東京六大学準硬式野球木村杯新人戦
対立大戦
2021年11月6日(土)
早大東伏見グラウンド
春季木村杯新人戦で優勝した法大は前季準優勝の立大を相手に迎え、準決勝に挑んだ。2回表に先制点を奪われるも、裏の攻撃で打線が奮起。相手守備陣の乱調から好機を作り出すと、家木の犠飛や高橋の適時打などで一挙5点を奪った。勝利へと大きく近づいたと思われたが3回に適時打、5回に3点本塁打を浴びて失点を重ねてしまう。立大打線の執念に阻まれ、最大4点のリードから試合は振り出しに。6回に和泉の適時二塁打で逆転に成功するも、8回にスクイズと適時打、さらに9回にも適時打による失点で逆転を許した。再び勝ち越しはかなわず、準決勝敗退。2019年以来の木村杯新人戦春秋連覇ならず。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
立大 | 0 | 1 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | 1 | 9 | 12 | 3 |
法大 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 6 | 6 | 2 |
(立大) 川瀬、〇上岡-渡部、桑原
(法大) ●古川端、和田、鈴木-澤野
二塁打:和泉(6回)
盗塁:家木(1、4回)、澤野(2回)、小池(2回)、福本(5回)、唐橋(6回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 唐橋悠太(経2) | 桐光学園 | 4 | 1 | 0 | 1 |
2 | (8) | 家木優輔(スポ1) | 国立 | 1 | 0 | 1 | 2 |
PH8 | 松本笙(経1) | 星稜 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
3 | (4) | 高橋凌(社2) | 花巻東 | 3 | 1 | 2 | 1 |
4 | (7) | 和泉直人(文2) | 札幌第一 | 4 | 1 | 1 | 1 |
5 | (3) | 福本陽生(経2) | 星稜 | 4 | 1 | 0 | 1 |
6 | (9)1 | 鈴木歩夢(社2) | 明星 | 3 | 1 | 0 | 1 |
7 | (2) | 澤野智哉(社2) | 国士館 | 4 | 0 | 0 | 1 |
8 | DH | 小池永紀(スポ2) | 法政二 | 4 | 1 | 0 | 0 |
9 | 寺中陸人(人1) | 法政二 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
9 | (5) | 塩唐松宏将(社2) | 鳴門 | 3 | 0 | 0 | 0 |
PH | 吉田大晟(人2) | 小山台 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
5 | 余語哲匡(スポ2) | 法政二 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
P | (1) | 古川端晴輝(社1) | 花巻東 | ー | ー | ー | ー |
1 | 和田啓幹(現2) | 札幌第一 | ー | ー | ー | ー |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
古川端 | 8 | 11 | 3 | 4 | 8 |
和田 | 0 2/3 | 1 | 0 | 1 | 1 |
鈴木 | 0 1/3 | 0 | 0 | 1 | 0 |
戦評
秋季リーグ戦が閉幕し、今季最後の大会となる木村杯新人戦が始まった。春季大会で優勝を果たした法大は準決勝から登場。決勝で接戦を繰り広げた立大との一戦に臨んだ。
先発はルーキーながらも登板を重ね、この1年で着実に成長を続けている古川端晴輝(社1)。初回を3者凡退に抑える上々の立ち上がり。しかし相手クリーンナップを迎えた2回表、先頭打者に安打を許すとその後1死を奪うも二塁打で二三塁とされる。遊ゴロの間に三塁走者が生還し先制されるが、何とか最少失点にとどめた。
