【リオ五輪特別インタビュー】第6弾~陸上競技 男子110mH 矢澤航選手~

陸上

【リオ五輪特別インタビュー】第6弾~陸上競技 男子110mH 矢澤航選手~


2016年7月14日(木)
市ヶ谷キャンパス

リオ五輪特別インタビュー第6弾は陸上競技男子110mHに出場する矢澤航選手(平25年度社会学部卒=デサントTC)。今年自己ベストを大きく更新し、リオでは日本記録更新を目指す矢澤選手に、五輪への思いをうかがった。

IMG 1912 R初の五輪出場となる矢澤

矢澤航選手コメント

ー五輪まで残りあとわずかとなりましたが、今のお気持ちは
今回初出場になりますが、こういった壮行会だったり色んな方々とお会いすることで、少しずつ気持ちが高まってきていて、五輪に向けてしっかり気を引きしめて準備していかなければならないなというような気持ちになっています。  

ー矢澤選手にとって、五輪にはどのような思いがありますか
4年前の日本選手権、ロンドン五輪の最終選考の舞台でフライング失格してしまって、夢だった舞台が完全に遠退いてしまったのですが、そのころはいけたらいいなくらいで考えていましたが、今回は絶対に行くという気持ちで4年間やってきましたので、夢の舞台でもありますし、目標の舞台でもあり、今はすごく晴れ晴れとした気持ちです。  

ー25歳という年齢で、五輪出場となりました
今回、日本の陸上競技は1991年生まれ、同期の選手が10名ほどいるのですが、やはりそういった同期が多いという強みがありますし、自分らの代は各種目に日本トップレベルの選手がいるということは自負していたので、同期が沢山いるということが心の支えになっているので、その強みをしっかり武器にしていきたいなと思っています。  

ー参加標準記録について、日本選手権前までに切りましたが
日本選手権の時点では、標準記録は切っておきたいなというプランとしてはあったので、布勢スプリントに関しては記録を切りにいくための舞台だったので、当然だなというのもありましたし、日本選手権はその分勝負の舞台だと思ったのでしっかり勝てるようなことを考えてやっていきました。  

ー日本選手権で1位でゴールした瞬間はどんなお気持ちでしたか
4年前悔しい思いをして、この4年間苦しいことの方が多くて、昨年度は特にけがばかりの1年だったので、その苦労などが報われたなという気持ちでゴールしました。  

ー参加標準記録13秒47は、今までの記録よりも大きく自己ベストを更新した記録ですが、その理由として1番に挙げられることは
今までも、練習であったりトレーニングの中で今回出したタイムに近いような動きであったり感覚は持っていたのですが、それに耐えられる身体、脚を持っていなかったというのがありました。それに対応できるような、けがしないような強い身体をこの一冬で作ってきたので、そういったことが、今回記録に結びついたかなとは思っています。  

ー日本人選手として、北京五輪以来の110mH五輪出場、そして約9年ぶりとなる13秒4台を出したことについてどのように感じていますか
偉大な先輩である内藤真人さん(2012年現役引退)がいらっしゃって、その選手がやはり僕の中での目標で、その選手に少しずつ近づいてきていて、もしかしたらというよりも今の時点で絶対に勝つぞという気持ちがありますが、現段階で13秒4台が出ているのは日本で僕だけなので、日本のトップという責任感は少し持ってきてはいます。日本記録が出てから12年経ちますが、誰が切るか切らないかという話をしている中でも、自分が切らなくてはいけないという気持ちは強いです。

ーいつごろから日本記録を意識していましたか
2014年ですかね。この年に日本記録に手が届くのではないかと、ほんとに淡い気持ちでしたが。それが核心に変わったのは、今年のシーズン明けてくらいから、これはもう本格的に狙える状態になっているなというのがありました。  

ー昨年は苦しい時期だったとおっしゃっていましたが、この1年でどのように力をつけていかれたのでしょうか
僕は4年前の日本選手権の失敗から、4年サイクルで考えてきていたので、昨シーズンは悪かったですが4年単位で見たときに、そういうシーズンもありますし、良いことと悪いことってたぶん悪いことの方が競技人生の中で多いと思うので。去年色々塞ぎこんだ時期もありましたが、もうそれは仕方がないのでしっかりやるべきことをやって目標はひとつだったので、そこに向けて気持ちを切らさないようにしていました。  

ー現在はどのような調整をして五輪に臨んでいますか
今は日本選手権でのトラブルをしっかり解決させて、少しずつ本格的に練習を積んでいます。  

ー日本選手権でのトラブルとは具体的にどのようなものだったのでしょうか
準決勝で、スタート前に両足がけいれんしてしまって。もう自分のマネジメント不足なんですけど。両足けいれんが起きたまま走ってしまったので、その翌日にそのけいれんした部分に痛みが残っていて、不安がある中だったので、その痛みがちょっと強く残っています。それを取る時期が少し時間かかったかなというのはあります。  ー少し話は変わりますが、矢澤選手が陸上を始めたきっかけは 小学校まで野球をやっていたのですが、自分は打つのがちょっと苦手であまり上手ではありませんでした。それでも、走りに関しては自信が1番あって、小学校の運動会のリレーの選手に6年連続で選ばれていたので、走りだったらいいんじゃないかなというのもあって、親の勧めもありまして始めたというのがきっかけですね。  

ー矢澤選手は高校、大学と法政に関わりがありましたが、ご自身にとって学生生活とはどのようなものでしたか
高校時代は、陸上は個人の戦いですが団体でも結構強かったので、チーム力をすごく感じたというのが高校の3年間でした。大学では、世界を意識していったような4年間でした。  

ーご自身の走りについて、強みは
以前まで、2012年のシーズンまでは1台目までが8歩でやっていたのですが、13年シーズンから7歩に変えました。それまでは前半の爆発力が武器だったのですが、いまは中盤以降のスピードの切り替えがいまの持ち味かなと思います。  

ースタート前はいつもどのようなことを意識していますか
直線種目で、隣の人が結構視界に入ってきたりするので、自分のことだけをしっかり考えられるようにということを意識しています。  

ー先日は結団式もありましたがいかがでしたか
想像していたよりも規模が全く違っていて、五輪ってそれだけ特別な舞台なんだなということを再認識しました。また、日本代表の選手たち、この人たちと同じユニフォームといいますか日の丸を背負ってやっていかなければいけないという責任感より一層感じました。  

ー最後に、五輪での目標とファンに向けてのメッセージをお願いします
夢の舞台で走れるので、自分らしい走りはもちろんですが、しっかり五輪の舞台で自己ベストを更新して、日本記録を更新できたらなと思っています。いつも応援してくださっている方がいて、その応援に応えるというのがアスリートにとってのパフォーマンスだと思っていて、しっかり自分のパフォーマンスで返していきたいと思うので、ぜひ見ていてください。

IMG 1914 R
五輪では日本記録更新を狙う 

<取材:羽根田萌 撮影:原口大輝>

フォトギャラリー

    • IMG 1912 R初の五輪へ挑む矢澤
    • DSC 0127 R日本選手権レース直後、喜びをあらわにしていた
    • IMG 2510 R壮行会では意気込みを語った
    • IMG 1923 Rインタビュー中の矢澤
          競技日程(日本時間)

        男子110mH予選 8月16日 8時40分~(NHK)

 

 

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