24分に課題であるスクラムを押されそのまま相手FWに飛び込まれ同点とされる。前半終了間際、法大は敵陣ゴールライン手前で攻め続けるも、トライを獲りきれず。14ー14の同点で前半を折り返す。

一時勝ち越しとなるトライを決めたSH根塚
後半、法大の攻めを防いだ早大が主導権を握る。後半5分、ゴール右に勝ち越しトライを決められると、10分にもBKのサインプレーからトライを決められ14-26となってしまう。
しかし、後半「スクラムが止まったのが良かった」(谷崎監督)と話すように、途中出場のPR黒田と竹内が押され続けたスクラムを安定させ、法大の攻撃のテンポが上がる。すると、28分にブレイクダウン付近の早大のディフェンスの立ち遅れを見たSH根塚が抜け出し独走。そのままトライを決める。中井のゴールも決まり、21-26。ここから、流れが法大に傾いた。35分にディフェンスの間を抜けた黒田からパスを受けた大澤が飛び込みトライ。中井のキックも成功し、ついに逆転。今日一番の盛り上がりを見せた。試合は、その後早大の攻めを防いだ法大の勝利となった。

トライに喜ぶ選手たち
春季大会を1つ勝ち越し3位で終えた法大。劇的な逆転勝利で、これ以上ない良い形で大会を締めくくった。この大会は多くの選手が成長した有意義な大会になったはずだ。しかし、FWのセットプレーなど、まだまだ成長できるところもある。それらを夏に強化し、克服する。そして、必ずや一段と強くなり、躍動する法大ラグビーを秋のリーグ戦で見せつけけてくれるはずだ。(藤原陸人)
監督・選手コメント
谷崎重幸監督
―今日の試合について
結果的にも良かったんですけど、やりきれたことが大きかったですね。
―前半はセットプレーに関して課題があったように見えましたが
そうですね。大いにありました。
―後半は選手交代が効いていたように見えましたが
選手を変えたことによって、スクラムが止まったことが良かったです。前半では押されていたので。それでもまだ2番目、3番目の選手のサポートに関してや最初のタックルでも、もっと下に入らなければいけないなどの課題は残りましたね。
―春季大会を終えて、今のチームに足りない部分はどこだと思いますか
まだまだ精度が足りないですね。どの試合でも2トライぐらいは余分に取れていてもおかしくないと思います。逆にミスしたところから相手に取られているので、2トライぐらいは抑えることができると思いますね。なので、試合を通して2トライ分ぐらいは取れたり、抑えるだけの成長の余地はありますね。相手に崩されたと言うよりも、自分たちで崩れてしまっている部分も多いので、チームとしてスクラムなどのセットプレーも含めて、より安定感が出てくればいいのかなと感じています。
―この大会を通して自分たちのラグビーの形を確立することができましたか
確立してきているとは思いますが、まだ物足りないですね。ディフェンスの場面でもっと縦への意識を持って、相手に動くスペースを与えないためにも前に出て欲しいです。
―春季大会の総括をお願いします
最初は大東大戦と慶大戦で負けて、その後も取ったり取られたりと大味な試合もありましたが、最終的には3勝2敗でこの大会を終えました。この時期はけが人とか教育実習などで主力選手を欠きながらも、いろんな選手を使うことができたので、チーム内競争も激しくなって、層の厚さも出てきたと思います。そういう意味ではみんなにチャンスを与えることができて良かったと感じていますね。
―秋のリーグ戦へ向けて
最初の4試合が勝負なので、夏の合宿でどういう入り方をするか、実りのある1ヶ月にすることができるかが鍵になってくると思いますね。
黒田圭汰(PR,途中出場からスクラムを安定させた)
―今日の試合を振り返って
早大にセットプレーで圧倒されていたので、セットプレーをもっと安定させられていたら得点につながったかなと思いました。
―前半はスクラムで苦しむ場面も見られましたが、外から見ていかがでしたか
相手は回して確実にターンオーバーしようという意図があったと思うし、マイボールもフッキングせずに押して反則を取るという感じだったと思います。そこをコントロールされていなければ、もっといい試合ができたんじゃないかと思いました。
―そんな中でも黒田選手が出場した後半はスクラムが安定しましたね
1番の(西内 )勇二さんから相手のことも聞いていたので、自分の中でどう組んだらいいかは分かっていました。リザーブとしてスクラムを安定させることは自分の役目なので、それが果たせて良かったと思っています。
―具体的にはどのようなことを考えてたいましたか
相手の1,3番が内に入ってくるという感じだったり、相手が近いとか何回も言われていたので、そういうことを注意していました。
―A戦は久しぶりの出場となりましたが
足首をけがしていて試合に出られなかったことが多かったんですけど、今日もいい感じで走れていたし、足首は完治しそうなので、夏合宿に向けて調子は上がっていると思います。
―課題の残るFW陣の上級生として考えていることや、みんなで話していることは
チームとしては、この春はセットプレーがうまくいかなかったのでそれを安定させて、BKにしっかりボールを出すということですね。個人的には低いプレーを法大は小さいので低いプレーで相手のゲインを取っていくという形が良いのかなと思います。
―春の収穫と課題は
収穫は春の1試合目に比べたらスクラムが良くなっているかなと思います。課題は体が小さい分、どうセットプレーを安定させるかということとか、ブレイクダウンとか実際の戦い方があると思うので、それを秋のシーズンまでに修復できたらいいなと思います。
―リーグに向けて取り組みたいことは
個人的にはアタックの面やディフェンスの面を強化したいです。自分自身まだ体が小さいので大きくして、秋のシーズンにはスクラムでもっと押せるように、「法政のスタメンは強いな」と思われるようにしていきたいと思います。