古川端の粘りに応えるべく野手陣は反撃をスタート。5番の福本陽生(経2)が安打を放つと続く鈴木歩夢(社2)が相手失策で出塁し、処理が遅れている間にそれぞれ塁を進めた。無死二三塁とチャンスが拡大すると7番・澤野智哉(社2)の打球は遊撃手の失策を誘い、2人の走者を返す。逆転に成功した法大は攻撃の手を緩めず、その後も澤野が盗塁を決め8番・小池永紀(スポ2)が安打でつなぎ無死一三塁と追加点を奪いにいく。9番の塩唐松宏将(社2)は三振に倒れるも小池が盗塁し、続く唐橋悠太(経2)も四球を選んで1死満塁を作る。得点を積み重ねたい中、2番の家木優輔(スポ1)が犠飛で1点を追加。それだけでは終わらず3番の高橋凌(社2)がすかさず適時打を放ち、さらに2点を重ねた。その後も4番の和泉直人(文2)が四球を選んで2死一三塁として、反撃の流れを作った福本に回すもさらなる得点はならず。相手守備の乱れを見逃さず、この回一気に5点を奪って大きくリードした。
大きな援護を受けた古川端は3回表、失策によって出塁させた走者を犠打で二塁に進められ適時打によって1点を返される。さらに5回表には四球で走者をためると、3点本塁打を浴び同点とされてしまう。
互いに負けられないと一進一退の攻防を見せるも、先に好機を生み出したのは法大。6回裏に先頭の唐橋が安打を放ち、家木も四球で出塁すると続く高橋がきっちりと犠打を決めて1死二三塁の形に。4番の和泉が見事チームの期待に応える適時二塁打で再び勝ち越しに成功。
このまま勝利をつかめるかと思われた8回表。内野安打で出塁させた走者を犠打で送られピンチを招くと、続く打者に安打と四球でつながれ断ち切ることができず。1死満塁からスクイズでまたも同点とされてしまう。2死二三塁となりもう1点も与えられない場面だったが、適時打で逆転され2点を追う展開に。
そのまま立大の勢いに押されて、攻撃の形を作ることができず。古川端に代わった和田啓幹(現2)が打線に捕まり、さらに最終回で1点を引き離され試合は終了。2019年以来の木村杯新人戦春秋連覇とはならなかった。
勝負には敗れたものの、打線のつながりなどといったチームの強みが発揮された新人戦。見つかった課題点も伸びしろと捉え、来年も法大らしい戦いを繰り広げてくれることに期待したい。
(記事、写真:山中麻祐子)
選手インタビュー
小池永紀
―今日を振り返って
序盤でもっと点が取れる場面もあったし、守備のバント処理とかのミスが出たのでそこら辺で負けてしまったかなと思います。
―新チームの課題は
序盤の満塁の場面で自分もそうだったんですけど、点が取り切れなかったので勝負強いバッティングとバント処理とか守備の基本的なことをもう一回ちゃんとやっていかないといけないかなと思います。
ー指名打者という役割で、打席に入る際に意識することは
周りのみんなが結構心強いので、とにかく後ろにつなごうと(意識しました)。DHとかはあまり関係なく頑張りました。
―自身のアピールポイントは
どちらかというとバッティングが自分の魅力だと思うので、練習からバッティングをアピールして試合に出られるように頑張りたいです。
―今後目指していきたいチーム像は
やっぱり今日みたいな試合を勝ち切れる勝負強いチームにしていきたいと思います。
家木優輔
―今日を振り返って
まず勝ちきれなかったというのが1番悔しいところです。自分はほぼ初めてこういうリーグ戦や新人戦でスタメンという形で出させていただいて、最低限の仕事(をこなして)もっとチームに貢献できるように自分の力を伸ばしていかないといけないなと今日の試合を通して感じました。チームとしては、やはりチャンスとかで点が取り切れなかったというのが1番改善するべきところかなと思っています。
―1、2年生だけのチームの雰囲気は
基本やっぱり2年生の方々がチームを引っ張ってくれて、それに1年生が付いていくっていう形です。チームの雰囲気としては良かったかなと思うので、ピンチの時とかに声が出なくなったり、そういう所が良くなってくればもっと強くなるチームだと思っています。
―チームの打撃の状態は
リーグ戦とかを見てても打率はあまり良くなかったと思うんですけど、練習の中では先輩方含めて皆さん打ってらっしゃるので、自分も含めて試合の中で実力が出しきれていないという面があるのかなというふうに考えていました。
―味方の失策もあったが、守備面での課題は
まずは球際とか要所でアウトを取りきるとか、そういう所が1番課題なんじゃないかなという風に思っているので、練習で自分含めて改善していきたいと思っています。
―オフシーズンで重点的に取り組みたいことは
とりあえず本元のリーグ戦というものでスタメンだったりメンバーに入るっていうのが自分の1番やらなければいけない事なので、打撃面もそうですし守備面ももっと強化していって、リーグ戦で自信を持ってプレイできるように、このオフシーズンの練習に取り組んでいきたいと思っています。