竹内広行(PR,同じく途中出場から力強いアタックでチームを支えた)
―今日の試合を振り返って
セットプレーが劣勢だったので、セットプレーを頑張ろうと思ってやりました。
―今日はリザーブからの途中出場でしたが、リザーブから見てて思ってたことは
ラインアウトとスクラムのセットプレーが良くなくて、相手はほぼパーフェクトでした。法政が結構苦戦してたので、試合に出たら、セットプレーを集中しようと思ってました。
―竹内選手が出場してから、セットプレーが安定し、勝利につながりました。試合中意識していたことは
セットプレーから全てが始まると思ってます。自分は突破とかはできないので、スクラムだけはやられないように頑張りました。
―早大のFWの印象について
すごく組みづらくて、苦しかったです。大きかったので、低く組むことを意識しました。
―夏の練習に取り組むなかで、FW全体で、あるいは個人で改善していきたいこと、やりたいことは
スクラム、ラインアウトを100%成功できるようにやっていきたいです。個人としては、今日の試合で最後ミスしてしまったが、「確実にボールを供給できる」ようにすることです。普段から絶対にできるように練習していきたいです。
―2連敗後、3連勝して、最後は良い形で終われたと思います。春期大会を振り返って
勝って終われて良かったと思います。
―最後に、秋のリーグ戦に向けて意気込みを一言お願いします
u20の日本代表で、自分と同じポジションの選手がいるので、その選手に負けずに、秋も自分がメンバーに入れるように頑張りたいと思います。
根塚聖冴(SH,テンポを生み出し自ら2トライを挙げる)
―今日の試合を振り返って
前半からずっと競った試合になってて、自分達の今季の持ち味が後半からの得点力なので、そこをしっかり出せました。それでシーズンの最後を勝ちきれたっていうのは良かったと思います。
―本日2トライの活躍ですが
最近はけがもあって、後半からのスタートで自分の力を出しきれてない部分がありました。なので今日はやろうって思いもありましたし、試合の入りから前も見れてて、空いてるところのチェックもしっかりできていました。そこで自分の持ち味でもあるランをしっかり出せたのは良かったかなって思います。
―2トライとも同じような形でのトライとなったが意識は
自分の持ち味が攻撃的なランなので空いたスペースは見逃さずに。空いたら自分で行けるという自信はあるので、そこを強気に行こうって意識で今日も臨みました。
―けがの箇所は
股関節のけがでした。今シーズンのAチームの試合は後半からの出場が多かったのもそういう理由です。
―SHといえばパスのイメージがありますが、ランが持ち味という話ですが
自分の一番の持ち味は突破力とテンポという攻撃的な部分なので、パスをさばくのも大事なんですけど、その中に自分の良さを入れていけたらいいなと思ってます。
―No.8の内田選手とのコンビネーションが冴えていたが
ここ最近は二人とも動きがよくて、息も合ってきてるので、自分からのパスアウトでラインブレイクしたりっていうのをやっていってます。
―坂本主将を始めとして、多くのライバルのいるSHのレギュラー争いは激しいと思うが
普段からスタメンだけを目指してプレーしているので、負ける気はないです。そこは貪欲にやっていきたいなと思います。
―春季大会全体を振り返って
去年はスタメン出場が多くて、今年はリザーブでなん試合か出させてもらって、ちょっと違う見方も見えてきて、去年よりも余裕をもってプレーできているかなと自分の中の印象であります。そこで自分の持ち味でもあるランを徐々に出していけているので、色々なことを経験した上での2年目なので、余裕が出てきているなと思います。
―夏の間の強化点は
スタッフが変わって戦術も大きく変わっているので、そこの落とし込みと個々の力が他校よりも劣っているので、そういった個々の力と戦術の落とし込みの2つができれば秋も勝っていけると思います。
―秋への意気込みをお願いします
自分の突破から勢いを作って勝っていきたいと思っているので、そこを見てください。
長利完太(CTB,特にディフェンスでチームに貢献)
―今日の試合は先発出場でしたが、試合前はどのような気持ちでしたか
今週はチームで合わせて練習をしていたので、いつも通りの練習でやってきたことを出そうと思っていました。
―どんなアピールをしようと試合に臨みましたか
自分の強みである「縦の突破」と周りに声かけをすることなど、自分にできることを意識して試合に入りました。
―前半のキックでの得点、距離のあるゴールとなったが
いつもの練習通り、リラックスして、力むことなく蹴ることができました。
―今日の試合は風が強かったが、影響などは
前半は風上でキックを積極的に使っていこうとしていきました。後半はキックで押されましたが、しっかり継続して前に出ることを意識してプレーしました。
―早大の印象は
スクラムとモール、セットプレーが安定していて、BKにタレントがいるので、そこをしっかりと止められたら良いなと思いながらプレーしていました。
―春季大会を振り返って
自分自身はAチームで出場することは少なかったですが、コーチ陣が変わり新しい体制になって、徐々に求められていることも明確に分かるようになってきて、対応できるようになりました。これに満足せずに秋につなげていけたら良いと思います。
―これからの合宿ではどのような点を調整するか
BKの細かい動きやムーブが全然上手くいっていないので、細かいところやチームの連携、組織的なところをもっと高めていけたらなと思います。
フォトギャラリー
HO大澤の逆転につながるトライ
最初のトライを決めたWTB奈良
SO林はキックで相手のミスを誘った
春季大会全試合出場を果たしたFLウォーカー(右)
チャージをかけるLO塩見
独走トライを決めたSH根塚
突破を図るPR西内
後半から出場し流れを変えたPR黒田